射手の統領

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射手の統領117 出汁の両横綱

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射手の統領
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№117 出汁の両横綱

 朝イチでデミズの町を出発し、進路を西南西へ。平野を2時間ちょっと進むと、海賊砦の見張りがある西の山が、ちょうど北に見える。ここで進路を南に取り、海を馬手側に見ながら進む。

 途中、手頃な海岸で昼餉の休憩を取った。海の様子は静かで、のんびりカモメが飛んでいる。うん、平和な風景だ。気分転換に釣りでもしたいが、そうも言ってられない。カゴンマで金剛鏑の情報を仕入れなければいけないから、無駄な寄り道はできないのだ。
 デミズの宿屋で聞いた話によると、デミズからカゴンマへは陸路で2日だそうだ。今日はダイセンまで行くのだが、ダイセンは、西の島航路の寄港地でもある。

 西の島航路は、宰府の海の玄関でもある三の島北西岸のハタカと、三の島の南の湾内西岸のカゴンマを起点として、西周り航路と東周り航路がある。
 ダイセンは西の島航路の西回り航路の寄港地で、西周り航路は、ハタカを出て三の島北西の半島の北西端から、瀬戸を経た西の島の対岸にあるラヒッド、ラヒッドを出て南下し、三の島の北西の半島を東へ回り込んで、その半島南西端にあるガサキ、北西の半島と入り組んだ奥の西岸が作るリーケア海やバラシマ湾などを突っ切って、三の島南岸西の半島であるマサツ半島の西岸付け根のダイセン、南岸西のマサツ半島の南西端クラキザ、そしてマサツ半島を回り込んで湾内西岸のカゴンマ。

 ダイセンまで行けば、三の島南岸のマサツ半島を山越えすることで、1日でカゴンマに行けるのだが、俺は西の島航路の西周り航路が、やたらと気になっている。
 と言うのも、ダイセンから西周り航路を使うと、カゴンマまでは2日掛かるのだが、それはマサツ半島を回り込むからである。で、途中の寄港地である、マサツ半島の南端にあるクラキザが、妙に気になると言うか、行ってみたいのだ。
 なぜかと言うと、クラキザはカツオ漁により、鰹節の重要な生産地なのだ。さらには、なんと、和の国の北の島である二の島の最北端西岸の対岸にある、リッチリ島名産リッチリ昆布の、外つ国へ出荷するための集積地でもあるのだ。
 結果として、和の国料理の根幹を成す出汁の二大巨頭が、クラキザで会する訳である。ぜひとも行ってみたいではないか!

 金剛鏑を得るために三の島を南下しているが、三の島遠征の目的であるエンの攻略は成ったから、もう死に物狂いで急ぐ必要はない。もちろん無駄な寄り道はできないけれどもな。
「なぁ、皆。相談なんだが、カゴンマへは、ダイセンから西の島航路で行きたいんだけど、いいかな?実はさ、クラキザに行ってみたいんだよ。」
「あらぁ、どうしてぇ?」
「うん、クラキザはさ、鰹節の産地だろ。それとさ、二の島のリッチリ昆布の集積地でもあるから、和の国料理の根幹を成す出汁の両横綱が揃う訳よ。いい品が手に入るんじゃないかと思ってさ。」
「アタル、いい思い付きですね。実は私もちょっと惹かれていたんです。」
「あら、そうなの?アタルはもともと商品の仕入には鼻が利くけど、専門のアキナまで興味を示してるんじゃあ、行かない手はないわね。ね、サジ。」
 こくり。
「じゃあさ、ダイセンで1泊したら西の島航路の廻船に乗ろうぜ。」
 そう言うことになった。

