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コナハト攻城戦
神
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神……とは、一体何なのだろうか?
創造主?
救世主?
色々な定義がある神だが、その種類は大きく分けて2つある。
元から、天地を支配する程の強大な力を持つ者。
努力により、神と称され人々に崇められた者。
この両者には、決定的な違いがある。
そもそも、強大な力を持って産まれて来る生物などいるのだろうか?
もちろん、産まれながらにして才能がある者はいるだろう。
しかし、神と呼ばれる程の力を持って産まれて来るなど有り得るのか?
産まれるとしたら、何故今の世界には産まれて来ないのか?
いや……そもそも、神の力を持って産まれて来る事は無い。
ロキは豪華な装飾が施された椅子に腰を下ろすと、祖先達が地球に来た時の事を……幼い頃に聞いた話を思い出していた。
この世界の神と呼ばれる存在は元々金星に住んでおり、農耕を営みながら貧しいながらも豊かに暮らしていた。
しかし、この頃の金星は太陽の膨張現象により年々気温が上昇し、年を追う毎に多くの民族が滅んだ。
ロキの民族は北に北に移住を繰り返す事で生き永らえていたが、気温の上昇で農作物が作れなくなり、ロキの先祖達も窮地に立たされる。
最後に辿り着いた北の果ての大地で、絶望的な熱波に襲われた。
ロキの先祖達も次々と命を落とし、滅亡を待つだけの年が訪れる。
そんな年のある日、空から希望が下りて来た。
希望……であったかどうかは分からないが、生き残る為には空から突然現れた希望……宇宙船に全てを托すしかない。
ロキの祖先達は生き残る術を与えてもらう代わりに、その宇宙船の乗組員達と契約を交わす。
生き残った全ての人類を新たなる大地……地球へ送り届ける事を条件に、ある実験に参加させられた。
それは、飲み薬を1つだけ飲む事……そして1年に1回、神器を捧げる事……
ロキの祖先達は、その条件を快諾し、新たなる大地への移住を果たした。
ロキの祖先達が飲まされた薬……それは、神器の力を使えるようになる薬……神器を精製出来る能力を得る為の薬……
その薬の効力で、身体の中に神器を作り出す物質が作り出され、そして同じく神器を作り出す成分を持つ者に殺される事によって、成分が混合されて神器は精製される。
造り出された神器は、ピラミッドと呼ばれる三角の建物より宇宙船に運ばれていた。
つまり、ロキの祖先達は実験道具とされていたのだ。
当然の如くロキの祖先達の行動は宇宙船の所有する星の生物による監視を受けていて、成す術も無く1年に1回仲間同士で殺し合い、その神器を捧げる事になる。
その殺し合いは年を重ねる毎にヒートアップし、コロシアムという競技場で宇宙人達の見世物にされた。
堪忍袋の緒が切れたロキの祖先達は、ついに反旗を翻す。
複数の命で精製される神器は通常の神器より強くなる事を突き止め、密かに最強の武器を造り出した。
グングニール、ミョルニル、レーヴァテイン、トライデント、ソード・オブ・ヴィクトリー、ブリューナク、エクスカリバー……
大地をも震わす神器が造り出され、その神器の能力を最大限に活かせる者達が、最強の神器と共に監視役の宇宙人を退ける事に成功する。
そして宇宙人達の目から隠れる為に、神器の力でカモフラージュする世界を造った。
元の世界に膜を貼るように造られた世界のおかげで、地球は宇宙人のレーダーから消える事になる。
しかし宇宙人達の文明の高さは、飲まされた薬にも宿っており、何人かに1人は宇宙人に隷属する為の記憶を与えられて産まれて来て、その度に争いが繰り広げられた。
度重なる戦いの後、ロキの祖先達は宇宙人の記憶を持つ者、宇宙人に隷属する危険のある者の記憶を奪い、更にヨトゥンヘイムに隔離する事に成功する。
こうして、平和な神々の世界が構築された。
宇宙人の薬の力は遺伝で受け継がれるが、その効力は遺伝を繰り返す事で薄まっていく事になる。
元の力を宿す者は神として君臨し、遺伝で力が薄まった者に天使、更に薄まった者には神とヨトゥンの世界を守らせる為に中間の大地……ミッドガルドを守らせる事にした。
遺伝の力が弱まっている者は魔法が使えたが、それ以上に薄まった者は魔法すら使えなくなっていく。
そして魔法が使えなくなった者からは、上から見下ろす神を排除しようとする動きが見られ始める。
そこで神々は、魔法すら使えなくなった者を元の世界へ……カモフラージュされていない世界へ……航太達が住んでいた世界へ……つまり、現代社会の時間軸へと繋がる世界に送り込んだ。
再び地球が宇宙人による進行を受けた時、最初の盾にする為である。
その世界でも、超能力者と呼ばれる宇宙人の薬の影響を受けた者が数人現れた。
その者達の予言……世紀末に世界は滅びる……
本来は、その通りになる筈だった。
しかし膜に覆れた地球は、宇宙人達の目くらましとなり、事なきを得た。
だが、いつ宇宙人に攻め込まれてもおかしくない。
そこまで思い出し、ロキは溜息を1つ吐いた。
ヨトゥンが宇宙人の記憶を失った者ならば、神とヨトゥンの混血である自分は何なんだ?
