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プログラマー、魔法技術者に転職する
13.文字列の謎
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私は、砂に書いた加護のリストを足で消して書き直した。
「感覚も鋭くなってるから、能力強化としておこう。この先他にも判明するものもありそうだし。記憶能力と思考能力は条件があるから別にして、思考能力も能力強化と名前が被るから変えよう。名前の付け方大事。」
呟きながら考えを纏めて、私は最終的には加護のリストに、能力強化、思考回路強化、頭の中の引き出し、言語理解と書いた。
「今のところ分かるのはこれだけだから、さて次は...」
早々と加護のリストを足で消して、私は腕まくりをして気合いを入れた。
「文字列の解読だ!」
テンションが上がって枝を持つ拳を突き上げた。
私の仮説はこうだ。
呪文がソフト名で、あの文字列はプログラムで言うコード。
魔術がプログラムの要領で書かれているなら、魔術を学ぶ第一歩になる。
というのは理由の1割で、残りの9割はただただ興味を引かれているだけだ。
「ワクワクするなぁ。魔術ってどういうプロセスで動いてるんだろう。」
それから私は黙々と砂に文字列を書き出した。
文字列は砂地をギリギリまで使ってなんとか収まった。
「さて...まず区切りを入れていこう。」
単語らしき部分が分かるように、縦の棒線を入れて区切る。
次に、一行と思われる纏まりが分かるように、境目の上に下向きの三角を書いた。
「完全にプログラマーの勘で書いたけど、これ、結構合ってるんじゃない...?その前にこれ、カードに書いてあった文字と同じ言語じゃないよね...」
数百文字もあるのに、昨日見たカードと同じ文字がひとつも無い。
見た感じの印象では、違う言語に感じる。
「まさか...プログラミング言語と同じで、魔術用の言語があるの...?」
決めつけるのはまだ早いけど、その可能性は高いだろう。
「だから、プログラマーの私が選ばれたの?」
プログラミングの知識が無ければちんぷんかんぷんだ。
プログラマーの中で私が選ばれた理由はわからないけど、数ある職業の中で、プログラマーが選ばれた理由はこれで納得がいく。
それなら、プログラミングの知識があれば魔術の習得はかなり早いはずだ。
もしそうなら、ちょっと不安は減る。
確証を得る材料が無いから、この仮説は頭に置いておこう。
「次は同じ単語の割り出しをしよう。」
そうして私は、文字列を読みやすくするための作業を進めた。
「感覚も鋭くなってるから、能力強化としておこう。この先他にも判明するものもありそうだし。記憶能力と思考能力は条件があるから別にして、思考能力も能力強化と名前が被るから変えよう。名前の付け方大事。」
呟きながら考えを纏めて、私は最終的には加護のリストに、能力強化、思考回路強化、頭の中の引き出し、言語理解と書いた。
「今のところ分かるのはこれだけだから、さて次は...」
早々と加護のリストを足で消して、私は腕まくりをして気合いを入れた。
「文字列の解読だ!」
テンションが上がって枝を持つ拳を突き上げた。
私の仮説はこうだ。
呪文がソフト名で、あの文字列はプログラムで言うコード。
魔術がプログラムの要領で書かれているなら、魔術を学ぶ第一歩になる。
というのは理由の1割で、残りの9割はただただ興味を引かれているだけだ。
「ワクワクするなぁ。魔術ってどういうプロセスで動いてるんだろう。」
それから私は黙々と砂に文字列を書き出した。
文字列は砂地をギリギリまで使ってなんとか収まった。
「さて...まず区切りを入れていこう。」
単語らしき部分が分かるように、縦の棒線を入れて区切る。
次に、一行と思われる纏まりが分かるように、境目の上に下向きの三角を書いた。
「完全にプログラマーの勘で書いたけど、これ、結構合ってるんじゃない...?その前にこれ、カードに書いてあった文字と同じ言語じゃないよね...」
数百文字もあるのに、昨日見たカードと同じ文字がひとつも無い。
見た感じの印象では、違う言語に感じる。
「まさか...プログラミング言語と同じで、魔術用の言語があるの...?」
決めつけるのはまだ早いけど、その可能性は高いだろう。
「だから、プログラマーの私が選ばれたの?」
プログラミングの知識が無ければちんぷんかんぷんだ。
プログラマーの中で私が選ばれた理由はわからないけど、数ある職業の中で、プログラマーが選ばれた理由はこれで納得がいく。
それなら、プログラミングの知識があれば魔術の習得はかなり早いはずだ。
もしそうなら、ちょっと不安は減る。
確証を得る材料が無いから、この仮説は頭に置いておこう。
「次は同じ単語の割り出しをしよう。」
そうして私は、文字列を読みやすくするための作業を進めた。
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