 夕方にはダイセンに着いたので、まずは山髙屋ダイセン支店に北斗号を預け、近くの宿屋を取った。
 そして夕餉に繰り出す。ダイセンはもうカゴンマの文化圏だから、夕餉はカゴンマ料理だ。カゴンマ料理と言えば、マサツ黒豚の豚丼、鰻、マサツ揚げ、きびなご料理、鶏飯、ガネ、白熊と言ったところか。あ、白熊は、豪勢なかき氷だから、料理とは違うな。笑
 俺は鰻をイチ押しである。何たってカゴンマを中心としたマサツ地方は、ママツに次いで、和の国2番目の鰻の産地なのだ。しかも、この辺りの鰻丼は、飯、蒲焼、飯、蒲焼と、二段重ねになっているものがあると言う。食わない手はない!
 しかし肉食の嫁たちは、マサツ黒豚、鶏飯、と肉押しである。多数決の結果、黒豚丼4票、鶏飯3票、鰻丼1票と言う惨憺たる結果だった。泣

 結局、マサツ黒豚の専門店に繰り出して、豚丼の他、とんしゃぶやとんテキなども含めた、黒豚フルコースを注文した。注文の量に、店の人が目ん玉をまん丸くしたのはご愛敬ってことで。苦笑
 うちの嫁たちは、皆、よく食うからな。俺は上品ぶって小食を装う女より、ガッツリ食う女が好きだ。いかにも健康的ではないか。それでいてスレンダーで小振りが好みなのだから、矛盾しているかもしれない。笑

 宿屋に戻って、デラックスツインに入る。
 今宵の輪番はタヅナ。じっくりねっとりで乱れやすいタヅナのことだ。最近マイブームのじっくりねっとり攻めで、きっと大いに乱れることだろう。楽しみだ。くふふのふ。

 …はい。タヅナさんは乱れましたとも。
 タヅナはじっくりねっとり行くと大いに乱れるのだが、今宵の乱れ方は半端なかったっす。

 途中から目が座って来たかなーと思ったら、俺を一気に俺を押し倒し、マイドラにむしゃぶりついて来たのだ。根性なしのマイドラは、あっさり歓喜の咆哮を上げて、とっととホワイトブレスを吐き出しやがった。ここで一旦終わると思ったのだが…、
 タヅナはくたったマイドラを手際よくしごいて復活させ、そのまま俺の上に跨りつつ、マイドラを秘所に誘導しようと…。
 すんでのところで止めたけどね。いや、結構危なかったよ。タヅナの目は完全にイッてたしね。てか、俺、よく自分を抑えたわ。褒めて!
 専務、例のアレ、マジで頼むわ。とっとと開発してくれ。

 翌日は宿屋でオーソドックスな朝餉を頂き、ゆるりとチェックアウト。
 山髙屋ダイセン支店で北斗号を引き取り、ダイセン港で、昼過ぎに出発する廻船の6人和室を取り、追加布団2組も注文。6人和室は、追加布団で8人まとめて泊まれる。皆で雑魚寝だけどな。
 しかし俺は、廻船でのこの雑魚寝が妙に気に入っている。いかにも家族旅行と言う感じではないか。俺は幼くして両親を亡くしたひとりっ子なので、家族旅行の思い出はない。もちろん叔父貴たちや家来どもがいたから寂しくはなかったがな。

 昼餉は、港の食堂で鶏飯を注文した。昨日の夕餉の投票で、マサツ黒豚についで次点だったのがこれだ。
 丼飯に鶏がらスープを注ぎ、生姜を入れてさっと茹でた鶏胸肉、錦糸卵、紅生姜、刻みのり、ネギのみじん切り、ゴマなどをトッピングして出来上がり。いたってシンプルな料理だが、これが実に旨い。薬味に柚子胡椒を効かせれば美味しさ倍増である。さらさらとお茶漬け感覚でいくらでも入るのだ。全員がお代わりしたのは言うまでもない。笑

 夕刻に出航した廻船は、三の島を弓手側に見ながら南下し、三の島の南岸のマサツ半島を回り込んで、翌朝には、マサツ半島の南端にあるクラキザへ着く。
 よって今宵は船室呑みである。嫁たちは、リラックスモードでネグリジェに着替えている。スケスケシースルーで実に艶めかしい。
 商都から二の島へレイの攻略に出発する前に、山髙屋の商都西本店で購入したのだ。大人嫁たちは、最初はあまり乗り気でなかったが、キョウちゃんズが興味を示してくれたおかげで買うことができた。
 ほんとはムフフなランジェリーもセットにしたかったのだが、そちらは却下されたので、嫁たちの誕生日に俺がプレゼントすることにしている。そう言えばそろそろ卯の月だから、サヤ姉の誕生日が来るな。

