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愛を伝える
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連れてきてくれたのは『ミレナル』というイタリアンレストラン。
ここはいつも予約でいっぱいの超人気レストランで料理も美味しくテレビや雑誌にも取り上げられたこともある有名店だ。
立花さんがここのオーナーと知り合いらしく、交遊関係の広さに驚くばかりだ。
店内はアンティーク調の内装で、照明や小物にもこだわっている。
テーブル席や半個室などあり、私たちが通されたのは完全個室。
向かい合って席に座り、コース料理が運ばれてくるのを待つ。
料理を待っている間、立花さんは思い出したように口を開いた。
「そうそう、あのあと響也に連絡したんだ」
「えっ、お兄ちゃんに?」
いったい何を言ったんだろう……。
「梨音ちゃんと付き合うことになったって報告したんだ。以前、響也に君が好きだと伝えた時、本気なのかと詰め寄られたからね。アイツもなんだかんだ言いながら梨音ちゃんのことが心配だったんだろうな」
あのお兄ちゃんが……ね。
口を開けば嫌味なことばかり言われてよくムカついていた。
そんなお兄ちゃんが私のことを気にかけてくれていたと知り、驚いたけど嬉しかった。
バーでの出来事以来、お兄ちゃんとは五年ぐらいまともに会っていない。
お母さんたちも気にしていたから、そろそろ実家に帰ったときに会ってもいいかも。
でも、お兄ちゃんに立花さんと付き合ってるのを知られているので恥ずかしいけど。
「俺は本気だし、誰よりも君のことを大切にするし甘やかしたいんだ」
立花さんの口から飛び出してくる言葉にドキドキしっぱなしだ。
というか、十分すぎるぐらい大切にしてくれている。
好きという気持ちが立花さんと一緒に過ごすたびに更新されている気がする。
「響也に『梨音のことを頼む』って言われたよ。まぁ、響也に言われなくてもそのつもりだけど」
思わず見惚れてしまうような笑顔を私に向けてきて、胸がキュンと高鳴った。
「ついでにマキにも報告しといたよ。マキから連絡があったお陰で梨音ちゃんと話が出来て付き合うことになったからね」
昴くんに言ったということは、きっと舞にも伝わるだろう。
そういえば昴くんと舞は同じ化粧品会社だ。
もしかして、と化粧ポーチの中に入っている口紅の存在を思い出して口を開いた。
「ちょっと聞くんですけど、あの口紅を立花さんにくれたのは昴くんですか?」
「そうだよ。マキからシンデレラ何とかっていうシリーズで人気があるから、俺の気になっている子にプレゼントしてあげたらと言ってくれたんだ」
マキには何か奢らないと、って笑いながら言っていた。
そんな話をしていたら料理が運ばれてきた。
本日の前菜盛り合わせ、エビやタコ、トマトのアヒージョ。
スープ、カルボナーラに国産牛の赤ワイン煮込みに舌鼓をうつ。
立花さんには私がよく食べるということを知られているので、今さら取り繕うこともない。
そんな私の食べっぷりを立花さんはニコニコと笑いながら眺めている。
デザートのティラミスまで美味しくいただき、すべて残さず食べたのでお腹いっぱいになっていた。
ここはいつも予約でいっぱいの超人気レストランで料理も美味しくテレビや雑誌にも取り上げられたこともある有名店だ。
立花さんがここのオーナーと知り合いらしく、交遊関係の広さに驚くばかりだ。
店内はアンティーク調の内装で、照明や小物にもこだわっている。
テーブル席や半個室などあり、私たちが通されたのは完全個室。
向かい合って席に座り、コース料理が運ばれてくるのを待つ。
料理を待っている間、立花さんは思い出したように口を開いた。
「そうそう、あのあと響也に連絡したんだ」
「えっ、お兄ちゃんに?」
いったい何を言ったんだろう……。
「梨音ちゃんと付き合うことになったって報告したんだ。以前、響也に君が好きだと伝えた時、本気なのかと詰め寄られたからね。アイツもなんだかんだ言いながら梨音ちゃんのことが心配だったんだろうな」
あのお兄ちゃんが……ね。
口を開けば嫌味なことばかり言われてよくムカついていた。
そんなお兄ちゃんが私のことを気にかけてくれていたと知り、驚いたけど嬉しかった。
バーでの出来事以来、お兄ちゃんとは五年ぐらいまともに会っていない。
お母さんたちも気にしていたから、そろそろ実家に帰ったときに会ってもいいかも。
でも、お兄ちゃんに立花さんと付き合ってるのを知られているので恥ずかしいけど。
「俺は本気だし、誰よりも君のことを大切にするし甘やかしたいんだ」
立花さんの口から飛び出してくる言葉にドキドキしっぱなしだ。
というか、十分すぎるぐらい大切にしてくれている。
好きという気持ちが立花さんと一緒に過ごすたびに更新されている気がする。
「響也に『梨音のことを頼む』って言われたよ。まぁ、響也に言われなくてもそのつもりだけど」
思わず見惚れてしまうような笑顔を私に向けてきて、胸がキュンと高鳴った。
「ついでにマキにも報告しといたよ。マキから連絡があったお陰で梨音ちゃんと話が出来て付き合うことになったからね」
昴くんに言ったということは、きっと舞にも伝わるだろう。
そういえば昴くんと舞は同じ化粧品会社だ。
もしかして、と化粧ポーチの中に入っている口紅の存在を思い出して口を開いた。
「ちょっと聞くんですけど、あの口紅を立花さんにくれたのは昴くんですか?」
「そうだよ。マキからシンデレラ何とかっていうシリーズで人気があるから、俺の気になっている子にプレゼントしてあげたらと言ってくれたんだ」
マキには何か奢らないと、って笑いながら言っていた。
そんな話をしていたら料理が運ばれてきた。
本日の前菜盛り合わせ、エビやタコ、トマトのアヒージョ。
スープ、カルボナーラに国産牛の赤ワイン煮込みに舌鼓をうつ。
立花さんには私がよく食べるということを知られているので、今さら取り繕うこともない。
そんな私の食べっぷりを立花さんはニコニコと笑いながら眺めている。
デザートのティラミスまで美味しくいただき、すべて残さず食べたのでお腹いっぱいになっていた。
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