19 / 65
騎士への道
聖凰騎士団3
しおりを挟む
「くそっ! ウジャウジャ湧いてきた! まずいな……完全に囲まれている」
「智ちん、ミワちんを任せるよ! 攻めは私とアーレイさんで!」
智美と絵美は、走るスピードの遅い美羽に合わせていた。
その為、航太達から遥かに離されてしまっている。
そんな二人を気遣かって、アーレイは周囲を警戒しながら走っていた……つもりだった。
それが突然、一つ目の巨人に囲まれている。
音も無く現れた……湧いて出たという表現が、一番しっくりしてしまう。
「五匹はいるな……焦らずに、一匹づつ確実に仕留めるぞ! 異変に気付けば、メルフィ達も戻って来る筈……自分達が助かる事を最優先にするんだ!」
アーレイは汗ばんだ手の平を鎧で拭い、バスタード・ソードを握り直す。
女性ばかり四人を守りながら戦った事はない……そして、相手は一匹でも自分より強いモンスターだ。
それでも、自分はフィアナ騎士である……命に替えても、民間人だけは守らなければならない。
「いくぞっ!」
「まだ行かない! ちょい待ち!」
動きだそうとしたアーレイの前に飛び出した絵美は、大地に天沼矛を突き刺し、左腕を胸の前に突き出す。
「はああぁぁぁ!」
絵美の声に反応するかのように、天沼矛が薄浅葱色に輝いた。
天沼矛によって大地から吸い上げられた水が、絵美を中心とした輪になって、ゆっくり浮き上がっていく。
浮き上がりながら木々からも水分を取り込んでいく水の輪は、薄いながらも外側は研ぎ澄まされた刃のように鋭い。
「囲んだら勝ちっ! とか思った? 残念だけど、私も神器の使い方を少しは学んで来てるんだから! 広がれ、水の刃!」
浮き上がった水の刃は、高速で回転し始める。
そして、回転しながら一つ目の巨人の首を目掛けて広がっていく。
回転しながら延伸する水の輪は、飛んだら胴体を……しゃがめば頭を斬り裂く絶妙な位置でマックミーナ族の戦士に襲いかかる。
「ぐおおぉぉぉ!」
身体を……首を……頭を分断された四体分の一つ目の巨人が、大地に崩れ落ちた。
「ありゃ? 一体討ち漏らした?」
天沼矛を素早く大地から引き抜くと、振り下ろされた金砕棒を絵美は間一髪で躱す。
「絵美、水の刃が消された場所が一カ所だけあった! 生き残った一つ目の巨人が特殊能力を持っているのか、他に要因があるのか分からないけど、用心して!」
「智美さん、そこの木陰が一瞬だけど光りました。絵美さんが攻撃した瞬間に光ったから、水の刃が消えた事と関係あるのかな? って気がします」
智美の言葉の後を追うように、美羽が近くの木を指して異変を伝える。
「よく見ていた! おそらく、魔法使いがサポートしているのだろう。魔法使いは、物理攻撃に弱い! 接近戦に持ち込めれば!」
アーレイは、その巨体に似合わない素早い動きで光った木の近くに回り込み、バスタード・ソードを構えた。
「魔法使いは物理攻撃に弱い……か。そうね、あなたにアーサー様やフレイヤ様のような剣速があれば、あるいは届くかもしれないわ」
純白のローブを身に纏いフードを深く被っているが、その声で女性だと分かる。
フードの奥からは、薄いピンクの長い前髪が胸の辺りまでローブの上を流れていた。
「剣速か……このデカイ獲物を見て言ってるなら、心配無用だ。フィアナ騎士の力、その目に焼き付けながら死んでいけ!」
確かに、アーレイの振るバスタード・ソードのスピードは速い。
しかし、それは普通の騎士と比較しての話だ。
子供の頃から一流の騎士……神剣を使い熟し、神級と互角に戦ったり、目も眩むような大軍に一人で立ち向かって行った騎士達の戦いを見てきた魔法使いには、アーレイの動きは遅すぎた。
二つの魔法を余裕を持って使える程度に……
アーレイの振ったバスタード・ソードは、魔法によって現れた物理障壁によって弾かれる。
「我が服従し、我に服従する炎の王よ……我の前に立ち塞がり者を焼き払え……」
心言詠唱による物理障壁……そして、短縮詠唱による回避不能な魔法の詠唱……
サラマンダー・プレートと呼ばれる炎系の上位魔法であり、通常なら松明並の火種と長い詠唱が必要な魔法だ。
それを何の火種も無く短い詠唱で使う魔法使いなど、世界広しと言えど指で数えられる程度しかいないだろう。
それが、たとえ人一人分だとしても……
バスタード・ソードを弾かれてバランスを失ったアーレイの足元に、突然マグマが現れる。
それは一瞬だった……しかし、一瞬で充分だった。
マグマに触れたアーレイの足から、一瞬で炎が身体中を駆け回る。
「なっ……アーレイさんっ!」
いち早く気付いた智美が水の力で消火を図ろうとするが、神剣を振る前に消し炭になったアーレイの灰が四散した。
