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激動

73.聞き込み

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私は、彼らが自分達の悪行に免罪符を主張しているように感じて不快だった。

彼等のやっている事は、向こうの世界の中東諸国で行われている非人道的な行為と変わらない。

それを魔管を倒す為には仕方が無い事だなんて、私には到底理解できない。

「プロメテウスの中でも、リーダーに出逢ったら直ぐに逃げろ。天使の様に美しいとしか情報か無いが。」

「天使・・・」

神話の天使は総じて、信仰心の厚い者には優しいけど、そうでない者には残虐だ。

そう考えるとしっくりきてしまった。

私達はそれから小一時間会議をして、その日のルーティーンを終えた。

次の日、私はちょっとお洒落をして繁華街に向かった。

露店を回って地図を把握した後、近くにあった酒場に入り、カウンターに座った。

「いらっしゃい。何飲む?」

「テキーラ。ショットで。」

「お嬢ちゃん、昼間っから強い酒を飲むんだね。」

「失恋しちゃったの。」

頬杖を突いた私は、わざとらしくため息を吐いた。

私はほとんどお酒は飲めない。でも、肝臓の代謝を物凄く良くする自作ポーションを飲めば、効果が切れるまでは超絶にお酒に強くなれる。

効果が切れる時にお酒が残ってたら地獄を見るけど。

私はテキーラを一気飲みして、もう一杯頼んだ。

「なあ、お嬢さん、一人で何してんの?」

冒険者らしき男が声を掛けて来た。

「さっき失恋したの。でも、貴方には興味無いわ。」

「じゃあ俺は?」

次々声を掛けてくる男達をイケメンじゃないとあしらって、私はもう一杯を一気飲みした。

「お嬢ちゃんが付き合ってた男はそんなに男前だったのかい?」

「うん。すっごくイケメンだった。結構尽くしたんだけど、物足りなかったんだって。」

「それでもっとイケメンをってか。懲りないね。程々の顔の男の方が大事にしてくれるよ。」

「ヤダ。私はイケメンがいいの。金髪碧眼の美青年が良いなぁ。マスター、良い人が居たら紹介してよ!」

「生憎、俺の周りにはそんな奴居ねぇよ。でも、最近噂は聞くなぁ。」

「噂?」

「ああ。どっかの高級なホテルに、えらく整った顔の男が泊まってるって。」

「ほんとに!?どこかわからない!?」

「そこまではわかんねぇ。でも止めときな。そんな奴付き合ったって遊んで捨てられるのが落ちだぜ。」

「一回会ってみたいなぁ。マスターありがとう!」

私は代金を置いて店を出て、尾行されないように変装を繰り返してホテルに戻った。

「その顔は、何か有益な情報を得た顔だね。」

自室で新聞を読んでいたクロードの向かいに座って、得た情報を伝えた。

「君は演技が上手いよね。関心するよ。」

「ありがとう。」

「それが本当にプロメテウスの天使なら、この街に長居はしない方が良いだろうね。今日の午後はそのイケメンの情報を集めようか。」

「うん。」

どんな美青年なんだろう。正直少し、会ってはみたかった。
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