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射手の統領052 嫁たちの諫言
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射手の統領
Zu-Y
№52 嫁たちの諫言
白湯で混浴タイムのはずだったのだが、いきなりサヤ姉とサジ姉から釘を刺された。子供の前ではお触りはダメだと。分からんでもないのだが。でもなー。そうは言ってもなー。あー、ちくしょうめ。泣
アキナもタヅナとは、オツでの商隊最後の夜以来だ。
あの夜、ふたりとは、それぞれひとつになったので、ふたりはもう恥ずかしがることはない。と思ったのだがそうでもないようだ。なんか新鮮だ。
そう、肉食の古参3人に囲まれている俺としては、恥ずかしがるという反応が新鮮でたまらないのだ!でもお触りはできない。泣
お触り禁止で凹んでる俺のとこにキョウちゃんズが来た。
「アタル兄、いつものやつ、お願いなー。」
「今日はふたりまとめてやのうて、順番こにやってぇな。」
サキョウから背中を預けて来る。仕方ねぇなぁ。脇の下から前に手を回し、頂に触れる。頂はハナからツンツンだ。俺とキョウちゃんズを見て驚いてるアキナとタヅナに、ホサキが訳を説明している。
じっくり弄ってたら、サキョウがぶるるっと震えてとろんとなった。ウキョウと交代だ。ウキョウも同じように頂に触れるとやはりツンツンだ。弄ってると気持ちよさそうにもたれ掛かって来た。そう言えばいつの間にかくすぐったがらなくなって来たな。入念に頂を弄ったことにより、ウキョウもぶるるっと震えてとろりんこだ。ウキョウを開放する。
しばらくして、キョウちゃんズが無邪気な爆弾を投下した。
「なぁ、姉さんたちもアタル兄にマッサージしてもろたら?」おー、サキョウ、グッジョブ!
「ホンマや。とっても気持ちええんよ。」ウキョウ、ナイスフォロー。お前もグッジョブだ!
子供の無邪気さは無敵だ!結局、無邪気な子供のお誘いのおかげで、全員の頂を弄ることができた。うーん、やはり頂のまわりの小高い双丘の感触が違う。こうでなくっちゃ!
流石に最後はのぼせそうになったが、夕餉で呑んでなかったおかげで、以前のように意識が飛んで、無様にひっくり返ることはなかった。
のぼせないように湯から出たとき、嫁5人のせいでいきり立っていたマイドラゴンを見たキョウちゃんズの溜息が聞こえた。サキョウ、ウキョウ、お前たちが成長したら、マイドラゴンもきっとふたりに懐くはずだ。あと2年の辛抱だからな。
白湯から上がると、嫁5人は嫁会議をやると言って、今夜はサジ姉の部屋に集まって行った。残ったキョウちゃんズに、嫁会議に行かなくていいのか?と聞いたら、俺のお守をするようにと、サジ姉から言われたそうだ。
お守するのは俺の方だ!とツッコミたくなったが、キョウちゃんズの白湯でのグッジョブに免じて、反論しないことにした。
俺のベッドで、いつものように俺を真ん中に川の字になって寝ようとしたら、両横のキョウちゃんズがむくっと起きた。ん?どした?
「なぁ、アタル兄、見たいって言ってたブラ、見せたろか?」
「姉さんたちには内緒やで。」いや、別にいいから。とも言えず…。
ふたりは上だけ脱いでブラになり、ポーズを取る。ふむ、パッドのせいでシルエットだけは子供からワンランク上がっている。しかし背丈がなー。
取り敢えず、凄ぇー凄ぇーと言って褒めといたら、キョウちゃんズはすっかり上機嫌になった。
再びベッドで川の字になっても、しばらく上機嫌なふたりのクエスト話は、左右から交互に続き、俺は仕方なくうんうんと聞き役に徹していたのだが、やがてふたりは眠りに落ちて行った。
ふぅ、やっと眠った。やっぱりお守をしたのは俺の方じゃねーか!笑
翌朝は、キョウちゃんズからのおめざちゅーで起こされた。え?こらこら。ふたりとも、おませだなー。仕返しに両手でそれぞれの尻をむんずと掴んで揉んでやった。
「お返しだー!」
「「きゃー。」」
「さあ、起きようか。」
「「うん。」」
ここだけの話だが、尻の感触はなかなかだった。ぺったんこの胸より断然いい!これは新発見だ。
朝餉をみんなで摂る。嫁5人は眠そうだ。いったい嫁会議を何時までやっていたのだ?そもそも何をそんなに話しているのだ?聞きたいが、聞くのは躊躇われた。しかしだ、またしてもキョウちゃんズがグッジョブ。
「姉さんたち、眠そうやねぇ。」
「嫁会議って、何時までやってはったん?」あ、あっさり聞いちゃったよ。
「明け方…まで…?」
「何を話してはったん?」あ、こっちも聞いちゃった。
「いろいろだな。キョウちゃんズも、正式に嫁になったら嫁会議に加わることになるのだぞ。」
「それより、昨夜はアタルにブラ披露をしたのかしら?」
「うん、凄ぇー凄ぇーって大喜びやったんよ。」おい、内緒じゃなかったんかい!
