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エターナル16 ランドルフの世迷いこと

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《この時の僕はよく分かってなくて、今もだ。それは、年を経てもだ。僕の思いすごしと言える。でも、僕はあの時のエターナルの顔をたびたび思い出しては、色々考えたりする》


《僕は、あの後続けた》


 「みんな購入者だけが、エターナルのフェイスを見れると羨ましがっているよ。購入者だけの特典と!願いが叶えられるのも、そうだけど。みんなエターナルは美形、美少女系の顔と考えている。でも、本来の顔も素敵だよ、とても見惚れるよ。
本当に、あのパノラマような世界のエターナルを一度でも見たら....
マスクを上げたエターナルは、誰もが綺麗だと感動する、絶対。でも、あのホラータッチのエターナルを見た者は、あのエターナルの方が何倍も美しく感じる筈だ、絶対に」


『それは、ありがとうございます』



《僕は、一気に捲し立てていた
エターナルに失礼気回りない、言い方をした事もきづかずに。見せ物である事が前提であるような褒め方。心を持った人に対する言い方ではなかったと気づくのに、どれだけ後になって気づいたか、美しいエターナルに侮蔑の気持ちはなかったにしても。自分より知性のある種族に》



『ランドルフ、そろそろ2回目の願いを』



「あっ、そうだね」
いつ、部屋に入ってきてもおかしくないのに、呑気にしてたなと思った。だからと言って、しょっちゅう入ってくる訳でもない


もう、それしか方法はないんだよなと思った


それに、エターナルにもう会えなくなると思った。


《どうして、この時そう思ったんだろう
なぜか引き離されて、会えなくなると考えていた。
エターナルを多額なお金を払って、自分の手元に残る方法を思いつかなかったのか?
2回の願いを残して。正直に言って、購入金の願いをエターナルに、お願いすれば良かったと考える事もあった。だが、暫くしてお金の願いはダメだと気づいた。彼女達は、星の窮地に使った機材や物資の代金の提供に、自分達を他の惑星に派遣する事で、代金にあてた
「シンデレラ」のカボチャが馬車に、ネズミが従事者になるのと同じで、お金が用意できても時間制限が、「アラジン」の魔法のランプと同じように、巨万の富は作れない魔法
あの時の僕に、匹敵する物は考えられない。けれど正直に喋っていれば、誰かが代案出してくれて、僕がエターナルにその願いを言えばよかっただけではと思う。勇気がなかったとつくづく思う。
または本当は、一番最初、アルフレッドの部屋で「僕の物になって、僕の所に来て」と言わずに、「僕にもエターナルが、プレゼントされるように」と言えばよかったと思う。エターナルは、無理なら無理と言ったはず。無理と言われていたら、今すぐ思いつかない、また今度考えてくるよと言ったと思う。また2回目の願いに「アルフレッドに、エターナルを1人プレゼント」と言えば、問題は起きても、問題ではなかったと思う。ただ、1年2年先になる願いかもしれない話で。エターナルをもう1人は、実際可能だったのかはわからないが
この事で、本当に悔やんだのは、大学卒業して何年か経ってからだった。僕は、アルフレッドはエターナルの魔法がなくても、大概な物は手に入るしチケットやゲーム機、パソコンなんて、だからエターナルの魔法は、彼には必要はないよなって、浅く考えていた
問題ないよな、お金持ちだしって
伯父さんにも、アルフレッドにも悪い事はしたけどと、お金を考えると気が遠くなっていた。あの時の僕は父さんに、父親にお金の事を言う事がしんどかったし、怖かっただけだった。後、仲のいい人達との関係を壊す事が...
勇気を持つべきだったと思う
本当に僕は、この時、間違った選択をしたんだと思う。それを思うのは数年先の話で...


僕は、不幸な形を見ていく事になった...
アルフレッドの...


なぜ、あの時もっとよく考えられなかったのか。
時間がないと慌てていたのもあるけど、見ていると淋しさを埋めるようなエターナル
内側から喜びが溢れてきて
変な話だよな、大丈夫って思っていた。たいした事はないと。どこか頭の底というより、エターナルを見ていると、そう思えていた。慌てていたよ、慌てていた。事の重大さもわかっていた。本当に困っていた、なのに淋しさが、心が満たされている部分が朗らかな感じで、うわの空のように、他人の事に気が払えなかったというべきか、肝心な所で頭が働かなかったように思う
本当に変な話だと思う...
エターナルの願いを聞く事と思ったんだ
1回目も2回目も》



エターナル17
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