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turning point

☆足りないな… ②

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 白いシーツに散る栗色の髪にアーネストの指先が絡む…。そのまま頬、首筋と触れ、何も身につけていない肩越しに……そして二の腕を過ぎて、指先へと進み……戯れるようにして、同じ個所を戻る。

 緩やかに、まるで確認するかのように触れるとショーティは軽く身じろいだ。

 初めて触れた時から変らない新鮮な反応……がアーネスト自身の快楽を生む。

「…………ぁ…」

 その口からこぼれる声にさえ、どれだけ溺れてしまいそうになっているのか、煽られているのか。
 誰もいない部屋に戻ってきた時の打ちのめされた衝撃が蘇ったが、

「…ア…アーネ…スト…っ」

 震える声で名を呼ばれ、伸ばされる指先に、笑みを浮かべてしまう。

 薄暗い部屋の中で、甘さを残したショーティのねだるような声が響く。

 寝室に入ってからも覆い被さるようにして、ただひたすら口腔内を蹂躙し尽くした。ぐったりとしたところに、キスが愛撫という名に変わり、ショーティの感覚を揺さぶる。

 …アーネストは幾度もキスを繰り返しながら、ショーティの首に鎖骨に胸元に、きつい口づけを繰り返す。赫い華がショーティの少し黄味のある肌の上に散っていくが、所有の印とも思われるそれを、止める気はなかった。

「……ぁ……」

 そして、直接的な行為ではないのに、確実に高ぶっているショーティの反応にやや満足したのかアーネストは、力が入って赤くなったショーティの目元にそっとキスを落とすと、ショーティの服を全てはぎ、彼の腿を大きく開いた。そしてあろうことか、もう張り裂けそうなショーティ自身ではなく、アーネストを受け入れる場所をぺろりと舐めた。

「!…っ……そっ」

 突然の行為にショーティは意識を取り戻したように慌てて腰を捩る。ショーティ自身はいつものように触ってほしくて嬲ってほしくて最高に張っているというのに、そこではない場所への刺激に全身がぞわぞわと泡立つ。
 しかしアーネストに押さえられた足は、より開かれ、アーネストの前にその全てを晒していた。

 そして、行為は続く。

「ゃ…ちょ、待っっ!」

 そんな懇願にかまうことなく、アーネストは時折ぴちゃと音を立てる様に…舐め続ける。
 
「………アーネスト!……そこは…あっ、……」

 そんなことはしなくてもいい、と言いたいはずなのに、ショーティは得も言われぬ感覚に押し流され…こぼすはずのない声が口をつく……。アーネストは行為をやめる様子もなく———。

「やめ…アー、ネストっ———おねがいっ…」

 その声が届いたように一瞬行為をやめたアーネストは、欲望の姿を晒すショーティ自身、に軽く口づけた。

「ひゃっ!」

 柔らかな…唇の感触……。
 その刺激に、過敏になっているショーティの躰が跳ねる。

「………どうしてほしい?」

 ベッドサイドのランプに仄かに照らし出されたアーネストは、汗だくのショーティとは反対に涼やかだった。しかも彼はネクタイこそはずしているが、まだシャツとスラックスを着ているのだ。そのアーネストが身を起こし、ショーティの両腕を押さえると、覗き込むようにして尋ねる。

「…わかって、る…くせに……」

 この状況で、何をっ…と息を切らしながらもショーティが睨みつけると、涼やかな表情で見下ろすアーネストがいる。良く知っている表情だった。清廉潔白?温厚篤実?そんなものはアーネストの調子のいい仮面でしかない。

 だけれども、この表情が好きなのだ……。

 腰の奥深くが、背筋の中心がぞくぞくと快楽を求めて暴れ出しそうで、なのに、両腕を押さえられていて動けない。

「……は……っ…」

 見つめられているだけで息が上がっていた。もはやショーティには欲求を止められない———。

「—————ねえ、触って…。お願……!」
「うん、だから、触ってる………」

 そう妖しく笑う唇は、赤く濡れている。
 そして今度は、アーネストを受け入れるだろう場所に指を忍ばせて触れるかどうかの間際を掠め、けれどすぐに腿を抑え込んで、口を寄せる…。
 その行為が、続くだろうことはわかっていても、嫌だと言ってもショーティの躰は素直にアーネストを待ってしまう。……羞恥と、その音と…感覚にもう十分だった。アーネストが自分の躰をいかに知っているかを、今さらながらに思い出して、彼の目の前で限界を迎えそうになる。

「……ぁ!」

 5ヶ月…5ヶ月も焦がれていたのだ。

「——————欲しいっ…っ……欲しいんだって!…アーネストっ!アーネスト!!もう待てないっっ!」

 その叫びに、アーネストはショーティ自身を咥え大きく吸った。

「や…あっあっあああああああっっっっ!!」

 その瞬間、ショーティは……躰が跳ねると同時に、真っ白になった。何もかもが彼方へと吹き飛ぶようにも感じられてふっと意識が遠のく。けれど失うことはなく、次の瞬間にはただ躰が重くベッドに沈み込むような感覚を受けた。

「はぁ…っ…ぁ————は…っ…」

 せわしない息遣いが部屋を覆う中、そんな姿を見下ろしながらアーネストはゆっくりとシャツを脱いだ。

 その姿を、やや悔しそうにショーティは見つめた。それでも、期待は膨らむだけだ。重い腕を持ち上げてアーネストに手を伸ばす。その指先を手に取ったアーネストはそっと口づけた。

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