「そんな……そんな……」
美羽は両手を口に当て、瞳からは涙が零れ落ちる。
「これは……ちょいヤバイかもね……」
アーレイが魔法使いを引き付けている間に一つ目の巨人を水の刃で袈裟斬りにした絵美も、アーレイが焼かれる瞬間を見ていた。
警戒して神器を構える智美と絵美に、魔法使いはゆっくりと近付きながらフードを外す。
「智美さん、絵美さん、お久しぶりです。私の事、覚えていますか?」
薄いピンクの髪が流れ、フードの影から美少女の顔が鮮明になる。
「どうして私達の名前を知っているの? あなたは……誰?」
「分からないのも無理ないですね……数ヶ月前までは、こんなに小さな子供でしたから……」
魔法使いは笑顔で、自らの腰の当たりを手で示す。
「まさか……ルナ……ちゃん?」
「正解です! 智美さん、絵美さん、戻ってくれたんですね! アーサー様の……いえ、カズ兄ちゃんの力になる為に! ごめんなさい……私、お二人だと気付かなくて、戦闘を仕掛けちゃいました。フィアナ騎士と一緒に行動していたから……」
そう言うルナの言葉を、混乱しながら智美と絵美は聞いていた。
確かに、ルナの面影はある。
だが……
「ルナちゃん……何個か質問していいかな? ルナちゃんが数ヶ月で大人の女性に成長している理由も勿論聞きたいんだけど……どうして化け物を操って人々を襲っているの? それに、一真も参加している訳? どうして、こんな事になってるの?」
「智美さん……マックミーナ族の人々を化け物だと思っているのですか? 私は……見当違いをしていたみたいですね。カズ兄ちゃんの昔からの仲間なら、私達の仲間に相応しい心を持っていると思っていたのに……」
そこまで話したルナの視線は、ニミュエに向く。
「黒き妖精……どうして、こんな奴と……」
呟くように声を出したルナに、水の鞭が襲う。
ニミュエを守るように地面から生えた水の鞭は、それぞれが意思を持っているかのようにルナに攻撃を仕掛ける。
「皆さん、騙されないで下さい! あの女……禁術に身を染めています。それに、アーレイさんの敵ですよ!」
水の鞭を身軽に躱したルナは、混乱し動けないでいる智美と絵美を見た。
そして、口を開く。
心は失っていても、心を失う前に示した行動が今に繋がっているという事実を伝える為に……
「智ちん、ミワちんを任せるよ! 攻めは私とアーレイさんで!」
智美と絵美は、走るスピードの遅い美羽に合わせていた。
その為、航太達から遥かに離されてしまっている。
そんな二人を気遣かって、アーレイは周囲を警戒しながら走っていた……つもりだった。
それが突然、一つ目の巨人に囲まれている。
音も無く現れた……湧いて出たという表現が、一番しっくりしてしまう。
「五匹はいるな……焦らずに、一匹づつ確実に仕留めるぞ! 異変に気付けば、メルフィ達も戻って来る筈……自分達が助かる事を最優先にするんだ!」
アーレイは汗ばんだ手の平を鎧で拭い、バスタード・ソードを握り直す。
女性ばかり四人を守りながら戦った事はない……そして、相手は一匹でも自分より強いモンスターだ。
それでも、自分はフィアナ騎士である……命に替えても、民間人だけは守らなければならない。
「いくぞっ!」
「まだ行かない! ちょい待ち!」
動きだそうとしたアーレイの前に飛び出した絵美は、大地に天沼矛を突き刺し、左腕を胸の前に突き出す。
「はああぁぁぁ!」
絵美の声に反応するかのように、天沼矛が薄浅葱色に輝いた。
天沼矛によって大地から吸い上げられた水が、絵美を中心とした輪になって、ゆっくり浮き上がっていく。
浮き上がりながら木々からも水分を取り込んでいく水の輪は、薄いながらも外側は研ぎ澄まされた刃のように鋭い。
「囲んだら勝ちっ! とか思った? 残念だけど、私も神器の使い方を少しは学んで来てるんだから! 広がれ、水の刃!」
浮き上がった水の刃は、高速で回転し始める。
そして、回転しながら一つ目の巨人の首を目掛けて広がっていく。
回転しながら延伸する水の輪は、飛んだら胴体を……しゃがめば頭を斬り裂く絶妙な位置でマックミーナ族の戦士に襲いかかる。
「ぐおおぉぉぉ!」
身体を……首を……頭を分断された四体分の一つ目の巨人が、大地に崩れ落ちた。
「ありゃ? 一体討ち漏らした?」
天沼矛を素早く大地から引き抜くと、振り下ろされた金砕棒を絵美は間一髪で躱す。
「絵美、水の刃が消された場所が一カ所だけあった! 生き残った一つ目の巨人が特殊能力を持っているのか、他に要因があるのか分からないけど、用心して!」
「智美さん、そこの木陰が一瞬だけど光りました。絵美さんが攻撃した瞬間に光ったから、水の刃が消えた事と関係あるのかな? って気がします」
