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射手の統領015 タテベ訪問とホサキの心配事
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射手の統領
Zu-Y
№15 タテベ訪問とホサキの心配事
昨夜は飲み過ぎた。
軽く頭が痛い。二日酔いか?ひどくなくてよかった。
あれ、俺、何で裸?ベッドの脇に洗面器に水が張ってあり、濡れたタオルふたつ。…そう言うことか。
酔い潰れた俺をサヤ姉とサジ姉が運んでくれて、服を脱がせて体を拭いてくれたんだな。すっかり世話を掛けてしまった。
裸のまま放置されたのは、また酔い潰れたらそのときは悪戯しちゃうぞ!と言う、ふたりからの警告に違いない。
朝の恒例行事でドラゴン化しているマイサンを見る。マイドラゴンに顔が描かれてたりはしてなくてホッとした。
洗面所で鏡を見ると、俺の顔にも落書きはない。初回は悪戯せずに、許してくれたらしい。俺はそのままシャワーを浴びた。
食堂でふたりと合流し、早速詫びる。
「サヤ姉、サジ姉、おはよう。昨日はまた世話になったようで、ありがとうございました。つーか、ほんっと、すみません。」深々と頭を下げた。
「アタル…私たちが…いない…所で…呑んじゃ…ダメ…。」
「そのうち、財布取られるとか、痛い目見るわよ。」
「いや、心を許せるふたりがいたから、安心して酔い潰れたんです。」
「「えっ?」」
おー、モジモジまっかっか×2、頂きました。ちょろい。笑
朝餉を摂って、チェックアウトした。値段も手頃でいい宿だった。ここを東都の定宿にしようと思う。
ギルドには、ホサキが来て待っていた。相変わらず早いな。生真面目なんだな。ホサキと合流すると、受付のチナツが声を掛けて来た。
「おはようございます。皆さん。ちょっといいですか?」
「おはよう、チナツさん。どうかしたか?」
「皆さん、西へ向かうんですよね?明後日、商都へ向かう商隊の護衛依頼がありますよ。」
商都は西都の経済圏を支える重要都市だ。政治の西都、神社仏閣の古都とともに、経済の商都を合わせて西三都と呼ばれている。
ちなみに東都は広いので、政治と経済の両方の機能がある。神社仏閣は古都ほどの歴史はないので、古都に匹敵する機能は、東都にはない。
「条件は?」
「旅程は12日で、日当がひとり大銀貨2枚です。毎日大銀貨1枚ずつ支給され、商都に着いたら残金の金貨1枚と大銀貨2枚が支払われます。
戦闘になって敵を撃退したら、別に手当が出ますが、戦闘による護衛の損害は自腹です。宿泊は商隊持ちですが、部屋をグレードアップするなら差額は自腹です。食事も自弁です。」
途中で抜けると半額か。だとしてもなかなかの条件だな。
「みんなで話して決めたいので、ちょっと時間をくれないか?」
「どうぞ。」
「商隊護衛のクエストだが、いいタイミングだと思う。」
「そうね。」
こくり。
「ふむ。」
「だが、3日後と言うのが微妙だな。タテベとの同盟調整に、一旦ユノベに戻らなくては。
ホサキ、できればその前にタテベどのに会いたいが?」
「父上から、アタルにこれを。」
「流邏石ではないか。」
「タテベ本拠を登録している。ご自由にお使いあれとのことだ。」タテベ本拠は、東都の南のコスカと言う港町にある。
「タテベどのは、同盟参加に大層乗り気と見える。」
