44 / 45
アルカディア
ありのまま
しおりを挟む
しばらくじゃれあい、甘やかし、ひたすら癒されていると、トパーズは満足したのかアルカディアの案内を再開した。
「次はこっちだよ!」
部屋から出るや否や、ぴょんぴょんと兎のように跳ねながら前を行くトパーズを微笑みながら追いかけていると、目の前に駅のように見える建物が現れた。
見えるのではなく本当に駅なのではないかと思っていると、ちょうどよく轟音を立てながら電車にしか見えないものが走ってきて停まった。
「すごいでしょ! みんなで作ったんだ! アトランティス以外の領地の地下に僕たちの領地が広がってるから移動が大変で、知恵を出し合って作ったんだ!」
トパーズはご機嫌そうに飛び跳ねている。
「鉄も石人の特徴だから、たくさん集めるために殺すわけにいかなくて、じゃあ代わりに何を使うかみんなで悩んだんだ」
どういうわけか胸がざわつき、腰にしまったドライアドの枝が熱を帯びてくるのを感じる。
「これね、全部木でできてるんだ。レールも全部! すごいんだよ! 特別なマナがこもっている木だったからかな? 全然傷がつかない上に頑丈で長持ちしてるんだ。新しいのに取り替えたこと今のところ一度だってないんだよ」
無邪気ににこにこ笑っているトパーズになんて声を掛けたらいいかがわからなかった。
ドライアドの枝は徐々に熱を上げている。きっと怒っているんだ。
黙っていると、きょとんとした顔でトパーズに見上げられ、顔をそらしてしまった。
「どうしたの? ヒロキ?」
どう話したものか悩んだけれど、上手に話すことができないという結論がでてしまった。
なので、正直にドライアドの枝を持っていること、枝が熱を帯びてきていること、ドライアドは木々を切り倒された悲しみに暮れながら姿を消したことをトパーズに伝えた」
「なるほど……。でも、他にどうしようもなかったんだ。木も命だってわかるけれど、僕たちにだって命があるし……」
難しい顔で黙ってしまったトパーズを見ていると胸が苦しかった。
何にだって命があって、かけがえのない大事な存在であって……何かを得ようとすれば何かが犠牲になってしまうのか。
トパーズの様子を見てか否か、徐々にドライアドの枝が冷えてくるのがわかった。
怒りが鎮まったってとらえていいのかな?
そんなことを考えていると、トパーズはパッと顔を上げて首をかしげながら口を開いた。
「その枝、見せてもらってもいい?」
断る理由もないし、ドライアドの枝から熱がなくなったので快く頷いた。
ドライアドの枝を手渡すと、トパーズは真剣そうな面持ちでじっと見つめ始めた。
「……ごめんね。木をたくさん切っちゃったからには大事に長く使い続けるから、どうか許してほしい。奪い取ったからには僕たちにはそうする責任がある」
トパーズの真剣な言葉に、心なしかドライアドの枝から穏やかな空気が流れだしたように思えた。
「なんだか、許してもらえたような気がする。気がするだけかもしれないけどね。ちゃんと、言ったからには大事に使うからね」
トパーズのまっすぐで真剣な言葉に対し、ドライアドの枝は優しい光を放ち始めた。
「綺麗……」
しばらくの間、トパーズと一緒にドライアドの枝を眺め、穏やかで温かくなれるような光を見ていると、ぽっかり空いた心の穴が一時的ではあっても満たされていくように感じられた。
「いつかドライアド本人に謝りたいな」
トパーズがそうぼそっと呟いたのは光が収まってしばらくしてからだった。
いつの間にか光が消えていたけれど、しばらく余韻に浸ってぼうっとしていたようだ。
トパーズの優しい心に触れながら、黙って頷いてみせると、ドライアドの枝がほんのり温かくなった。
「ユグドラシルを登っていく予定なんだけど、良ければ一緒に来る? ドライアドに会えるかもしれないんだ」
一人が寂しかったわけではない。
ただ、この枝があれば会える可能性があると言われたことを思い出してそっと提案してみただけだった。
