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射手の統領102 藍凍龍攻略
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射手の統領
Zu-Y
№102 藍凍龍攻略
翌日、宿屋の食堂で朝餉を摂りながら、今後の作戦を練った。とにかく、先に藍凍龍を攻略してから、シカオの畜村への物資の輸送だ。
藍凍龍攻略戦で、形勢が不利になったら、無理せずビヒロに撤退すると言うことで、まずはビヒロギルドに人数分の流邏石を登録する。藍凍龍を攻略するまでは、北斗号はビヒロに留め置く。藍凍龍から北斗号を襲撃されたら、俺たちは流邏石で緊急避難できても、馬たちと北斗号は流邏石で飛ばせないからだ。
今日は、俺ひとりでシカオの大雪原へ行くことにした。七神龍の気配が分かる操龍弓を駆使して、藍凍龍の棲処を突き止め、流邏矢を登録して帰って来るのだ。
嫁たちは留守番なので、残りの積荷を売り捌いてもらおう。
ビヒロギルドで流邏石8個を登録して皆に配り、道具屋でショートスキーとストック、それに方位磁針を購入した。
いよいよ出発だ。俺はショートスキーを履いてビヒロの町を出た。
ビヒロを出て北西に進むとシカオの畜村があるが、シカオの畜村はシカオの大雪原の西寄りなので、シカオの大雪原の中心を目指して、方位磁針を頼りにビヒロから北に進んだ。
ビヒロの町では、天候は曇りだったが、町を出てしばらくすると雪が降り出した。これも藍凍龍の影響だろうか。
ストックを持ちながら、操龍弓をかざして延々と進むと、操龍弓を通して藍凍龍の気配が感じられるようになった。確実に近付いて行ってる。藍凍龍に近付くに従って降雪量は増えて来ており、それに伴って視界も悪化して来た。
風こそないが、風が出たら即吹雪となるだろう。そうなると視界もさらにひどくなる、いわゆるホワイトアウトと言う現象だ。
ひょっとすると今までで一番きつい攻略になるかもしれん。もっとも今までの3回はどれも七神龍が眠っていたところを奇襲したために、比較的楽だったのだ。
ショートスキーでの雪中行軍のため、進みはそこそこだが、それなりに疲れる。しかもまわり一面が真っ白なため、油断すると方向が分からなくなってしまう。方位磁針を持って来てよかった。
方位磁針と操龍弓の気配探知で、ビヒロからほぼ北に進んで来た。雪はきついが、セプトで揃えた濃紺の外套が防寒に優れているため、寒さは大してきつくない。
黙々と北に向かって歩いているといきなり念話が飛んで来た。
『小僧、余の領域と知って近付くか?』藍凍龍だ!
きょろきょろと辺りを見回す素振りをして誤魔化しつつ、俺は取り敢えず、流邏矢の乙矢を取ってその場を登録した。
両手で両頬をパンパンと叩き、藍凍龍の念話が空耳だったと判断したような演技をしてみる。
『空耳ではないわ。紛れ込んだようだの?引き返すがよい。さすれば命までは取らぬ。』
「誰だー?物の怪の類か?」俺は叫んだ。
『引き返せと言うたであろう。警告はここまでだ。引き返さねば食ろうてやるぞ。』
「俺はアタルだ。姿を現して名乗れー。」
『ほう、名乗るか。威勢がいいな。余は藍凍龍。貴様の勇気に免じて 姿を見せてやろう。』
眼の前に藍凍龍が現れた。
「龍か?随分でかいのだな。」
「ほう、余を恐れぬか?」藍凍龍は、念話ではなく直接話し掛けて来た。
「話が通じるからな。俺はそなたの領域に紛れ込んだのか?だとしたら申し訳ない。シカオの畜村に行きたいのだがこちらではないのか?」
「西だ。」
「そうか。ありがとう。邪魔して申し訳なかった。」俺は西に向かって歩き出した。
「待て。」
「まだ何か?」
「信じるのか?」
「え?嘘だったのか?」
「いや、嘘ではないが、余がお前を騙しているとは思わなかったのか?」
