上 下
31 / 42

26. 母と娘 〜母の思い

しおりを挟む

メリルまでのことを話したところで、ちょうどフィリップが茶を給仕してくれた。
どちらともなく、淹れたてのお茶を味わう。

これから話す話の方が、母の精神的に辛い話になるだろう。
先程の様子からそれが分かったからこそ、絶妙なタイミングでの茶の差し入れに、有能な元家令に感謝した。

「──サイラスのことですが⋯⋯」

母がカップを置いたタイミングを見計らって、そっと告げる。
母は伏せていた目を上げ、真っ直ぐに私を見た。

「⋯⋯結論から申し上げますと、彼奴あやつを公爵暗殺未遂とその他の殺人の罪に問うのは、難しそうです」

母の柳眉が、ひそめられる方に微かに動く。
その姿からは、疑念や落胆というよりは、嫌な予想が当たったと、そういう気持ちが察せられた。

「ラザル卿も随分とご尽力くださったそうですが、罪を立証しきれず、面目ないとおっしゃっていました」

メリルはともかくとして、サイラスによるラザル子爵家の次男殺害とプライセル公爵暗殺未遂は、極端に言ってしまえば、単なるお家騒動の跡目争いである。しかも狙われた公爵は、現在も健勝であるのだ。
その他の殺人の嫌疑についても、馬の世話係も公爵家の下働きも、あの男の関与が疑われる殺人被害者は、ほとんど平民と変わらないような身分の者だ。残念ながらこちらも重くは見られない。
何より、確たる証拠が何も存在しないことが、どうしようもなく痛い。

それよりは、騎士団の財務管理の杜撰さが露呈した横領事件の方がよっぽど衝撃が大きいし、関係者の身分も高く、聴取する人数も膨大になる。
しかも、騎士団自体の沽券にも関わる重大問題である。関与した者を徹底的に洗い出し、片っ端から処罰せねば、信頼回復はならないだろう。

だから、どこまで騎士団が本腰を入れて暗殺未遂の嫌疑をあらためてくれるか──尻尾を掴ませないサイラスをこちらの罪で捕らえるにあたり、それが気がかりだったのだが、見事に悪い予想通りになってしまったらしい。

「⋯⋯結局、あの男は相変わらず小狡く逃れていくのね」

実の兄であるサイラスに向け、母が憎々しげに呟く。
だけど、悪い話ばかりでもないのだ。

「暗殺未遂の罪は問えないかもしれませんが、横領は20年の長きに渡り国民の血税で賄う騎士団の予算を搾取していたことを、陛下が重く見てくださいました。そのため、その件の首謀者である彼奴には、そちらの方で重い刑に処されるようです」

まだすべての裏付けは済んでいないが、約20年間で掠め取った総額は、なんと国家予算の1年分に相当するかもしれないらしい。
あの男と共に甘い汁を吸っていた者たちは、一生をかけて、それこそ弁済するために、最低限の衣食住の保証の元、危険だが高収入ハイリスク ハイリターンの仕事に従事し、得られる収入をすべて国庫に返し続けるということだ。──これは、奴隷制度の存在しないこの国でできる、最も過酷な犯罪者の扱いだ。

その仕事には、一般的には鉱山での労働などが挙げられるが、サイラスに言い渡されたものは違う。

「サイラスは、辺境の地で永久に従事することとなりました」

ここで言う辺境とは、隣国との国境となっている魔の森と接する地域のことだ。
建国以来、この森を越えて他国が侵略してきたことはないが、常に魔物の脅威に晒されている地である。
辺境伯が屈強な軍を擁しているものの、慢性的な人手不足を抱えている。

そのため、その他の地域で騎士となった、貴族だが嫡子でない者や平民出身の者は、どこかの時点で最低2年は辺境に派遣されることがある。
わざわざ嫡子でないとつくのは何故かと言えば、どの地域よりも圧倒的に死傷者数が多いからである。
特に、最も軟弱と言われる王都近郊出身の騎士は、派遣された者の2割弱は任期中に死亡するか職務遂行不能の傷害を負うらしい。

そして今のサイラスには、次期騎士団長と目された剣技の冴えもなく、あるのは動きを妨げる脂肪の鎧と、自意識過剰と言うしかない自負である。

そんな男の、辺境での騎士としての永久就職 ──実質上の死刑宣告だった。
むしろ、一息に息の根を止められるよりも、死ぬまで魔物との戦いに駆り立てられる方が、残酷かもしれない。

「平行して尋問を続けながら、捕縛時の怪我がある程度癒え次第、辺境へと送られるそうです」
「⋯⋯そう」

小さく頷き、母は深々と息を吐いた。

「これで──とうとう、あの男も終わりね」

万巻の思いがこもった言葉、そこにこめられた思いに心を馳せ、二人揃ってしばらく黙した。


「あとは⋯⋯お母様、その⋯⋯」

母が伏せていた目を上げたタイミングを見計らい、口を開く。
だが、なんと話し出すべきか迷っていると、母が小さく笑った。

「大丈夫よ。トリスタンのことね」
「⋯⋯はい」

騎士の業務を妨害して捕らえられた愚弟のことだ。
その言動が段々と目に余るようになり、彼に対しても苦言を呈し続けた母だが、それでも胎を痛めて産んだ我が子だ。心を痛めているだろうことは、察するに余りある。