「行きたい! 行く! 一緒に行く!」
考える間もなくトパーズが勢いよく頷き、抱きついてきそうな勢いでこちらにぴょんと跳ねたので驚かされて尻もちをついてしまった。
「ごめん! 驚かせるつもりじゃなかったんだ! あはは、ヒロキって案外どんくさかったりするの?」
心から申し訳なさそうにする反面、無邪気ないつもの笑みを浮かべて笑う様子は本当に幼い子供そのものだった。
「えへへ。そうなんだ。僕はすごくどんくさくって」
後に言葉を続けることができなかった。
指摘されるのが嫌だったわけではないし、乗り越えたつもりになっていたけれど、嫌な思い出が溢れだしそうになって言葉が途切れてしまった。
その様子に気づいてか気づいてないのか、トパーズはいつものような無邪気な笑いとともにすり寄ってきながら、不思議そうに見つめてくる。
「そういうところも含めてヒロキのこと好き! なんかさ、ヒーローだのなんだの言われてたけど、僕はヒロキのありのままが好きだな。もっとありのままのヒロキが知りたい。友達として!」
トパーズの不意の言葉に泣きそうになりながら、部屋で過ごしていた時のようにそっと頭を撫でた。
自分のありのままを肯定してもらえたみたいで胸がじんわりと熱くなってきた。
それはちょうど、凍り付いた心が温められて、溢れだしてきたかのようだった。
自然と目から涙がこぼれ落ちていた。
雪解け水のように、少しずつ。
トパーズは驚くでも同情的になるでもなく、そっと指で拭ってくれたかと思えば、ちろっと舐めたので思わず目を剥いてしまった。
どうしてそんなことを?
尋ねる前にトパーズから答えを聞くことができた。
「しょっぱい! 僕の涙だってしょっぱいんだ。どんな立派な人間だって、どんくさい人間だって一緒なんだよ。涙はしょっぱい! みーんな一緒。おんなじ人間なんだよ。宝石がついていても、頭に花が咲いていても、魚でも獣でもなんでも、みんな涙はしょっぱいし心は傷つくし、失敗もすれば成功もするんだよ。性格も人生も考え方も人それぞれだけどね」
トパーズの言葉を聞いていると涙が溢れて止まらなくなり、しばらくの間寄り添ってもらうことになった。
そこに言葉はなく、静かな空間ですすり泣く声だけが流れていた。
涙が収まってきたころのこと。
「落ち着いた?」
トパーズがいつもの無邪気な調子で尋ねてくれて、自然と笑みを浮かべることができた。
「うん。ありがとうね」
思わずぎゅっと抱きしめながら答えてしまったのを後悔し、パッと腕を離すと、トパーズが追いかけるように腕にしがみついてきたので驚かされた。
「遠慮しないで、逃げないでよ。僕だってそういう気持ちがわかるんだ。だから、ありのままでいて、温もりから逃げないで」
トパーズの言葉はすごく嬉しかったけれど、自分を出すことに慣れていなくてなかなか難しい話だった。
「ありのままがわからないんだ」
言っていて自分のことが虚しく感じられたけれど、トパーズは真剣な顔になるでもなく、無邪気に笑うでもなく、自然な表情で答えてくれた。
「僕もわからなくなることがあるんだ。でもね、ありのままであろうと意識するからわからなくなっちゃうんだよ。大好きなもの、苦手なもの、何か自分の心が動くものを前にしたときにありのままの自分って出てくるんだと思うよ! 今の僕だったらヒロキの前にいるときかな! 別に、僕がそうだからってヒロキもありのままを出そうとか思う必要はないんだよ。それってありのままじゃないからね」
そう言いながらすりすりと顔を胸にすりつけてくるトパーズは本当に子猫のように可愛らしかった。
「トパーズ。きみと知りあえて、友達になることができてよかった。出会い方があんまり良い形じゃなかったけれど、それも含めてよかったと思ってるんだ。だって、あの出会いがなければ君の本音を知ることなんてできなかったでしょう?」
心からの言葉が口から出てきた。
