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素直に気持ちを伝える
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「今の、俺の空耳じゃないよな?」
信じられないというような表情で口を開く。
私の精一杯の告白を空耳にしないで欲しいんだけど。
まぁ、あんな雑な告白もどうかと思うけど、私なりに頑張った方だ。
ムッとしながら答える。
「テツが空耳って言うなら空耳かもね」
立ち上がって部屋に戻ろうとしたら、腕を掴まれてソファに逆戻り。
しかも、テツの膝の上に跨がるような形になっていた。
「ごめん。まさか、美桜がストレートに好きって言ってくれるとは思ってなかったから驚いたんだ。ヤバイ、めちゃくちゃ嬉しい」
ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。
全身から嬉しさが伝わってきて、子供みたいにはしゃぐテツが可愛くて頬が緩む。
テツは身体を離すと、私を真っ直ぐに見つめたまま、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「改めて言うよ。美桜、俺と付き合ってくれますか?」
「はい」
妙に畏まった感じで言われてくすぐったかったけど、今度はテツの目を見つめて返事をしたらそっとキスをしてきた。
啄むように何度も繰り返しキスをしてくる。
気がつくと体勢が入れ替わっていて、私の身体はソファに沈んでいた。
目を閉じて優しい口づけに浸っていたら、唇の間から舌を差し込まれた。
歯の裏側をなぞられて背筋が甘く粟立つ。
「んんっ、」
舌を絡め取られ、唇は隙間なく重なりあう。
何度も角度を変えながら深くなる口づけに息が乱れた。
舌先を吸い上げられ甘噛みされるとジンと痺れてくる。
唾液の絡まり合う音が鼓膜を揺らす。
身体の奥に熱が灯り、キスの気持ちよさを覚えた私は夢中で溺れていく。
「ん、はぁ……」
唇が離れ、キスの余韻に浸りながらうっすら目を開けると身体がふわりと浮いた。
お姫様抱っこで寝室へと連れていかれ、いつもテツが寝ているベッドに下ろされた。
「美桜、今から抱くけどちゃんと覚えておけよ」
私が酔って忘れていたことを根に持っているようなことを言う。
熱を帯びた視線を向けられて、心臓がドクドクと音を立てた。
着ていた服をたくし上げられ、私は万歳をする形で腕を上げるとスルリと抜き取られた。
穿いていたスウェットも脱がされ、下着姿になった。
ブラジャーのホックを外され、テツの目の前に胸が晒される。
恥ずかしくて思わず手で隠そうとしたら、それを阻止するように私の両手をベッドに縫いとめる。
「綺麗なんだから隠すな」
胸を綺麗なんて初めて言われたから、どう反応していいのか戸惑ってしまう。
テツは無防備になった私の乳房に唇を寄せてきた。
舌先で胸の頂の周辺を円を描くように舐めてくる。
そのくすぐったさに身をよじろうとした時、チュウっと吸いついてきた。
「んんぅ……」
肌を吸われた痛みに思わず声が出た。
視線だけ下に向けると、左胸の辺りに赤い痕が残されていてキスマークをつけられたことが分かる。
「綺麗についた」
テツは満足そうに笑い、やわやわと両手で下から包むように胸を揉んでくる。
時折、先端を指がかすめて甘い疼きを呼び起こされた。
「前も思ったけど、程よく弾力があって揉み心地もいいな」
「やだ……」
声に出さないでほしい。
自分で意識して胸なんて揉んだことがないし、そんなことを言われても分からないよ。
信じられないというような表情で口を開く。
私の精一杯の告白を空耳にしないで欲しいんだけど。
まぁ、あんな雑な告白もどうかと思うけど、私なりに頑張った方だ。
ムッとしながら答える。
「テツが空耳って言うなら空耳かもね」
立ち上がって部屋に戻ろうとしたら、腕を掴まれてソファに逆戻り。
しかも、テツの膝の上に跨がるような形になっていた。
「ごめん。まさか、美桜がストレートに好きって言ってくれるとは思ってなかったから驚いたんだ。ヤバイ、めちゃくちゃ嬉しい」
ぎゅうぎゅうと抱きしめてくる。
全身から嬉しさが伝わってきて、子供みたいにはしゃぐテツが可愛くて頬が緩む。
テツは身体を離すと、私を真っ直ぐに見つめたまま、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「改めて言うよ。美桜、俺と付き合ってくれますか?」
「はい」
妙に畏まった感じで言われてくすぐったかったけど、今度はテツの目を見つめて返事をしたらそっとキスをしてきた。
啄むように何度も繰り返しキスをしてくる。
気がつくと体勢が入れ替わっていて、私の身体はソファに沈んでいた。
目を閉じて優しい口づけに浸っていたら、唇の間から舌を差し込まれた。
歯の裏側をなぞられて背筋が甘く粟立つ。
「んんっ、」
舌を絡め取られ、唇は隙間なく重なりあう。
何度も角度を変えながら深くなる口づけに息が乱れた。
舌先を吸い上げられ甘噛みされるとジンと痺れてくる。
唾液の絡まり合う音が鼓膜を揺らす。
身体の奥に熱が灯り、キスの気持ちよさを覚えた私は夢中で溺れていく。
「ん、はぁ……」
唇が離れ、キスの余韻に浸りながらうっすら目を開けると身体がふわりと浮いた。
お姫様抱っこで寝室へと連れていかれ、いつもテツが寝ているベッドに下ろされた。
「美桜、今から抱くけどちゃんと覚えておけよ」
私が酔って忘れていたことを根に持っているようなことを言う。
熱を帯びた視線を向けられて、心臓がドクドクと音を立てた。
着ていた服をたくし上げられ、私は万歳をする形で腕を上げるとスルリと抜き取られた。
穿いていたスウェットも脱がされ、下着姿になった。
ブラジャーのホックを外され、テツの目の前に胸が晒される。
恥ずかしくて思わず手で隠そうとしたら、それを阻止するように私の両手をベッドに縫いとめる。
「綺麗なんだから隠すな」
胸を綺麗なんて初めて言われたから、どう反応していいのか戸惑ってしまう。
テツは無防備になった私の乳房に唇を寄せてきた。
舌先で胸の頂の周辺を円を描くように舐めてくる。
そのくすぐったさに身をよじろうとした時、チュウっと吸いついてきた。
「んんぅ……」
肌を吸われた痛みに思わず声が出た。
視線だけ下に向けると、左胸の辺りに赤い痕が残されていてキスマークをつけられたことが分かる。
「綺麗についた」
テツは満足そうに笑い、やわやわと両手で下から包むように胸を揉んでくる。
時折、先端を指がかすめて甘い疼きを呼び起こされた。
「前も思ったけど、程よく弾力があって揉み心地もいいな」
「やだ……」
声に出さないでほしい。
自分で意識して胸なんて揉んだことがないし、そんなことを言われても分からないよ。
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