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社内恋愛の醍醐味?
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遊園地デートから二週間が過ぎたけど、私たちの付き合いは順調だ。
といっても、立花さんの仕事が忙しくてあまり会えていないけど。
お弁当作りも再開し、今朝も立花さんに渡していた。
休憩時間が同じになった宮沢と社員食堂に行き、昼ご飯を食べ始める。
私は持ってきていた弁当箱を広げる。
宮沢は注文したカツカレーセットのカツを大きな口をあけてかぶりつく。
「そういや、河野が企画したアパレルメーカーとコラボしたヤツ、売上いいらしいな」
「ホント?」
「あぁ。麻生部長が嬉しそうに話してたのが聞こえたんだ」
「そっか」
やった!と心の中でガッツポーズをする。
うちの文房具を多くの人に手に取ってもらうには……とぼんやりと考え事をしていた。
ふと、ファミレスでたまたま居合わせた女子高生の会話が耳に入ってきた。
その時に『ロジュアル』というブランドの服を買ったという話をしていた。
『ロジュアル』はカジュアルな服から可愛い系の服まで幅広く取り扱っている。
このブランドの服を着ている女子中高生を街中でよく見かけていた。
値段が高すぎて学生が手が届かないというより、限られたお小遣いの中から買えるブランドだ。
私も学生の頃に好んで着ていたので馴染みはあった。
流行の発信源は女子中高生からということもあり、その子たちに人気のファッションブランドと文房具のコラボ商品を作りたいと思った。
商品化に向けて企画を考えることにした。
まず、女子中高生がどんな文房具を求めているのかなど事前にリサーチした。
企画部内でプレゼンして部長にゴーサインをもらい、『ロジュアル』の方にアポイントを取った。
まあ、企画を考えても企業側に門前払いをされたらそれまでなんだけど。
まだ私ひとりじゃ心もとないということで、高柳課長も同行してくれた。
ちょうど『ロジュアル』側も新しいことにチャレンジしたいということで、お互いの思惑が一致してコラボすることになった。
これは本当に運がよかったと思う。
何度も打ち合わせを重ね、満足してもらえるように努力した。
もちろん、私一人では何もできない。
デザイナーの野中さんと何度も相談し『ロジュアル』の担当者にテザインのオーケーをもらうことができた。
たくさんの人の力を借り、『ロジュアル』とコラボした商品が出来上がった。
シャーペンやボールペンはもちろん、マスキングテープも作った。
やっぱり自分が企画した商品の売り上げは気になるから、宮沢の言葉を聞いて心から安堵した。
「お疲れ~」
トレーに中華定食をのせた玲奈がやってきて私の隣に座る。
「お疲れ」
「いただきます」
玲奈は手を合わせて中華丼を食べ始める。
私は思わず、目の前に座っていた宮沢を見る。
この前、『覚悟を決めないと』とか言ってたよね。
あれからどうなったのか分からない。
多分、まだ行動に移していないと思うんだけど。
気になって玲奈と宮沢を交互に見ていたら、宮沢がテーブルの下で私の足を軽くつつき「ジロジロ見るなよ」と言うように目で訴えてきている。
ヒェッ!
私はおとなしく玉子焼きを頬張る。
といっても、立花さんの仕事が忙しくてあまり会えていないけど。
お弁当作りも再開し、今朝も立花さんに渡していた。
休憩時間が同じになった宮沢と社員食堂に行き、昼ご飯を食べ始める。
私は持ってきていた弁当箱を広げる。
宮沢は注文したカツカレーセットのカツを大きな口をあけてかぶりつく。
「そういや、河野が企画したアパレルメーカーとコラボしたヤツ、売上いいらしいな」
「ホント?」
「あぁ。麻生部長が嬉しそうに話してたのが聞こえたんだ」
「そっか」
やった!と心の中でガッツポーズをする。
うちの文房具を多くの人に手に取ってもらうには……とぼんやりと考え事をしていた。
ふと、ファミレスでたまたま居合わせた女子高生の会話が耳に入ってきた。
その時に『ロジュアル』というブランドの服を買ったという話をしていた。
『ロジュアル』はカジュアルな服から可愛い系の服まで幅広く取り扱っている。
このブランドの服を着ている女子中高生を街中でよく見かけていた。
値段が高すぎて学生が手が届かないというより、限られたお小遣いの中から買えるブランドだ。
私も学生の頃に好んで着ていたので馴染みはあった。
流行の発信源は女子中高生からということもあり、その子たちに人気のファッションブランドと文房具のコラボ商品を作りたいと思った。
商品化に向けて企画を考えることにした。
まず、女子中高生がどんな文房具を求めているのかなど事前にリサーチした。
企画部内でプレゼンして部長にゴーサインをもらい、『ロジュアル』の方にアポイントを取った。
まあ、企画を考えても企業側に門前払いをされたらそれまでなんだけど。
まだ私ひとりじゃ心もとないということで、高柳課長も同行してくれた。
ちょうど『ロジュアル』側も新しいことにチャレンジしたいということで、お互いの思惑が一致してコラボすることになった。
これは本当に運がよかったと思う。
何度も打ち合わせを重ね、満足してもらえるように努力した。
もちろん、私一人では何もできない。
デザイナーの野中さんと何度も相談し『ロジュアル』の担当者にテザインのオーケーをもらうことができた。
たくさんの人の力を借り、『ロジュアル』とコラボした商品が出来上がった。
シャーペンやボールペンはもちろん、マスキングテープも作った。
やっぱり自分が企画した商品の売り上げは気になるから、宮沢の言葉を聞いて心から安堵した。
「お疲れ~」
トレーに中華定食をのせた玲奈がやってきて私の隣に座る。
「お疲れ」
「いただきます」
玲奈は手を合わせて中華丼を食べ始める。
私は思わず、目の前に座っていた宮沢を見る。
この前、『覚悟を決めないと』とか言ってたよね。
あれからどうなったのか分からない。
多分、まだ行動に移していないと思うんだけど。
気になって玲奈と宮沢を交互に見ていたら、宮沢がテーブルの下で私の足を軽くつつき「ジロジロ見るなよ」と言うように目で訴えてきている。
ヒェッ!
私はおとなしく玉子焼きを頬張る。
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