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ロキの妙計
智美とロキ1
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レンヴァル村の戦いから遡る事、数日…………
智美が目を覚ますと、そこはベッドの上だった。
心地良い小鳥の囀りが聞こえ、カーテンが軽く揺れる窓からは朝の陽射しが入っている。
頬に触れる爽やかな風が、智美の体を癒していく。
「ん~~気持ちいい」
智美は軽く伸びをして、周りを見回した。
かなり大きめの部屋の部屋の真ん中に自分の寝てるベッドがあり、窓の近くには机と椅子が置いてある。
「あそこでお茶したら、最高だなぁ~」
何故かリラックスしている智美は、窓の側まで歩いた。
窓から見える牧歌的な風景に、故郷の長野から見えるアルプスの山々を思い浮かべる。
ふと、自分の寝ていたベッドを見ると、キングサイズのお姫様ベッドにフカフカの柔らかそうな布団が敷いてあった。
いや、高級な羽毛が使用されているであろうソレは、軽くて最高の寝心地であった事が、身体が覚えている。
「なんで私、こんな凄い部屋に泊まってるんだろ??」
智美は今の状況がよく分からなかったが、寝ぼけていた事もあり深く考えられなかった。
コンコン………
柔らかなノックの音が、智美の耳には心地好い。
「ふぁ~~い」
智美がドアを開けて顔を出すと、メイドの姿をした同年代の女性が立っていた。
綺麗で整った美しい顔立ちの女性の姿に、寝ぼけた顔をしていた智美は思わず顔を赤らめて手で覆う。
「お早うございます。よく眠れましたか??すぐにロキ様を連れてきますので、そちらでお化粧などしてお待ち下さい」
優しい笑みを浮かべたメイドさんが指した場所を見ると、部屋の中に鏡付きの机が置いてあった事に気付く。
ロキという言葉に、自分が捕らえられてる事に気付いた智美だったが、メイド姿の女性は一礼すると足早に去ってしまった。
(どうしよ…………私、捕まってたんだ…………でも、何で牢屋とかじゃないんだろ??手足も自由に動くし………)
考えながらも、メイドさんが教えてくれた鏡付きの机の前に座った智美は、その引き出しを無意識に開ける。
すると、高級そうな化粧道具が一式入っていた。
メイクボックスの縁取りは金で装飾されており、所々に光を乱反射する宝石が散りばめられている。
(う~~ん。これ、持って帰ったら高く売れそうだなぁ…………て、違う違う、思わず現実逃避しちゃったケド………本当に、コレ使っちゃって大丈夫なのかな?)
心配しながらも、智美は化粧に取り掛かった。
そこは、さすがに女の子……………敵であっても、寝起きの顔にノーメイクで男性に会うのは嫌なものだ。
コンコン………
化粧が一段落した頃、再びノックの音がする。
「ロキ様がいらっしゃいました。開けてもよろしいですか?」
「は~い。どうぞ」
先程と同じ女性の声に智美は少し安心して、ドアの外に聞こえるように声をかける。
ゆっくりとドアが開くと、まずメイドさんが入ってきて、次に正装をした男性が入ってきた。
「はじめまして。ロキと申します」
ロキは智美に向かって一礼すると、一緒に入って来たメイドに「朝食の準備を頼む」と声をかける。
メイドはロキに対して深々と礼をすると、智美にも礼をして、そのまま部屋の外に出て行く。
「お腹が空いただろ?朝食をとりながら、少し話を聞かせて貰えると嬉しいんだが…………」
ロキは智美を窓の近くの机に行くよう促し、対面で腰をかけた。
「失礼します」
ドアの外に既に準備されてたのだろうか…………直ぐにメイドの女性が入ってきて、手際よく机の上に朝食を2人分置いていく。
珈琲の良い香りが、部屋の中を満たし始める。
フレンチトーストにスクランブルエッグにシーザーサラダにフルーツの盛り合わせに…………それに珈琲!!