「なぜそんなことを聞く?俺にはそなたが嘘をつく理由が思い当たらない。」
「そうか。なかなか面白い奴だ。」
「明るいうちにシカオの畜村に着きたいのでもう行くぞ。世話になったな。」
「ふん。行くがいい。」
藍凍龍はその場を去る振りをして、そっとついて来ている。操龍弓の気配探知でバレバレなんだがな。俺に興味を持ったようだ。しばらく行ってから流邏石でビヒロに飛ぼうかと思ったが、ついて来ているうちは畜村を目指さねばなるまいな。
どうする?流邏石で飛んだら怪しまれような。明日以降の攻略に悪影響が出るかもしれん。そうだ、一か八かやってみるか。
「藍凍龍よ。まだ何か用があるのか?」
「ほう、余がいることがよく分かったな。」
「ついて来る気配がしているのでな。」
「人は余を見ると恐れおののく。お前のような奴は初めてでな。」
「ではしばらく話そうか。話し相手がいると、旅は楽しくなる。」
「ふん、余を旅の道連れにするか。肝の座った奴だ。ところで、お前はなぜシカオの畜村へ行く?」
「場所を確かめたいのだ。雪に閉ざされて難儀をしているようなので、物資を運び込む。馬車で物資を輸送する際に迷わぬように、事前に場所の下見に行くのだ。」
「なぜ雪に閉ざされていると思う?」
「冬に雪が降るのは当たり前だ。」
「余が降らせているのだ。」
「そうか、ありがたいことだ。」
「なんだと?」
「冬に雪が降らねば、夏に水が不足して難儀する。」
「その通りだが、その分、今、雪で難儀しているのだろう?」
「まあ、確かにそうなのだが、毎年のことゆえ、シカオの民は雪に閉ざされることに慣れておる。シカオの民にとっては、冬の雪より夏の水不足の方が難儀しよう。夏の水不足には慣れてないからな。」
「ふむ、やはり面白い奴だ。」藍凍龍はしばらくついて来た後に去って行った。
俺はそのまま進んで日が暮れる頃、いまだビヒロの畜村は見当たらなかったが、念のためにその場所を流邏矢の甲矢に登録して、流邏石でビヒロに飛んだ。
宿屋に戻って嫁たちと合流し、今日の首尾について嫁たちと情報交換した。
まず俺から、藍凍龍の棲家を特定したことと、その流れで藍凍龍と遭遇した経緯を語った。
「それはなかなか面白い展開になったわね。ね、サジ。」
こくり。
「こちらは、お昼過ぎには、商品を完売しました。」
「じゃあ、その後はどうしてたの?」
「禊に…使える…ところを…探した…。」俺たちは、七神龍攻略直前に禊をして身を清めることにしている。
「ビヒロの町にぃ、いい温泉がぁ、ありましたぁ。」ほう、それはちょうどいいな。
「湯屋なんやけどな、貸切浴室も仰山あったで。」
「モール泉っちゅう温泉やったわ。しかも源泉掛け流しや。」
「そうか、じゃぁ皆で…。」行こうと言おうとしたのだが、
「もちろん入って来たぞ。とてもいい湯だった。きっとアタルも気に入ると思うぞ。」ですよねー。泣
「この宿屋から結構近いのよ。アタルも後で行って来るといいわ。」
「ああ。ところで、誰か一緒に行かないか?」湯屋に誘ってみたが、
「今夜は…嫁会議…。」と、バッサリ。
「ほな、嫁会議に備えて腹ごしらえやー。」「うち、もうお腹ペコペコやわ。」
で、夕餉は豚丼を食べに来ている。
豚丼もビヒロの名物で、手頃な大きさに切った豚肉を炭火で焼いてタレを付け、
それを何枚もまとめて、熱々の飯の上に乗っけただけのシンプルな丼物だ。ガッツリと食いでがあるので、うちの嫁たち、とくにキョウちゃんズが好む料理だ。
タレが豚肉にマッチしていて、飯がいくらでも行ける。もちろんキョウちゃんズはお代わりしていた。笑
宿屋に戻ってからひとり寂しく湯屋に行き、温泉の大浴場にゆったり浸かって今日の疲れを取る。湯は褐色系でトロっとしているから、ややアルカリ寄りであろう。あまりの気持ちよさに、湯船でうとうとしてしまった。苦笑
宿屋に戻ると、今夜は嫁会議で、部屋には誰もいなかった。まぁいい。明日の藍凍龍攻略に備えてとっとと寝よう。
