196 / 222
コナハト攻城戦
凰翼9
しおりを挟む
「ねぇアクア……あの目、何か青く光ってない? もー、恐いよぉ……」
「バロールが魔眼の力を解放してるニャ……バルデルスが押してるのか、鳳凰覚醒を使っちゃってるのか……どちらにしても、このままじゃ済まない気がするニャ……」
フレイヤの胸の中心に埋め込まれた目が怪しく……青く光っている事に気付いたルナが、身体を震わせる。
その瞳が見開いた瞬間、フレイヤの胸に取り付いているかに見えた目が消えた。
そして十字に囚われていたフレイヤの身体は、力無く地面に倒れ込む。
「フレイヤ様……大丈夫かニャ……」
「アクア、なんだか様子がおかしいよ……ちょっと待って!」
綺麗な長い金髪の髪を床に広げたフレイヤの身体は、まるで金色の海に浮かぶ人魚のようである。
しかしアクアが近寄ろうとした時、操り人形のように立ち上がったフレイヤの姿はホラー映画に出て来るゾンビのような動きで恐怖すら感じた。
歩き始めたアクアを咄嗟に抱き抱えたルナは、思わずフレイヤから距離をとる。
ルナとアクアの視線を気にする事もなく、壁に立て掛けられいるクレイモアを手に取ったフレイヤは、それまでのゆっくりとした動作からは考えられないようなスピードで、一真とバロールの戦っている部屋へ飛び込んだ。
「今の……何かに操られているみたいだったケド……」
「フレイヤ様……魔眼の影響で、バロールに操られているかもしれないニャ……だとしたら、バルデルスが危ニャい!」
身体を掴んでいたルナの手を振りほどき、アクアは急いでフレイヤの入っていった部屋を覗き込む。
フレイヤは既に一真の背後に迫り、クレイモアを振り上げている。
「バルデルス! 後ろニャ!」
アクアの声に反応した一真は、振り下ろされたクレイモアをグラムで難無く弾き返す。
バロールとフレイヤから距離をとる為に後ろへ跳んだ一真は、アクア達が隠れている壁に背を向けてグラムを構え直した。
「ありがとう、アクア。バロールに集中し過ぎてて、気付かなかった……けど彼女は……フレイヤさんじゃないのか?」
「胸に張り付いてた魔眼が消えたと思ったら、急に動き出したニャ! バロールに操られている可能性が高いニャ!」
アクアの声を背中で聞きながら、一真は考える。
魔眼に人を操る能力は無かった筈……バロールが新たな力に目覚めたか?
それも考え難い。
ヨトゥンの力は、新たな能力が出現する事はない筈だ。
「くっくっくっ、考えている暇など無いぞ。儂に3つ目の魔眼を使わせた事を誇りながら、あの世に行くのじゃ!」
一瞬で炎の壁に囲まれた一真は、更に上から押さえ付けられているような圧力を感じる。
「魔眼1つで1個の能力が使える……今は3つの能力の同時発動が可能って事か! けど、幻術と分かっていれば!」
構えたグラムに力を入れた瞬間、炎の壁が弾けた。
炎を消し飛ばした一真の目の前に、幻術で3人に増えているように見えるフレイヤがクレイモアを持って走り込んで来る。
「こういう使い方をしてくるのか! フレイヤさんを傷付けられないのを知っていて……」
クレイモアの攻撃を躱した一真に、先の尖った氷柱が次々と襲い掛かってきた。
その氷柱の攻撃範囲に、1人に戻ったフレイヤも入っている。
「くそっ!」
炎の翼を羽ばたかせ、瞬時にフレイヤの前に出た一真は、炎の斬撃で氷柱を消し去った。
しかし、背後からクレイモアが振り下ろされる。
「くっ!」
鳳凰覚醒の超反応でクレイモアの一撃をグラムで防いだ一真は、再び距離をとった。
フレイヤの腕は細いが、軽々とクレイモアを扱う姿は流石は神と言ったところか……そして、その一撃は重い。
「バルデルス、鳳凰覚醒を使い過ぎニャ! 心が崩壊しちゃうニャ!」
「分かってるケド……凰の目だけじゃ、対応出来ない……」
アクアと会話している間にも、休む事を知らないフレイヤがクレイモアを持って襲い掛かって来る。
「この状況を打開しなくちゃ……バロールに攻撃が届かない!」
クレイモアの攻撃を数回避けた時……
「ぐふっ!」
鈍い音と短い悲鳴の後に、フレイヤからの攻撃が止んだ。
「一真、オレの姿を魔眼から隠せっ! フレイヤは何とかしてやるっ!」
その声に瞬時に反応した一真は、バロールとフレイヤの間に土の壁を造りだし、魔眼を遮る。
