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41.更なる要求
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「G20サミットのお土産の製作ですか。」
久々に来たから何かと思えば、水無瀬さんは依頼を持って来た。
「巫女が居ないことで困ったのは日本だけではありませんから。」
「お祈りの練習になりますね。」
「強さは、に、でお願いします。」
巫女がお祈りで物に力を込める時の強弱は、いろはにほへとちりぬるを、でランク付けされている。
今回は、に、だから、上から四番目になる。
私にはそれがどれだけ負担になる物かわからない。
明さんの言葉に、後ろで控えていた雅楽代さんが言葉を重ねた。
「それは欲を出し過ぎです。政府は無茶しか言いませんね。」
「協力すると仰ったのは神凪さんです。」
雅楽代さんは水無瀬さんを鼻で笑った。
「自分を脅しに使うとは面白いですね。俺の願いは叶わないぞって言いたいんでしょう?」
水無瀬さんが雅楽代さんを睨んだ。
どれだけ負担になることかは分からないけど、肌に感じるこれが殺気なんだったら、相当に重いことだと生唾を飲んだ。
「あんたが体良くあの狸親父に利用されているから、馬鹿みたいにお人好しな楓様まで傀儡にされている、いい加減諦めたらどうだ。あんなこと。」
「黙れ。」
「あの狸親父はあんたの願いを叶える気なんかありゃしない。あんたが一番良くわかってるだろ。」
「だとしても、私は止まる訳にはいかないんですよ。」
「ゴールの無いマラソンなのに?」
「雅楽代さん。その辺にしてください。楓さんが怯えてらっしゃいます。楓さん、どうされますか?」
「受けますよ。ゴールのないマラソンでも。」
「楓様」
「雅楽代さん、今は黙っててください。決めるのは楓さんです。」
「神凪さん、ありがとうございます。それでは、品物の説明をさせて頂きます。」
水無瀬さんが帰るなり、雅楽代さんは私の前に立った。
「楓様、政府が巫女を利用することで不利益になる人間が沢山います。場合によっては命を落とす者だって居るんです。水無瀬さんの為だけに世界と命を振り回しているんですよ。」
「なら、代替案を出してください。水無瀬さんの願いが叶って誰も振り回さない代替案を。」
「何代生まれ変わっても頑固な方だ。」
「楓さん、それについては俺達も考えてる。もうしばらく待っててくれたら、必ず案を出すから。」
「明さん、ありがとう。」
「こんなことを繰り返していたら、死にますよ。」
「それでも、これが私の指針なんです。」
雅楽代さんの言い分は正論だった。
でもどうしても水無瀬さんの願いは叶えたかった。
ゴールのないマラソンを延々伴走しても。
久々に来たから何かと思えば、水無瀬さんは依頼を持って来た。
「巫女が居ないことで困ったのは日本だけではありませんから。」
「お祈りの練習になりますね。」
「強さは、に、でお願いします。」
巫女がお祈りで物に力を込める時の強弱は、いろはにほへとちりぬるを、でランク付けされている。
今回は、に、だから、上から四番目になる。
私にはそれがどれだけ負担になる物かわからない。
明さんの言葉に、後ろで控えていた雅楽代さんが言葉を重ねた。
「それは欲を出し過ぎです。政府は無茶しか言いませんね。」
「協力すると仰ったのは神凪さんです。」
雅楽代さんは水無瀬さんを鼻で笑った。
「自分を脅しに使うとは面白いですね。俺の願いは叶わないぞって言いたいんでしょう?」
水無瀬さんが雅楽代さんを睨んだ。
どれだけ負担になることかは分からないけど、肌に感じるこれが殺気なんだったら、相当に重いことだと生唾を飲んだ。
「あんたが体良くあの狸親父に利用されているから、馬鹿みたいにお人好しな楓様まで傀儡にされている、いい加減諦めたらどうだ。あんなこと。」
「黙れ。」
「あの狸親父はあんたの願いを叶える気なんかありゃしない。あんたが一番良くわかってるだろ。」
「だとしても、私は止まる訳にはいかないんですよ。」
「ゴールの無いマラソンなのに?」
「雅楽代さん。その辺にしてください。楓さんが怯えてらっしゃいます。楓さん、どうされますか?」
「受けますよ。ゴールのないマラソンでも。」
「楓様」
「雅楽代さん、今は黙っててください。決めるのは楓さんです。」
「神凪さん、ありがとうございます。それでは、品物の説明をさせて頂きます。」
水無瀬さんが帰るなり、雅楽代さんは私の前に立った。
「楓様、政府が巫女を利用することで不利益になる人間が沢山います。場合によっては命を落とす者だって居るんです。水無瀬さんの為だけに世界と命を振り回しているんですよ。」
「なら、代替案を出してください。水無瀬さんの願いが叶って誰も振り回さない代替案を。」
「何代生まれ変わっても頑固な方だ。」
「楓さん、それについては俺達も考えてる。もうしばらく待っててくれたら、必ず案を出すから。」
「明さん、ありがとう。」
「こんなことを繰り返していたら、死にますよ。」
「それでも、これが私の指針なんです。」
雅楽代さんの言い分は正論だった。
でもどうしても水無瀬さんの願いは叶えたかった。
ゴールのないマラソンを延々伴走しても。
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