異世界召喚理由がおかしかったので好きに生きることにした

珂威

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気付いたら異世界

召喚理由~鷹臣~

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「すみません。アナタは何処からこの場所に来ましたか?」

背後から声をかけられてびっくりして飛び上がったのは・・・仕方ないと思う。
そろりと背後を窺ってみると、側頭部に蝙蝠の羽みたいなものが生えた人?が居た。コスプレイヤーという人なのかな?と思ったんだけれどそのさらに背後にパタパタと飛んでる一つ目のまあるい生き物らしきものがいた。

あれ?これって異世界来ちゃった☆って感じ?魔法陣の落とし穴に落ちたのって実は夢じゃないのかとか思ったんだけれど寝てるわけでもないだろうし・・・とりあえずは答えた方が良いかな?この世界が何なのか分からないし。
それにここにいるのは僕一人だし、雅と七緒を探さないといけないもんね。よし!!

「こんにちは。僕は伊月鷹臣って言います。突然足元に出てきた魔法陣らしきものが光って・・・落とし穴みたいになって落ちたんです・・・そして気が付いたらここにいたんです。その時僕のほかにもあと2人いたんですが・・・ここには僕しかいなくて・・・あの・・・それで「セ、成功した!!皆に知らせよ!!」・・・え?あの?」

突然遮られたんだけど?成功って・・・あの魔法陣ってこの人たちが?
え?普通って人間が何かの脅威に晒されて苦渋の決断みたいな感じで異世界から人間を召喚するって感じじゃないの?普通にラノベとかってそんな展開とかだよね?
あれ?この人たちって実は人間なの?亜人とか獣人言うやつなの?ファンタジーとかと違うような???

「ん?ドユコト??」
「あぁすみません。貴方様をお待ちしておりました!私はライドと申します。タカオミ様。ここでは何ですので移動しましょう。こちらに」
「え?あの?」

よく分からないんだけど?恭しく手を取られて移動を促されて・・・城の中に連れてこられたんだけど・・・その中で見たのはどうもココって魔界とかそんなところなんじゃ?って思うような人?魔物?亜人?がたくさんいるっていうのが分かった。
ミノタウロスみたいなのがドアとか門の番をしてたり、グリフォンみたいなのとかコカトリスみたいなのが窓の外で空飛んでたりゴブリンみたいなのとオークみたいなのが追いかけっこしてたりコボルト?ウェアウルフ?みたいなのが日向ぼっこしてたりというのを見かけた・・・あ、なんかファンタジーっぽいとか現実逃避しつつ移動したのはアニメとかでよく見る応接室みたいな場所。
ソファに座らされたんだけどこのソファすっごいフカフカで座り心地が最高にいい。このまま眠っちゃいそう。寝ないけど。

「あの・・・それでここは何処なんでしょう?それと僕以外の人を見ませんでしたか?双子の兄と幼馴染なんですけど・・・」
「いいえ。この地に現れたのはタカオミ様お一人です。我々を救ってくださる方を召喚の儀で召喚したのですが・・・何が悪かったのか召喚陣には表れず、なぜか城の外へ召喚されてしまったようで・・・何か起こる前に見つかってよろしかったです。貴方は我々にとっての希望となる方ですから」
「え?僕はそんな大層な人間じゃないですよ?っていうか人間ですよ?」
「いえ、種族は関係ないのです。人間たちとは数十年前から関係が悪化してしまい今では我々魔族や魔物と言われる者たちは一方的に追いたてられてしまっています」

ん?数十年前から悪化って

「あのもしかして関係が悪化する前って仲が良かったって事?」
「はい。うまく共存していましたが・・・人間側の王が代替わりしたときに突然我々の存在は悪であるとし攻撃してきたのです。」

うん?それって話し合いもなく突然変わったって事?

「えーと、それって仲良く共存してたのに突然お前たちは悪だって決めつけて攻撃してきたって事?周りの人間はどうしたの?ずっと仲良くしてたならその王様?がいくらあいつらは悪いって言っても攻撃したりしないんじゃないの?周りの人間も君たちが悪いって言ってるの?」
「・・・初めの頃は私たちの味方をしてくれる人間もいたのですが我々の力を恐れて・・・」
「あぁ。強すぎる力に危機感を覚えて王様に倣って危険だから排除しようって事?」
「はい・・・我々も話し合いを持とうとしたんですが悉く突っ撥ねられてしまい・・・どうする事もできず魔王様も心労や疲労でお倒れになり・・・・・・お亡くなりになってしまったのです。我々を導いてくださる方が居なくなりどうしようもなくなり・・・昔、魔王様の力を継ぎし方を召喚したという話がありそれに縋って・・・」

あーうん。それで僕が召喚されたって事?でも雅も七緒も召喚されたと思うんだけど・・・彼曰く僕だけが召喚されたって言ってるけど・・・まさかねぇ・・・別のところで同じように同じ時間に召喚をしてあの二人は別の場所に召喚されたって事は無いよねぇ?
それでって事じゃないのかな?
そんな話ありそうだけどどうなんだろう?それは後で考えよう。まず考えなきゃならないのは、これから僕がとらなきゃならない行動だ。


十中八九間違いなく彼らが僕に臨むのって・・・彼らの安全と彼らを導くことだろうね?


でも僕だってすぐにハイソウデスカって納得して協力できるほどお人好しではない。
だってお伺いもなく突然強制的に連れてこられて素直にいう事聞けるほど出来た人間じゃないからね。
それに雅と七緒も見つけなきゃならない。今聞いただけで判断付かないけど安全な世界ではないだろうから・・・でもあの二人なら割と何とでもなりそうとか思える。
多分あの二人もこの世界に召喚されてると思うからあんまりウロウロするとすれ違ったりしそうだし僕はあんまり体力無いしサバイバル能力なんて皆無だしね・・・おとなしくここで待ってようと思う。

だから多少できる範囲で彼らに協力する事にして・・・あの二人の情報を集めよう。
じゃぁ交渉しようかな?うんそうしよう。








その頃の雅臣と七緒はー

「おい下僕!それは持っていくから仕舞っておけ」
「お、七緒これ鷹臣によさそうじゃね?」
「あ?それよりそっちの薄い青の方が良くね?」
「んー?あ、マジ・・・そうだなじゃあこれも持ってくか」

従者として連れて行くことになった青年をこき使っていた。
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