綺麗な食器に盛りつけられた素敵な食事、癒される景色を大パノラマで眺められる環境、目の前には紳士的な美男子…………
智美は捕虜である事を忘れて、目を輝かせた。
「まずは食事をしよう。珈琲は私がいれたんだ。口に合うといいが………」
ロキはそう言うと、良い香りを漂わせる珈琲を啜る。
「私、珈琲大好きなんです!!いただきます!!」
アロマのような珈琲の香りに緊張が解けた智美は、ミルクを少しだけ入れてから口に含む。
「美味しい♪♪」
果実の甘味のような香りが鼻に抜け、思わず智美は声を上げた。
「それは良かった。寝起きだから、浅煎りにしてみたんだ。そう言ってもらえると嬉しいよ」
ロキは嬉しさを表現するかのように、優しく微笑んだ。
(この人、本当にヨトゥンなのかな??フェルグスもそうだけど、とても悪い人に見えないなぁ……)
智美はそう感じながら、食事を進める。
食事が一段落ついた時、ロキが口を開いた。
「さて、ビューレイストに叩かれた腹の調子はどうかな??回復魔法はかけさせておいたが………」
「大丈夫みたいです。あの………手当といい、心遣いといい、ありがとうございます。同年代の女性のメイドさんまで…………助かりました」
ロキの質問に、出来るだけ丁寧に智美が返事する。
「いや…………君が疑問も抱かず、美味しそうに食事もしてくれて、素直な娘だと感じたよ。普通は、毒が盛られてるとか、食事する前に色々と考えそうなモノだが…………とても敵だったとは思えないな」
ロキが軽く笑うのを見て、智美は自分の行動が図々しかったと思い照れ笑いをした。
「本来は捕虜にこんなサービスはしないんだが、君は特別だ。少し質問に答えてもらいたい」
質問と聞いて、智美の体が固まる。
軍の秘密を喋る訳にはいかない…………と言っても、智美は軍の秘密などほとんど知らない。
(質問に答えなきゃ拷問とかされちゃうのかな??知らないなんて、通用しないだろうし…………ヤバイよぉ~~)
緊張した表情になった智美を見て、ロキが笑いだした。
智美が目を覚ますと、そこはベッドの上だった。
心地良い小鳥の囀りが聞こえ、カーテンが軽く揺れる窓からは朝の陽射しが入っている。
頬に触れる爽やかな風が、智美の体を癒していく。
「ん~~気持ちいい」
智美は軽く伸びをして、周りを見回した。
かなり大きめの部屋の部屋の真ん中に自分の寝てるベッドがあり、窓の近くには机と椅子が置いてある。
「あそこでお茶したら、最高だなぁ~」
何故かリラックスしている智美は、窓の側まで歩いた。
窓から見える牧歌的な風景に、故郷の長野から見えるアルプスの山々を思い浮かべる。
ふと、自分の寝ていたベッドを見ると、キングサイズのお姫様ベッドにフカフカの柔らかそうな布団が敷いてあった。
いや、高級な羽毛が使用されているであろうソレは、軽くて最高の寝心地であった事が、身体が覚えている。
「なんで私、こんな凄い部屋に泊まってるんだろ??」
智美は今の状況がよく分からなかったが、寝ぼけていた事もあり深く考えられなかった。
コンコン………
柔らかなノックの音が、智美の耳には心地好い。
「ふぁ~~い」
智美がドアを開けて顔を出すと、メイドの姿をした同年代の女性が立っていた。
綺麗で整った美しい顔立ちの女性の姿に、寝ぼけた顔をしていた智美は思わず顔を赤らめて手で覆う。
「お早うございます。よく眠れましたか??すぐにロキ様を連れてきますので、そちらでお化粧などしてお待ち下さい」
優しい笑みを浮かべたメイドさんが指した場所を見ると、部屋の中に鏡付きの机が置いてあった事に気付く。
ロキという言葉に、自分が捕らえられてる事に気付いた智美だったが、メイド姿の女性は一礼すると足早に去ってしまった。
(どうしよ…………私、捕まってたんだ…………でも、何で牢屋とかじゃないんだろ??手足も自由に動くし………)
考えながらも、メイドさんが教えてくれた鏡付きの机の前に座った智美は、その引き出しを無意識に開ける。
すると、高級そうな化粧道具が一式入っていた。
メイクボックスの縁取りは金で装飾されており、所々に光を乱反射する宝石が散りばめられている。
(う~~ん。これ、持って帰ったら高く売れそうだなぁ…………て、違う違う、思わず現実逃避しちゃったケド………本当に、コレ使っちゃって大丈夫なのかな?)