すると、トパーズはバツが悪そうにしながらえへへと笑うのだった。
「ヒロキを実験台にしたことちょっと後悔してたんだけどね。でも、そういってもらえてよかった。……嬉しい」
無邪気な笑みが穏やかな笑みに変わり、子猫のようなすり寄り方からなんだか恋人を思わせるようなそっとした寄り添い方へと変わっていった。
「これが本当の僕。無邪気に振る舞ってたのは子どもらしくしないといけないって思ってたからなんだ。本当は大人しくて、静かに寄り添っていたいだけなんだ。ただ傍にいたいだけだった」
ほんのりと寂しそうなのは、きっとアイオライトとのことを思い出しているのだろう。
頭をそっと撫で、ただ静かに寄り添ってみた。
「合わせてくれてありがとう。えへへ。合わせてばっかりなのもどうかなって思うけど、合わせられることって素敵だと思うよ。ヒロキの長所で短所だね。一長一短」
思わず、ふふっといって笑ってしまった。
それを見たトパーズもにんまりと笑っている。
なんだか穏やかで心地の良い雰囲気だ。
それからしばらくは言葉もなく、ただ黙って寄り添いあっていた。
「なんだか案内しようとしてもなかなか進まないね! かっこよくてもかっこ悪くても、どんくさくても器用でもヒロキはヒロキなんだよ。そのままでいいんだ」
トパーズからの言葉に、心がすっと軽くなってくるのを感じた。
しかし、気を緩めてはいけないと叱咤する自分もいる。
相手の思いやりに甘えてしまうと、どこまで大丈夫なのか量ろうとしてしまいそうになる。そんな自分にブレーキをかけなければ。
「……ありがとう」
トパーズはいつもの無邪気な笑みを浮かべ、先をぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねながら進んでいった。
「次はこっちだよ!」
部屋から出るや否や、ぴょんぴょんと兎のように跳ねながら前を行くトパーズを微笑みながら追いかけていると、目の前に駅のように見える建物が現れた。
見えるのではなく本当に駅なのではないかと思っていると、ちょうどよく轟音を立てながら電車にしか見えないものが走ってきて停まった。
「すごいでしょ! みんなで作ったんだ! アトランティス以外の領地の地下に僕たちの領地が広がってるから移動が大変で、知恵を出し合って作ったんだ!」
トパーズはご機嫌そうに飛び跳ねている。
「鉄も石人の特徴だから、たくさん集めるために殺すわけにいかなくて、じゃあ代わりに何を使うかみんなで悩んだんだ」
どういうわけか胸がざわつき、腰にしまったドライアドの枝が熱を帯びてくるのを感じる。
「これね、全部木でできてるんだ。レールも全部! すごいんだよ! 特別なマナがこもっている木だったからかな? 全然傷がつかない上に頑丈で長持ちしてるんだ。新しいのに取り替えたこと今のところ一度だってないんだよ」
無邪気ににこにこ笑っているトパーズになんて声を掛けたらいいかがわからなかった。
ドライアドの枝は徐々に熱を上げている。きっと怒っているんだ。
黙っていると、きょとんとした顔でトパーズに見上げられ、顔をそらしてしまった。
「どうしたの? ヒロキ?」
どう話したものか悩んだけれど、上手に話すことができないという結論がでてしまった。
なので、正直にドライアドの枝を持っていること、枝が熱を帯びてきていること、ドライアドは木々を切り倒された悲しみに暮れながら姿を消したことをトパーズに伝えた」
「なるほど……。でも、他にどうしようもなかったんだ。木も命だってわかるけれど、僕たちにだって命があるし……」
難しい顔で黙ってしまったトパーズを見ていると胸が苦しかった。
何にだって命があって、かけがえのない大事な存在であって……何かを得ようとすれば何かが犠牲になってしまうのか。
トパーズの様子を見てか否か、徐々にドライアドの枝が冷えてくるのがわかった。
怒りが鎮まったってとらえていいのかな?
