おじ専が異世界転生したらイケおじ達に囲まれて心臓が持ちません

一条弥生

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49.ざわめき

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私は朝起きてすぐに貧血を起こしてベッドに逆戻りをした。

明さんが用意してくれたビタミン剤を飲んだ私は、部屋の窓を開けた。

雅楽代さんは直ぐに入って来てくれた。

「魔力の殻のことで、まだ言ってないこと、ありませんか?」

「そろそろお気付きになられると思っていたところです。」

明さんはきっと答えてくれないから、雅楽代さんを呼んだのだ。

「私が聞いた印象だと、殻が破れなかったら普通の人の様に普通に生活していくって感じだったんですけど、もしかして私死ぬんですか?」

「可能性はあります。低いはずだったのですが。」

「私は運が悪いですからね・・・具体的な原因はなんですか?」

「調査はしておりますが、アレルギーの様な過剰反応を示しているという仮説しか立てられていません。如何せん、類似例も無い世界唯一の症例ですから。」

「雅楽代さんが強引な方法を話してくれたのは、それでだったんですね。」

「はい。」

「それで明さんと喧嘩したんですか?」

「瑠璃川先生には軽口を叩くなと釘を刺しておくべきでした。」

「裕子さんからも聞きました。」

「あの二人は・・・」

「強引な方法を使ったら、必ず殻は破れますか?」

「わかりません。」

「明さんを悲しませたくないけど・・・」

「どれだけ非難を浴びようと、私は楓様のご意志に従います。」

「ありがとうございます。水無瀬さんの件はどうですか?」

「準備は整いつつあります。後二週間程で楓様に動いていただけるかと。」

「なら、その後に結論を出します。」

「承知致しました。」

「私まだ、水無瀬さんに何がしたいのか教えてもらえてないんです。みんな知ってるんですよね?」

「ええ。有名な話だそうで、直ぐにわかりました。楓様は彼にとって駒です。聞かせたくないのでしょう。それなのに、貴女という方は。」

「水無瀬さん、私と会う度辛そうで、心が悲鳴を上げている気がするんです。本当は優しくて良い人なんだと思います。」

「歴代の巫女様もそのような勘をお持ちでした。しかもそれは良く当たります。だからと言って・・・失礼。」

「お人好し過ぎますよねぇ。」

そう言って笑った私に、雅楽代さんの表情は僅かばかり柔らかくなった。

「他に何か御座いますか?」

「椎崎先生なんですけど・・・」

「彼が何か?」

「娘さんにプレゼントがしたいそうなんですけど、若い子の趣味が分からないらしいので、いくつか見繕いたいんです。紙で良いのでカタログが欲しいです。私お金無いので、申し訳無いのですがツケで。」

「承知致しました。金銭面は心配要りません。」

雅楽代さんはちょっと考える様な間を空けた。

「どうしました?」

「いえ。では、失礼致します。」
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