「トリスタンは騎士の職務妨害で詰所に連行され、メリルと同じように取調べを受けたそうです」

彼がサイラスに心酔していることは明らかだった。故に、横領や暗殺未遂への関与を疑われたのだ。
あの場でメリルを庇わなかったとしても、聴取のために出頭の要請が来ていたことだろう。

しかし、取調べの中で弟はそれらすべての嫌疑を否定したし、関与を裏付ける証拠も見つからなかった。
捕まってからは横領に関与した者すべて巻き込もうと、共犯者の情報をペラペラ喋ったサイラスすら、その名を挙げなかった。

よって、一通りの取調べが済むとひとまず解放となったが、見習いとはいえ騎士の身でありながら罪人の捕縛を阻んだ責は問われた。

「騎士として犯罪者を庇うなど、絶対にあってはならない行為だと。⋯⋯今しばらくは停職ということで自邸での謹慎を申し付けられていますが、最終的な処分は免職になるようです」
「そう⋯⋯でしょうね」

険しい顔をしていた母も、小さく頷く。

「ですが、免職は免職でも、自ら辞めるという扱いにしていただけるようです」
「それは、どういうこと?」
「強制的な免職ではなく、謹慎の末の自発的な辞職で処理されるということです。ラザル卿が、立ち塞がっただけで剣を抜かなかったことと、自ら非を認めて捕縛されたこと、その後深く反省している様子であることから、配慮してくださったようです」

本当にラザル卿は優しい、と思う。
本来は、騎士にあるまじき行為により辞めさせられたとなるべきところだ。しかし、不名誉な責をあの愚弟が負うことがないよう、彼はわざわざ取り計らってくれをたのだ。

──だが。

「⋯⋯トリスタンは、免職から逃れる代わりに⋯⋯──辺境への派遣を志願したそうです」

母の目が、ゆっくりと見開かれた。

「──辺境?そんな⋯⋯それなら、素直に辞職すれば⋯⋯」

呆然と呟いてから、先程まで聞いていた話を思い出したらしい。

「ッ、まさか、あの子──!」
「それは分かりません!⋯⋯分かりませんが、騎士を辞めるくらいならと、自ら願い出たことは間違いないようです」

その選択に、まだトリスタンは辺境送りとなったあの男に囚われているのではないか、もしくは自棄になっているのではないかと心配したラザル卿は、彼との直接の話し合いの席を設けてくれたようだ。しかし、辺境上がりであるラザル卿の話を聞いても、あの弟は感謝はすれども引かず、理由も語らなかったらしい。
それで結局その話は騎士団上層部に上がり、そこで認められ、辺境伯の許しも得て、彼の辺境派遣が決まった。

横領や公爵暗殺未遂など、証拠がないだけで容疑が完全に否定されたわけではない。咎による免職を免れて騎士を辞めたとしても、そちらの方の疑惑はずっと付きまとっただろう。
未来のフィングレイ家当主には、そのような後ろ暗さが永遠について回るところだったのだ。

それでも、彼が辺境行きを希望したことで、もしかしたらその辺りも曖昧になるかもしれない──都から離れることで、少なくとも彼に纏わりつく悪評は下火になるだろうから。
とはいえ、辺境行きを自ら希望した者は、余程の功績を挙げぬ限りは死地とも呼ばれるの地から離れられないと言われている。諸刃の剣の選択であることは間違いない。

嫡男のこの暴挙とも呼べる行動に、元父は何をしていたのかと思う。
さすがに元父にもこの話はいっているだろうし、まだ成人前で、しかも本来は有り得ない嫡男の辺境行きになるため、その家の当主の許諾はさすがに必要だろう。
まさか、何も分からずに書類にサインしたなどとは思いたくはないが。

ちなみに、この1ヶ月の間にティルダから婚約破棄の決意を固めたという旨の手紙が届いていた。
当然の報いではあるのだが、彼女に見捨てられてしまえば、トリスタンが辺境行きを希望せずに残ったところで、社交界に蔓延しつつある悪評から彼のもとに嫁ごうなどという令嬢も、嫁に出す家もないだろう。

つまり、フィングレイ家は未来の跡取りを失ったことになるのだ。
財政も傾き、奪爵さえ噂される家だ。どうしようもなくなった未来、養子に来てやろうという気概のある者、もしくは物好きは現れるかどうか。
跡取りがいないとなれば、当然、爵位の返上は免れない──これまた、元父の手腕が試される絶体絶命の窮地だった。

