救国の魔女と滅国の皇子~プログラマーは魔法も作れる!?~

一条弥生

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仲間

47.体感ではIT技術者は総じて口が悪くなる

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地面に寝っ転がった主任の前に立った。

「ヒッ!!」

「私、昨日なんて言いました?」

「い、いや...」

かなり腹が立っている。冒険者として、技術者として、ワンマン上司の部下だった者として。

「こ、この森の大型魔獣は貴重な種なんだ!!特にランガルフォックスは国の稀少生物に認定されていて」

「私、昨日なんて言いました?なんて、言いましたか?」

「今調査に行けば、魔物が麓に降りてくる原因がきっとわかる!原因か分かればこんなことも防げるんだ!魔獣の遺体を解剖したら内容物からヒントも得られる!」

堪忍袋の緒が盛大に切れる音がした。

「言いたいことはそれだけか?」

私は主任の胸倉を掴んで持ち上げた。

「歯食いしばれ。クズ研究者。」

私がぶん殴った主任は、顔を軸に回転しながら地面をバウンドし、さっきの職員さんにぶつかって止まった。

追い掛けた私は、また胸倉を掴んで持ち上げた。

「おい起きろクズ研究者。」

「コノエ様ああ!!」

仕方ないからちょっと治癒を掛けて頬を叩いた。

「はっ!!」

目覚めた主任は私を見て青ざめた。

「よりによって最悪のタイミングで来やがって。」

「く、首が締まってます!」

手を離して、地面に座り込んだ主任に合わせてしゃがんだ。

「時間ないし話は後でするから、ギルドで首洗って待ってて。私が戻るまで、他の職員を手伝って。わかった?今度こそわかったよね?」

「は、はい...」

「皮膚だけ治してあげる。ボロボロだったらみんな殴りにくいし。職員さん、後ろに乗せて戻れる?」

「はい!」

皮膚だけ治療して、私は職員さんにクソ研究者を引き渡した。

「職員さん、聞きたいことがあります。ここから北の山頂付近。」

私は指を指して、丸を描いた。

「工事やってませんか?」

「工事...?いえ、何も。」

「誰の土地ですか?」

「ベルガー子爵の土地です。確か...今は業者に場所を貸していると聞きました。」

「どんな業者ですか?」

「すみません、そこまでは...」

主任に視線を向けると、主任は体をビクリとさせて首を横に振った。

原因に目星が付いたから、今はこの情報で十分だ。

「ありがとうございます。気を付けて帰ってください。」

私はとりあえず交戦中の冒険者達の元へ向かった。
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