退屈な日常に潜む謎

葉羽

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4章

時空を超えた対決

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翔の警告から一週間が経過した。葉羽と彩由美は、学園内に潜むスパイを探し出すため、慎重に調査を進めていた。

放課後の図書室。葉羽は古い新聞記事を調べていた。彩由美は見張り役として、入り口付近でマンガを読んでいるふりをしていた。

「見つけた」葉羽の声に、彩由美は飛び上がりそうになった。

「何を?」彩由美は小声で尋ねた。

葉羽は古い新聞記事を指さした。「10年前の記事だ。望月博士の研究室で火災があった。そして...」

彼は別の記事を指す。「その直後、現在の学園長が就任している」

彩由美は首を傾げた。「それが、どういう...」

その瞬間、図書室のドアが勢いよく開いた。入ってきたのは、学園長の秘書、佐々木だった。

「やあ、君たち。こんな時間まで勉強かい?」佐々木の笑顔には、どこか不自然さがあった。

葉羽は冷静を装いながら答えた。「ええ、テスト勉強です」

佐々木は二人の間に立ち、さりげなく新聞記事に目を向けた。その瞬間、彼の表情が一瞬凍りついた。

「そうか...じゃあ、頑張ってね」

佐々木が去った後、葉羽と彩由美は顔を見合わせた。

「怪しい」葉羽がつぶやいた。

その夜、葉羽は自宅で考え込んでいた。突然、携帯が鳴った。彩由美からだ。

「葉羽くん!大変!佐々木が...」

通話が突然切れた。葉羽は即座に行動を起こした。彩由美の家に向かう途中、再び強烈な光が彼を包み込んだ。

気がつくと、葉羽は見知らぬ場所にいた。未来的な装置が並ぶ研究所のような空間。そこには翔と、拘束された彩由美の姿があった。

「よく来たね、お父さん」翔が皮肉っぽく言った。

葉羽は状況を把握しようと必死だった。「どういうことだ?」

翔は冷笑を浮かべた。「簡単さ。僕は確かに君たちの息子だよ。でも...組織の一員でもあるんだ」

彩由美が悲鳴を上げた。「嘘...どうして?」

翔は続けた。「未来は最悪だった。だから、過去を変えて理想の世界を作ろうとしているんだ。そのために、君たち二人の力が必要なんだよ」

葉羽は冷静さを保とうと努めた。「俺たちに何をさせる気だ?」

「簡単さ」翔は不敵な笑みを浮かべた。「君たちの DNA と、望月博士の技術を組み合わせれば、完璧な時間操作が可能になる。そうすれば、僕たちの思い通りの未来が...」

突然、警報が鳴り響いた。

「まずい!」翔は焦った様子で叫んだ。「反乱軍が...」

その瞬間、壁が爆発し、武装した集団が突入してきた。その先頭には、年老いた葉羽と彩由美の姿があった。

「葉羽!彩由美!」年老いた葉羽が叫んだ。「私たちが本物の未来だ!翔を信じるな!」

混乱の中、若い葉羽は瞬時に状況を把握した。彼は拘束具を外し、彩由美を助け出した。

「行くぞ!」葉羽は彩由美の手を取った。

二人は激しい銃撃戦の中を駆け抜けた。そして...

再び強烈な光が二人を包み込んだ。

気がつくと、二人は元の時代、図書室に戻っていた。まるで夢から覚めたかのように。

葉羽と彩由美は、言葉もなく見つめ合った。二人の目には、これから直面する壮大な戦いへの覚悟が宿っていた。

時空を超えた対決は、まだ始まったばかりだった。
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