「それからクエストの話を詳しくしたんよ。」キョウちゃんズは上機嫌だ。女子が話し好きというのは、大人も子供も変わらんな。
「朝はな、アタル兄がいつまでも寝てはるさかい、ちゅーで起こしたってん。」
「そしたらな、お返しだーって、お尻を仰山揉まれてしもたわ。」おい!それ内緒にしなきゃいけないやつやんか!
ジト目×5が飛んで来る。俺はとぼけてニコニコするしかなかった。汗
朝餉を終え、サヤ姉、サジ姉、ホサキ、キョウちゃんズは、東都ギルドへ飛んで行った。俺は、午前中にユノベの施設をアキナとタヅナに案内した。
昼餉前からは、表座敷で家来たちにふたりを披露する。
「若ー、またまた別嬪さんたちじゃのぅ。」
「若ー、体力持つんかのー?」
「若ー、張り切り過ぎて、腰をやったらいかんぞー。」
前回のキョウちゃんズ伝説のせいで、家来どもは最初のうちは注ぎに来なかったが、そのうち、ひとり、ふたりとやって来た。アキナもタヅナも成人なので、家来たちは、俺だけでなく、ふたりにも注いで行く。だんだん遠慮がなくなって来た。
「先代は堅物じゃったが、若はやりおるのー。」
「英雄色を好むというからの、若は英雄かもしれんぞ。」
「いやいや、単に女誑しなだけじゃろ。」
「おい、最後に言った奴、出て来い!」どわははは。家来たち爆笑。
俺は、サヤ姉とサジ姉のときにやらかしているので、最初のうちはセーブしてたのだが、アキナもタヅナも注いで来るものだから、ついつい呑んでしまった。いつの間にか夕方である。あら?アキナとタヅナが3人ずついる。凄ぇー!分身の術ができたんかい?
「俺たちは、しょろしょろ、行く。みにゃのもにょ、今宵は、こころゆくまれ、にょむがよい。」あれ?呂律がヤバくね?
「若ー、頑張れよー。」
「若ー、湯でのぼせるでないぞー。」
「おう、任ひぇろ!」
席を立ったら、地震の大きいのが来た。と思ったら地震じゃないようだ。
「アタルぅ、危ないわぁ。」
「呑み過ぎのようですね。」
へ?呑み過ぎ?…たのかな、やっぱ。
弓手側からアキナに、馬手側からタヅナに支えられて、ふらふらと千鳥足な俺。
「らいじょーぶ、冷しぇんに、ひゃいれば、にゃおる。」
「酔ってお風呂はダメよぉ。」
「もう、アタルったら、サヤたちに聞いてた通りですね。」
「んー?いつ、ろこで、聞いたんらよ。」
「決まってるじゃないですか、嫁会議ですよ。」
「え?嫁きゃい議の、議らいって、しょれなの?」
「他にもあるわよぉ。お預け同盟とかぁ、ドラちゃんの扱い方とかぁ。」
「昨日のドラちゃんの扱い方について説明を受けたので、今夜は実技講習だったんですが、アタルがこれでは延期ですね。」
え?やらかした?またやっちまった!よし、気合で酔いなんかふっ飛ばしてやる。その前にちょっとだけ、横になって休もう。
アキナとタヅナに、俺の部屋まで運ばれ、ベッドに寝かされた俺は、そのまま深い眠りに落ちたのだった。
~~嫁たち目線~~
クエスト組が帰って来た。アキナとタヅナが、クエスト組に事情を話す。サヤもサジもホサキもすっかり呆れている。子供のキョウちゃんズは、いまいちピンと来ていない。
「まったくしょうがない奴だな。」ホサキが溜息をつく。
「一度、徹底的に痛い目に遭わせないと懲りないわね。」
こくり。「今夜…やろう…。」サジの眼がキラーンと光る。
「そうね。」サヤの眼もキラーンと光る。
「サジ姉、何しはるん?」
「アタルが…酔っぱらわなく…なる…おまじない…。」
「うちらにも教えてー。」
「これは大人のおまじないなのだ。ふたりにはまだ少し早いと思うぞ。」
「サキ姉、うちらも大きゅうなっらた嫁になるんよ。」
「せや。うちらだけ仲間外れにせんといて。」
「いや、仲間外れではないのだぞ。ただちょっと、子供には刺激が強過ぎるのだ。」
「ホサキ、ふたりも入れましょう。ふたりはもう、アタルから愛撫を受けているではありませんか。」アキナはマッサージのことを言っているのだ。
「私もそう思いますぅ。隠すのではなくてぇ、しっかり教えた方がぁ、いいですぅ。」
