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4章
天井裏の真実
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失踪した彩由美を探して三日目。
葉羽は学園の地下室で、決定的な証拠を見つけていた。
古びた実験ノート。
表紙には「魂エネルギー転写装置 実験記録」と記されている。
著者は望月啓介。彩由美の祖父であり、40年前に天井裏で死亡した建築家だ。
「まさか...」
葉羽は震える手でページを繰った。
───────────────
実験記録 其の壱
明治十五年に霧島蓮により考案された魂転写の技術を応用。
現代科学との融合により、永久的な魂の保存が可能となる。
人体から魂を抽出し、機械装置内に封じ込める。
───────────────
「明治...?」
葉羽は目を疑った。しかし、次のページにはさらに衝撃的な記述が。
───────────────
実験記録 其の七
霧島翁の技術は完璧だった。
百年以上の時を経て、彼の魂は今なお機械の中で生きている。
しかし、新しい容れ物が必要だ。
娘の薫子を、その実験台として...
───────────────
「待ってください!」
突然、背後から声が響いた。
振り向くと、そこには理事長・望月薫子が立っていた。
「その記録は、私の父...啓介のもの」
彼女の声は、悲しみに満ちていた。
「全てお話ししましょう」
薫子は古い写真を取り出した。
明治時代の集合写真。
中央には、現在の薫子とそっくりな女性が写っている。
「この女性は、私の曾祖母...霧島蓮の妻です」
薫子は静かに語り始めた。
「そして、この横にいるのが...」
その時、地下室の扉が大きな音を立てて閉まった。
同時に、天井から不気味な笑い声が響く。
「いけない!」
薫子の表情が変わった。
「満月が...」
頭上から、機械が動き出す音。
そして、彩由美の悲鳴が聞こえた。
「由美!」
葉羽は思わず叫んだ。
「間に合いません」
薫子は取り乱したように言う。
「もう装置が起動を...」
「説明してください」
葉羽は薫子の肩を掴んだ。
「彩由美は何処に? 装置って何です?」
薫子は深いため息をついた。
「私が...霧島蓮です」
葉羽は言葉を失った。
「明治の頃、私は人の魂を永久に保存する研究をしていました」
薫子...いや、霧島蓮は続けた。
「成功しましたが、代償として娘の魂を装置に奪われた。それが、最初の囁き姫...」
「では、望月啓介は?」
「私の研究に興味を持った科学者でした。しかし、彼も真相に気づき...」
蓮は言葉を詰まらせる。
「私は彼を、装置の中に閉じ込めました」
「五十嵐先生も?」
蓮は黙って頷いた。
「そして次は、彩由美...」
葉羽は震える声で言った。
「なぜ彼女が?」
「彼女は、私の血を引く最後の子孫...」
蓮の目が異様な光を帯びる。
「最も純度の高い魂を持つ器なのです」
その時、建物全体が振動を始めた。
頭上では、巨大な機械が唸りを上げている。
「満月の光を動力に、天井裏の装置が魂を抽出する」
蓮は陶酔したように言った。
「これで永遠の...」
葉羽は蓮を突き飛ばし、階段を駆け上がっていた。
音楽室。
天井から響く彩由美の悲鳴を頼りに、葉羽は天井裏への入り口を探す。
そこに、一枚の設計図が目に入った。
蓮の研究ノートから落ちたものだ。
「これは...」
図面には、天井裏の装置の詳細が描かれていた。
二重の天井構造。
満月の光を増幅する鏡のシステム。
そして、魂を抽出する古の機巧技術。
「待ってろよ、由美...」
葉羽は天井裏への扉を見つけ出していた。
葉羽は学園の地下室で、決定的な証拠を見つけていた。
古びた実験ノート。
表紙には「魂エネルギー転写装置 実験記録」と記されている。
著者は望月啓介。彩由美の祖父であり、40年前に天井裏で死亡した建築家だ。
「まさか...」
葉羽は震える手でページを繰った。
───────────────
実験記録 其の壱
明治十五年に霧島蓮により考案された魂転写の技術を応用。
現代科学との融合により、永久的な魂の保存が可能となる。
人体から魂を抽出し、機械装置内に封じ込める。
───────────────
「明治...?」
葉羽は目を疑った。しかし、次のページにはさらに衝撃的な記述が。
───────────────
実験記録 其の七
霧島翁の技術は完璧だった。
百年以上の時を経て、彼の魂は今なお機械の中で生きている。
しかし、新しい容れ物が必要だ。
娘の薫子を、その実験台として...
───────────────
「待ってください!」
突然、背後から声が響いた。
振り向くと、そこには理事長・望月薫子が立っていた。
「その記録は、私の父...啓介のもの」
彼女の声は、悲しみに満ちていた。
「全てお話ししましょう」
薫子は古い写真を取り出した。
明治時代の集合写真。
中央には、現在の薫子とそっくりな女性が写っている。
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薫子は静かに語り始めた。
「そして、この横にいるのが...」
その時、地下室の扉が大きな音を立てて閉まった。
同時に、天井から不気味な笑い声が響く。
「いけない!」
薫子の表情が変わった。
「満月が...」
頭上から、機械が動き出す音。
そして、彩由美の悲鳴が聞こえた。
「由美!」
葉羽は思わず叫んだ。
「間に合いません」
薫子は取り乱したように言う。
「もう装置が起動を...」
「説明してください」
葉羽は薫子の肩を掴んだ。
「彩由美は何処に? 装置って何です?」
薫子は深いため息をついた。
「私が...霧島蓮です」
葉羽は言葉を失った。
「明治の頃、私は人の魂を永久に保存する研究をしていました」
薫子...いや、霧島蓮は続けた。
「成功しましたが、代償として娘の魂を装置に奪われた。それが、最初の囁き姫...」
「では、望月啓介は?」
「私の研究に興味を持った科学者でした。しかし、彼も真相に気づき...」
蓮は言葉を詰まらせる。
「私は彼を、装置の中に閉じ込めました」
「五十嵐先生も?」
蓮は黙って頷いた。
「そして次は、彩由美...」
葉羽は震える声で言った。
「なぜ彼女が?」
「彼女は、私の血を引く最後の子孫...」
蓮の目が異様な光を帯びる。
「最も純度の高い魂を持つ器なのです」
その時、建物全体が振動を始めた。
頭上では、巨大な機械が唸りを上げている。
「満月の光を動力に、天井裏の装置が魂を抽出する」
蓮は陶酔したように言った。
「これで永遠の...」
葉羽は蓮を突き飛ばし、階段を駆け上がっていた。
音楽室。
天井から響く彩由美の悲鳴を頼りに、葉羽は天井裏への入り口を探す。
そこに、一枚の設計図が目に入った。
蓮の研究ノートから落ちたものだ。
「これは...」
図面には、天井裏の装置の詳細が描かれていた。
二重の天井構造。
満月の光を増幅する鏡のシステム。
そして、魂を抽出する古の機巧技術。
「待ってろよ、由美...」
葉羽は天井裏への扉を見つけ出していた。
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