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プログラマー、魔法技術者に転職する
11.考察と検証
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変わったのは身体能力だけじゃない。
記憶力が恐ろしいことになっている。
今朝、文字列のことを思い浮かべたら、見た文字列の全てを鮮明に思い出した。
しかも、文字列と思い浮かべた瞬間にスラスラと出てきた。
数百文字だ。有り得ない。
「完全記憶ってやつなのかな。その割には、他は普通なんだよね。スラスラ出てきたのはあの文字列だけ。ということは何かしらの法則か条件があるはず。」
考えられる法則や条件を書き出して眺めた。
「うーん、どれもしっくり来ないなぁ。一回視点を変えよう。イザナミ様は、こっちの世界で必要な加護って言ってたから、何かを記憶する必要があるってことだよね。村の人達は普通だし、限定的な能力だから、旅や魔法のために...あっ!!わかった!!」
私は砂に書いた加護のリストに、脳内DBと書いた。
ここには簡単に手に入る記録媒体がないから、今のところ頭で覚えるしかない。
だから、この能力を与えられたんだ。
「それだと条件は、文字列を魔術かプログラムと認識することと、それに名前を付けること。うん。しっくりくる。...脳内で作ったものでも覚えられるのかな。」
試しに、プログラミングの入門で必ず最初に作るプログラム、ハローワールドとだけ表示させるプログラムを作ろう。
二十秒くらいで結果は出た。
「脳内でプログラム組み立てられるってどういうこと...」
作ってから気付いた。無駄なコードを挟みながら作ったけど、そもそもそんな芸当やろうと思わない。
「これも加護の影響...?もしかして、思考能力も向上してるってこと?魔術とプログラミングだけ?まあ、必要なのは魔法だもんね...」
イザナミ様はちゃんと厳選してる。どこかのムカつく男性神と違って、誠実な仕事をしているんだと感動した。
いや、まあ、それが普通なんだけど。
「DBって付けたけど、ちょっと広義的だなぁ。今のところ、覚える以外にやれることないし...」
プログラミングには、命名規則というものが存在する。
人の名前に使えない漢字や言葉があるように、プログラムにも、名前を付ける時に守るルールがある。
だからつい、名称が気になってしまう。
「みんながみんな命名規則守らなくてプチ炎上した案件もあったなぁ。」
そして私は徹夜で全ての名前を正しく書き直させられた。
ここで炎上はしないだろうけど、納得する名前にしておけと過去のトラウマが私をつつく。
「じゃあ...入れて出すものだから、頭の中の引き出し、にしよう。」
加護の名前を書き直して、休憩にと私は近くの石に腰掛けた。
記憶力が恐ろしいことになっている。
今朝、文字列のことを思い浮かべたら、見た文字列の全てを鮮明に思い出した。
しかも、文字列と思い浮かべた瞬間にスラスラと出てきた。
数百文字だ。有り得ない。
「完全記憶ってやつなのかな。その割には、他は普通なんだよね。スラスラ出てきたのはあの文字列だけ。ということは何かしらの法則か条件があるはず。」
考えられる法則や条件を書き出して眺めた。
「うーん、どれもしっくり来ないなぁ。一回視点を変えよう。イザナミ様は、こっちの世界で必要な加護って言ってたから、何かを記憶する必要があるってことだよね。村の人達は普通だし、限定的な能力だから、旅や魔法のために...あっ!!わかった!!」
私は砂に書いた加護のリストに、脳内DBと書いた。
ここには簡単に手に入る記録媒体がないから、今のところ頭で覚えるしかない。
だから、この能力を与えられたんだ。
「それだと条件は、文字列を魔術かプログラムと認識することと、それに名前を付けること。うん。しっくりくる。...脳内で作ったものでも覚えられるのかな。」
試しに、プログラミングの入門で必ず最初に作るプログラム、ハローワールドとだけ表示させるプログラムを作ろう。
二十秒くらいで結果は出た。
「脳内でプログラム組み立てられるってどういうこと...」
作ってから気付いた。無駄なコードを挟みながら作ったけど、そもそもそんな芸当やろうと思わない。
「これも加護の影響...?もしかして、思考能力も向上してるってこと?魔術とプログラミングだけ?まあ、必要なのは魔法だもんね...」
イザナミ様はちゃんと厳選してる。どこかのムカつく男性神と違って、誠実な仕事をしているんだと感動した。
いや、まあ、それが普通なんだけど。
「DBって付けたけど、ちょっと広義的だなぁ。今のところ、覚える以外にやれることないし...」
プログラミングには、命名規則というものが存在する。
人の名前に使えない漢字や言葉があるように、プログラムにも、名前を付ける時に守るルールがある。
だからつい、名称が気になってしまう。
「みんながみんな命名規則守らなくてプチ炎上した案件もあったなぁ。」
そして私は徹夜で全ての名前を正しく書き直させられた。
ここで炎上はしないだろうけど、納得する名前にしておけと過去のトラウマが私をつつく。
「じゃあ...入れて出すものだから、頭の中の引き出し、にしよう。」
加護の名前を書き直して、休憩にと私は近くの石に腰掛けた。
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