「あんたは、オレに付き合ってもらうぜ! 一真は取り込み中で、あんたの相手は出来ねぇとよ!」
朱く輝くヘルギがクレイモアを跳ね上げ、がら空きになったフレイヤの腹を再び蹴りつけて吹っ飛ばす。
「ガイエン! どうしてここに? それに、フレイヤさんは倒しちゃダメだ!」
「分かってる! こいつは魔眼で、バロールの妻になって幸せに暮らしている幻術を見せられ続けてたんだ! バロールの事を最愛の夫だと思っていやがる! 目が覚めるまでの間、オレが相手をしてやるぜ!」
フレイヤをルナ達の隠れている部屋に押し戻すと、ガイエンは魔眼の死角になる位置まで移動した。
「扉の外は、お前のお仲間達が何とかしてくれてる! そして、フレイヤはオレが抑える! お前は、バロールに集中しろっ!」
「育ててやった恩を忘れて、よくも邪魔してくれたのぅ……ガイエン、儂に逆らったら、どうなるか分かっておるな?」
ヘルギを構えてフレイヤと対峙するガイエンの口元が、少し緩む。
「へっ……策に嵌めて親父を殺し、オレだけでなく幼なじみ達も地獄に叩き落とした……テメェに恩を感じてた自分が情けないぜ! けどよ、一矢報いるチャンスが来てんだ。このチャンス、逃す訳ねぇだろ! バロール! 貴様の前に立ちはだかるのは、常に凰の目と赤枝の力だ!」
叫んだ後、ガイエンの構えが変化した。
「あれは……クー・フーリン達と同じ構えニャ……赤枝の騎士の構え……」
「へっ……化け猫、よく知ってるな……オレは、もうヨトゥンの力では戦わない……親父が教えてくれた剣術で……これからは、赤枝の力で戦い抜く!」
体力は限界のガイエンであったが、気力は最高潮に達している。
「ガイエン……邪魔をするなら、あなたを斬ります。私は、愛する夫を助けに行かなければならないの……」
「いい加減、その旦那が最低野郎って気付けよ! まぁ、オレも騙されていたから、気持ちは分からなくもないが……目を覚ますまで、オレが相手をしてやるぜ!」
クレイモアとヘルギが、激しくぶつかり合った……
「バロールが魔眼の力を解放してるニャ……バルデルスが押してるのか、鳳凰覚醒を使っちゃってるのか……どちらにしても、このままじゃ済まない気がするニャ……」
フレイヤの胸の中心に埋め込まれた目が怪しく……青く光っている事に気付いたルナが、身体を震わせる。
その瞳が見開いた瞬間、フレイヤの胸に取り付いているかに見えた目が消えた。
そして十字に囚われていたフレイヤの身体は、力無く地面に倒れ込む。
「フレイヤ様……大丈夫かニャ……」
「アクア、なんだか様子がおかしいよ……ちょっと待って!」
綺麗な長い金髪の髪を床に広げたフレイヤの身体は、まるで金色の海に浮かぶ人魚のようである。
しかしアクアが近寄ろうとした時、操り人形のように立ち上がったフレイヤの姿はホラー映画に出て来るゾンビのような動きで恐怖すら感じた。
歩き始めたアクアを咄嗟に抱き抱えたルナは、思わずフレイヤから距離をとる。
ルナとアクアの視線を気にする事もなく、壁に立て掛けられいるクレイモアを手に取ったフレイヤは、それまでのゆっくりとした動作からは考えられないようなスピードで、一真とバロールの戦っている部屋へ飛び込んだ。
「今の……何かに操られているみたいだったケド……」
「フレイヤ様……魔眼の影響で、バロールに操られているかもしれないニャ……だとしたら、バルデルスが危ニャい!」
身体を掴んでいたルナの手を振りほどき、アクアは急いでフレイヤの入っていった部屋を覗き込む。
フレイヤは既に一真の背後に迫り、クレイモアを振り上げている。
「バルデルス! 後ろニャ!」
アクアの声に反応した一真は、振り下ろされたクレイモアをグラムで難無く弾き返す。
バロールとフレイヤから距離をとる為に後ろへ跳んだ一真は、アクア達が隠れている壁に背を向けてグラムを構え直した。
「ありがとう、アクア。バロールに集中し過ぎてて、気付かなかった……けど彼女は……フレイヤさんじゃないのか?」
「胸に張り付いてた魔眼が消えたと思ったら、急に動き出したニャ! バロールに操られている可能性が高いニャ!」
アクアの声を背中で聞きながら、一真は考える。
魔眼に人を操る能力は無かった筈……バロールが新たな力に目覚めたか?
それも考え難い。
ヨトゥンの力は、新たな能力が出現する事はない筈だ。
「くっくっくっ、考えている暇など無いぞ。儂に3つ目の魔眼を使わせた事を誇りながら、あの世に行くのじゃ!」
一瞬で炎の壁に囲まれた一真は、更に上から押さえ付けられているような圧力を感じる。
「魔眼1つで1個の能力が使える……今は3つの能力の同時発動が可能って事か! けど、幻術と分かっていれば!」
構えたグラムに力を入れた瞬間、炎の壁が弾けた。
炎を消し飛ばした一真の目の前に、幻術で3人に増えているように見えるフレイヤがクレイモアを持って走り込んで来る。
「こういう使い方をしてくるのか! フレイヤさんを傷付けられないのを知っていて……」
クレイモアの攻撃を躱した一真に、先の尖った氷柱が次々と襲い掛かってきた。
その氷柱の攻撃範囲に、1人に戻ったフレイヤも入っている。
「くそっ!」
炎の翼を羽ばたかせ、瞬時にフレイヤの前に出た一真は、炎の斬撃で氷柱を消し去った。
しかし、背後からクレイモアが振り下ろされる。
「くっ!」
鳳凰覚醒の超反応でクレイモアの一撃をグラムで防いだ一真は、再び距離をとった。
フレイヤの腕は細いが、軽々とクレイモアを扱う姿は流石は神と言ったところか……そして、その一撃は重い。
「バルデルス、鳳凰覚醒を使い過ぎニャ! 心が崩壊しちゃうニャ!」
「分かってるケド……凰の目だけじゃ、対応出来ない……」
アクアと会話している間にも、休む事を知らないフレイヤがクレイモアを持って襲い掛かって来る。
「この状況を打開しなくちゃ……バロールに攻撃が届かない!」
クレイモアの攻撃を数回避けた時……
「ぐふっ!」
鈍い音と短い悲鳴の後に、フレイヤからの攻撃が止んだ。
「一真、オレの姿を魔眼から隠せっ! フレイヤは何とかしてやるっ!」
その声に瞬時に反応した一真は、バロールとフレイヤの間に土の壁を造りだし、魔眼を遮る。
「あんたは、オレに付き合ってもらうぜ! 一真は取り込み中で、あんたの相手は出来ねぇとよ!」
朱く輝くヘルギがクレイモアを跳ね上げ、がら空きになったフレイヤの腹を再び蹴りつけて吹っ飛ばす。
「ガイエン! どうしてここに? それに、フレイヤさんは倒しちゃダメだ!」
「分かってる! こいつは魔眼で、バロールの妻になって幸せに暮らしている幻術を見せられ続けてたんだ! バロールの事を最愛の夫だと思っていやがる! 目が覚めるまでの間、オレが相手をしてやるぜ!」
フレイヤをルナ達の隠れている部屋に押し戻すと、ガイエンは魔眼の死角になる位置まで移動した。
「扉の外は、お前のお仲間達が何とかしてくれてる! そして、フレイヤはオレが抑える! お前は、バロールに集中しろっ!」
「育ててやった恩を忘れて、よくも邪魔してくれたのぅ……ガイエン、儂に逆らったら、どうなるか分かっておるな?」
ヘルギを構えてフレイヤと対峙するガイエンの口元が、少し緩む。
「へっ……策に嵌めて親父を殺し、オレだけでなく幼なじみ達も地獄に叩き落とした……テメェに恩を感じてた自分が情けないぜ! けどよ、一矢報いるチャンスが来てんだ。このチャンス、逃す訳ねぇだろ! バロール! 貴様の前に立ちはだかるのは、常に凰の目と赤枝の力だ!」
叫んだ後、ガイエンの構えが変化した。
「あれは……クー・フーリン達と同じ構えニャ……赤枝の騎士の構え……」
「へっ……化け猫、よく知ってるな……オレは、もうヨトゥンの力では戦わない……親父が教えてくれた剣術で……これからは、赤枝の力で戦い抜く!」
体力は限界のガイエンであったが、気力は最高潮に達している。
「ガイエン……邪魔をするなら、あなたを斬ります。私は、愛する夫を助けに行かなければならないの……」
「いい加減、その旦那が最低野郎って気付けよ! まぁ、オレも騙されていたから、気持ちは分からなくもないが……目を覚ますまで、オレが相手をしてやるぜ!」
クレイモアとヘルギが、激しくぶつかり合った……
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる