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第二章 日常に溶け込んでいく
第六話 賑やかな朝
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窓の外から陽の光が差し込む。朝が来たことはとっくにわかっていたけど、まだ布団から出たくなかった。もう一度眠りに付こうした途端、部屋のふすまが開いた。
「圭ちゃん、起きて! 遅刻しちゃうよ!」
切羽詰まったような声と共に、身体が揺さぶられる。狸寝入りを決め込んでいると、布団を引き剥がされた。渋々目を開けると、膨れっ面の日和がいた。日和は昨日と同じく、セーラー服をまとっている。
「やっと起きた。補習初日からサボるつもり?」
「補習?」
懐かしい言葉が飛び出して、思わず聞き返す。日和は呆れたように溜息を吐いた。
「今日から補習でしょ? 一学期の期末試験で赤点を取ったから」
期末試験。赤点。補習。そのワードで、夏休みの苦い記憶が蘇った。高校二年の一学期、俺は試験勉強そっちのけで小説を書いていた。そのせいで期末試験は目も当てられない結果になった。
俺の通っていた高校では、期末試験に赤点を取った生徒には補習が課されていた。期末試験をサボったツケが、後になってやってきたのだ。
補習を言い渡された時は絶望した。夏休みは思いっきり小説を書いて、取材旅行にも行こうと意気込んでいた矢先に、出鼻をくじかれたのだ。まあ、自業自得なんだけど。
そんな苦い夏休みを、もう一度味わうことになるなんて……。絶妙に面倒くさい時間軸にタイムリープしてしまったようだ。
せっかくなら、補習が終わった時間軸に飛ばされたら良かったのだけど、今更言ったところでどうしようもない。深い溜息を吐いた後、俺は重い身体を起こした。
「私も今日、学校に行くから一緒に行こう」
「日和も補習だっけ?」
「違うよ。私は野球部のお手伝い。人手が足りないから来て欲しいって、透矢にお願いされて」
透矢。久々に懐かしい名前を聞いた。
透矢は小学校からの親友だ。高校を卒業してからは疎遠になっていたが、この時代ではまだ付き合いがあった。
透矢は人当たりがよく、些細なことでも笑いに変えていく奴だ。その明るさから、男子からも女子からも好かれていた。人付き合いが悪い俺とは正反対のタイプだ。
それにも関わらず、透矢は昔から俺に構ってきた。小学校時代には、俺が教室の隅で本を読んでいれば、しつこく声をかけてきた。無視を決め込んでも、机にへばりついて「ねぇねぇ」と永遠に話しかけてくる。結局、俺が根負けして外に連れ出されるのがお決まりのパターンだった。
その関係性は高校に入ってからも変わらなかった。さすがに高校生になってからは、机にへばりついてウザ絡みされることはなくなったけど、廊下で顔を合わせるたびに人懐っこい笑顔で絡んできた。
お調子者でちょっと鬱陶しい奴だけど、野球に関しては類まれな才能を持っている。たしか高校二年の夏は、甲子園出場をかけた大舞台でエースを任されていたはずだ。
透矢に頼まれて日和が野球部の手伝いに行くのは、ごく自然な流れだ。透矢と日和も小学校時代からの付き合いで、透矢は何かにつけて日和を頼りにしていた。クラスメイトの間では、『二人は付き合っているのでは?』とも噂されていたくらいだ。
お調子者の透矢を日和が窘める。そんな二人の関係は、傍から見てもバランスが取れていた。二人が付き合っていると知らされても、周囲の人間は納得するだろう。それくらい二人はお似合いだ。少なくとも俺よりは。
ぼんやりと過去の記憶を遡っていると、ハンガーにかけられた制服を日和から手渡された。
「ぼーっとしてないで着替えて! 私は居間で待たせてもらうね」
