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次期社長と紡ぐ未来のために
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「それにしても、梨音ちゃんとじいちゃんが知り合いだとは思わなかった」
「私もしげさんが立花さんのおじいさんで会長だとは思わなかったです」
たくさんの驚きがあったので、頭が追い付かない。
「じいちゃんは社長を親父に譲った後、会長職に就いたのはいいけど作業服で社内をうろついているんだ。長年、働いている社員は気づくこともあるだろうけど、会長がそんな格好でいるなんて普通は思いもしないよな」
「確かにそうですね。私も清掃員のおじいさんだと思ってました」
「だよな。それで、梨音ちゃんがじいちゃんと話すきっかけって何だったの?」
改めて聞かれ、しげさんとの出会いを思い出す。
「私は花が好きで、花壇の花を見て癒されていたんです。ちょうど花の植え替えをしていたしげさんを見かけて、この人が花壇の花とかを綺麗に手入れしてくれているのかなと思って話しかけたのがきっかけです」
「そうだったんだね。前にじいちゃんから素直で可愛くて優しい子がいるんだっていう話を聞かされていたんだ。その時は気にも止めなかったけど、梨音ちゃんだったんだな」
しげさん、そんなことを話してたの?
あまりのべた褒めで恥ずかしい。
「さて、思いがけず、じいちゃんにも親父にも俺たちの付き合いを認めてもらえた」
さっきまでとはうって変わって真剣な表情で話し始めた。
「梨音ちゃんはどうして俺との付き合いを終わりにしようと言ったんだ?」
「それは……」
「親父から俺の縁談があるという話を聞かされたからだよね」
コクリと頷いた。
その通りだ。
会社の今後の話も聞かされた上、立花さんに縁談話があるなんて言われたら付き合いを終わらせるしかなかった。
「じゃあ、さっきの話で縁談の件は解決したよね?」
確認するように聞かれ「はい」と返事をする。
「だったら、俺たちが別れる必要なんてないと思うんだけど。違う?」
「ち、違いません。でも……」
言い淀む。
素直に立花さんの言葉に向き合えない私がいた。
「でも、何?梨音ちゃんが思っていることを教えて」
「私は立花さんを何度も傷つけてしまいました。それなのに、問題が解決したらすぐに元の鞘にとか都合がよすぎる感じがして……」
「馬鹿だな。どうしてそんな風に考えるの?それに、俺は別れたつもりはないし、君に傷つけられたなんて思ったことは一度もない。むしろ、俺の方が梨音ちゃんを傷つけた」
「そんなことはないです!私が最初に終わりにしようと言ったので……」
「それは親父のせいで、梨音ちゃんは言わされただけだろ」
「でも……」
二人とも自分の方が悪いと言って譲らなくて、これでは埒が明かないなと思っていたら。
「それじゃ、お互い様ってことにしない?」
立花さんの提案を受け、意外とすんなり解決した。
「私もしげさんが立花さんのおじいさんで会長だとは思わなかったです」
たくさんの驚きがあったので、頭が追い付かない。
「じいちゃんは社長を親父に譲った後、会長職に就いたのはいいけど作業服で社内をうろついているんだ。長年、働いている社員は気づくこともあるだろうけど、会長がそんな格好でいるなんて普通は思いもしないよな」
「確かにそうですね。私も清掃員のおじいさんだと思ってました」
「だよな。それで、梨音ちゃんがじいちゃんと話すきっかけって何だったの?」
改めて聞かれ、しげさんとの出会いを思い出す。
「私は花が好きで、花壇の花を見て癒されていたんです。ちょうど花の植え替えをしていたしげさんを見かけて、この人が花壇の花とかを綺麗に手入れしてくれているのかなと思って話しかけたのがきっかけです」
「そうだったんだね。前にじいちゃんから素直で可愛くて優しい子がいるんだっていう話を聞かされていたんだ。その時は気にも止めなかったけど、梨音ちゃんだったんだな」
しげさん、そんなことを話してたの?
あまりのべた褒めで恥ずかしい。
「さて、思いがけず、じいちゃんにも親父にも俺たちの付き合いを認めてもらえた」
さっきまでとはうって変わって真剣な表情で話し始めた。
「梨音ちゃんはどうして俺との付き合いを終わりにしようと言ったんだ?」
「それは……」
「親父から俺の縁談があるという話を聞かされたからだよね」
コクリと頷いた。
その通りだ。
会社の今後の話も聞かされた上、立花さんに縁談話があるなんて言われたら付き合いを終わらせるしかなかった。
「じゃあ、さっきの話で縁談の件は解決したよね?」
確認するように聞かれ「はい」と返事をする。
「だったら、俺たちが別れる必要なんてないと思うんだけど。違う?」
「ち、違いません。でも……」
言い淀む。
素直に立花さんの言葉に向き合えない私がいた。
「でも、何?梨音ちゃんが思っていることを教えて」
「私は立花さんを何度も傷つけてしまいました。それなのに、問題が解決したらすぐに元の鞘にとか都合がよすぎる感じがして……」
「馬鹿だな。どうしてそんな風に考えるの?それに、俺は別れたつもりはないし、君に傷つけられたなんて思ったことは一度もない。むしろ、俺の方が梨音ちゃんを傷つけた」
「そんなことはないです!私が最初に終わりにしようと言ったので……」
「それは親父のせいで、梨音ちゃんは言わされただけだろ」
「でも……」
二人とも自分の方が悪いと言って譲らなくて、これでは埒が明かないなと思っていたら。
「それじゃ、お互い様ってことにしない?」
立花さんの提案を受け、意外とすんなり解決した。
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