 クマモンで購入した、珍しい牛乳焼酎と、食堂で頼んだつまみのマサツ揚げとガネを肴に船室呑みが始まった。マサツ揚げはすでに和の国中に広まった練り物の揚げ物で、ガネはマサツ芋のかき揚げである。
 最初の頃は、お猪口3杯の和酒でコテッとなっていたキョウちゃんズも、成長モードに入ってからは、そこそこ行けるようになって来ているので、船室呑みは大いに盛り上がった。

 日の出前の、東の空がやや明るくなって来た頃、俺は眼を覚ました。嫁たちはまだ寝ている。当たり前か。笑
 俺は何の気なしに、酔い覚ましのつもりで甲板に出てみることにした。もっともひと晩寝て酔いは取れていたから、後から考えると、虫の知らせだったのかもしれない。
 外は明るくなって来ており、今日もいい天気だ。潮風が何とも心地よい。10時の方向の空が明るいので、お天道様が間もなく顔を出すだろう。
 ふっと弓手側の陸地を見ると山から黒煙が上がっている。なんだ?じっと目を凝らして見ると、チロチロと赤い炎も見える。山火事だ!
 近くにいた船員に声を掛けてみる。
「おい、あれ、山火事だよな?」
「そうじゃね。あん辺りは、キューシじゃろかね。」
「クラキザからどれくらいの距離だ?」
「ざっと、2里(8㎞)ってとこじゃろか。」
「クラキザまではあとどれくらい掛かる?」
「順調に行って2時間程じゃろね。」
 下船して馬で駆け付けて2時間半ってとこか。

 俺は和室に戻って嫁たちに事情を話し、クラキザでの下船と、キューシへの救援を告げた。
「山火事の消火の手伝いに、ウズの水撃矢とレイの氷撃矢が使えると思うんだ。クラキザで下船して、俺はノアールでキューシに駆け付けようと思う。残り3頭に北斗号を曳かせて、後を追ってくれるか?」
「「「「了解。」」」」「「はいなぁ。」」「りょ…。」了解の意味だな。サジ姉の返事は相変わらず短い。苦笑

 船長に事情を話し、クラキザへ入港するとともに、北斗号で下船した。俺はノアールに乗って、キューシに先行する。残り3頭で北斗号をキューシに曳いて来るのだ。

 速ぇぇぇ。怖ぇぇぇ。チビるぅぅぅ。
 馬上の俺は、ノアールの背にしがみつきながら、慣れない襲歩に、マジ泣きしそうになっていた。
 クラキザから平地を西北西に、平地の端から先は小高い山の間を北西へ。さほど大きくない川に出たら、川に沿って西へ。
 途中、ノアールに水を飲ませ、ちょっこっら20分でキューシに着いた。

 キューシは、山にあるポンカンやタンカンなど柑橘類の果樹園農業と、近海での漁業が生業の農漁村だが、山が焼けたら果樹の収入がなくなる。村人総出で山火事の消火に当たっていたが、山へは水の運搬もままならない。
「助っ人に来た。」
「おお、あいがて。山に水を運んで欲しか。」
 俺はそれには答えずに、
「ウズ、5倍。連射するぞ。」
『おう。』
 5倍水撃矢を山火事に向かって連射すると、着弾とともに、火が出ていた木からジュージューと音を立てて火勢が一気に弱まった。
「な…!」水を運んでくれと言って来た奴が絶句している。後で分かったが、こいつはキューシの村長だった。
「レイ、5倍。連射する。」
『おう。』
 5倍氷撃矢が辺りから熱を奪って、さらに火勢を奪って行く。
 俺が水撃矢と氷撃矢を交互に使って行くと、山火事の勢いが一気に弱くなって行った。これを見ていたまわりの村人は呆然としている。
「おい、お前ら、消火の手を止めるな。」
 村人たちは、一旦止まっていた消火作業を再開した。