翌朝、早々に宿屋で朝餉を摂って湯屋に行った。
貸切浴室をひとつ借り、皆で薄手の白い浴衣に着替える。必勝祈願の水垢離は、メンバー全員で浴衣のまま湯に浸かり、身を清めるのだ。水垢離と言っても水でなくてもよい。原則は湧水だが、温泉での代用も可である。まぁ、温泉も温かい湧水だからな。
薄手の浴衣は白い布だから、湯に浸かれば当然透ける。皆の頂が、それぞれツンと存在を主張しているではないか。
サジ姉は桃色、サジ姉は桜色、ホサキはベージュ、アキナは紅色、タヅナは栗色、サキョウとウキョウはともに薄めの赤茶色だ。するとマイサンがマイドラゴンと化す。こればかりは仕方ない。
水垢離という名の禊の入浴を終え、身を清めた俺たちは、それぞれの基本装備を身に付け、さらに全員がショートスキーを履いてストックを持ち、藍凍龍攻略へと出陣だ。
昨日登録して来た流邏矢の乙矢で、皆をシカオの大雪原にピストン輸送で運ぶ。
第一陣はサヤ姉とサジ姉とホサキ。ピストン輸送中に仕掛けられた場合は、原則は各自の流邏石でビヒロに戻るのだが、帰還できないときは、藍凍龍の攻撃を凌ぐために、盾槍士のホサキの防御力と、医薬士のサジ姉の回復の術は必須だ。そしてふたりの護衛には剣士のサヤ姉の近距離攻撃が物を言う。
第二陣はサキョウとウキョウ。敵の攻勢の出鼻を挫くのには、デバフ特化陰士のサキョウとバフ特化陰士のウキョウの支援の術が必須。そして、最後の第三陣は射手モードのアキナと騎馬ではなく徒歩で薙刀のタヅナ。
全員のピストン輸送が終わったとき、ホサキは自在の盾を展開しており、さらに皆が揃ったのを見計らって、ウキョウが皆に各種バフの術を掛けた。
『昨日の小僧か?昨日は紛れ込んだゆえ見逃してやったが、今日は紛れ込んだとは言わせぬぞ。』藍凍龍の念話が飛んで来た。
「藍凍龍、お前に用があって来たのだ。」
「何用だ?」藍凍龍が現れた。
「わが眷属となって力を貸せ。」
「なんだと?バカも休み休み…。」
俺はサキョウに目配せをした。するとサキョウが、藍凍龍の言葉の途中で、遠慮なく各種デバフの術を次々と撃ち込んだ。
「ぐぬぬぬ、なんだこれは?」藍凍龍がデバフの術の不意討ちを受けて呻いた。
「ウズ、5倍。連射する。」
『おう。』
水撃矢が纏った5倍の水が、藍凍龍に触れた瞬間に凍り付き、藍凍龍の体をみるみる氷漬けにして行った。
藍凍龍は暴れて氷を砕こうとするが、デバフの術で動きが散漫となり、思うように砕けない。一方、俺は追撃の5倍水撃矢を連射して氷の層を厚くして行った。
「おのれ小癪な。」
藍凍龍は氷のブレスを吐いたが、バフの術を受けたホサキの鉄壁の盾防御で俺たちにダメージは届かない。
「ライ、5倍を連射。」
『おう。』
飛来する5倍雷撃矢を嚙み砕いた藍凍龍は、矢に付加した属性の雷撃をまともに受けた。
「グオオオオ。」再び咆哮。下半身から2/3を氷漬けに固定され、自由になる1/3の上半身を振り回して、氷からの脱出を図っているが、デバフの影響で渾身の力を出せず、もがいている。
「シン、5倍で連射。」
『おう。』
藍凍龍に向かって弓手側に5倍震撃矢を集めた結果、その片側からの一方的な振動によって、バランスを崩した藍凍龍がドウと倒れた。
「おのれ小僧!」上半身だけをもたげたが、相変わらず氷漬けの下半身が言うことを聞かないようだ。
この隙に、サヤ姉とタヅナが、倒れた上半身の反対側に展開した。
アキナからの遠矢を、俺の属性矢と思い込んだ藍凍龍は、その矢を避けるように仰け反ったので大きな隙ができ、そこへサヤ姉が二刀流剣舞で、タヅナが旋回切りで、果敢に挑む。もちろん藍凍龍の固い鱗を貫通することはできないが、藍凍龍を苛立たせるには十分だった。
「もはや手加減せぬ。」藍凍龍が気を溜め始めた。気を高めて一気に放出する起死回生の大技だ。キター!
俺は操龍弓を高く掲げ、金剛鏑を装着した封龍矢を番えて引き絞る。操龍弓が藍凍龍の高まる気に呼応し、封龍矢の纏う気がぐんぐん高まって行く。封龍矢が物凄い気の高まりで輝きを放ち出すと、藍凍龍はようやく気付いた。
「しまった!」藍凍龍が眼を見開いて固まった。
次の瞬間、俺が放った封龍矢は、狙い違わず急所の眉間を捉えた。眉間にめり込んだ封龍矢の金剛鏑から、凄まじい量の気が藍凍龍を襲い、藍凍龍は藍色に輝き出した。
「グオオオオオ!」凄まじい咆哮とともに、藍凍龍の全身は無数の藍色の粒子になって、その粒子は渦を巻きながら金剛鏑に吸い込まれて行く。下半身からの藍色の光の粒子は、下半身を氷漬けにした氷を粉砕して、いったん周りに拡がった後、Uターンして金剛鏑へと収束して行った。
凄ぇ。やっぱ凄ぇな。この光景は。
戻りの箙に封龍矢が戻った。金剛鏑は藍色に輝いている。
藍色に発光する金剛鏑を封龍矢から取り外し、皆で金剛鏑を覗き込むと、金剛鏑の中で藍色の光の粒子が渦を巻き出して、藍凍龍の形に変化して行った。ライ、ウズ、シンのときと、まったく同じだ。
そして、藍凍龍の形が完成すると同時に念話が来た。
『操龍弓と封龍矢だな。』
「そうだ。」
『操龍弓の遣い手は死んだと聞いていたが間違いであったか。』
「いや、お前が言う使い手は俺の親父どのだろう。すでに逝った。」
『そうか。ところでお前は、黄金龍、蒼碧龍、橙土龍を従えているな。』
「ああ。3人ともわが眷属だ。その上、わが師でもあり、わが同士でもある。」
『昨日のあの態度、どうも妙だと思ったのだ。神龍を見慣れておったのだな。道理で余を恐れぬはずよな。』
「藍凍龍よ、そなたもわが眷属となりて、その大いなる力を俺に貸せ。」
『ふむ。余は負けたのだ。従おう。ご主人よ、名を所望。』
「レイ。冷凍のレイ。どうだ?」
『余に相応しき良い名だ。』
「では改めてよろしくな、レイ。俺のことはアタルと呼んでくれ。」
『分かった。アタルよ。余が力、存分に使うがよい。』
「期待しているぞ。そして、ライ、ウズ、シンとともによき相談相手となってくれ。」
『うむ。よろしく頼む。それから奥方たちもよろしくな。余がレイだ。』
「「「「よろしく。」」」」「よろ…。」「「レイはん、よろしゅう。」」
「ウキョウ。」
俺はウキョウにレイ鏑を渡した。するとウキョウの体が藍色に光った。
「やったー、ふたつ目の適性やー。」ウキョウがレイ鏑を握った右手を真上に掲げた。
「抜かれてしもたなぁ。」サキョウが言葉とは裏腹にウキョウを称え、一緒に喜んでいる。
「今はな。でも適性の数は、サキョウもうちも3つやん。」
「せやなー。後は…。」
サキョウとウキョウがシンクロして俺を見た。じゅるっ×2。怖い怖い。肉食獣だ!
「もう少し待て。俺にも心の準備が。」
「アタル兄、何を生娘みたいなこと、言っとるんや。」いや、生娘はお前らだろ。
「せやで、とっとと腹括りぃな。いい加減、女々しいで。」女々しいって、お前らが男前過ぎるんだよ。
「くっ。…ふたりがもうちょっと成長したらな。まだ、何というか、その…、子供が相手だと言う罪悪感が…。」
「うちらの体を、あれだけ隅から隅まで弄繰り回しといて、よう言うわ!」
「ほんまやで。うちらの、のの様のひだの数までよう知っとるくせに。」
「な、な、な、なんちゅーことを言うんだっ!」焦りまくる俺を見て、大人嫁たちと、神龍たちが大爆笑した。
え、ひょっとして俺、おちょくられたのか?ガキンチョふたりに?…ちっくしょー!
