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予想外の提案
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私は高校時代、憧れというか気になっている人がいた。
でも、その時は気持を伝えることが出来なくて後悔したから次の恋は自分の気持ちをぶつけようと誓ったんだ。
そして五年前、私は好きになった人に告白したけど振られてしまった。
本気で好きだった人に振られたショックはかなり大きくて、それでトラウマになり今も引きずっていた。
でも、よくよく考えたら振られたけど気持ちを伝えたことだけは後悔はしていない。
振られるのは怖いけど、自分の気持ちに正直になることは大切なことなんだ。
そのことを思い出させてくれた立花さんの言葉は、私の胸にストンと落ちてきた。
「ありがとうございます。話を聞いてもらったらスッキリしました」
「俺は何もしてないけどね」
「いえ、そんなことないです。立花さんの言葉を聞いてまた恋がしてみたいなって思えてきました」
私の言葉に立花さんが目を見開いた。
好きな人を想っている時は毎日が楽しかった。
その人のことを見るだけで嬉しかったし。
恋をしている時は、何もかもが輝いていた気がする。
その時の気持ちを思い出したら無性に恋がしてみたくなった。
そんな風に思えるようになったのは私にとって大進歩だ。
「でも、トキめくとか恋ってどうするんだっけ?という感じだし、今は出会いもないので当分は無理っぽいですけど」
自分の現状に苦笑いする。
「そっか……。河野さんがそんな風に思えるようになれてよかった」
立花さんが何か言いたげな表情をしていたのが気になったけど、私はお手洗いに行くために席を立った。
お会計は私が席を立っている時にしてくれていたみたいで、そのスマートさに驚く。
人に奢ってもらったことがないので申し訳ない気がして「自分の食べた分は払います」と言ったけど、「ごちそうするって言う約束だろ」と一蹴された。
食事が終わり、立花さんが車で送ってくれることになった。
断ったけど、「こんな時間に女の子を一人で帰す訳にはいかない」と強引に押しきられた。
こんな時間といっても、まだ二十一時過ぎでそんなに遅い時間じゃないんだけど。
立花さんの運転する車の助手席に座り、窓の外を眺める。
会社からベリルスターに来るまでの車内はガチガチに緊張していた。
それこそ、息をするのも気を遣うぐらいに。
今は食事をしながらお互いの事を話したからか、最初に比べると緊張は和らいでいる。
見慣れた景色が視界に入り、立花さんに声をかけた。
「あそこの信号を右に曲がって少し行ったところの左側にある七階建てのマンションです」
「えっ、もしかしてグレーを基調としていてレンガ色も少し入ってるマンション?」
「そうです。この辺、詳しいんですか?」
住んでいるマンションの色を言い当てられ驚いた。
「詳しいというか、俺もあそこに住んでるから」
「えっ、そうなんですか?こんな偶然があるんですね」
「河野さんにナビしてもらいながら運転していて、まるで自分の家に帰るみたいな道のりだなと思っていたんだ」
まさかのご近所さんというか、同じマンションに住んでいるとは思わなかった。
でも、その時は気持を伝えることが出来なくて後悔したから次の恋は自分の気持ちをぶつけようと誓ったんだ。
そして五年前、私は好きになった人に告白したけど振られてしまった。
本気で好きだった人に振られたショックはかなり大きくて、それでトラウマになり今も引きずっていた。
でも、よくよく考えたら振られたけど気持ちを伝えたことだけは後悔はしていない。
振られるのは怖いけど、自分の気持ちに正直になることは大切なことなんだ。
そのことを思い出させてくれた立花さんの言葉は、私の胸にストンと落ちてきた。
「ありがとうございます。話を聞いてもらったらスッキリしました」
「俺は何もしてないけどね」
「いえ、そんなことないです。立花さんの言葉を聞いてまた恋がしてみたいなって思えてきました」
私の言葉に立花さんが目を見開いた。
好きな人を想っている時は毎日が楽しかった。
その人のことを見るだけで嬉しかったし。
恋をしている時は、何もかもが輝いていた気がする。
その時の気持ちを思い出したら無性に恋がしてみたくなった。
そんな風に思えるようになったのは私にとって大進歩だ。
「でも、トキめくとか恋ってどうするんだっけ?という感じだし、今は出会いもないので当分は無理っぽいですけど」
自分の現状に苦笑いする。
「そっか……。河野さんがそんな風に思えるようになれてよかった」
立花さんが何か言いたげな表情をしていたのが気になったけど、私はお手洗いに行くために席を立った。
お会計は私が席を立っている時にしてくれていたみたいで、そのスマートさに驚く。
人に奢ってもらったことがないので申し訳ない気がして「自分の食べた分は払います」と言ったけど、「ごちそうするって言う約束だろ」と一蹴された。
食事が終わり、立花さんが車で送ってくれることになった。
断ったけど、「こんな時間に女の子を一人で帰す訳にはいかない」と強引に押しきられた。
こんな時間といっても、まだ二十一時過ぎでそんなに遅い時間じゃないんだけど。
立花さんの運転する車の助手席に座り、窓の外を眺める。
会社からベリルスターに来るまでの車内はガチガチに緊張していた。
それこそ、息をするのも気を遣うぐらいに。
今は食事をしながらお互いの事を話したからか、最初に比べると緊張は和らいでいる。
見慣れた景色が視界に入り、立花さんに声をかけた。
「あそこの信号を右に曲がって少し行ったところの左側にある七階建てのマンションです」
「えっ、もしかしてグレーを基調としていてレンガ色も少し入ってるマンション?」
「そうです。この辺、詳しいんですか?」
住んでいるマンションの色を言い当てられ驚いた。
「詳しいというか、俺もあそこに住んでるから」
「えっ、そうなんですか?こんな偶然があるんですね」
「河野さんにナビしてもらいながら運転していて、まるで自分の家に帰るみたいな道のりだなと思っていたんだ」
まさかのご近所さんというか、同じマンションに住んでいるとは思わなかった。
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