 山火事が鎮火し、消火作業が一段落着いた。
「おい、ケガ人はいないか?」呆然としている村人たちに聞くと、
「火傷したもんが、何人かおっど。」と返事が帰って来た。
「もうすぐ俺の仲間が来る。その中に医薬師がいるから治療してもらえ。」
「そりゃ、あいがて。」
「それから山火事の跡を見回ろう。もし種火が残ってて燻ってる所があったら、再燃するかもしれん。そうならないように、徹底的に消そうぜ。」
「おお、そじゃ。皆の衆、行きもんそ。じゃっどん、ケガ人は残っとき。」
「当然だが、俺も行くぞ。」
「おお、あいがて。おいは村長じゃっどん、おまんさぁは、何者でごわすか?」
「俺か?俺はアタル、パーティはセプト。」

 果樹の1/3は焼けていてダメそうだったが、2/3はなんとか無事に残った。
「アタルさぁが、駆け付けてくいたおかげじゃあ。」村長は上機嫌である。
 途中、妙な果樹があった。1本の大きな柑橘類の木にいろんな枝ぶりの枝が生えている。
「なんだ、これ?」
「アタルさぁ、こん木は珍しかろ?」
「ああ、1本の木から、いろんな種類の枝が出ているな…。」
「ポンカン、タンカン、ザボン、はっさく、すだち、温州みかん、夏みかん、ゆずが、1本の木から枝分かれしちょっど。」
 村長が1本1本の枝の種類を指し示しながら、自慢げに教えてくれたのだが、なぜ自慢げなのだろう?
「接ぎ木か?」
「よう見た。正解じゃ。おいの爺さんが、カラタチの台木にシャレでいろいろな枝を接いだんじゃ。こん木が無事ん残って、ほんのこてよかったど。」
 なるほどな。爺さんの茶目っ気が村長の自慢な訳だ。そして村長は、この木が焼けずに残ったことを心底喜んでいるようだ。本当に嬉しそうに笑っている。なんか、俺も村長に釣られて嬉しくなった。

 村人たちと俺は、山火事の完全鎮火を見届けて、キューシの村に下山した。すると北斗号が到着していて、サジ姉が火傷をした村人たちを治療している真っ最中であった。
 治療も終わり、俺たちがクラキザへ帰ろうとすると、村長がこれから鎮火祝いの祭りをやるから、今宵は村に泊って行けと言う。クラキザに行ってもどうせ宿屋に泊まるだけなので、俺たちは村長のお言葉に甘えることにした。
 村の祭りで出店許可をもらい、北斗号の商品を売りに出した。商都仕入の簪や櫛などの装飾品、紅や白粉の化粧品は物珍しさも相まって、村の女性のほとんどが買ってくれたが、小さな村のことである。売れる量はたかが知れている。早々に店仕舞いとなった。

 キューシは、漁業と果樹農業の村である。祭り宴会のつまみには、この辺りの名物のきびなご料理が出て来た。刺身、唐揚げ、串焼き。どれも、酒の肴にはもって来いだ。
 酒は、この村の家々で仕込んだ芋焼酎を持ち寄っており、野趣溢れる個性的な風味が最高である。ちろり言う一合入る錫器に芋焼酎を入れて、燗して呑むと五臓六腑に染み渡る。あぁ、旨い。百薬の長とか、命の水とかは、酒の別名だが、よく言ったものだ。

「じゃっどん、アタルさぁのパーティは、ほんのこて、別嬪揃いでごわすなぁ。」
 村の男衆は、別嬪揃いの嫁たちの所に酌をしに来ている。特に火傷を治療しまくったサジ姉の人気は物凄い。しかし、うちの嫁に近付くには、村の男衆にとって、最大の難関が待ち受けていた。
 呑ませ上手、煽り上手のキョウちゃんズである。
 ここでもキョウちゃんズが、どす黒い微笑みを浮かべ、カモとなり果てた村の男衆を潰しに掛かっていた。
「兄さん、いい男ぶりやわぁ。ほらほら、呑んだってや。」
「兄さん、逞しなぁ。惚れ惚れするわぁ。ほらほら、空けたってぇな。」
「流石三の島の男やわぁ。和の島の男どもとは、呑みっぷりが違うなぁ。な、ウキョウ。」
「ほんまや、ほんにええ呑みっぷりやわぁ。シビれてまうがな。な、サキョウ。」
 うーん、相変わらず絶好調、いや、舌好調じゃん。笑