そんなことを私が考えている間に、母の顔色はさらに悪くなっていた。ハンカチで口元を押さえている。
静かに控えていたフィリップが駆け寄り、その傍に膝をついた。

「シンシア様。⋯⋯顔色が悪うございます。侍医をお呼びいたしましょうか?」
「いえ⋯⋯大丈夫よ、ありがとう」

震える声で言ったその目には、涙が浮かんでいた。
痛ましげに見守ることしかできない私たちの前で、母はゆるく頭を振る。

「⋯⋯わたくしに悲しむ権利なんてないわね。あの子をここまで追い込んだのは、私たちだわ」

自嘲げな笑みを浮かべながらそんなことを言う。

「お母様、」
「セシリア、貴女はトリスタンが嫌いだった?」

突然の問いかけに、寸の間固まった。

「⋯⋯そう改めて問われると、分かりません。理不尽な態度に怒りを覚えることはありましたが、嫌っていたかと言われると⋯⋯」

それに──何故そのように邪険に扱われるかも、約1ヶ月前のあの日に分かった。

「おそらく、サイラスが私にしたように、幼かったあの子にも悪意ある情報を吹き込んだのだと察しがつきましたから」
「⋯⋯そうね。あの子はきっと、あの男の言葉を鵜呑みにしたのね」

それが腑に落ちたから、弟に感じていたもどかしさは気づけば霧散していた。
と言っても、彼の現状を聞いても胸が痛まない程度に怒りは残っているのだが。

「ねぇ、セシリア。どうしてあの子は、貴女が気にも留めなかったサイラスの言葉を、鵜呑みにしたと思う?」

悲しげな瞳をした母の問いかけに、私は答えに窮した。
何故かとは、考えていなかった。
ただ単純に──あの男が上手うわてで、弟が愚かだったと、改めて考えてもその程度にしか思わない。

「あの子が、誰よりもプライセル公爵家とフィングレイ侯爵家が生んだ禍根の餌食になっていたからよ」

その言葉にはっとして、私は母の顔を見返した。
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。

138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」  お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。  賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。  誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。  そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。  諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。

公爵家の家族ができました。〜記憶を失くした少女は新たな場所で幸せに過ごす〜

ファンタジー
記憶を失くしたフィーは、怪我をして国境沿いの森で倒れていたところをウィスタリア公爵に助けてもらい保護される。 けれど、公爵家の次女フィーリアの大切なワンピースを意図せず着てしまい、双子のアルヴァートとリティシアを傷付けてしまう。 ウィスタリア公爵夫妻には五人の子どもがいたが、次女のフィーリアは病気で亡くなってしまっていたのだ。 大切なワンピースを着てしまったこと、フィーリアの愛称フィーと公爵夫妻から呼ばれたことなどから双子との確執ができてしまった。 子どもたちに受け入れられないまま王都にある本邸へと戻ることになってしまったフィーに、そのこじれた関係のせいでとある出来事が起きてしまう。 素性もわからないフィーに優しくしてくれるウィスタリア公爵夫妻と、心を開き始めた子どもたちにどこか後ろめたい気持ちを抱いてしまう。 それは夢の中で見た、フィーと同じ輝くような金色の髪をした男の子のことが気になっていたからだった。 夢の中で見た、金色の花びらが舞う花畑。 ペンダントの金に彫刻された花と水色の魔石。 自分のことをフィーと呼んだ、夢の中の男の子。 フィーにとって、それらは記憶を取り戻す唯一の手がかりだった。 夢で会った、金色の髪をした男の子との関係。 新たに出会う、友人たち。 再会した、大切な人。 そして成長するにつれ周りで起き始めた不可解なこと。 フィーはどのように公爵家で過ごしていくのか。 ★記憶を失くした代わりに前世を思い出した、ちょっとだけ感情豊かな少女が新たな家族の優しさに触れ、信頼できる友人に出会い、助け合い、そして忘れていた大切なものを取り戻そうとするお話です。 ※前世の記憶がありますが、転生のお話ではありません。 ※一話あたり二千文字前後となります。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!

天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。  魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。  でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。  一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。  トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。  互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。 。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.  他サイトにも連載中 2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。  よろしくお願いいたします。m(_ _)m

聖女は祖国に未練を持たない。惜しいのは思い出の詰まった家だけです。

彩柚月
ファンタジー
メラニア・アシュリーは聖女。幼少期に両親に先立たれ、伯父夫婦が後見として家に住み着いている。義妹に婚約者の座を奪われ、聖女の任も譲るように迫られるが、断って国を出る。頼った神聖国でアシュリー家の秘密を知る。新たな出会いで前向きになれたので、家はあなたたちに使わせてあげます。 メラニアの価値に気づいた祖国の人達は戻ってきてほしいと懇願するが、お断りします。あ、家も返してください。 ※この作品はフィクションです。作者の創造力が足りないため、現実に似た名称等出てきますが、実在の人物や団体や植物等とは関係ありません。 ※実在の植物の名前が出てきますが、全く無関係です。別物です。 ※しつこいですが、既視感のある設定が出てきますが、実在の全てのものとは名称以外、関連はありません。

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

婚約破棄?それならこの国を返して頂きます

Ruhuna
ファンタジー
大陸の西側に位置するアルティマ王国 500年の時を経てその国は元の国へと返り咲くために時が動き出すーーー 根暗公爵の娘と、笑われていたマーガレット・ウィンザーは婚約者であるナラード・アルティマから婚約破棄されたことで反撃を開始した

乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?

シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。 ……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

処理中です...