心配しながらも、智美は化粧に取り掛かった。
そこは、さすがに女の子……………敵であっても、寝起きの顔にノーメイクで男性に会うのは嫌なものだ。
コンコン………
化粧が一段落した頃、再びノックの音がする。
「ロキ様がいらっしゃいました。開けてもよろしいですか?」
「は~い。どうぞ」
先程と同じ女性の声に智美は少し安心して、ドアの外に聞こえるように声をかける。
ゆっくりとドアが開くと、まずメイドさんが入ってきて、次に正装をした男性が入ってきた。
「はじめまして。ロキと申します」
ロキは智美に向かって一礼すると、一緒に入って来たメイドに「朝食の準備を頼む」と声をかける。
メイドはロキに対して深々と礼をすると、智美にも礼をして、そのまま部屋の外に出て行く。
「お腹が空いただろ?朝食をとりながら、少し話を聞かせて貰えると嬉しいんだが…………」
ロキは智美を窓の近くの机に行くよう促し、対面で腰をかけた。
「失礼します」
ドアの外に既に準備されてたのだろうか…………直ぐにメイドの女性が入ってきて、手際よく机の上に朝食を2人分置いていく。
珈琲の良い香りが、部屋の中を満たし始める。
フレンチトーストにスクランブルエッグにシーザーサラダにフルーツの盛り合わせに…………それに珈琲!!
綺麗な食器に盛りつけられた素敵な食事、癒される景色を大パノラマで眺められる環境、目の前には紳士的な美男子…………
智美は捕虜である事を忘れて、目を輝かせた。
「まずは食事をしよう。珈琲は私がいれたんだ。口に合うといいが………」
ロキはそう言うと、良い香りを漂わせる珈琲を啜る。
「私、珈琲大好きなんです!!いただきます!!」
アロマのような珈琲の香りに緊張が解けた智美は、ミルクを少しだけ入れてから口に含む。
「美味しい♪♪」
果実の甘味のような香りが鼻に抜け、思わず智美は声を上げた。
「それは良かった。寝起きだから、浅煎りにしてみたんだ。そう言ってもらえると嬉しいよ」
ロキは嬉しさを表現するかのように、優しく微笑んだ。
(この人、本当にヨトゥンなのかな??フェルグスもそうだけど、とても悪い人に見えないなぁ……)
智美はそう感じながら、食事を進める。
食事が一段落ついた時、ロキが口を開いた。
「さて、ビューレイストに叩かれた腹の調子はどうかな??回復魔法はかけさせておいたが………」
「大丈夫みたいです。あの………手当といい、心遣いといい、ありがとうございます。同年代の女性のメイドさんまで…………助かりました」
ロキの質問に、出来るだけ丁寧に智美が返事する。
「いや…………君が疑問も抱かず、美味しそうに食事もしてくれて、素直な娘だと感じたよ。普通は、毒が盛られてるとか、食事する前に色々と考えそうなモノだが…………とても敵だったとは思えないな」
ロキが軽く笑うのを見て、智美は自分の行動が図々しかったと思い照れ笑いをした。
「本来は捕虜にこんなサービスはしないんだが、君は特別だ。少し質問に答えてもらいたい」
質問と聞いて、智美の体が固まる。
軍の秘密を喋る訳にはいかない…………と言っても、智美は軍の秘密などほとんど知らない。
(質問に答えなきゃ拷問とかされちゃうのかな??知らないなんて、通用しないだろうし…………ヤバイよぉ~~)
緊張した表情になった智美を見て、ロキが笑いだした。
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