キョウちゃんズは、ささやかな胸を突き出して、ふんぞり返りながらニマニマのドヤ顔をシンクロさせていたのだった。泣
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/8/14
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№102 藍凍龍攻略
翌日、宿屋の食堂で朝餉を摂りながら、今後の作戦を練った。とにかく、先に藍凍龍を攻略してから、シカオの畜村への物資の輸送だ。
藍凍龍攻略戦で、形勢が不利になったら、無理せずビヒロに撤退すると言うことで、まずはビヒロギルドに人数分の流邏石を登録する。藍凍龍を攻略するまでは、北斗号はビヒロに留め置く。藍凍龍から北斗号を襲撃されたら、俺たちは流邏石で緊急避難できても、馬たちと北斗号は流邏石で飛ばせないからだ。
今日は、俺ひとりでシカオの大雪原へ行くことにした。七神龍の気配が分かる操龍弓を駆使して、藍凍龍の棲処を突き止め、流邏矢を登録して帰って来るのだ。
嫁たちは留守番なので、残りの積荷を売り捌いてもらおう。
ビヒロギルドで流邏石8個を登録して皆に配り、道具屋でショートスキーとストック、それに方位磁針を購入した。
いよいよ出発だ。俺はショートスキーを履いてビヒロの町を出た。
ビヒロを出て北西に進むとシカオの畜村があるが、シカオの畜村はシカオの大雪原の西寄りなので、シカオの大雪原の中心を目指して、方位磁針を頼りにビヒロから北に進んだ。
ビヒロの町では、天候は曇りだったが、町を出てしばらくすると雪が降り出した。これも藍凍龍の影響だろうか。
ストックを持ちながら、操龍弓をかざして延々と進むと、操龍弓を通して藍凍龍の気配が感じられるようになった。確実に近付いて行ってる。藍凍龍に近付くに従って降雪量は増えて来ており、それに伴って視界も悪化して来た。
風こそないが、風が出たら即吹雪となるだろう。そうなると視界もさらにひどくなる、いわゆるホワイトアウトと言う現象だ。
ひょっとすると今までで一番きつい攻略になるかもしれん。もっとも今までの3回はどれも七神龍が眠っていたところを奇襲したために、比較的楽だったのだ。
ショートスキーでの雪中行軍のため、進みはそこそこだが、それなりに疲れる。しかもまわり一面が真っ白なため、油断すると方向が分からなくなってしまう。方位磁針を持って来てよかった。
方位磁針と操龍弓の気配探知で、ビヒロからほぼ北に進んで来た。雪はきついが、セプトで揃えた濃紺の外套が防寒に優れているため、寒さは大してきつくない。
黙々と北に向かって歩いているといきなり念話が飛んで来た。
『小僧、余の領域と知って近付くか?』藍凍龍だ!
きょろきょろと辺りを見回す素振りをして誤魔化しつつ、俺は取り敢えず、流邏矢の乙矢を取ってその場を登録した。
両手で両頬をパンパンと叩き、藍凍龍の念話が空耳だったと判断したような演技をしてみる。
『空耳ではないわ。紛れ込んだようだの?引き返すがよい。さすれば命までは取らぬ。』
「誰だー?物の怪の類か?」俺は叫んだ。
『引き返せと言うたであろう。警告はここまでだ。引き返さねば食ろうてやるぞ。』
「俺はアタルだ。姿を現して名乗れー。」
『ほう、名乗るか。威勢がいいな。余は藍凍龍。貴様の勇気に免じて 姿を見せてやろう。』
眼の前に藍凍龍が現れた。
「龍か?随分でかいのだな。」
「ほう、余を恐れぬか?」藍凍龍は、念話ではなく直接話し掛けて来た。
「話が通じるからな。俺はそなたの領域に紛れ込んだのか?だとしたら申し訳ない。シカオの畜村に行きたいのだがこちらではないのか?」
「西だ。」
「そうか。ありがとう。邪魔して申し訳なかった。」俺は西に向かって歩き出した。
「待て。」
「まだ何か?」
「信じるのか?」
「え?嘘だったのか?」
「いや、嘘ではないが、余がお前を騙しているとは思わなかったのか?」
