無限の迷路

葉羽

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13章

時計の狂い

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第13章: 時計の狂い

証拠が揃い、鈴木氏のアリバイが崩れ始めた。葉羽と彩由美は、事件の最後のピースを見つけるため、再び密室に戻った。今回の焦点は、狂ったように時間を刻む時計だ。

「この時計が事件の鍵を握っているに違いない。」葉羽は時計をじっくりと調べながら言った。「犯人がこの時計をどのように操作したのかを解明しなければならない。」

「でも、どうやってこんなに不規則に動かせるの?」彩由美が尋ねた。

「考えられるのは、内部に仕掛けられたタイマー装置だ。」葉羽は時計の裏蓋を慎重に開け、中を覗き込んだ。「見つけた。この小さな装置が時計の動きを不規則にしているんだ。」

葉羽はさらに調査を進め、時計の仕組みを解明していった。「このタイマー装置が設定された時間に作動し、時計の針を狂わせる仕組みだ。これにより、事件の発生時刻が混乱し、犯人のアリバイが成立するように仕組まれている。」

「なるほど、これで犯行時刻が特定できなくなったのね。」彩由美は納得した様子で頷いた。

「その通りだ。しかし、この装置を仕込むには時間がかかる。鈴木氏は事前に計画を練り上げ、タイマー装置を設置したに違いない。」葉羽は考え込んだ。

葉羽は証拠を元に、鈴木氏を再び問い詰めることに決めた。「鈴木さん、この時計の仕組みについて説明してください。あなたが仕掛けたんですよね?」

鈴木氏は深くため息をついた。「そうだ。私はこの時計にタイマー装置を仕込んだ。それにより、事件の発生時刻を混乱させ、完璧なアリバイを作り上げるつもりだった。」

「なぜそんなことをしたのですか?」彩由美が尋ねた。

「全ては高橋氏への復讐のためだ。彼に全てを失わせるために、計画を練り上げた。」鈴木氏の声には、深い憎しみが込められていた。

葉羽は事件の全貌が明らかになったことを確認し、最後の一手を打つために、高橋氏に全てを話すことに決めた。「高橋さん、この事件の真相はこうです…」葉羽は詳細に説明を始めた。

高橋氏は真実を聞いて驚き、そして鈴木氏の動機に納得した。「鈴木さん、私はあなたを裏切った覚えはありません。しかし、あなたがそう感じたなら、それは私の過ちかもしれません。」

鈴木氏は黙ってその言葉を受け止めた。

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