「それも一理あるわね。」サヤが頷いた。
嫁5人は相談を始めた。そして質問がされた。
「ふたりは抉じ開けるということのホントの意味は分かってるの?」
「アタル兄から聞いたから知っとるよ。」
「アタル兄のドラゴンがうちらの中に入って来るんやろ?」
嫁5人は頷き合った。キョウちゃんズの嫁会議への正式加盟が決まった瞬間である。
夕餉の後、嫁7人による、泥酔したアタルの解剖と、アタルズドラゴンの調教が始まった。もちろんアタルは夢の世界である。
最初はアキナとタヅナの実技講習で、キョウちゃんズは見学だ。メイン講師はホサキ。サヤとサジはその後見である。
頭なでなで、喉こちょこちょ、耳裏こりこり、口れろれろ。サヤ&サジ考案の、様々なドラゴン調教技術がホサキからアキナとタヅナへと伝授されて行った。最後に、アタルズドラゴンがホワイトブレスを噴いて果てると、ホワイトブレスを初めて見たキョウちゃんズは大層驚いていた。
ドラゴンが復活すると、次はキョウちゃんズの番だ。キョウちゃんズが見様見真似で調教技術に一生懸命取り組んでいると、サヤとサジは筋がいいと褒めていた。
キョウちゃんズは褒めると伸びるタイプの典型だ。すっかり上機嫌で、丁寧に調教し、最初はそっぽを向いていたアタルズドラゴンを完全に手懐けた。
この実技講習以降、ドラゴンはキョウちゃんズにもよく懐いてしまい、湯殿でふたりに反応するようになったのだが、その事実は、しばらくアタルを悩ませることになる。俺は実はロリコンなんじゃなかろうかと。
仕上げは、筆と墨を使ってアタルに警告だ。酔い潰れたら寝首を掻かれるぞ!という意味を込めて体中に落書きして上げる。酔い潰れて寝首を掻かれるなど、ユノベの統領としては失格なのだ。そう、この落書きは嫁7人による愛の諫言なのだ。
サキョウがドラゴンの頭に眼と唇とほっぺのぐるぐるを描いた。
ウキョウがドラゴンの胴体に鱗と前肢を描いた。
アキナは腹に顔を描いた。
タヅナは太ももに天駆けるペガサスを描いた。
ホサキは胸板に盾と槍を描いた。
サヤは瞼に眼、鼻の頭に×を描いた。それまでの5人が遠慮していた顔に手を付けるとは、流石サヤである。
サジはほっぺにぐるぐる、そして額に「寝首」と書いて仕上げを完了した。
服を着せて、ひと仕事を終えると、嫁7人は意気揚々とアタルの部屋から去って行く。
~~アタル目線~~
翌朝の爽快な目覚めは、すぐに掻き消された。鏡を見て一気に冷汗が噴き出したのだ。
額の「寝首」の文字がすべてを物語る。恐る恐る服を脱ぐと、胸板の盾と槍って、ホサキ、バレバレだぞ。腹の顔は腹踊りでもやれってか?ズボンを下すと、太ももにペガサス。これはタヅナだな。
まさかな、まさかとは思うが、さすがにそれはないよな。パンツを下すと俺の淡い期待は完全に打ち砕かれた。朝、いつも通り元気なマイドラゴンに、いつもはない眼があって俺を睨んでいる。胴体にはご丁寧にも鱗と来た。
俺は湯殿に行き、しっかり洗って墨を落とした。もう、二度と深酒はやめよう。酔い潰れるのだけは絶対にご免だ。今回こそは懲りたのだ!嫁たちよ、愛の諫言、心に響いたぞ。
それでもまたやらかすのがアタルなのであるが…。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/4/17
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№52 嫁たちの諫言
白湯で混浴タイムのはずだったのだが、いきなりサヤ姉とサジ姉から釘を刺された。子供の前ではお触りはダメだと。分からんでもないのだが。でもなー。そうは言ってもなー。あー、ちくしょうめ。泣
アキナもタヅナとは、オツでの商隊最後の夜以来だ。
あの夜、ふたりとは、それぞれひとつになったので、ふたりはもう恥ずかしがることはない。と思ったのだがそうでもないようだ。なんか新鮮だ。
そう、肉食の古参3人に囲まれている俺としては、恥ずかしがるという反応が新鮮でたまらないのだ!でもお触りはできない。泣