そんなことを考えていると、トパーズはパッと顔を上げて首をかしげながら口を開いた。
「その枝、見せてもらってもいい?」
断る理由もないし、ドライアドの枝から熱がなくなったので快く頷いた。
ドライアドの枝を手渡すと、トパーズは真剣そうな面持ちでじっと見つめ始めた。
「……ごめんね。木をたくさん切っちゃったからには大事に長く使い続けるから、どうか許してほしい。奪い取ったからには僕たちにはそうする責任がある」
トパーズの真剣な言葉に、心なしかドライアドの枝から穏やかな空気が流れだしたように思えた。
「なんだか、許してもらえたような気がする。気がするだけかもしれないけどね。ちゃんと、言ったからには大事に使うからね」
トパーズのまっすぐで真剣な言葉に対し、ドライアドの枝は優しい光を放ち始めた。
「綺麗……」
しばらくの間、トパーズと一緒にドライアドの枝を眺め、穏やかで温かくなれるような光を見ていると、ぽっかり空いた心の穴が一時的ではあっても満たされていくように感じられた。
「いつかドライアド本人に謝りたいな」
トパーズがそうぼそっと呟いたのは光が収まってしばらくしてからだった。
いつの間にか光が消えていたけれど、しばらく余韻に浸ってぼうっとしていたようだ。
トパーズの優しい心に触れながら、黙って頷いてみせると、ドライアドの枝がほんのり温かくなった。
「ユグドラシルを登っていく予定なんだけど、良ければ一緒に来る? ドライアドに会えるかもしれないんだ」
一人が寂しかったわけではない。
ただ、この枝があれば会える可能性があると言われたことを思い出してそっと提案してみただけだった。
「行きたい! 行く! 一緒に行く!」
考える間もなくトパーズが勢いよく頷き、抱きついてきそうな勢いでこちらにぴょんと跳ねたので驚かされて尻もちをついてしまった。
「ごめん! 驚かせるつもりじゃなかったんだ! あはは、ヒロキって案外どんくさかったりするの?」
心から申し訳なさそうにする反面、無邪気ないつもの笑みを浮かべて笑う様子は本当に幼い子供そのものだった。
「えへへ。そうなんだ。僕はすごくどんくさくって」
後に言葉を続けることができなかった。
指摘されるのが嫌だったわけではないし、乗り越えたつもりになっていたけれど、嫌な思い出が溢れだしそうになって言葉が途切れてしまった。
その様子に気づいてか気づいてないのか、トパーズはいつものような無邪気な笑いとともにすり寄ってきながら、不思議そうに見つめてくる。
「そういうところも含めてヒロキのこと好き! なんかさ、ヒーローだのなんだの言われてたけど、僕はヒロキのありのままが好きだな。もっとありのままのヒロキが知りたい。友達として!」
トパーズの不意の言葉に泣きそうになりながら、部屋で過ごしていた時のようにそっと頭を撫でた。
自分のありのままを肯定してもらえたみたいで胸がじんわりと熱くなってきた。
それはちょうど、凍り付いた心が温められて、溢れだしてきたかのようだった。
自然と目から涙がこぼれ落ちていた。
雪解け水のように、少しずつ。
トパーズは驚くでも同情的になるでもなく、そっと指で拭ってくれたかと思えば、ちろっと舐めたので思わず目を剥いてしまった。
どうしてそんなことを?
尋ねる前にトパーズから答えを聞くことができた。
「しょっぱい! 僕の涙だってしょっぱいんだ。どんな立派な人間だって、どんくさい人間だって一緒なんだよ。涙はしょっぱい! みーんな一緒。おんなじ人間なんだよ。宝石がついていても、頭に花が咲いていても、魚でも獣でもなんでも、みんな涙はしょっぱいし心は傷つくし、失敗もすれば成功もするんだよ。性格も人生も考え方も人それぞれだけどね」
トパーズの言葉を聞いていると涙が溢れて止まらなくなり、しばらくの間寄り添ってもらうことになった。
そこに言葉はなく、静かな空間ですすり泣く声だけが流れていた。
涙が収まってきたころのこと。
「落ち着いた?」
トパーズがいつもの無邪気な調子で尋ねてくれて、自然と笑みを浮かべることができた。
「うん。ありがとうね」
思わずぎゅっと抱きしめながら答えてしまったのを後悔し、パッと腕を離すと、トパーズが追いかけるように腕にしがみついてきたので驚かされた。
「遠慮しないで、逃げないでよ。僕だってそういう気持ちがわかるんだ。だから、ありのままでいて、温もりから逃げないで」
トパーズの言葉はすごく嬉しかったけれど、自分を出すことに慣れていなくてなかなか難しい話だった。
「ありのままがわからないんだ」
