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プログラマー、魔法技術者に転職する
27.虹
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「私が作った道具と魔術を村の方々にプレゼントしたくて作ってきました。今からその詳細と使い方を説明します。よろしくお願いします。」
拍手をもらえてひとまずほっとした。
「まず、魔術版や魔術カードを作れる方法を考えました。」
「えっ!?本当かツバキ!!」
「うん。皆さん、呪文は魔術そのものではありません。魔術式と呼ばれるものを呪文に変換しているんです。魔術式を知らなければ、魔術版も魔術カードも作れないので、結果的にみなさんが魔法を使えない状況になっているんです。逆に言えば、魔術式を知っていれば書けます。誰かに試してもらいたいんですが...」
「はい!!! 」
立ち上がって手を挙げたのはレックくんだった。
「じゃあレックくん、お願い。」
レックくんが前に来ると、私はインクを取り出して、蓋を開け、インクをレックくんに渡した。
「まず、インクに魔力を込めるところからです。レックくん、指先を中に。少し浸るくらいでいいから。」
「うん...!」
「浸けたら指先に集中して、力を込めるイメージをして。」
私はペンと木の板、羊皮紙とタオルを準備した。
インクに魔力が流れ込んだのを感覚で確認して、レックくんの汚れた指を拭いた。
「これで準備は終わりです。魔力はインクが干からびない限り残ると考えてください。掛かる時間は個人差がありますので、効果が薄いと思ったら時間を増やしてください。逆に強すぎる時は時間を減らしてみてください。」
私は羊皮紙を広げて奥の人も見えるように掲げて見せた。
「これは雨を降らせる水魔法の魔術式です。私が短く書き直しました。じゃあ、レックくん。」
私は地の魔法で台座を作り、そこに板と羊皮紙を並べた。インクを置いたレックくんに羽根ペンを渡した。
「レックくん、この魔術式を板に写してみて。」
「うん...」
「この板は、木こりのオリバーさんに作ってもらいました。魔法が失敗する可能性があるので、綺麗にカンナを掛けた板が必要です。でこぼこしてなければ、子供でも書けます。レックくん、上手く書けなくても大丈夫だよ。似てたらいいから。失敗しても、二重線で消したら大丈夫だからね。」
みんなが注目する中、レックくんは魔術式を書き上げた。
「じゃあ、レックくん、そこの石に向かって。呪文は、大地を潤せ。」
「だ、大地を潤せ!」
力み過ぎたのか、雨が降ったのは石の周辺だけではなかった。
小さな広場一面に雨が降り注ぎ、雨が止んだ空には。
「虹だ...!!」
虹を見上げるレックくんのキラキラとした目が、子供の頃の私のようで胸が熱くなった。
「レックくんは魔力強いんだね。練習したら...」
「姉ちゃん、これで、たくさん魔法買わなくて済む...?」
「全てではないけどね。それはこれから説明...」
レックくんが泣き出したものだから、みんながもらい泣きしだした。
「レックくん、まだ早いよ。最後まで聞いて、ここに来ていないお友達にも教えられるようになってほしいの。」
頷くレックくんの頭を撫でた。
拍手をもらえてひとまずほっとした。
「まず、魔術版や魔術カードを作れる方法を考えました。」
「えっ!?本当かツバキ!!」
「うん。皆さん、呪文は魔術そのものではありません。魔術式と呼ばれるものを呪文に変換しているんです。魔術式を知らなければ、魔術版も魔術カードも作れないので、結果的にみなさんが魔法を使えない状況になっているんです。逆に言えば、魔術式を知っていれば書けます。誰かに試してもらいたいんですが...」
「はい!!! 」
立ち上がって手を挙げたのはレックくんだった。
「じゃあレックくん、お願い。」
レックくんが前に来ると、私はインクを取り出して、蓋を開け、インクをレックくんに渡した。
「まず、インクに魔力を込めるところからです。レックくん、指先を中に。少し浸るくらいでいいから。」
「うん...!」
「浸けたら指先に集中して、力を込めるイメージをして。」
私はペンと木の板、羊皮紙とタオルを準備した。
インクに魔力が流れ込んだのを感覚で確認して、レックくんの汚れた指を拭いた。
「これで準備は終わりです。魔力はインクが干からびない限り残ると考えてください。掛かる時間は個人差がありますので、効果が薄いと思ったら時間を増やしてください。逆に強すぎる時は時間を減らしてみてください。」
私は羊皮紙を広げて奥の人も見えるように掲げて見せた。
「これは雨を降らせる水魔法の魔術式です。私が短く書き直しました。じゃあ、レックくん。」
私は地の魔法で台座を作り、そこに板と羊皮紙を並べた。インクを置いたレックくんに羽根ペンを渡した。
「レックくん、この魔術式を板に写してみて。」
「うん...」
「この板は、木こりのオリバーさんに作ってもらいました。魔法が失敗する可能性があるので、綺麗にカンナを掛けた板が必要です。でこぼこしてなければ、子供でも書けます。レックくん、上手く書けなくても大丈夫だよ。似てたらいいから。失敗しても、二重線で消したら大丈夫だからね。」
みんなが注目する中、レックくんは魔術式を書き上げた。
「じゃあ、レックくん、そこの石に向かって。呪文は、大地を潤せ。」
「だ、大地を潤せ!」
力み過ぎたのか、雨が降ったのは石の周辺だけではなかった。
小さな広場一面に雨が降り注ぎ、雨が止んだ空には。
「虹だ...!!」
虹を見上げるレックくんのキラキラとした目が、子供の頃の私のようで胸が熱くなった。
「レックくんは魔力強いんだね。練習したら...」
「姉ちゃん、これで、たくさん魔法買わなくて済む...?」
「全てではないけどね。それはこれから説明...」
レックくんが泣き出したものだから、みんながもらい泣きしだした。
「レックくん、まだ早いよ。最後まで聞いて、ここに来ていないお友達にも教えられるようになってほしいの。」
頷くレックくんの頭を撫でた。
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