推理の迷宮

葉羽

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8章

彩由美の告白

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第8章: 彩由美の告白

特訓が始まって1ヶ月が経過した。葉羽の日々は、誠一郎の指導の下での推理力強化訓練、影山による心理分析講座、そして彩由美のサポートで埋め尽くされていた。

ある夜、葉羽と彩由美は豪邸の庭園を散歩していた。月明かりが二人を優しく照らす。

「葉羽、少し休憩しない?」彩由美が提案した。

二人はベンチに腰掛けた。しばらくの沈黙の後、彩由美が口を開いた。

「ねえ、葉羽。私、ずっと言いたいことがあったの。」

葉羽は彩由美を見つめた。「何だ?」

彩由美は深呼吸をして続けた。「私、本当はもっと早くに言うべきだったの。あの日記の謎や、学園での出来事...あれは全て私が仕組んだことだったの。」

葉羽は驚いた様子もなく、静かに聞いていた。

「でも、それだけじゃないの。」彩由美の声が震えた。「私...神藤家のことを前から知っていたの。」

「え?」今度は葉羽が驚いた。

彩由美は涙ぐみながら説明を続けた。「私の家族も、代々神藤家をサポートする役割を担っていたの。だから、私たちが幼なじみになったのも偶然じゃなかった。」

葉羽は黙って聞いていた。

「でも、葉羽。」彩由美は真剣な眼差しで葉羽を見つめた。「私の気持ちは本物よ。あなたのことが好きになったのは、決して役割だからじゃない。」

葉羽はゆっくりと手を伸ばし、彩由美の頬を優しく拭った。

「分かっているよ、彩由美。」

「え?」

「実は、僕も気づいていたんだ。君の行動の意図も、神藤家との関係も。」葉羽は微笑んだ。「でも、それでも君を信じていた。君の気持ちが本物だということを。」

彩由美は驚きと安堵の表情を浮かべた。「葉羽...」

「僕たちの関係は、たとえ運命に導かれたものだとしても、その中で育んだ感情は本物だ。そう信じている。」

彩由美は涙を流しながら葉羽に抱きついた。「ごめんね、葉羽。これからは絶対に嘘はつかない。」

葉羽は彩由美を優しく抱きしめ返した。「ああ、僕も君に全てを打ち明けるよ。これからは二人三脚で、どんな謎も解いていこう。」

月明かりの下、二人は長い間抱き合っていた。この瞬間、彼らの絆はより強固なものとなった。

しかし、彼らは知らなかった。この告白の瞬間も、誰かに見られていたことを。豪邸の窓から、誠一郎が満足そうに二人を見つめていた。

「よし、これで準備は整った。」誠一郎は呟いた。「いよいよ本番だ。」

彼は携帯電話を取り出し、ある番号に電話をかけた。

「計画を実行に移せ。」

電話の向こうで、謎の声が応えた。「了解しました。作戦『影の蝶』、開始します。」

誠一郎は電話を切り、再び窓の外を見た。葉羽と彩由美はまだ抱き合ったままだった。

「孫よ、君たちの真の試練はこれからだ。」誠一郎は静かに呟いた。「世界の命運を賭けた戦いが、今始まる。」
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