「そうだ。だいたい私に嫁げと言うのだぞ。自分で言うのも何だが、庶子とは言え末娘だし、兄上や姉上とは私だけ年が離れているからな。父上には大層大事にされている。」
なるほどな。流邏石も貰ったし、早めに顔を出した方がいいな。
「ではこれからタテベどのへ挨拶に行こう。
そのあと、ユノベへ向かって、叔父貴たちとタテベとの同盟の話を詰める。叔父貴の誰かをタテベへの正式の使者とすることになろうな。タテベ本拠のコスカからユノベ本拠のテンバまでは2日掛かるな。
サヤ姉とサジ姉は、実家で1泊して骨休めしたらどうだ?」
「アタル、あんた、ホサキとふたりきりで泊まるつもり?」
「えっ?」ホサキはモジモジ&真っ赤っか。
「もちろん婚約前だから別々の部屋に泊まるぞ。」
「ホント…かな…?」
「ホントだってば!それに流邏矢が使えるようなら、泊まらずに行くよ。」
「ユノベにはアタルだけ行けばいいんじゃないの?」
「いや、ホサキを叔父貴どのたちに会わせておきたいし、ホサキにもユノベ本拠を見せておきたい。」
「それもそうね。」
結局、明日まで別行動になった。
俺とホサキは、流邏石でコスカのタテベ本拠に飛び、タテベ統領に挨拶してから、テンバのユノベ本拠へ向かう。その日のうちに流邏矢の有効範囲に入れればユノベ本拠へ飛び、入れなければ1泊して、翌日ユノベ本拠に入る。
ユノベ館では、叔父貴たちにホサキを紹介して、タテベとの婚姻同盟の具体化について話をまとめ、婚約発表の段取りを決める。
叔父貴たちとの話は、早ければ今夜、遅くても明日の昼には終わるから、明日の夜には東都に戻れる。
サヤ姉とサジ姉は、それぞれ流邏石で実家に飛んで今夜は実家で1泊し、明日の夕方に東都で合流する。
よし、これなら3日後の出発には十分間に合うな。
俺たちは、商隊護衛のクエストを受けることにした。明後日の夜にはギルドで商隊と護衛の顔合わせだそうだ。
ギルドを出ると、サヤ姉はトコザのトノベ本拠へ、サジ姉はトマツのヤクシ本拠へ、それぞれ流邏石で帰って行った。昨日の今日だから、トノベもヤクシも驚くだろうな。笑
俺とホサキは流邏石でコスカのタテベ本拠に飛んだ。東都からコスカへは、徒歩で行くには、1日ではちょっときつい距離だ。タテベ棟梁からの流邏石の提供は、非常にありがたかった。
タテベでは俺たちの到着を予測していたようで、すぐに表座敷に通された。席を勧められて俺が座ると、ホサキがその横に座った。間もなく初老の夫婦が現れた。ホサキが小声で、
「父上と継母上です。」と言った。
タテベ統領とその奥方が揃って面会か。
奥方はホサキの継母だ。幼くして実母を亡くしたホサキのことを引き取って、随分かわいがってくれたと言う。
「父上、継母上、こちらがユノベの次期統領、アタルどのです。」ホサキが俺を紹介した。絶妙なタイミングだ。
「この度は、貴重な流邏石とともにお招き頂き、誠にありがとうございます。」
「こちらこそ早速のお運び、誠にありがたく存ずる。」
「あなた、硬いわ。これから親戚になるのですから、もう少しざっくばらんに行きましょうよ。ね、アタルどの。」
「それもそうだな。アタルどの、よろしいか?」
ほう、この奥方、なかなかやるな。一気に場を和ませたぞ。
「はい。その方がいいですね。」
「ホサキとの婚姻は受けて下さるのかな?」
「もちろんです。ユノベとタテベの婚姻同盟は願ってもないこと。ご挨拶の後、この足でユノベに向かい、叔父たちに諮ってから正式に婚儀のお願いの使者を立てます。」
「ほう、ユノベどのからお使者を?」
「当然です。ホサキ姫を頂戴するのですから、こちらから使者を立てねば、タテベどのに申し訳ないですよ。」
「ご配慮、痛み入る。」
「同盟は対等な方が、お互い長続きするでしょう?」
「そうですな。」
「それと、確認です。ご存知でしょうが、俺はすでに、トノベのサヤ姫とヤクシのサジ姫と婚約しています。」
「いやぁ、発表を聞いて正直、しまった。先を越された。と思いましたな。」
「しかしその後の巻き返しは大したものです。こちらの行動を完全に読まれてましたね。」
「アタルどのは、途中からすべて見通されていたようだが?」
「たまたま…ですね。」
「ご謙遜を。
ホサキ、アタルどのをしっかりお支えするのだぞ。」
「はい。父上。」ホサキは満面の笑みを浮かべた。
「政略結婚ではあるのだが、ここ2~3日で、ホサキはすっかりアタルどのに惚れ込んでしまったようだ。」
「俺もホサキの姫の素直なところが、いたく気に入ってますよ。」
「ありがたいがな。…アタルどの、娘のこの変わり様、父親の本音としては少々複雑なのだ。」
「まぁ、あなたったら。
アタルどの、ごめんなさいね。でも、年の離れた末娘でしょう?それはもう眼に入れても痛くないかわいがり様で…。うふふ。」
「これこれ、やめんか。」タテベどのも父親だなぁ。
俺たちは、間もなくタテベ館を辞して、ユノベ本拠に向かった。まだ昼前だ。
タテベ本拠は、半島の東に位置するコスカの港町にある。コスカから半島の山を越え、半島の反対の海岸に出て、海を弓手に見ながら、海沿いを延々と西へ進む。途中、浜辺で弁当を食べた。潮風が心地いい。
夕方、そこそこな大きさのガミサの河に行き当たった。ここで、出発初日の晩にマキタの原野で登録していた流邏矢の乙矢を登録し直し、ユノベ本拠に登録している流羅矢の甲矢を試したが、作動しなかった。テンバのユノベ本拠には、まだ10里以上あるんだな。例によって、不発だった流邏矢はすぐに戻りの箙に回収された。
ガミサの河を渡ってもう少し進むか迷ったが、河向うに町がなければ野宿となるので、少し戻ったチガサの港町で宿を取ることにした。
手頃な宿屋に入る。
「シングル2部屋を頼む。」
「シングルもツインも満室です。デラックスダブルしかないです。そこも残り1部屋ですよ。」
ホサキを見ると赤くなって頷いた。
「じゃぁ、それでいい。1泊で。」
「素泊まり1泊おひとり様銀貨2枚と、デラックスダブルのお部屋代銀貨5枚で、合計銀貨9枚です。」
俺たちはチェックインしてすぐに、宿の食堂で夕餉を摂った。素泊まりなので食事は別料金だが、銀貨3枚で腹いっぱいになった。
部屋に戻ると、ホサキは落ち着かなげにソワソワしている。
「ホサキ。」
びくーっ。
「ホサキ、大丈夫だ。婚約発表までは何もせん。部屋だって、同室になったのは空いてなかったからだ。シングルは満室だと言われただろ?」
「いや、違うのだ。そうではなくてだな…。」
じゃあ、何なんだよ。と突っ込みたくなるが、まぁ気持ちは分からんでもない。ホサキは箱入り娘だからな。
「落ち着くから先にシャワーを浴びて来い。覗かんし、乱入もしないから安心しろ。それでも心配なら鍵掛けとけ。」
「いや、本当にそうではないのだ。」
…。微妙に気まずい沈黙が続く。
「じゃぁ、俺が先に入ってもいいか?」
「そうではなくてだな…。」ん?何か言いたいことがあるのかな?
「何だか知らんが、言いたいことがあるなら言ってみろ。先のことだが、俺たちは夫婦になるんだから、変な遠慮はしないでくれよ。」
すーっ、ふーっ、すーっ、ふーっ。とホサキは深呼吸をした。
「実は継母上がな、アタルとは夫婦になるのだから、お風呂ではアタルのお背中を流すようにせよ。それが円満の秘訣だ。と仰ったのだ。」
「それで緊張してるのか?」
「それだけならまだいいのだが…。」
「何だよ。最後まで言ってみろって。」
「では言うぞ。いいか、言うぞ…。
お背中を流すときは、アタルが裸なのだから私も裸でなければならぬと。
裸でお背中を流していると、十中八九、アタルは私のことも洗おうとするから、最初は恥ずかしがって…その…それから折を見て、徐々好きにさせて行けと。うまくやれば、アタルから今後も風呂に誘われるようになると。」
俺は呆気に取られた。何ちゅうーことを吹き込んでやがるんだ?あのババァ。
それにしてもホサキはやっぱり素直だな。せっかくの入れ知恵を、洗いざらい俺にしゃべっちまったら、作戦にならんではないか。でもホサキのこう言うところが、俺は好きだな。そうか、俺はホサキが好きなんだなぁ。
「そんなことはしないでもいいよ。」
「それでは困るのだ。円満になれないではないか。」
「なれるよ。俺たち、出会ってまだ4日目だろ。それなのにもう俺はホサキが気になってしょうがない。これは惚れて来たと言うことだ。お互いに好きなら円満になるに決まってるじゃないか。」
眼を見張り、赤くなるホサキ。
「そ、そうなのか?よーし、それなら私も腹を括ろう。アタル、お背中を流させてくれ。」
「え?なんでそう言う展開になるの?」
「私は細かいことにこだわっていたのだ。アタルの今のひと言でそれが吹っ切れた。」
「なんだよ?細かいことって。」
「よい。一緒に入れば分かる。」
ここで一緒に入るのを断ったらホサキは傷付くな。サヤ姉、サジ姉、ふたりの予想通りになってやったぞ。ざまぁみろ。笑
俺はホサキの裸体に息を飲んだ。盾槍士として鍛え上げられた、針金のようにシャープな体だ。無駄な贅肉が一切ない。彫刻のようだ。
一瞬のうちにマイサンがマイドラゴンに変身した。
「アタル、やっぱり私の裸は女らしくなくてダメか?」泣きそうなホサキ。
「違う。美しい。このように鍛え上げるのは並大抵の努力ではないな。本当にきれいだ。素晴らしい。」
「重装備の盾槍士は、鎧の重みで、いつも筋トレしながら生活しているようなものだ。どうしても体がこうなる。胸もほとんどない。」ホサキがシュンとなる。
全身に眼が行っていたが、ホサキの頂はベージュか。
「ホサキ、気にするな。俺は巨乳は好まん。小振りなのがいいのだ。お前くらいのが、どストライクだ。」
「そうなのか!やっぱり気にしていた私がバカだったのだな。」ホサキは満面に笑みを浮かべた。ホサキがこだわっていた細かいことと言うのはこれか。
それから背中を流してもらい、俺もホサキの体を洗った。…だってここで、洗わなきゃ、タテベの奥方からあらぬことを吹き込まれて来たホサキが、やっぱり私には魅力がないって落ち込むじゃないか!