お触り禁止で凹んでる俺のとこにキョウちゃんズが来た。
「アタル兄、いつものやつ、お願いなー。」
「今日はふたりまとめてやのうて、順番こにやってぇな。」
サキョウから背中を預けて来る。仕方ねぇなぁ。脇の下から前に手を回し、頂に触れる。頂はハナからツンツンだ。俺とキョウちゃんズを見て驚いてるアキナとタヅナに、ホサキが訳を説明している。
じっくり弄ってたら、サキョウがぶるるっと震えてとろんとなった。ウキョウと交代だ。ウキョウも同じように頂に触れるとやはりツンツンだ。弄ってると気持ちよさそうにもたれ掛かって来た。そう言えばいつの間にかくすぐったがらなくなって来たな。入念に頂を弄ったことにより、ウキョウもぶるるっと震えてとろりんこだ。ウキョウを開放する。
しばらくして、キョウちゃんズが無邪気な爆弾を投下した。
「なぁ、姉さんたちもアタル兄にマッサージしてもろたら?」おー、サキョウ、グッジョブ!
「ホンマや。とっても気持ちええんよ。」ウキョウ、ナイスフォロー。お前もグッジョブだ!
子供の無邪気さは無敵だ!結局、無邪気な子供のお誘いのおかげで、全員の頂を弄ることができた。うーん、やはり頂のまわりの小高い双丘の感触が違う。こうでなくっちゃ!
流石に最後はのぼせそうになったが、夕餉で呑んでなかったおかげで、以前のように意識が飛んで、無様にひっくり返ることはなかった。
のぼせないように湯から出たとき、嫁5人のせいでいきり立っていたマイドラゴンを見たキョウちゃんズの溜息が聞こえた。サキョウ、ウキョウ、お前たちが成長したら、マイドラゴンもきっとふたりに懐くはずだ。あと2年の辛抱だからな。
白湯から上がると、嫁5人は嫁会議をやると言って、今夜はサジ姉の部屋に集まって行った。残ったキョウちゃんズに、嫁会議に行かなくていいのか?と聞いたら、俺のお守をするようにと、サジ姉から言われたそうだ。
お守するのは俺の方だ!とツッコミたくなったが、キョウちゃんズの白湯でのグッジョブに免じて、反論しないことにした。
俺のベッドで、いつものように俺を真ん中に川の字になって寝ようとしたら、両横のキョウちゃんズがむくっと起きた。ん?どした?
「なぁ、アタル兄、見たいって言ってたブラ、見せたろか?」
「姉さんたちには内緒やで。」いや、別にいいから。とも言えず…。
ふたりは上だけ脱いでブラになり、ポーズを取る。ふむ、パッドのせいでシルエットだけは子供からワンランク上がっている。しかし背丈がなー。
取り敢えず、凄ぇー凄ぇーと言って褒めといたら、キョウちゃんズはすっかり上機嫌になった。
再びベッドで川の字になっても、しばらく上機嫌なふたりのクエスト話は、左右から交互に続き、俺は仕方なくうんうんと聞き役に徹していたのだが、やがてふたりは眠りに落ちて行った。
ふぅ、やっと眠った。やっぱりお守をしたのは俺の方じゃねーか!笑
翌朝は、キョウちゃんズからのおめざちゅーで起こされた。え?こらこら。ふたりとも、おませだなー。仕返しに両手でそれぞれの尻をむんずと掴んで揉んでやった。
「お返しだー!」
「「きゃー。」」
「さあ、起きようか。」
「「うん。」」
ここだけの話だが、尻の感触はなかなかだった。ぺったんこの胸より断然いい!これは新発見だ。
朝餉をみんなで摂る。嫁5人は眠そうだ。いったい嫁会議を何時までやっていたのだ?そもそも何をそんなに話しているのだ?聞きたいが、聞くのは躊躇われた。しかしだ、またしてもキョウちゃんズがグッジョブ。
「姉さんたち、眠そうやねぇ。」
「嫁会議って、何時までやってはったん?」あ、あっさり聞いちゃったよ。
「明け方…まで…?」
「何を話してはったん?」あ、こっちも聞いちゃった。
「いろいろだな。キョウちゃんズも、正式に嫁になったら嫁会議に加わることになるのだぞ。」
「それより、昨夜はアタルにブラ披露をしたのかしら?」
「うん、凄ぇー凄ぇーって大喜びやったんよ。」おい、内緒じゃなかったんかい!
