幸あれかしと

明治十八年の暮れ、愛媛県の松山にある村で育ったこうは、今日も祖母のやえに、小言を言われながら、毎日の家事に勤しんでいる。産まれる時に、母を亡くしたこうは、嫌みな祖母と、自分に無関心な父に囲まれ生活していた。ある日、村で先生と呼ばれる、かつて、手習いを子供たちに教えていたという、初老の男に出会った事で、こうの日常は、少しずつ変化していくのだった。
 
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,527 位 / 193,527件 歴史・時代 2,379 位 / 2,379件

あなたにおすすめの小説

肱川あらし

たい陸
歴史・時代
 文久二年(1862)三月二十七日早朝、大洲藩士である井上将策は、藩命により、五十崎村へ、幼馴染である和紙職人の徳太郎を訪ねていた。そこで、たまたま出会ったのが土佐藩を脱藩した坂本龍馬であった。  飯代の代わりに、五十崎が誇る大凧作りを手伝う将策と龍馬。その大凧には、独特な凧文字で「龍」と描かれていた。そして、龍馬は、黒船に勝てる方法を探しに行くと言って、去っていく。その頭上を作成した龍文字の大凧が、風に吹かれて、どこまでも飛んで行くのだった。

漆黒の碁盤

渡岳
歴史・時代
正倉院の宝物の一つに木画紫檀棊局という碁盤がある。史実を探ると信長がこの碁盤を借用したという記録が残っている。果して信長はこの碁盤をどのように用いたのか。同時代を生き、本因坊家の始祖である算砂の視点で物語が展開する。

局中法度

夢酔藤山
歴史・時代
局中法度は絶対の掟。 士道に叛く行ないの者が負う責め。 鉄の掟も、バレなきゃいいだろうという甘い考えを持つ者には意味を為さない。 新選組は甘えを決して見逃さぬというのに……。

【総集編】 時代短編集

Grisly
歴史・時代
⭐︎登録お願いします。 過去に起こった出来事を、新たな解釈で 短編小説にしてみました。

仕込みちゃん

はゆ
歴史・時代
明治維新。口減らしのため身売りされ、舞妓ちゃんを目指すことになった胡桃。 置屋におる姐さんら、綺麗なおべべ着とるさかい立派に見えるけど、中身足りひんし考える力あらへんの。そやさかい芸だけやのうて春を売っとる――そらもう遊女やえ。いっぺん下の世話してもうたら、飼われることしかできひん。 そうならへんためには芸と教養の両方が必要やと気付き試行錯誤する。 * * * ボイスノベルを楽しめるよう、キャラごとに声を分けています。耳で楽しんでいただけると幸いです。 https://novelba.com/indies/works/937878

深川猿江五本松 人情縄のれん 

高辻 穣太郎
歴史・時代
 十代家治公最晩年の江戸。深川の外れ猿江町は、近くを流れる小名木川にまで迫り出した、大名屋敷の五本の松の木から五本松町とも呼ばれていた。この町に十八歳の娘が独りで切り盛りをする、味噌田楽を売り物にした縄のれんが有った。その名は「でん留」。そこには毎日様々な悩みを抱えた常連達が安い酒で一日の憂さを晴らしにやってくる。持ち前の正義感の為に先祖代々の禄を失ったばかりの上州牢人、三村市兵衛はある夜、慣れない日雇い仕事の帰りにでん留に寄る。挫折した若い牢人が、逆境にも負けず明るく日々を生きるお春を始めとした街の人々との触れ合いを通して、少しづつ己の心を取り戻していく様を描く。しかし、十一代家斉公の治世が始まったあくる年の世相は決して明るくなく、日本は空前の大飢饉に見舞われ江戸中に打ちこわしが発生する騒然とした世相に突入してゆく。お春や市兵衛、でん留の客達、そして公儀御先手弓頭、長谷川平蔵らも、否応なしにその大嵐に巻き込まれていくのであった。 (完結はしておりますが、少々、気になった点などは修正を続けさせていただいております:5月9日追記)

荷運び屋、お初

津月あおい
歴史・時代
享保の時代、板橋宿に女力持ちと評判の娘がいた。 娘の名はお初。 畑でとれた野菜を毎日山のように背負い、駒込の青果市場まで運んでいた。 ある日、飲んだくれの父が侍に無礼を働いてしまう。 お初はその代償に、宿場の飯盛り女として働かされそうに。それを阻止せんと病弱な母親が肩代わりしようとするがーー。 そこに謎の素浪人・半次郎が現れ、「娘の怪力は商売になる、ここはひとつ俺に任せろ」と助け船を出す。 お初は家の窮地を救われ、恩人の半次郎とともに見世物で有名な浅草寺に向かう。 力持ちの芸で銭を稼ぎながら、やがてお初はどんな荷物でも運ぶ「荷運び屋」となっていく。

御懐妊

戸沢一平
歴史・時代
 戦国時代の末期、出羽の国における白鳥氏と最上氏によるこの地方の覇権をめぐる物語である。  白鳥十郎長久は、最上義光の娘布姫を正室に迎えており最上氏とは表面上は良好な関係であったが、最上氏に先んじて出羽国の領主となるべく虎視淡々と準備を進めていた。そして、天下の情勢は織田信長に勢いがあると見るや、名馬白雲雀を献上して、信長に出羽国領主と認めてもらおうとする。  信長からは更に鷹を献上するよう要望されたことから、出羽一の鷹と評判の逸物を手に入れようとするが持ち主は白鳥氏に恨みを持つ者だった。鷹は譲れないという。  そんな中、布姫が懐妊する。めでたい事ではあるが、生まれてくる子は最上義光の孫でもあり、白鳥にとっては相応の対応が必要となった。