まずは、俺の両手はたっぷりと泡を纏い、指がホサキの腹の見事なシックスパックをなぞってから、小振りな双丘に登頂し、ベージュの頂のポチリの程よい固さと、感度のよさを思う存分弄んだ…じゃなくて丁寧に洗った。その後、全身をくまなく磨き上げた。もちろん素手でな。
風呂から出た俺たちは、そのままベッドイン。超肉食だった従姉のふたりとは違い、ホサキは従順そのものだった。
ポチリとなったベージュの頂を転がすように味わうと、ホサキの口から生々しい吐息が漏れる。
「うっ、くふぅ。」それから…。
ホサキはめでたく初陣を飾り、マイドラゴンは返り血を浴びつつも、ホワイトブレスを思う存分吐き出した。
夜更けまで都合3回戦をこなした俺たちは、心地よい眠りに就いたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/1/23
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№15 タテベ訪問とホサキの心配事
昨夜は飲み過ぎた。
軽く頭が痛い。二日酔いか?ひどくなくてよかった。
あれ、俺、何で裸?ベッドの脇に洗面器に水が張ってあり、濡れたタオルふたつ。…そう言うことか。
酔い潰れた俺をサヤ姉とサジ姉が運んでくれて、服を脱がせて体を拭いてくれたんだな。すっかり世話を掛けてしまった。
裸のまま放置されたのは、また酔い潰れたらそのときは悪戯しちゃうぞ!と言う、ふたりからの警告に違いない。
朝の恒例行事でドラゴン化しているマイサンを見る。マイドラゴンに顔が描かれてたりはしてなくてホッとした。
洗面所で鏡を見ると、俺の顔にも落書きはない。初回は悪戯せずに、許してくれたらしい。俺はそのままシャワーを浴びた。
食堂でふたりと合流し、早速詫びる。
「サヤ姉、サジ姉、おはよう。昨日はまた世話になったようで、ありがとうございました。つーか、ほんっと、すみません。」深々と頭を下げた。
「アタル…私たちが…いない…所で…呑んじゃ…ダメ…。」
「そのうち、財布取られるとか、痛い目見るわよ。」
「いや、心を許せるふたりがいたから、安心して酔い潰れたんです。」
「「えっ?」」
おー、モジモジまっかっか×2、頂きました。ちょろい。笑
朝餉を摂って、チェックアウトした。値段も手頃でいい宿だった。ここを東都の定宿にしようと思う。
ギルドには、ホサキが来て待っていた。相変わらず早いな。生真面目なんだな。ホサキと合流すると、受付のチナツが声を掛けて来た。
「おはようございます。皆さん。ちょっといいですか?」
「おはよう、チナツさん。どうかしたか?」
「皆さん、西へ向かうんですよね?明後日、商都へ向かう商隊の護衛依頼がありますよ。」
商都は西都の経済圏を支える重要都市だ。政治の西都、神社仏閣の古都とともに、経済の商都を合わせて西三都と呼ばれている。
ちなみに東都は広いので、政治と経済の両方の機能がある。神社仏閣は古都ほどの歴史はないので、古都に匹敵する機能は、東都にはない。
「条件は?」
「旅程は12日で、日当がひとり大銀貨2枚です。毎日大銀貨1枚ずつ支給され、商都に着いたら残金の金貨1枚と大銀貨2枚が支払われます。
戦闘になって敵を撃退したら、別に手当が出ますが、戦闘による護衛の損害は自腹です。宿泊は商隊持ちですが、部屋をグレードアップするなら差額は自腹です。食事も自弁です。」
途中で抜けると半額か。だとしてもなかなかの条件だな。
「みんなで話して決めたいので、ちょっと時間をくれないか?」
「どうぞ。」
「商隊護衛のクエストだが、いいタイミングだと思う。」
「そうね。」
こくり。
