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愛を伝える
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よく晴れた土曜。
今日は立花さんと遊園地デートの日。
どこか行きたいか聞かれて水族館、映画館、ショッピング、遊園地など定番のテートスポットをいろいろ考えた。
昔から憧れのあった遊園地デートを提案してみた。
立花さんはどうかな、とは思ったけど、すんなり受け入れてくれた。
早起きし、私は浮かれた気分で準備をしていた。
前に花火大火に行ったことがあるけど、あれは偽装だったので本当の初デートだ。
好きな人と想いが通じ合っていると思っただけで幸せな気分だ。
先週、初めてセックスを経験した。
本当に気持ちがよくて最後は何が何だか分からなかった。
その時のことを思い出すだけで悶絶してしまう。
あのあと、立花さんからいろいろな話を聞いた。
まず、どうして海外にいるはずなのにマンションの前にいたのかといえば、向こうでの仕事が順調に進み帰国日程が早まったからだった。
他にも私が疑問に思っていたことをあれこれ聞くと丁寧に説明してくれた。
立花さんは昴くんから彼女が出来たという話は聞いていた。
昴くんは彼女との会話の中で、彼女の友達が私だということを知り、心底驚いていたらしい。
そんな偶然があるのかって話だよね。
昴くんは、私のことを黙ったまま舞と付き合うことに葛藤があり、どうしたらいいかお兄ちゃんと立花さんに相談していた。
相談していた場所が『ダークムーン』で、そこで話をしたから朔ちゃんにも筒抜けだった。
奇しくも私が同じようなタイミングで朔ちゃんのバーに現れた。
もちろんその情報は、朔ちゃんから昴くんたちに伝わっていた。
三人で話した結果、何のしがらみもなく付き合うなら、私のことを舞に伝えるべきという結論になった。
それで、舞は昴くんから私のことを聞かされた。
舞も私に黙ったまま付き合うことは出来ないと悩んでいたみたいだ。
それで舞は私に打ち明けようと連絡してきた。
そういえば、あのバーで会いたいと言い出したのは舞だ。
みんな私の反応を窺いつつ、外堀を埋めていた。
私が昴くんに会ってもいいということを聞いてからの朔ちゃんの行動は速かった。
近くでスタンバっていた昴くんに連絡して会うことになり、そのことは速攻で立花さんやお兄ちゃんにも共有されていた。
話が済んで私がバーを出たと昴くんから立花さんに連絡がいき、マンションの前で待ってくれていたという訳だ。
何気なく窓の外を見たら、綺麗な青空が広がっていた。
まさにテート日和。
フリルブラウスにカーデガンを羽織り、ガウチョパンツを穿いた。
本当はワンピースを着たかったけど、何か乗り物に乗ったときにスカートが捲れたりする可能性があったのでやめた。
あとは両手が開くショルダーバッグにスニーカーを履くつもりだ。
出掛ける準備を済ませ、ドキドキしながら時計を見ていたらインターホンが鳴った。
私はバッグを掴むと玄関に行きドアを開けた。
「おはよう」
「おはようございます」
「何だか今日は雰囲気が違うね」
爽やかな笑顔で挨拶した立花さんは私の姿をまじまじと見る。
そんなに見られると照れくさい。
よく晴れた土曜。
今日は立花さんと遊園地デートの日。
どこか行きたいか聞かれて水族館、映画館、ショッピング、遊園地など定番のテートスポットをいろいろ考えた。
昔から憧れのあった遊園地デートを提案してみた。
立花さんはどうかな、とは思ったけど、すんなり受け入れてくれた。
早起きし、私は浮かれた気分で準備をしていた。
前に花火大火に行ったことがあるけど、あれは偽装だったので本当の初デートだ。
好きな人と想いが通じ合っていると思っただけで幸せな気分だ。
先週、初めてセックスを経験した。
本当に気持ちがよくて最後は何が何だか分からなかった。
その時のことを思い出すだけで悶絶してしまう。
あのあと、立花さんからいろいろな話を聞いた。
まず、どうして海外にいるはずなのにマンションの前にいたのかといえば、向こうでの仕事が順調に進み帰国日程が早まったからだった。
他にも私が疑問に思っていたことをあれこれ聞くと丁寧に説明してくれた。
立花さんは昴くんから彼女が出来たという話は聞いていた。
昴くんは彼女との会話の中で、彼女の友達が私だということを知り、心底驚いていたらしい。
そんな偶然があるのかって話だよね。
昴くんは、私のことを黙ったまま舞と付き合うことに葛藤があり、どうしたらいいかお兄ちゃんと立花さんに相談していた。
相談していた場所が『ダークムーン』で、そこで話をしたから朔ちゃんにも筒抜けだった。
奇しくも私が同じようなタイミングで朔ちゃんのバーに現れた。
もちろんその情報は、朔ちゃんから昴くんたちに伝わっていた。
三人で話した結果、何のしがらみもなく付き合うなら、私のことを舞に伝えるべきという結論になった。
それで、舞は昴くんから私のことを聞かされた。
舞も私に黙ったまま付き合うことは出来ないと悩んでいたみたいだ。
それで舞は私に打ち明けようと連絡してきた。
そういえば、あのバーで会いたいと言い出したのは舞だ。
みんな私の反応を窺いつつ、外堀を埋めていた。
私が昴くんに会ってもいいということを聞いてからの朔ちゃんの行動は速かった。
近くでスタンバっていた昴くんに連絡して会うことになり、そのことは速攻で立花さんやお兄ちゃんにも共有されていた。
話が済んで私がバーを出たと昴くんから立花さんに連絡がいき、マンションの前で待ってくれていたという訳だ。
何気なく窓の外を見たら、綺麗な青空が広がっていた。
まさにテート日和。
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本当はワンピースを着たかったけど、何か乗り物に乗ったときにスカートが捲れたりする可能性があったのでやめた。
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出掛ける準備を済ませ、ドキドキしながら時計を見ていたらインターホンが鳴った。
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「おはよう」
「おはようございます」
「何だか今日は雰囲気が違うね」
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そんなに見られると照れくさい。
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