そう告げると、日和はパタパタと居間に向かった。俺は仕方なく、Tシャツを脱ぎ捨てて、制服のシャツに袖を通した。
◇
居間の障子を開けると、ふわりと味噌汁の香りが漂ってきた。この感覚は、すごく懐かしい。
座敷机には、白米と味噌汁、焼き鮭、厚焼玉子が並んでいる。実家で暮らしていた頃は、地味な朝食だと文句を垂れていたが、今ならこのありがたみがわかる。
居間には、父さん、母さん、こずえ姉さん、日和、そして朝陽が座っていた。セーラー服姿の朝陽は顔を緩ませながら味噌汁を啜っていた。
こいつ……既にうちの家族に馴染んでいるじゃないか。面食らいながらも、俺も座布団に腰を下ろす。何気ない朝の光景が広がる中、日和だけは食卓に朝陽が混ざっている状況を見て、戸惑いの色を浮かべていた。
「さっきから気になっていたんだけど、なんで朝陽ちゃんがここにいるの?」
日和は、俺と朝陽を交互に見つめる。なんと説明しようかと言葉を選んでいると、朝陽が先に口を開いた。
「色々あって、居候させていただくことになりました!」
朝陽は能天気な笑顔を浮かべながら答える。日和は「へ?」と素っ頓狂な声をあげた。
「居候? なんでまた急に?」
日和の反応はごく自然だ。昨日会ったばかりの少女をうちに泊めているなんて知ったら、驚くに決まっている。日和が目をぱちくりとさせていると、朝陽がここに来た経緯を説明した。
「私、家出中で宿なしだったんです。そしたら圭一郎くんが、ここに泊めてくれるように家族に相談してくれたんです!」
「圭ちゃんが?」
日和は驚いたように俺の顔を覗き込む。まるで宇宙人でも見るような反応だ。
「仕方ないだろ。放っておくわけにもいかないし」
これ以上追及されないように、日和から目を逸らして白米をかき込む。この話は終わりにしたかったが、余計な邪魔が入った。
「でもさ、圭一郎が友達を連れてくるなんて珍しいよね。しかも相手は女の子だよ?」
こずえ姉さんは茶化すようにニヤニヤしながら、話を広げてきた。その言葉に、父さんと母さんが頷く。
「圭一郎には、日和ちゃんと透矢くんしか、友達はいないと思っていたよ」
「圭一郎は人付き合いが苦手だからねえ」
父さんと母さんが会話に交ざってくる。この二人からは、友達が少ない人間とでも認識されているのかもしれない。まあ、間違ってはいないけど。
すると、こずえ姉さん何かを思いついたかのように「あ!」と目を輝かせた。
「わかった! あんた朝陽ちゃんのことが好きなんでしょ?」
こずえ姉さんの突拍子のない発言に、思わず味噌汁を吹き出す。その反応が余計に信憑性を高めてしまったようで、父さんと母さんは「あーあ」と納得したように声を漏らした。
即座に否定しようと思ったが、味噌汁が気管に入ってむせてしまった。その間に、話はどんどん厄介な方向に進んでいく。
「え……そうなの? 圭ちゃん……」
日和は神妙な面持ちで俺に問いかける。俺は首をブンブンと横に振って否定をするが、話はどんどん進んでいく。
「絶対そうだよ! じゃなきゃ、うちに泊めたいなんて言い出さないって」
「なるほどね。それならお母さんも納得!」
「圭一郎にもついに彼女ができたというわけか」
「いや、お父さん。昨日の朝陽ちゃんの反応からして、圭一郎の片想い止まりだって」
おかしな方向に話が進み、頭が痛くなってきた。うちの家族はどうしてこうもデリカシーがないのだろうか。
俺は咄嗟に朝陽を見る。お前も否定しろと圧を送るも、朝陽には届かない。朝陽は否定するどころか、腹を抱えて笑っていた。
「あっはっは! 圭一郎くんが私に片想いって、超ウケる」
ウケているのはお前だけだ。俺は愕然とした。
このままでは話がややこしくなりそうだ。俺は急いで白米をかき込み、立ち上がった。
「好きとかそういうんじゃねえよ。勝手に話を膨らますな」