「なぜそんなことを聞く?俺にはそなたが嘘をつく理由が思い当たらない。」
「そうか。なかなか面白い奴だ。」
「明るいうちにシカオの畜村に着きたいのでもう行くぞ。世話になったな。」
「ふん。行くがいい。」
藍凍龍はその場を去る振りをして、そっとついて来ている。操龍弓の気配探知でバレバレなんだがな。俺に興味を持ったようだ。しばらく行ってから流邏石でビヒロに飛ぼうかと思ったが、ついて来ているうちは畜村を目指さねばなるまいな。
どうする?流邏石で飛んだら怪しまれような。明日以降の攻略に悪影響が出るかもしれん。そうだ、一か八かやってみるか。
「藍凍龍よ。まだ何か用があるのか?」
「ほう、余がいることがよく分かったな。」
「ついて来る気配がしているのでな。」
「人は余を見ると恐れおののく。お前のような奴は初めてでな。」
「ではしばらく話そうか。話し相手がいると、旅は楽しくなる。」
「ふん、余を旅の道連れにするか。肝の座った奴だ。ところで、お前はなぜシカオの畜村へ行く?」
「場所を確かめたいのだ。雪に閉ざされて難儀をしているようなので、物資を運び込む。馬車で物資を輸送する際に迷わぬように、事前に場所の下見に行くのだ。」
「なぜ雪に閉ざされていると思う?」
「冬に雪が降るのは当たり前だ。」
「余が降らせているのだ。」
「そうか、ありがたいことだ。」
「なんだと?」
「冬に雪が降らねば、夏に水が不足して難儀する。」
「その通りだが、その分、今、雪で難儀しているのだろう?」
「まあ、確かにそうなのだが、毎年のことゆえ、シカオの民は雪に閉ざされることに慣れておる。シカオの民にとっては、冬の雪より夏の水不足の方が難儀しよう。夏の水不足には慣れてないからな。」
「ふむ、やはり面白い奴だ。」藍凍龍はしばらくついて来た後に去って行った。
俺はそのまま進んで日が暮れる頃、いまだビヒロの畜村は見当たらなかったが、念のためにその場所を流邏矢の甲矢に登録して、流邏石でビヒロに飛んだ。
宿屋に戻って嫁たちと合流し、今日の首尾について嫁たちと情報交換した。
まず俺から、藍凍龍の棲家を特定したことと、その流れで藍凍龍と遭遇した経緯を語った。
「それはなかなか面白い展開になったわね。ね、サジ。」
こくり。
「こちらは、お昼過ぎには、商品を完売しました。」
「じゃあ、その後はどうしてたの?」
「禊に…使える…ところを…探した…。」俺たちは、七神龍攻略直前に禊をして身を清めることにしている。
「ビヒロの町にぃ、いい温泉がぁ、ありましたぁ。」ほう、それはちょうどいいな。
「湯屋なんやけどな、貸切浴室も仰山あったで。」
「モール泉っちゅう温泉やったわ。しかも源泉掛け流しや。」
「そうか、じゃぁ皆で…。」行こうと言おうとしたのだが、
「もちろん入って来たぞ。とてもいい湯だった。きっとアタルも気に入ると思うぞ。」ですよねー。泣
「この宿屋から結構近いのよ。アタルも後で行って来るといいわ。」
「ああ。ところで、誰か一緒に行かないか?」湯屋に誘ってみたが、
「今夜は…嫁会議…。」と、バッサリ。
「ほな、嫁会議に備えて腹ごしらえやー。」「うち、もうお腹ペコペコやわ。」
で、夕餉は豚丼を食べに来ている。
豚丼もビヒロの名物で、手頃な大きさに切った豚肉を炭火で焼いてタレを付け、
それを何枚もまとめて、熱々の飯の上に乗っけただけのシンプルな丼物だ。ガッツリと食いでがあるので、うちの嫁たち、とくにキョウちゃんズが好む料理だ。
タレが豚肉にマッチしていて、飯がいくらでも行ける。もちろんキョウちゃんズはお代わりしていた。笑
宿屋に戻ってからひとり寂しく湯屋に行き、温泉の大浴場にゆったり浸かって今日の疲れを取る。湯は褐色系でトロっとしているから、ややアルカリ寄りであろう。あまりの気持ちよさに、湯船でうとうとしてしまった。苦笑
宿屋に戻ると、今夜は嫁会議で、部屋には誰もいなかった。まぁいい。明日の藍凍龍攻略に備えてとっとと寝よう。
翌朝、早々に宿屋で朝餉を摂って湯屋に行った。
貸切浴室をひとつ借り、皆で薄手の白い浴衣に着替える。必勝祈願の水垢離は、メンバー全員で浴衣のまま湯に浸かり、身を清めるのだ。水垢離と言っても水でなくてもよい。原則は湧水だが、温泉での代用も可である。まぁ、温泉も温かい湧水だからな。
薄手の浴衣は白い布だから、湯に浸かれば当然透ける。皆の頂が、それぞれツンと存在を主張しているではないか。
サジ姉は桃色、サジ姉は桜色、ホサキはベージュ、アキナは紅色、タヅナは栗色、サキョウとウキョウはともに薄めの赤茶色だ。するとマイサンがマイドラゴンと化す。こればかりは仕方ない。
水垢離という名の禊の入浴を終え、身を清めた俺たちは、それぞれの基本装備を身に付け、さらに全員がショートスキーを履いてストックを持ち、藍凍龍攻略へと出陣だ。
昨日登録して来た流邏矢の乙矢で、皆をシカオの大雪原にピストン輸送で運ぶ。
第一陣はサヤ姉とサジ姉とホサキ。ピストン輸送中に仕掛けられた場合は、原則は各自の流邏石でビヒロに戻るのだが、帰還できないときは、藍凍龍の攻撃を凌ぐために、盾槍士のホサキの防御力と、医薬士のサジ姉の回復の術は必須だ。そしてふたりの護衛には剣士のサヤ姉の近距離攻撃が物を言う。
第二陣はサキョウとウキョウ。敵の攻勢の出鼻を挫くのには、デバフ特化陰士のサキョウとバフ特化陰士のウキョウの支援の術が必須。そして、最後の第三陣は射手モードのアキナと騎馬ではなく徒歩で薙刀のタヅナ。
全員のピストン輸送が終わったとき、ホサキは自在の盾を展開しており、さらに皆が揃ったのを見計らって、ウキョウが皆に各種バフの術を掛けた。
『昨日の小僧か?昨日は紛れ込んだゆえ見逃してやったが、今日は紛れ込んだとは言わせぬぞ。』藍凍龍の念話が飛んで来た。
「藍凍龍、お前に用があって来たのだ。」
「何用だ?」藍凍龍が現れた。
「わが眷属となって力を貸せ。」
「なんだと?バカも休み休み…。」
俺はサキョウに目配せをした。するとサキョウが、藍凍龍の言葉の途中で、遠慮なく各種デバフの術を次々と撃ち込んだ。
「ぐぬぬぬ、なんだこれは?」藍凍龍がデバフの術の不意討ちを受けて呻いた。
「ウズ、5倍。連射する。」
『おう。』
水撃矢が纏った5倍の水が、藍凍龍に触れた瞬間に凍り付き、藍凍龍の体をみるみる氷漬けにして行った。
藍凍龍は暴れて氷を砕こうとするが、デバフの術で動きが散漫となり、思うように砕けない。一方、俺は追撃の5倍水撃矢を連射して氷の層を厚くして行った。
「おのれ小癪な。」
藍凍龍は氷のブレスを吐いたが、バフの術を受けたホサキの鉄壁の盾防御で俺たちにダメージは届かない。
「ライ、5倍を連射。」
『おう。』
飛来する5倍雷撃矢を嚙み砕いた藍凍龍は、矢に付加した属性の雷撃をまともに受けた。
「グオオオオ。」再び咆哮。下半身から2/3を氷漬けに固定され、自由になる1/3の上半身を振り回して、氷からの脱出を図っているが、デバフの影響で渾身の力を出せず、もがいている。
「シン、5倍で連射。」
『おう。』
藍凍龍に向かって弓手側に5倍震撃矢を集めた結果、その片側からの一方的な振動によって、バランスを崩した藍凍龍がドウと倒れた。
「おのれ小僧!」上半身だけをもたげたが、相変わらず氷漬けの下半身が言うことを聞かないようだ。
この隙に、サヤ姉とタヅナが、倒れた上半身の反対側に展開した。
アキナからの遠矢を、俺の属性矢と思い込んだ藍凍龍は、その矢を避けるように仰け反ったので大きな隙ができ、そこへサヤ姉が二刀流剣舞で、タヅナが旋回切りで、果敢に挑む。もちろん藍凍龍の固い鱗を貫通することはできないが、藍凍龍を苛立たせるには十分だった。
「もはや手加減せぬ。」藍凍龍が気を溜め始めた。気を高めて一気に放出する起死回生の大技だ。キター!