智美の言葉の後を追うように、美羽が近くの木を指して異変を伝える。
「よく見ていた! おそらく、魔法使いがサポートしているのだろう。魔法使いは、物理攻撃に弱い! 接近戦に持ち込めれば!」
アーレイは、その巨体に似合わない素早い動きで光った木の近くに回り込み、バスタード・ソードを構えた。
「魔法使いは物理攻撃に弱い……か。そうね、あなたにアーサー様やフレイヤ様のような剣速があれば、あるいは届くかもしれないわ」
純白のローブを身に纏いフードを深く被っているが、その声で女性だと分かる。
フードの奥からは、薄いピンクの長い前髪が胸の辺りまでローブの上を流れていた。
「剣速か……このデカイ獲物を見て言ってるなら、心配無用だ。フィアナ騎士の力、その目に焼き付けながら死んでいけ!」
確かに、アーレイの振るバスタード・ソードのスピードは速い。
しかし、それは普通の騎士と比較しての話だ。
子供の頃から一流の騎士……神剣を使い熟し、神級と互角に戦ったり、目も眩むような大軍に一人で立ち向かって行った騎士達の戦いを見てきた魔法使いには、アーレイの動きは遅すぎた。
二つの魔法を余裕を持って使える程度に……
アーレイの振ったバスタード・ソードは、魔法によって現れた物理障壁によって弾かれる。
「我が服従し、我に服従する炎の王よ……我の前に立ち塞がり者を焼き払え……」
心言詠唱による物理障壁……そして、短縮詠唱による回避不能な魔法の詠唱……
サラマンダー・プレートと呼ばれる炎系の上位魔法であり、通常なら松明並の火種と長い詠唱が必要な魔法だ。
それを何の火種も無く短い詠唱で使う魔法使いなど、世界広しと言えど指で数えられる程度しかいないだろう。
それが、たとえ人一人分だとしても……
バスタード・ソードを弾かれてバランスを失ったアーレイの足元に、突然マグマが現れる。
それは一瞬だった……しかし、一瞬で充分だった。
マグマに触れたアーレイの足から、一瞬で炎が身体中を駆け回る。
「なっ……アーレイさんっ!」
いち早く気付いた智美が水の力で消火を図ろうとするが、神剣を振る前に消し炭になったアーレイの灰が四散した。
「そんな……そんな……」
美羽は両手を口に当て、瞳からは涙が零れ落ちる。
「これは……ちょいヤバイかもね……」
アーレイが魔法使いを引き付けている間に一つ目の巨人を水の刃で袈裟斬りにした絵美も、アーレイが焼かれる瞬間を見ていた。
警戒して神器を構える智美と絵美に、魔法使いはゆっくりと近付きながらフードを外す。
「智美さん、絵美さん、お久しぶりです。私の事、覚えていますか?」
薄いピンクの髪が流れ、フードの影から美少女の顔が鮮明になる。
「どうして私達の名前を知っているの? あなたは……誰?」
「分からないのも無理ないですね……数ヶ月前までは、こんなに小さな子供でしたから……」
魔法使いは笑顔で、自らの腰の当たりを手で示す。
「まさか……ルナ……ちゃん?」
「正解です! 智美さん、絵美さん、戻ってくれたんですね! アーサー様の……いえ、カズ兄ちゃんの力になる為に! ごめんなさい……私、お二人だと気付かなくて、戦闘を仕掛けちゃいました。フィアナ騎士と一緒に行動していたから……」
そう言うルナの言葉を、混乱しながら智美と絵美は聞いていた。
確かに、ルナの面影はある。
だが……
「ルナちゃん……何個か質問していいかな? ルナちゃんが数ヶ月で大人の女性に成長している理由も勿論聞きたいんだけど……どうして化け物を操って人々を襲っているの? それに、一真も参加している訳? どうして、こんな事になってるの?」
「智美さん……マックミーナ族の人々を化け物だと思っているのですか? 私は……見当違いをしていたみたいですね。カズ兄ちゃんの昔からの仲間なら、私達の仲間に相応しい心を持っていると思っていたのに……」
そこまで話したルナの視線は、ニミュエに向く。
「黒き妖精……どうして、こんな奴と……」
呟くように声を出したルナに、水の鞭が襲う。
ニミュエを守るように地面から生えた水の鞭は、それぞれが意思を持っているかのようにルナに攻撃を仕掛ける。
「皆さん、騙されないで下さい! あの女……禁術に身を染めています。それに、アーレイさんの敵ですよ!」
水の鞭を身軽に躱したルナは、混乱し動けないでいる智美と絵美を見た。
そして、口を開く。
心は失っていても、心を失う前に示した行動が今に繋がっているという事実を伝える為に……
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる