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44.紫々井明と雅楽代薫の対立
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警備棟の仮眠室で寝ていた雪野は、職員の緊急コールのサイレンで目を覚ました。
枕元の愛刀を掴み取り、雪野は警備室に走った。
雪野が警備室に飛び込むより早く、部下の高辻奏が警備室を飛び出して来た。
「用務員棟一階で雅楽代さんと紫々井先生が大喧嘩をしていると」
「冗談だろ・・・!!」
雪野の普段見たことの無い反応に驚く間もなく、高辻は加速して自分を追い越した雪野の後を追った。
「高辻、巫女宅の見張りは二人、それ以外は全員招集しろ。」
「ぜ、全員ですか!?」
「全員だ。非番の奴も叩き起こせ。」
魔法による雪野の加速になんとかついて行きながら、高辻はインカムで隊長の命令を伝えた。
雪野は外に出た瞬間から、紫々井と雅楽代の魔力を肌に感じていた。
「巫女が倒れたからか?」
「わかりません。とにかく来てくれと瑠璃川さんが。」
瑠璃川が状況も伝えなかったことの深刻さが雪野にはわかった。
近付くに連れ、詠川と葉山、椎崎の魔力が混じっていることを感じ取って、雪野は加速した。
雪野と高辻は、用務員棟を旋風が包み、木々や鳥がけたたましく鳴く様に唖然とした。
「入るぞ。」
雪野は自分に掛けた結界を利用して、高辻と共に中に入った。
「雪野さん!第一会議室です!」
彼らの魔力と頭に入っている地図を頼りに向かうと、ドアはひしゃげて廊下に横たわっていた。
壁までも、内側から押し出されたように弧を描いて曲がっていた。
「マジかよ・・・!!」
高辻は驚愕で警備らしくないことを口にした。普段なら雪野に咎められるところだが、雪野の意識は会議室内以外に向けられる状況ではなかった。
「高辻、抜刀を許可する。」
「は、はい!」
抜刀した二人は、ドアの無くなった入口から中に入った。
高辻は中の状況を確認して、インカムに手を当てた。
「こちら高辻。紫々井、雅楽代、詠川、椎崎、葉山の帯刀と鯉口を切った状態であることを確認。紫々井が所持しているのは契の依代。」
二人の後ろから、瑠璃川と伊海が顔を覗かせた。
「俺は守り手の役割を全うしただけです。それなのに、契の依代を持ち出すなんて暴挙ですよ?」
雅楽代の真顔を見て、雪野は事の深刻さに体を強ばらせた。
枕元の愛刀を掴み取り、雪野は警備室に走った。
雪野が警備室に飛び込むより早く、部下の高辻奏が警備室を飛び出して来た。
「用務員棟一階で雅楽代さんと紫々井先生が大喧嘩をしていると」
「冗談だろ・・・!!」
雪野の普段見たことの無い反応に驚く間もなく、高辻は加速して自分を追い越した雪野の後を追った。
「高辻、巫女宅の見張りは二人、それ以外は全員招集しろ。」
「ぜ、全員ですか!?」
「全員だ。非番の奴も叩き起こせ。」
魔法による雪野の加速になんとかついて行きながら、高辻はインカムで隊長の命令を伝えた。
雪野は外に出た瞬間から、紫々井と雅楽代の魔力を肌に感じていた。
「巫女が倒れたからか?」
「わかりません。とにかく来てくれと瑠璃川さんが。」
瑠璃川が状況も伝えなかったことの深刻さが雪野にはわかった。
近付くに連れ、詠川と葉山、椎崎の魔力が混じっていることを感じ取って、雪野は加速した。
雪野と高辻は、用務員棟を旋風が包み、木々や鳥がけたたましく鳴く様に唖然とした。
「入るぞ。」
雪野は自分に掛けた結界を利用して、高辻と共に中に入った。
「雪野さん!第一会議室です!」
彼らの魔力と頭に入っている地図を頼りに向かうと、ドアはひしゃげて廊下に横たわっていた。
壁までも、内側から押し出されたように弧を描いて曲がっていた。
「マジかよ・・・!!」
高辻は驚愕で警備らしくないことを口にした。普段なら雪野に咎められるところだが、雪野の意識は会議室内以外に向けられる状況ではなかった。
「高辻、抜刀を許可する。」
「は、はい!」
抜刀した二人は、ドアの無くなった入口から中に入った。
高辻は中の状況を確認して、インカムに手を当てた。
「こちら高辻。紫々井、雅楽代、詠川、椎崎、葉山の帯刀と鯉口を切った状態であることを確認。紫々井が所持しているのは契の依代。」
二人の後ろから、瑠璃川と伊海が顔を覗かせた。
「俺は守り手の役割を全うしただけです。それなのに、契の依代を持ち出すなんて暴挙ですよ?」
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