「それからクエストの話を詳しくしたんよ。」キョウちゃんズは上機嫌だ。女子が話し好きというのは、大人も子供も変わらんな。
「朝はな、アタル兄がいつまでも寝てはるさかい、ちゅーで起こしたってん。」
「そしたらな、お返しだーって、お尻を仰山揉まれてしもたわ。」おい!それ内緒にしなきゃいけないやつやんか!
ジト目×5が飛んで来る。俺はとぼけてニコニコするしかなかった。汗
朝餉を終え、サヤ姉、サジ姉、ホサキ、キョウちゃんズは、東都ギルドへ飛んで行った。俺は、午前中にユノベの施設をアキナとタヅナに案内した。
昼餉前からは、表座敷で家来たちにふたりを披露する。
「若ー、またまた別嬪さんたちじゃのぅ。」
「若ー、体力持つんかのー?」
「若ー、張り切り過ぎて、腰をやったらいかんぞー。」
前回のキョウちゃんズ伝説のせいで、家来どもは最初のうちは注ぎに来なかったが、そのうち、ひとり、ふたりとやって来た。アキナもタヅナも成人なので、家来たちは、俺だけでなく、ふたりにも注いで行く。だんだん遠慮がなくなって来た。
「先代は堅物じゃったが、若はやりおるのー。」
「英雄色を好むというからの、若は英雄かもしれんぞ。」
「いやいや、単に女誑しなだけじゃろ。」
「おい、最後に言った奴、出て来い!」どわははは。家来たち爆笑。
俺は、サヤ姉とサジ姉のときにやらかしているので、最初のうちはセーブしてたのだが、アキナもタヅナも注いで来るものだから、ついつい呑んでしまった。いつの間にか夕方である。あら?アキナとタヅナが3人ずついる。凄ぇー!分身の術ができたんかい?
「俺たちは、しょろしょろ、行く。みにゃのもにょ、今宵は、こころゆくまれ、にょむがよい。」あれ?呂律がヤバくね?
「若ー、頑張れよー。」
「若ー、湯でのぼせるでないぞー。」
「おう、任ひぇろ!」
席を立ったら、地震の大きいのが来た。と思ったら地震じゃないようだ。
「アタルぅ、危ないわぁ。」
「呑み過ぎのようですね。」
へ?呑み過ぎ?…たのかな、やっぱ。
弓手側からアキナに、馬手側からタヅナに支えられて、ふらふらと千鳥足な俺。
「らいじょーぶ、冷しぇんに、ひゃいれば、にゃおる。」
「酔ってお風呂はダメよぉ。」
「もう、アタルったら、サヤたちに聞いてた通りですね。」
「んー?いつ、ろこで、聞いたんらよ。」
「決まってるじゃないですか、嫁会議ですよ。」
「え?嫁きゃい議の、議らいって、しょれなの?」
「他にもあるわよぉ。お預け同盟とかぁ、ドラちゃんの扱い方とかぁ。」
「昨日のドラちゃんの扱い方について説明を受けたので、今夜は実技講習だったんですが、アタルがこれでは延期ですね。」
え?やらかした?またやっちまった!よし、気合で酔いなんかふっ飛ばしてやる。その前にちょっとだけ、横になって休もう。
アキナとタヅナに、俺の部屋まで運ばれ、ベッドに寝かされた俺は、そのまま深い眠りに落ちたのだった。
~~嫁たち目線~~
クエスト組が帰って来た。アキナとタヅナが、クエスト組に事情を話す。サヤもサジもホサキもすっかり呆れている。子供のキョウちゃんズは、いまいちピンと来ていない。
「まったくしょうがない奴だな。」ホサキが溜息をつく。
「一度、徹底的に痛い目に遭わせないと懲りないわね。」
こくり。「今夜…やろう…。」サジの眼がキラーンと光る。
「そうね。」サヤの眼もキラーンと光る。
「サジ姉、何しはるん?」
「アタルが…酔っぱらわなく…なる…おまじない…。」
「うちらにも教えてー。」
「これは大人のおまじないなのだ。ふたりにはまだ少し早いと思うぞ。」
「サキ姉、うちらも大きゅうなっらた嫁になるんよ。」
「せや。うちらだけ仲間外れにせんといて。」
「いや、仲間外れではないのだぞ。ただちょっと、子供には刺激が強過ぎるのだ。」