 え?キョウちゃんズを止めないのかって?もちろん俺は止めないよ。止める訳がない!だって止めたら、村の男衆は嫁たちの所に来るじゃんよ。
 そのうち、村の男衆の多くがキョウちゃんズのまわりに転がり出していた。笑
 まぁ、明日は二日酔でひどい目に遭うだろうが、それは自業自得って奴で。何たってうちのキョウちゃんズは注いだだけだからな。呑んだのは村の男衆だ。どうなろうが俺は知ったこっちゃない。自己責任だ!
「「くふふふふ。」」キョウちゃんズ、すっかり満足気である。

 キョウちゃんズ台風が、村の男衆をずたぼろに席巻していた頃、俺は村長と話し込んでいた。
「ふーん、アタルさぁは龍ば封ずっ石ば、探しちょっとか。」
「そうなんだ。宰府で、カゴンマに行けば詳しく聞けると言う話を聞いてな。」
「村長、そいやったら、サクラの火山島に祀られとる龍神石じゃなかとじゃろか?」横の男が村長に言った。
「おいもそう思うちょったど。」
「サクラの火山島?」
「カゴンマ湾のど真ん中に鎮座する火の山じゃ。いつも煙ば吐いちょる。そん山頂に祠があって、そこに龍神石ばぁ祀っておりもした。最近はサクラの火山島がえろう灰ば吹くっとじゃに、祠は8合目に移しもした。じゃっどんカゴンマのギルドかい、許可が下りんば持ち出せんじゃろなぁ。」
「掛け合ってみるさ。」
「ちょい待っちょって。」村長は何やらいったん引っ込んで、しばらくしてから出て来た。そして手紙をくれた。

「こいは紹介状じゃ。アタルさぁが、山火事の消火に駆け付けてくいたこつ、ウズどんとレイどんの力ば使うち、山火事を消火をしてくいたこつを書いとっとじゃ。」
「わざわざありがとう。恩に着るよ。」
「なんば言うちょっと。恩に着るんはこっちでごわす。まっこて、こん通りじゃ。」村長は深々と頭を下げた。
「いやいや、もう散々礼は言われたからいいって。」
「まだ足りんぐらいじゃ。ところで明日は廻船に乗っとな?」
「ああ、そのつもりだよ。」

「あげん立派な馬車があっとじゃっで、陸路でかい、ビュドヤに寄って行けばよかとじゃに。」
「ビュドヤ?」
「砂風呂で有名な温泉地じゃっど。」
「砂風呂?」
 村長の話によると、砂風呂とは、地熱で温まった砂に埋もれてびっしょり汗をかくスタイルの温泉らしい。もちろん普通の温泉もある。ぜひ行ってみたい!いいこと聞いた。

 夜遅くまで村人総出の祭りは続き、俺たちは大いに祭りの呑み食いを堪能したのだった。
 そして祭りは深夜に終わり、その夜、俺たちは北斗号に泊まった。

 翌朝、北斗号でクラキザに戻り、鰹節工場に行って、本枯節を大量に購入した。さらには、リッチリ昆布の集積場に行き、保管蔵からリッチリ昆布の極上品を仕入れた。やはり、リッチリ島と渡し航路で直接結ばれているワカナで仕入れた物には敵わないが、ここで手に入れたリッチリ昆布も、なかなかの品質だった。

 目的の二大出汁を無事ゲットした俺たちは、俺の強い提案で、廻船をやめて陸路を取ることにしたのだ。ビュドヤ経由カゴンマ行である。
 砂風呂が俺を待っている。

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設定を更新しました。R4/9/18

更新は月水金の週3日ペースを予定しています。

2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739

カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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