10 / 107
予想外の提案
3
しおりを挟む
本当に彼女がいないんだ。
それに五年という長い間、片想いをしてるなんて思わなかった。
立花さんはイケメンだし、仕事だって出来る。
勝手な偏見だけど、立花さんぐらいの人は告白したら絶対に両想いになれそうなのに。
「余計な事かもしれないんですけど、気持ちを伝えないんですか?」
「実はそんなに話したことがないんだ」
肩を竦めながら言う。
「えっ?」
「五年前に会った時、その子は俺のことは眼中になかったんだ。しかも、俺は仕事で海外に行ってしまったからね。その間は全然会えなかったし。今年、こっちに戻ってきて、最近その子と話せるようになったんだ。やっとスタートラインに立てたって感じかな。いきなり告白しても相手を驚かせそうだから、徐々に距離を縮めていこうと思っているんだ」
「そうなんですね」
立花さんが気になる人、、きっと素敵な人なんだろう。
でも、立花さんのことが眼中にないってそんなこともあるんだ。
恋愛って難しいな。
食後に運ばれてきたコーヒーをひと口飲んだ。
「あの、聞いてもいいですか?」
「何?」
「好きな人に告白するのは怖くないですか?」
さっき、興味本意で立花さんに気持ちを伝えないのかと聞いてしまったことを少し後悔していた。
私は、告白しても好きな人に振り向いてもらえない辛さを知っている。
人を好きになって想いを伝えても、振り向いてもらえなかったら……と思うだけで怖くて堪らない。
「どうしてそんな風に思うの?」
立花さんは不思議そうな表情で聞いてくる。
私には、恋愛が怖いと思うようになったきっかけがあった。
人によっては大したことがないと思うかもしれないけど、私にとってはトラウマレベルになってしまったんだ。
私は自分の過去の出来事を立花さんに話し出した。
「昔、好きだった人に告白して振られたことがあるんです。本気で好きだったからその分、ショックが大きくて……。それ以来、恋をするのが怖くなったんです」
立花さんは、少し考え込んで口を開く。
「なるほどね。確かに告白するのは勇気がいるけど、自分の想いを伝えるのは大切なことだと思うよ。振られるのは怖いかも知れないけど、自分から動かなきゃ何も始まらない。言わずに後悔するより、言って後悔した方が気持ち的にも全然違うと思うよ。だから、俺は時が来たら好きな人に告白しようと思っている。河野さんは恋愛に対してネガティブなイメージを持ってるから怖いって感じるんじゃない?」
そう言われて、ドキッとした。
「言わずに後悔したことは何年経っても自分の心に残ると思うんだ。こうしておけばよかったとか、あれこれ考えて何もしなかった時の方が間違いなく悔いが残る。自分の気持ちを伝えるってことは、どんな形であれ答えが出るだろ?その方が気持ち的に前を向ける気がするんだ。まぁ、これは俺の持論だけど」
立花さんの言葉を聞いて目からうろこというか、そういう考えもあるんだと気付かされた。
気持ちを伝えたら答えが出る、か。 立花さんの言葉を聞いて恋愛がトラウマになる前のことが頭を過った。
それに五年という長い間、片想いをしてるなんて思わなかった。
立花さんはイケメンだし、仕事だって出来る。
勝手な偏見だけど、立花さんぐらいの人は告白したら絶対に両想いになれそうなのに。
「余計な事かもしれないんですけど、気持ちを伝えないんですか?」
「実はそんなに話したことがないんだ」
肩を竦めながら言う。
「えっ?」
「五年前に会った時、その子は俺のことは眼中になかったんだ。しかも、俺は仕事で海外に行ってしまったからね。その間は全然会えなかったし。今年、こっちに戻ってきて、最近その子と話せるようになったんだ。やっとスタートラインに立てたって感じかな。いきなり告白しても相手を驚かせそうだから、徐々に距離を縮めていこうと思っているんだ」
「そうなんですね」
立花さんが気になる人、、きっと素敵な人なんだろう。
でも、立花さんのことが眼中にないってそんなこともあるんだ。
恋愛って難しいな。
食後に運ばれてきたコーヒーをひと口飲んだ。
「あの、聞いてもいいですか?」
「何?」
「好きな人に告白するのは怖くないですか?」
さっき、興味本意で立花さんに気持ちを伝えないのかと聞いてしまったことを少し後悔していた。
私は、告白しても好きな人に振り向いてもらえない辛さを知っている。
人を好きになって想いを伝えても、振り向いてもらえなかったら……と思うだけで怖くて堪らない。
「どうしてそんな風に思うの?」
立花さんは不思議そうな表情で聞いてくる。
私には、恋愛が怖いと思うようになったきっかけがあった。
人によっては大したことがないと思うかもしれないけど、私にとってはトラウマレベルになってしまったんだ。
私は自分の過去の出来事を立花さんに話し出した。
「昔、好きだった人に告白して振られたことがあるんです。本気で好きだったからその分、ショックが大きくて……。それ以来、恋をするのが怖くなったんです」
立花さんは、少し考え込んで口を開く。
「なるほどね。確かに告白するのは勇気がいるけど、自分の想いを伝えるのは大切なことだと思うよ。振られるのは怖いかも知れないけど、自分から動かなきゃ何も始まらない。言わずに後悔するより、言って後悔した方が気持ち的にも全然違うと思うよ。だから、俺は時が来たら好きな人に告白しようと思っている。河野さんは恋愛に対してネガティブなイメージを持ってるから怖いって感じるんじゃない?」
そう言われて、ドキッとした。
「言わずに後悔したことは何年経っても自分の心に残ると思うんだ。こうしておけばよかったとか、あれこれ考えて何もしなかった時の方が間違いなく悔いが残る。自分の気持ちを伝えるってことは、どんな形であれ答えが出るだろ?その方が気持ち的に前を向ける気がするんだ。まぁ、これは俺の持論だけど」
立花さんの言葉を聞いて目からうろこというか、そういう考えもあるんだと気付かされた。
気持ちを伝えたら答えが出る、か。 立花さんの言葉を聞いて恋愛がトラウマになる前のことが頭を過った。
13
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
隣人はクールな同期でした。
氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。
30歳を前にして
未婚で恋人もいないけれど。
マンションの隣に住む同期の男と
酒を酌み交わす日々。
心許すアイツとは
”同期以上、恋人未満―――”
1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され
恋敵の幼馴染には刃を向けられる。
広報部所属
●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳)
編集部所属 副編集長
●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳)
本当に好きな人は…誰?
己の気持ちに向き合う最後の恋。
“ただの恋愛物語”ってだけじゃない
命と、人との
向き合うという事。
現実に、なさそうな
だけどちょっとあり得るかもしれない
複雑に絡み合う人間模様を描いた
等身大のラブストーリー。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
じれったい夜の残像
ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、
ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。
そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。
再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。
再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、
美咲は「じれったい」感情に翻弄される。

ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
如月さんは なびかない。~クラスで一番の美少女に、何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる