余り侍~喧嘩仲裁稼業~

伊予国の山間にある小津藩は、六万国と小国であった。そこに一人の若い侍が長屋暮らしをしていた。彼の名は伊賀崎余一郎光泰。誰も知らないが、世が世なら、一国一城の主となっていた男だった。酒好き、女好きで働く事は大嫌い。三度の飯より、喧嘩が好きで、好きが高じて、喧嘩仲裁稼業なる片手業で、辛うじて生きている。そんな彼を世の人は、その名前に引っかけて、こう呼んだ。余侍(よざむらい)様と。
第七回歴史・時代小説大賞奨励賞作品
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,923 位 / 193,923件 歴史・時代 2,394 位 / 2,394件

あなたにおすすめの小説

皇女の鈴

月森あいら
歴史・時代
皇女の声を伝える、美しい声音。叶わなかった恋の、せつない行方。飛鳥時代を舞台にしています。実在の人物も登場します。

焔の牡丹

水城真以
歴史・時代
「思い出乞ひわずらい」の続きです。先にそちらをお読みになってから閲覧よろしくお願いします。 織田信長の嫡男として、正室・帰蝶の養子となっている奇妙丸。ある日、かねてより伏せていた実母・吉乃が病により世を去ったとの報せが届く。当然嫡男として実母の喪主を務められると思っていた奇妙丸だったが、信長から「喪主は弟の茶筅丸に任せる」との決定を告げられ……。

毛利隆元 ~総領の甚六~

秋山風介
歴史・時代
えー、名将・毛利元就の目下の悩みは、イマイチしまりのない長男・隆元クンでございました──。 父や弟へのコンプレックスにまみれた男が、いかにして自分の才覚を知り、毛利家の命運をかけた『厳島の戦い』を主導するに至ったのかを描く意欲作。 史実を捨てたり拾ったりしながら、なるべくポップに書いておりますので、歴史苦手だなーって方も読んでいただけると嬉しいです。

なよたけの……

水城真以
歴史・時代
「思い出乞ひわずらい」の番外編?みたいな話です。 子ども達がただひたすらにわちゃわちゃしているだけ。

江戸の退魔師

ちゃいろ
歴史・時代
なろうでアップした話(削除済み)の続きを書こうかなと思い、その際ちょっと書き直しながらアップしようかなと思い。みたいな話です。R15は一応くらい。 地上波アナログ時代の時代劇っぽいブロマンスを目指すなんちゃって退魔時代劇です。 幼少の頃から怨念、妖の類が見えていた晃毅は長く親元を離れ暮らしていたが、今は亡き師からの使命を引き継いで江戸に帰って来た。身を寄せるのは出家した実母の元。幼少の頃兄と呼んで慕っていた医師見習い誠との再会が心を揺らす。 みたいな話です多分。 ちょっとあらすじをちゃんとしようと思って書き替えました。

東海敝国仙肉説伝―とうかいへいこくせんじくせつでん―

かさ よいち
歴史・時代
17世紀後半の東アジア、清国へ使節として赴いていたとある小国の若き士族・朝明(チョウメイ)と己煥(ジーファン)は、帰りの船のなかで怪しげな肉の切り身をみつけた。 その肉の異様な気配に圧され、ふたりはつい口に含んでしまい…… 帰国後、日常の些細な違和感から、彼らは己の身体の変化に気付く――― ただの一士族の子息でしなかった彼らが、国の繁栄と滅亡に巻き込まれながら、仙肉の謎を探す三百余年の物語。 気が向いたときに更新。

新説・川中島『武田信玄』 ――甲山の猛虎・御旗盾無、御照覧あれ!――

黒鯛の刺身♪
歴史・時代
新羅三郎義光より数えて19代目の当主、武田信玄。 「御旗盾無、御照覧あれ!」 甲斐源氏の宗家、武田信玄の生涯の戦いの内で最も激しかった戦い【川中島】。 その第四回目の戦いが最も熾烈だったとされる。 「……いざ!出陣!」 孫子の旗を押し立てて、甲府を旅立つ信玄が見た景色とは一体!? 【注意】……沢山の方に読んでもらうため、人物名などを平易にしております。 あくまでも一つのお話としてお楽しみください。 ☆風林火山(ふうりんかざん)は、甲斐の戦国大名・武田信玄の旗指物(軍旗)に記されたとされている「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」の通称である。 【ウィキペディアより】 表紙を秋の桜子様より頂戴しました。

幕末群狼伝~時代を駆け抜けた若き長州侍たち

KASPIAN
歴史・時代
「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し。衆目駭然として敢えて正視する者なし、これ我が東行高杉君に非ずや」 明治四十二(一九〇九)年、伊藤博文はこの一文で始まる高杉晋作の碑文を、遂に完成させることに成功した。 晋作のかつての同志である井上馨や山県有朋、そして伊藤博文等が晋作の碑文の作成をすることを決意してから、まる二年の月日が流れていた。 碑文完成の報を聞きつけ、喜びのあまり伊藤の元に駆けつけた井上馨が碑文を全て読み終えると、長年の疑問であった晋作と伊藤の出会いについて尋ねて…… この小説は二十九歳の若さでこの世を去った高杉晋作の短くも濃い人生にスポットライトを当てつつも、久坂玄瑞や吉田松陰、桂小五郎、伊藤博文、吉田稔麿などの長州の志士達、さらには近藤勇や土方歳三といった幕府方の人物の活躍にもスポットをあてた群像劇です!

処理中です...