そう牽制すると、逃げるように居間から飛び出した。
「あ! 待ってよ!」
「圭ちゃん、それ本当?」
俺を追いかけるように、朝陽と日和も居間を飛び出した。
「圭ちゃん、起きて! 遅刻しちゃうよ!」
切羽詰まったような声と共に、身体が揺さぶられる。狸寝入りを決め込んでいると、布団を引き剥がされた。渋々目を開けると、膨れっ面の日和がいた。日和は昨日と同じく、セーラー服をまとっている。
「やっと起きた。補習初日からサボるつもり?」
「補習?」
懐かしい言葉が飛び出して、思わず聞き返す。日和は呆れたように溜息を吐いた。
「今日から補習でしょ? 一学期の期末試験で赤点を取ったから」
期末試験。赤点。補習。そのワードで、夏休みの苦い記憶が蘇った。高校二年の一学期、俺は試験勉強そっちのけで小説を書いていた。そのせいで期末試験は目も当てられない結果になった。
俺の通っていた高校では、期末試験に赤点を取った生徒には補習が課されていた。期末試験をサボったツケが、後になってやってきたのだ。
補習を言い渡された時は絶望した。夏休みは思いっきり小説を書いて、取材旅行にも行こうと意気込んでいた矢先に、出鼻をくじかれたのだ。まあ、自業自得なんだけど。
そんな苦い夏休みを、もう一度味わうことになるなんて……。絶妙に面倒くさい時間軸にタイムリープしてしまったようだ。
せっかくなら、補習が終わった時間軸に飛ばされたら良かったのだけど、今更言ったところでどうしようもない。深い溜息を吐いた後、俺は重い身体を起こした。
「私も今日、学校に行くから一緒に行こう」
「日和も補習だっけ?」
「違うよ。私は野球部のお手伝い。人手が足りないから来て欲しいって、透矢にお願いされて」
透矢。久々に懐かしい名前を聞いた。
透矢は小学校からの親友だ。高校を卒業してからは疎遠になっていたが、この時代ではまだ付き合いがあった。
透矢は人当たりがよく、些細なことでも笑いに変えていく奴だ。その明るさから、男子からも女子からも好かれていた。人付き合いが悪い俺とは正反対のタイプだ。
それにも関わらず、透矢は昔から俺に構ってきた。小学校時代には、俺が教室の隅で本を読んでいれば、しつこく声をかけてきた。無視を決め込んでも、机にへばりついて「ねぇねぇ」と永遠に話しかけてくる。結局、俺が根負けして外に連れ出されるのがお決まりのパターンだった。
その関係性は高校に入ってからも変わらなかった。さすがに高校生になってからは、机にへばりついてウザ絡みされることはなくなったけど、廊下で顔を合わせるたびに人懐っこい笑顔で絡んできた。
お調子者でちょっと鬱陶しい奴だけど、野球に関しては類まれな才能を持っている。たしか高校二年の夏は、甲子園出場をかけた大舞台でエースを任されていたはずだ。
透矢に頼まれて日和が野球部の手伝いに行くのは、ごく自然な流れだ。透矢と日和も小学校時代からの付き合いで、透矢は何かにつけて日和を頼りにしていた。クラスメイトの間では、『二人は付き合っているのでは?』とも噂されていたくらいだ。
お調子者の透矢を日和が窘める。そんな二人の関係は、傍から見てもバランスが取れていた。二人が付き合っていると知らされても、周囲の人間は納得するだろう。それくらい二人はお似合いだ。少なくとも俺よりは。
ぼんやりと過去の記憶を遡っていると、ハンガーにかけられた制服を日和から手渡された。
「ぼーっとしてないで着替えて! 私は居間で待たせてもらうね」
そう告げると、日和はパタパタと居間に向かった。俺は仕方なく、Tシャツを脱ぎ捨てて、制服のシャツに袖を通した。
◇
居間の障子を開けると、ふわりと味噌汁の香りが漂ってきた。この感覚は、すごく懐かしい。
座敷机には、白米と味噌汁、焼き鮭、厚焼玉子が並んでいる。実家で暮らしていた頃は、地味な朝食だと文句を垂れていたが、今ならこのありがたみがわかる。
居間には、父さん、母さん、こずえ姉さん、日和、そして朝陽が座っていた。セーラー服姿の朝陽は顔を緩ませながら味噌汁を啜っていた。
こいつ……既にうちの家族に馴染んでいるじゃないか。面食らいながらも、俺も座布団に腰を下ろす。何気ない朝の光景が広がる中、日和だけは食卓に朝陽が混ざっている状況を見て、戸惑いの色を浮かべていた。
「さっきから気になっていたんだけど、なんで朝陽ちゃんがここにいるの?」
日和は、俺と朝陽を交互に見つめる。なんと説明しようかと言葉を選んでいると、朝陽が先に口を開いた。
「色々あって、居候させていただくことになりました!」
朝陽は能天気な笑顔を浮かべながら答える。日和は「へ?」と素っ頓狂な声をあげた。
「居候? なんでまた急に?」
日和の反応はごく自然だ。昨日会ったばかりの少女をうちに泊めているなんて知ったら、驚くに決まっている。日和が目をぱちくりとさせていると、朝陽がここに来た経緯を説明した。
「私、家出中で宿なしだったんです。そしたら圭一郎くんが、ここに泊めてくれるように家族に相談してくれたんです!」
「圭ちゃんが?」
日和は驚いたように俺の顔を覗き込む。まるで宇宙人でも見るような反応だ。
「仕方ないだろ。放っておくわけにもいかないし」
これ以上追及されないように、日和から目を逸らして白米をかき込む。この話は終わりにしたかったが、余計な邪魔が入った。
「でもさ、圭一郎が友達を連れてくるなんて珍しいよね。しかも相手は女の子だよ?」
こずえ姉さんは茶化すようにニヤニヤしながら、話を広げてきた。その言葉に、父さんと母さんが頷く。
「圭一郎には、日和ちゃんと透矢くんしか、友達はいないと思っていたよ」
「圭一郎は人付き合いが苦手だからねえ」
父さんと母さんが会話に交ざってくる。この二人からは、友達が少ない人間とでも認識されているのかもしれない。まあ、間違ってはいないけど。
すると、こずえ姉さん何かを思いついたかのように「あ!」と目を輝かせた。
「わかった! あんた朝陽ちゃんのことが好きなんでしょ?」
こずえ姉さんの突拍子のない発言に、思わず味噌汁を吹き出す。その反応が余計に信憑性を高めてしまったようで、父さんと母さんは「あーあ」と納得したように声を漏らした。
即座に否定しようと思ったが、味噌汁が気管に入ってむせてしまった。その間に、話はどんどん厄介な方向に進んでいく。
「え……そうなの? 圭ちゃん……」
日和は神妙な面持ちで俺に問いかける。俺は首をブンブンと横に振って否定をするが、話はどんどん進んでいく。
「絶対そうだよ! じゃなきゃ、うちに泊めたいなんて言い出さないって」
「なるほどね。それならお母さんも納得!」
「圭一郎にもついに彼女ができたというわけか」
「いや、お父さん。昨日の朝陽ちゃんの反応からして、圭一郎の片想い止まりだって」
おかしな方向に話が進み、頭が痛くなってきた。うちの家族はどうしてこうもデリカシーがないのだろうか。
俺は咄嗟に朝陽を見る。お前も否定しろと圧を送るも、朝陽には届かない。朝陽は否定するどころか、腹を抱えて笑っていた。
「あっはっは! 圭一郎くんが私に片想いって、超ウケる」
ウケているのはお前だけだ。俺は愕然とした。
このままでは話がややこしくなりそうだ。俺は急いで白米をかき込み、立ち上がった。
「好きとかそういうんじゃねえよ。勝手に話を膨らますな」
そう牽制すると、逃げるように居間から飛び出した。
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「圭ちゃん、それ本当?」
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