俺は操龍弓を高く掲げ、金剛鏑を装着した封龍矢を番えて引き絞る。操龍弓が藍凍龍の高まる気に呼応し、封龍矢の纏う気がぐんぐん高まって行く。封龍矢が物凄い気の高まりで輝きを放ち出すと、藍凍龍はようやく気付いた。
「しまった!」藍凍龍が眼を見開いて固まった。
次の瞬間、俺が放った封龍矢は、狙い違わず急所の眉間を捉えた。眉間にめり込んだ封龍矢の金剛鏑から、凄まじい量の気が藍凍龍を襲い、藍凍龍は藍色に輝き出した。
「グオオオオオ!」凄まじい咆哮とともに、藍凍龍の全身は無数の藍色の粒子になって、その粒子は渦を巻きながら金剛鏑に吸い込まれて行く。下半身からの藍色の光の粒子は、下半身を氷漬けにした氷を粉砕して、いったん周りに拡がった後、Uターンして金剛鏑へと収束して行った。
凄ぇ。やっぱ凄ぇな。この光景は。
戻りの箙に封龍矢が戻った。金剛鏑は藍色に輝いている。
藍色に発光する金剛鏑を封龍矢から取り外し、皆で金剛鏑を覗き込むと、金剛鏑の中で藍色の光の粒子が渦を巻き出して、藍凍龍の形に変化して行った。ライ、ウズ、シンのときと、まったく同じだ。
そして、藍凍龍の形が完成すると同時に念話が来た。
『操龍弓と封龍矢だな。』
「そうだ。」
『操龍弓の遣い手は死んだと聞いていたが間違いであったか。』
「いや、お前が言う使い手は俺の親父どのだろう。すでに逝った。」
『そうか。ところでお前は、黄金龍、蒼碧龍、橙土龍を従えているな。』
「ああ。3人ともわが眷属だ。その上、わが師でもあり、わが同士でもある。」
『昨日のあの態度、どうも妙だと思ったのだ。神龍を見慣れておったのだな。道理で余を恐れぬはずよな。』
「藍凍龍よ、そなたもわが眷属となりて、その大いなる力を俺に貸せ。」
『ふむ。余は負けたのだ。従おう。ご主人よ、名を所望。』
「レイ。冷凍のレイ。どうだ?」
『余に相応しき良い名だ。』
「では改めてよろしくな、レイ。俺のことはアタルと呼んでくれ。」
『分かった。アタルよ。余が力、存分に使うがよい。』
「期待しているぞ。そして、ライ、ウズ、シンとともによき相談相手となってくれ。」
『うむ。よろしく頼む。それから奥方たちもよろしくな。余がレイだ。』
「「「「よろしく。」」」」「よろ…。」「「レイはん、よろしゅう。」」
「ウキョウ。」
俺はウキョウにレイ鏑を渡した。するとウキョウの体が藍色に光った。
「やったー、ふたつ目の適性やー。」ウキョウがレイ鏑を握った右手を真上に掲げた。
「抜かれてしもたなぁ。」サキョウが言葉とは裏腹にウキョウを称え、一緒に喜んでいる。
「今はな。でも適性の数は、サキョウもうちも3つやん。」
「せやなー。後は…。」
サキョウとウキョウがシンクロして俺を見た。じゅるっ×2。怖い怖い。肉食獣だ!
「もう少し待て。俺にも心の準備が。」
「アタル兄、何を生娘みたいなこと、言っとるんや。」いや、生娘はお前らだろ。
「せやで、とっとと腹括りぃな。いい加減、女々しいで。」女々しいって、お前らが男前過ぎるんだよ。
「くっ。…ふたりがもうちょっと成長したらな。まだ、何というか、その…、子供が相手だと言う罪悪感が…。」
「うちらの体を、あれだけ隅から隅まで弄繰り回しといて、よう言うわ!」
「ほんまやで。うちらの、のの様のひだの数までよう知っとるくせに。」
「な、な、な、なんちゅーことを言うんだっ!」焦りまくる俺を見て、大人嫁たちと、神龍たちが大爆笑した。
え、ひょっとして俺、おちょくられたのか?ガキンチョふたりに?…ちっくしょー!
キョウちゃんズは、ささやかな胸を突き出して、ふんぞり返りながらニマニマのドヤ顔をシンクロさせていたのだった。泣
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/8/14
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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