「ホサキ、ふたりも入れましょう。ふたりはもう、アタルから愛撫を受けているではありませんか。」アキナはマッサージのことを言っているのだ。
「私もそう思いますぅ。隠すのではなくてぇ、しっかり教えた方がぁ、いいですぅ。」
「それも一理あるわね。」サヤが頷いた。
嫁5人は相談を始めた。そして質問がされた。
「ふたりは抉じ開けるということのホントの意味は分かってるの?」
「アタル兄から聞いたから知っとるよ。」
「アタル兄のドラゴンがうちらの中に入って来るんやろ?」
嫁5人は頷き合った。キョウちゃんズの嫁会議への正式加盟が決まった瞬間である。
夕餉の後、嫁7人による、泥酔したアタルの解剖と、アタルズドラゴンの調教が始まった。もちろんアタルは夢の世界である。
最初はアキナとタヅナの実技講習で、キョウちゃんズは見学だ。メイン講師はホサキ。サヤとサジはその後見である。
頭なでなで、喉こちょこちょ、耳裏こりこり、口れろれろ。サヤ&サジ考案の、様々なドラゴン調教技術がホサキからアキナとタヅナへと伝授されて行った。最後に、アタルズドラゴンがホワイトブレスを噴いて果てると、ホワイトブレスを初めて見たキョウちゃんズは大層驚いていた。
ドラゴンが復活すると、次はキョウちゃんズの番だ。キョウちゃんズが見様見真似で調教技術に一生懸命取り組んでいると、サヤとサジは筋がいいと褒めていた。
キョウちゃんズは褒めると伸びるタイプの典型だ。すっかり上機嫌で、丁寧に調教し、最初はそっぽを向いていたアタルズドラゴンを完全に手懐けた。
この実技講習以降、ドラゴンはキョウちゃんズにもよく懐いてしまい、湯殿でふたりに反応するようになったのだが、その事実は、しばらくアタルを悩ませることになる。俺は実はロリコンなんじゃなかろうかと。
仕上げは、筆と墨を使ってアタルに警告だ。酔い潰れたら寝首を掻かれるぞ!という意味を込めて体中に落書きして上げる。酔い潰れて寝首を掻かれるなど、ユノベの統領としては失格なのだ。そう、この落書きは嫁7人による愛の諫言なのだ。
サキョウがドラゴンの頭に眼と唇とほっぺのぐるぐるを描いた。
ウキョウがドラゴンの胴体に鱗と前肢を描いた。
アキナは腹に顔を描いた。
タヅナは太ももに天駆けるペガサスを描いた。
ホサキは胸板に盾と槍を描いた。
サヤは瞼に眼、鼻の頭に×を描いた。それまでの5人が遠慮していた顔に手を付けるとは、流石サヤである。
サジはほっぺにぐるぐる、そして額に「寝首」と書いて仕上げを完了した。
服を着せて、ひと仕事を終えると、嫁7人は意気揚々とアタルの部屋から去って行く。
~~アタル目線~~
翌朝の爽快な目覚めは、すぐに掻き消された。鏡を見て一気に冷汗が噴き出したのだ。
額の「寝首」の文字がすべてを物語る。恐る恐る服を脱ぐと、胸板の盾と槍って、ホサキ、バレバレだぞ。腹の顔は腹踊りでもやれってか?ズボンを下すと、太ももにペガサス。これはタヅナだな。
まさかな、まさかとは思うが、さすがにそれはないよな。パンツを下すと俺の淡い期待は完全に打ち砕かれた。朝、いつも通り元気なマイドラゴンに、いつもはない眼があって俺を睨んでいる。胴体にはご丁寧にも鱗と来た。
俺は湯殿に行き、しっかり洗って墨を落とした。もう、二度と深酒はやめよう。酔い潰れるのだけは絶対にご免だ。今回こそは懲りたのだ!嫁たちよ、愛の諫言、心に響いたぞ。
それでもまたやらかすのがアタルなのであるが…。
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設定を更新しました。R4/4/17
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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