次期社長と訳アリ偽装恋愛

松本ユミ

文字の大きさ
上 下
72 / 107
愛を伝える

しおりを挟む
立花さんは避妊具を被せた屹立を蜜で濡れそぼった割れ目に擦りつけてくる。
それだけで私の秘部が切なく疼く。
というか、あんな大きいモノが私の中に入るんだろうか。
期待と不安が入り混じった気持ちで立花さんを見上げたら、熱を孕んだ瞳で私を見つめていた。

「痛かったら俺の身体を引っかいたりしていいから」

愛液を纏った屹立を蜜口に押し当てると慣らすように擦りつける。
それを何度か繰り返し、硬い先端をゆっくりと挿入してきた瞬間、引き裂かれる様な痛みが走る。

「いっ……」

指とは比べ物にならないぐらいの質量に身体に力が入る。

「キツ……」

立花さんは何かに耐えるように眉根を寄せ、額には汗が滲んでいる。


「梨音ちゃん、ゆっくりと息をして」

言われた通り、息を吐く。

「そう、いい子だね」

そう言うと、立花さんは額、頬、鼻と顔にキスをしていく。
最後に唇に貪るような口づけをしてきて、口内に舌が入り込んで私のそれと絡ませ合う。
キスに夢中になっている隙に立花さんの熱くて硬さを増したモノが隘路をこじ開けるように進んでくる。

乳房も揉まれ、弄られた乳首が甘く疼いて身体が快感を拾い始めると、立花さんの屹立が一気に奥に差し込まれた。

「あ、あ、ぁあっ……」

悲鳴のような声を上げ、何かに縋りたくなって立花さんの腕に爪を立ててしまった。

私の中に立花さんの熱くて硬いものが隙間なく埋め込まれ、ドクドクと脈を打っているのを感じる。
大好きな人と一つになれた喜びをかみしめていたら、立花さんが私の身体をギュッと抱きしめてきた。
お互いに汗ばんだ肌が密着し、心地よさを感じる。

立花さんは少し身体を起こし、気遣うように聞いてきた。

「痛い?」
「少し……でも大丈夫、です」

最初は皮膚が引き裂かれる様な痛みや圧迫感があったけど、丁寧に解してくれたおかげなのか、あまり苦痛を伴うこともなく彼を受け入れていた。
私の中に立花さん自身が入っていると思っただけで胸がキュンとした。

ふと、立花さんを見上げると苦しそうな表情をしていた。
そして目を閉じて何かを堪えるように息を吐く。

「あの、大丈夫ですか?」

思わず聞いてしまった。
私が初めてだから窮屈なのかもしれない。

「大丈夫だよ。梨音ちゃんの中が気持ちよすぎて動くのを我慢しているだけだから」

その言葉通り、立花さんは動くことなくじっとしている。
好きな人と繋がっている喜びに胸がいっぱいになり、私は立花さんの背中に腕を回した。

「……っ、そろそろ動いてもいい?」
「はい……」

立花さんはゆっくりと抽送を始めた。
彼の熱い昂ぶりがギリギリまで引き抜かれたかと思えば、ぐっと最奥を突かれる。
一定のリズムで腰を打ち付け、そのたびに身体が反応して嬌声を上げる。

「あっ、あん、……んあっ、」

抜き差しはだんだんと激しさを増し、淫らな水音と同時に肌同士のぶつかり合う音が耳につく。

「梨音ちゃんの中、気持ち良すぎる」

私の頬を撫でた後、唇を塞がれて舌と舌を絡め合わせる。
唾液を交換するようなキスをしながらも立花さんは律動を続けていく。
繋がった部分が熱くて疼いている。

私の中は余すところなく立花さんでいっぱいだ。
そんなことを考えたらどうしようもない気持ちになった。

「好き……」

思わず自分の気持ちを口にしたら、立花さんの昂ぶりが私の中で大きくなった気がした。

「これ以上、煽らないで」

そう言うと、さらに激しく腰を打ち付けてきた。
好きだという気持ちを伝えただけで煽ったつもりはないのに。

「いやっ、あん、あっ、ああぁっ、」

私の腰をしっかり掴んで激しく抽送されると身体が前後に揺れる。
与えられる快楽に翻弄され、堪らず立花さんにしがみつく。
身体を密着させたまま気持ちのいいところを抉られる。

「あんっ、激しっ、やぁ……んっ、ぁ……」
「……っ、ごめん、もぅ……」

立花さんの切迫したような声が聞こえ、最奥を一際強く突き上げれた瞬間、何かが弾けるような感覚に襲われて身体がビクビクと震えた。

「あっ……んあっ……ああぁーーー」

下腹部が収縮して彼自身をきつく締め付ける。

「クッ……」

立花さんは短く呻いて何度か腰を打ち付けた後、避妊具越しに欲を放った。
そして、熱い吐息を吐きながら覆いかぶさってきた。
その重みが愛おしくてたまらない。

「梨音ちゃん、好きだよ」

唇に口づけた後、耳元で囁かれて「私も」と返事を返した気がしたけど、私の意識は途切れていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない

若松だんご
恋愛
 ――俺には、将来を誓った相手がいるんです。  お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。  ――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。  ほげええっ!?  ちょっ、ちょっと待ってください、課長!  あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?  課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。  ――俺のところに来い。  オオカミ課長に、強引に同居させられた。  ――この方が、恋人らしいだろ。  うん。そうなんだけど。そうなんですけど。  気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。  イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。  (仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???  すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と… 「Ninagawa Queen's Hotel」 若きホテル王 蜷川朱鷺  妹     蜷川美鳥 人気美容家 佐井友理奈 「オークワイナリー」 国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介 血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…? 華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

処理中です...