「ふむ。」
「だが、3日後と言うのが微妙だな。タテベとの同盟調整に、一旦ユノベに戻らなくては。
ホサキ、できればその前にタテベどのに会いたいが?」
「父上から、アタルにこれを。」
「流邏石ではないか。」
「タテベ本拠を登録している。ご自由にお使いあれとのことだ。」タテベ本拠は、東都の南のコスカと言う港町にある。
「タテベどのは、同盟参加に大層乗り気と見える。」
「そうだ。だいたい私に嫁げと言うのだぞ。自分で言うのも何だが、庶子とは言え末娘だし、兄上や姉上とは私だけ年が離れているからな。父上には大層大事にされている。」
なるほどな。流邏石も貰ったし、早めに顔を出した方がいいな。
「ではこれからタテベどのへ挨拶に行こう。
そのあと、ユノベへ向かって、叔父貴たちとタテベとの同盟の話を詰める。叔父貴の誰かをタテベへの正式の使者とすることになろうな。タテベ本拠のコスカからユノベ本拠のテンバまでは2日掛かるな。
サヤ姉とサジ姉は、実家で1泊して骨休めしたらどうだ?」
「アタル、あんた、ホサキとふたりきりで泊まるつもり?」
「えっ?」ホサキはモジモジ&真っ赤っか。
「もちろん婚約前だから別々の部屋に泊まるぞ。」
「ホント…かな…?」
「ホントだってば!それに流邏矢が使えるようなら、泊まらずに行くよ。」
「ユノベにはアタルだけ行けばいいんじゃないの?」
「いや、ホサキを叔父貴どのたちに会わせておきたいし、ホサキにもユノベ本拠を見せておきたい。」
「それもそうね。」
結局、明日まで別行動になった。
俺とホサキは、流邏石でコスカのタテベ本拠に飛び、タテベ統領に挨拶してから、テンバのユノベ本拠へ向かう。その日のうちに流邏矢の有効範囲に入れればユノベ本拠へ飛び、入れなければ1泊して、翌日ユノベ本拠に入る。
ユノベ館では、叔父貴たちにホサキを紹介して、タテベとの婚姻同盟の具体化について話をまとめ、婚約発表の段取りを決める。
叔父貴たちとの話は、早ければ今夜、遅くても明日の昼には終わるから、明日の夜には東都に戻れる。
サヤ姉とサジ姉は、それぞれ流邏石で実家に飛んで今夜は実家で1泊し、明日の夕方に東都で合流する。
よし、これなら3日後の出発には十分間に合うな。
俺たちは、商隊護衛のクエストを受けることにした。明後日の夜にはギルドで商隊と護衛の顔合わせだそうだ。
ギルドを出ると、サヤ姉はトコザのトノベ本拠へ、サジ姉はトマツのヤクシ本拠へ、それぞれ流邏石で帰って行った。昨日の今日だから、トノベもヤクシも驚くだろうな。笑
俺とホサキは流邏石でコスカのタテベ本拠に飛んだ。東都からコスカへは、徒歩で行くには、1日ではちょっときつい距離だ。タテベ棟梁からの流邏石の提供は、非常にありがたかった。
タテベでは俺たちの到着を予測していたようで、すぐに表座敷に通された。席を勧められて俺が座ると、ホサキがその横に座った。間もなく初老の夫婦が現れた。ホサキが小声で、
「父上と継母上です。」と言った。
タテベ統領とその奥方が揃って面会か。
奥方はホサキの継母だ。幼くして実母を亡くしたホサキのことを引き取って、随分かわいがってくれたと言う。
「父上、継母上、こちらがユノベの次期統領、アタルどのです。」ホサキが俺を紹介した。絶妙なタイミングだ。
「この度は、貴重な流邏石とともにお招き頂き、誠にありがとうございます。」
「こちらこそ早速のお運び、誠にありがたく存ずる。」
「あなた、硬いわ。これから親戚になるのですから、もう少しざっくばらんに行きましょうよ。ね、アタルどの。」
「それもそうだな。アタルどの、よろしいか?」
ほう、この奥方、なかなかやるな。一気に場を和ませたぞ。
「はい。その方がいいですね。」
「ホサキとの婚姻は受けて下さるのかな?」
「もちろんです。ユノベとタテベの婚姻同盟は願ってもないこと。ご挨拶の後、この足でユノベに向かい、叔父たちに諮ってから正式に婚儀のお願いの使者を立てます。」
「ほう、ユノベどのからお使者を?」
「当然です。ホサキ姫を頂戴するのですから、こちらから使者を立てねば、タテベどのに申し訳ないですよ。」
「ご配慮、痛み入る。」
「同盟は対等な方が、お互い長続きするでしょう?」
「そうですな。」
「それと、確認です。ご存知でしょうが、俺はすでに、トノベのサヤ姫とヤクシのサジ姫と婚約しています。」
「いやぁ、発表を聞いて正直、しまった。先を越された。と思いましたな。」
「しかしその後の巻き返しは大したものです。こちらの行動を完全に読まれてましたね。」
「アタルどのは、途中からすべて見通されていたようだが?」
「たまたま…ですね。」
「ご謙遜を。
ホサキ、アタルどのをしっかりお支えするのだぞ。」
「はい。父上。」ホサキは満面の笑みを浮かべた。
「政略結婚ではあるのだが、ここ2~3日で、ホサキはすっかりアタルどのに惚れ込んでしまったようだ。」
「俺もホサキの姫の素直なところが、いたく気に入ってますよ。」
「ありがたいがな。…アタルどの、娘のこの変わり様、父親の本音としては少々複雑なのだ。」
「まぁ、あなたったら。
アタルどの、ごめんなさいね。でも、年の離れた末娘でしょう?それはもう眼に入れても痛くないかわいがり様で…。うふふ。」
「これこれ、やめんか。」タテベどのも父親だなぁ。
俺たちは、間もなくタテベ館を辞して、ユノベ本拠に向かった。まだ昼前だ。
タテベ本拠は、半島の東に位置するコスカの港町にある。コスカから半島の山を越え、半島の反対の海岸に出て、海を弓手に見ながら、海沿いを延々と西へ進む。途中、浜辺で弁当を食べた。潮風が心地いい。
夕方、そこそこな大きさのガミサの河に行き当たった。ここで、出発初日の晩にマキタの原野で登録していた流邏矢の乙矢を登録し直し、ユノベ本拠に登録している流羅矢の甲矢を試したが、作動しなかった。テンバのユノベ本拠には、まだ10里以上あるんだな。例によって、不発だった流邏矢はすぐに戻りの箙に回収された。
ガミサの河を渡ってもう少し進むか迷ったが、河向うに町がなければ野宿となるので、少し戻ったチガサの港町で宿を取ることにした。
手頃な宿屋に入る。
「シングル2部屋を頼む。」
「シングルもツインも満室です。デラックスダブルしかないです。そこも残り1部屋ですよ。」
ホサキを見ると赤くなって頷いた。
「じゃぁ、それでいい。1泊で。」
「素泊まり1泊おひとり様銀貨2枚と、デラックスダブルのお部屋代銀貨5枚で、合計銀貨9枚です。」
俺たちはチェックインしてすぐに、宿の食堂で夕餉を摂った。素泊まりなので食事は別料金だが、銀貨3枚で腹いっぱいになった。
部屋に戻ると、ホサキは落ち着かなげにソワソワしている。
「ホサキ。」
びくーっ。
「ホサキ、大丈夫だ。婚約発表までは何もせん。部屋だって、同室になったのは空いてなかったからだ。シングルは満室だと言われただろ?」
「いや、違うのだ。そうではなくてだな…。」
じゃあ、何なんだよ。と突っ込みたくなるが、まぁ気持ちは分からんでもない。ホサキは箱入り娘だからな。
「落ち着くから先にシャワーを浴びて来い。覗かんし、乱入もしないから安心しろ。それでも心配なら鍵掛けとけ。」
「いや、本当にそうではないのだ。」
…。微妙に気まずい沈黙が続く。
「じゃぁ、俺が先に入ってもいいか?」
「そうではなくてだな…。」ん?何か言いたいことがあるのかな?
「何だか知らんが、言いたいことがあるなら言ってみろ。先のことだが、俺たちは夫婦になるんだから、変な遠慮はしないでくれよ。」
すーっ、ふーっ、すーっ、ふーっ。とホサキは深呼吸をした。
「実は継母上がな、アタルとは夫婦になるのだから、お風呂ではアタルのお背中を流すようにせよ。それが円満の秘訣だ。と仰ったのだ。」
「それで緊張してるのか?」
「それだけならまだいいのだが…。」
「何だよ。最後まで言ってみろって。」
「では言うぞ。いいか、言うぞ…。
お背中を流すときは、アタルが裸なのだから私も裸でなければならぬと。
裸でお背中を流していると、十中八九、アタルは私のことも洗おうとするから、最初は恥ずかしがって…その…それから折を見て、徐々好きにさせて行けと。うまくやれば、アタルから今後も風呂に誘われるようになると。」
俺は呆気に取られた。何ちゅうーことを吹き込んでやがるんだ?あのババァ。
それにしてもホサキはやっぱり素直だな。せっかくの入れ知恵を、洗いざらい俺にしゃべっちまったら、作戦にならんではないか。でもホサキのこう言うところが、俺は好きだな。そうか、俺はホサキが好きなんだなぁ。
「そんなことはしないでもいいよ。」
「それでは困るのだ。円満になれないではないか。」
「なれるよ。俺たち、出会ってまだ4日目だろ。それなのにもう俺はホサキが気になってしょうがない。これは惚れて来たと言うことだ。お互いに好きなら円満になるに決まってるじゃないか。」
眼を見張り、赤くなるホサキ。
「そ、そうなのか?よーし、それなら私も腹を括ろう。アタル、お背中を流させてくれ。」
「え?なんでそう言う展開になるの?」
「私は細かいことにこだわっていたのだ。アタルの今のひと言でそれが吹っ切れた。」
「なんだよ?細かいことって。」
「よい。一緒に入れば分かる。」
ここで一緒に入るのを断ったらホサキは傷付くな。サヤ姉、サジ姉、ふたりの予想通りになってやったぞ。ざまぁみろ。笑
俺はホサキの裸体に息を飲んだ。盾槍士として鍛え上げられた、針金のようにシャープな体だ。無駄な贅肉が一切ない。彫刻のようだ。
一瞬のうちにマイサンがマイドラゴンに変身した。
「アタル、やっぱり私の裸は女らしくなくてダメか?」泣きそうなホサキ。
「違う。美しい。このように鍛え上げるのは並大抵の努力ではないな。本当にきれいだ。素晴らしい。」
「重装備の盾槍士は、鎧の重みで、いつも筋トレしながら生活しているようなものだ。どうしても体がこうなる。胸もほとんどない。」ホサキがシュンとなる。
全身に眼が行っていたが、ホサキの頂はベージュか。
「ホサキ、気にするな。俺は巨乳は好まん。小振りなのがいいのだ。お前くらいのが、どストライクだ。」
「そうなのか!やっぱり気にしていた私がバカだったのだな。」ホサキは満面に笑みを浮かべた。ホサキがこだわっていた細かいことと言うのはこれか。
それから背中を流してもらい、俺もホサキの体を洗った。…だってここで、洗わなきゃ、タテベの奥方からあらぬことを吹き込まれて来たホサキが、やっぱり私には魅力がないって落ち込むじゃないか!
まずは、俺の両手はたっぷりと泡を纏い、指がホサキの腹の見事なシックスパックをなぞってから、小振りな双丘に登頂し、ベージュの頂のポチリの程よい固さと、感度のよさを思う存分弄んだ…じゃなくて丁寧に洗った。その後、全身をくまなく磨き上げた。もちろん素手でな。
風呂から出た俺たちは、そのままベッドイン。超肉食だった従姉のふたりとは違い、ホサキは従順そのものだった。
ポチリとなったベージュの頂を転がすように味わうと、ホサキの口から生々しい吐息が漏れる。
「うっ、くふぅ。」それから…。
ホサキはめでたく初陣を飾り、マイドラゴンは返り血を浴びつつも、ホワイトブレスを思う存分吐き出した。
夜更けまで都合3回戦をこなした俺たちは、心地よい眠りに就いたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/1/23
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
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カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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