言っていて自分のことが虚しく感じられたけれど、トパーズは真剣な顔になるでもなく、無邪気に笑うでもなく、自然な表情で答えてくれた。
「僕もわからなくなることがあるんだ。でもね、ありのままであろうと意識するからわからなくなっちゃうんだよ。大好きなもの、苦手なもの、何か自分の心が動くものを前にしたときにありのままの自分って出てくるんだと思うよ! 今の僕だったらヒロキの前にいるときかな! 別に、僕がそうだからってヒロキもありのままを出そうとか思う必要はないんだよ。それってありのままじゃないからね」
そう言いながらすりすりと顔を胸にすりつけてくるトパーズは本当に子猫のように可愛らしかった。
「トパーズ。きみと知りあえて、友達になることができてよかった。出会い方があんまり良い形じゃなかったけれど、それも含めてよかったと思ってるんだ。だって、あの出会いがなければ君の本音を知ることなんてできなかったでしょう?」
心からの言葉が口から出てきた。
すると、トパーズはバツが悪そうにしながらえへへと笑うのだった。
「ヒロキを実験台にしたことちょっと後悔してたんだけどね。でも、そういってもらえてよかった。……嬉しい」
無邪気な笑みが穏やかな笑みに変わり、子猫のようなすり寄り方からなんだか恋人を思わせるようなそっとした寄り添い方へと変わっていった。
「これが本当の僕。無邪気に振る舞ってたのは子どもらしくしないといけないって思ってたからなんだ。本当は大人しくて、静かに寄り添っていたいだけなんだ。ただ傍にいたいだけだった」
ほんのりと寂しそうなのは、きっとアイオライトとのことを思い出しているのだろう。
頭をそっと撫で、ただ静かに寄り添ってみた。
「合わせてくれてありがとう。えへへ。合わせてばっかりなのもどうかなって思うけど、合わせられることって素敵だと思うよ。ヒロキの長所で短所だね。一長一短」
思わず、ふふっといって笑ってしまった。
それを見たトパーズもにんまりと笑っている。
なんだか穏やかで心地の良い雰囲気だ。
それからしばらくは言葉もなく、ただ黙って寄り添いあっていた。
「なんだか案内しようとしてもなかなか進まないね! かっこよくてもかっこ悪くても、どんくさくても器用でもヒロキはヒロキなんだよ。そのままでいいんだ」
トパーズからの言葉に、心がすっと軽くなってくるのを感じた。
しかし、気を緩めてはいけないと叱咤する自分もいる。
相手の思いやりに甘えてしまうと、どこまで大丈夫なのか量ろうとしてしまいそうになる。そんな自分にブレーキをかけなければ。
「……ありがとう」
トパーズはいつもの無邪気な笑みを浮かべ、先をぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねながら進んでいった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
夫を愛することはやめました。
杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
アトランティス
たみえ
ファンタジー
想像することのなんて素晴らしいことか。自らの理想郷は想像出来るのだ。何を思ったか唐突に世の真理を悟ったと確信したとある少女は、ゲーム制作という全くの専門外へと予備知識無しで飛び込み――四苦八苦と云十年。たった一人で寿命間際までこっそり製作し続けたゲームは完成した。したが、その前に少女の寿命が尽きた。死ぬならば、せめて理想郷の中で――その無念叶えてあげましょう。そう、新たな神として。
これは、理想郷を追い求め続けたちっぽけな人間の少女が、その創造性を神様に見込まれて、新たな神様に昇格した後に今度こそ本物の理想郷を築こうとするロマン溢れるお話(の予定)である。
※序章=終章。作者的には序章で完結!
……なので他のそれぞれの章は本編っぽい番外編という名の長い蛇足。
※小学生の頃に考えた物語なので幼稚かもしれませんが、悪しからず。
当時の稚拙だけど怨念込められたのかと疑う(鉛筆で)真っ黒なメモ書きを大量に発掘(年末大掃除)したので、呪われないように供養がてらちょこちょこっと投稿しておこうと思います。
ちなみに、見つけたばかりで年期が入っており、悪霊退さ……供養(解読&補完)には時間が掛かりそうなので、途中で不定期更新になると思われます(自白。
とりあえず昔の私よ、成仏してけれ――。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる