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実は落ちこぼれ説? 

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あれから、一年がたった。 




いきなり異世界で転生することになって、最初は驚きと赤ちゃんということの歯がゆさを感じていたが・・・ 一年も経つといろんなことに慣れてくる。 言葉も少し喋れるようになったしなw

とりあえず、この一年で分かったことをまとめてみようと思う。

まず、僕は貴族らしい。 父はジョージ=スタンリー、母はマリー=スタンリー。爵位は子爵のようだ。そして最初にいたメイドらしき女性はアンナさんというらしい。 僕専属の世話係ということで、大抵の世話は彼女がしてくれている。(彼女には僕の全てが・・・w)

実は昨日教会に連れて行かれて、祝福というものを受けたのだ。 まぁ、僕はただ寝ていただけなんだが・・・
どうやら僕には魔法のセンスも剣のセンスもないらしい・・・ 

僕の異世界で無双してハーレムパラダイスという夢は残念ながら難しそうである。 

そんな無能?の僕だが両親は、今まで通り大切に扱ってくれている。 昔読んだ異世界転生物の小説では才能がないことが判明した瞬間、冷たい扱いを受け、追放させられるというのが定番だったが・・・

ビクビクしていた僕の頭を優しく撫ででくれた母の映像は、一日たった今でも鮮明に覚えている。








コンコンコン

何故かこの1年を回想していた僕は、突然のドアをノックする音で現実に戻された。

「アレスちゃーん。 寂しかったでちゅか~? お母さんでちゅよ~」
母はそう言いながら、僕を抱っこしてくれた。 

しばらく、母とじゃれていると 父も部屋に入ってきて僕の頭を撫でてくれる。

あぁ 気持ちいいなぁ・・・ 
そんなことを思っていると突然父は僕に真剣な表情で語りかけ始めた。


「アレスよ・・・ 我が領は魔の森に面している関係上、魔術や剣術のセンスがとても重要視されている。 そんな中お前は武術の才能は一切ないということが判明した。 周りからはかなり冷たい目で見られるかもしれないが、お父さんとお母さんはお前の味方だ。 強く賢くなって周りを見直せるような大人になるんだぞ アレス・・・・」


父は僕がこのような長い言葉を理解してないだろうと思いながらも、僕にそう語りかけた。


父の中に眠る熱い思いの片鱗を僕はなんとなく感じた。
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