ロキは、自らの手の平を静かに眺める。
神とヨトゥンの混血だからこそ、成すべき事がある……成さねばならぬ事がある……
そして、ロキは瞳を閉じた。
神と結ばれたヨトゥンである母の事を、ロキは頭の中で思い出していた……
創造主?
救世主?
色々な定義がある神だが、その種類は大きく分けて2つある。
元から、天地を支配する程の強大な力を持つ者。
努力により、神と称され人々に崇められた者。
この両者には、決定的な違いがある。
そもそも、強大な力を持って産まれて来る生物などいるのだろうか?
もちろん、産まれながらにして才能がある者はいるだろう。
しかし、神と呼ばれる程の力を持って産まれて来るなど有り得るのか?
産まれるとしたら、何故今の世界には産まれて来ないのか?
いや……そもそも、神の力を持って産まれて来る事は無い。
ロキは豪華な装飾が施された椅子に腰を下ろすと、祖先達が地球に来た時の事を……幼い頃に聞いた話を思い出していた。
この世界の神と呼ばれる存在は元々金星に住んでおり、農耕を営みながら貧しいながらも豊かに暮らしていた。
しかし、この頃の金星は太陽の膨張現象により年々気温が上昇し、年を追う毎に多くの民族が滅んだ。
ロキの民族は北に北に移住を繰り返す事で生き永らえていたが、気温の上昇で農作物が作れなくなり、ロキの先祖達も窮地に立たされる。
最後に辿り着いた北の果ての大地で、絶望的な熱波に襲われた。
ロキの先祖達も次々と命を落とし、滅亡を待つだけの年が訪れる。
そんな年のある日、空から希望が下りて来た。
希望……であったかどうかは分からないが、生き残る為には空から突然現れた希望……宇宙船に全てを托すしかない。
ロキの祖先達は生き残る術を与えてもらう代わりに、その宇宙船の乗組員達と契約を交わす。
生き残った全ての人類を新たなる大地……地球へ送り届ける事を条件に、ある実験に参加させられた。
それは、飲み薬を1つだけ飲む事……そして1年に1回、神器を捧げる事……
ロキの祖先達は、その条件を快諾し、新たなる大地への移住を果たした。
ロキの祖先達が飲まされた薬……それは、神器の力を使えるようになる薬……神器を精製出来る能力を得る為の薬……
その薬の効力で、身体の中に神器を作り出す物質が作り出され、そして同じく神器を作り出す成分を持つ者に殺される事によって、成分が混合されて神器は精製される。
造り出された神器は、ピラミッドと呼ばれる三角の建物より宇宙船に運ばれていた。
つまり、ロキの祖先達は実験道具とされていたのだ。
当然の如くロキの祖先達の行動は宇宙船の所有する星の生物による監視を受けていて、成す術も無く1年に1回仲間同士で殺し合い、その神器を捧げる事になる。
その殺し合いは年を重ねる毎にヒートアップし、コロシアムという競技場で宇宙人達の見世物にされた。
堪忍袋の緒が切れたロキの祖先達は、ついに反旗を翻す。
複数の命で精製される神器は通常の神器より強くなる事を突き止め、密かに最強の武器を造り出した。
グングニール、ミョルニル、レーヴァテイン、トライデント、ソード・オブ・ヴィクトリー、ブリューナク、エクスカリバー……
大地をも震わす神器が造り出され、その神器の能力を最大限に活かせる者達が、最強の神器と共に監視役の宇宙人を退ける事に成功する。
そして宇宙人達の目から隠れる為に、神器の力でカモフラージュする世界を造った。
元の世界に膜を貼るように造られた世界のおかげで、地球は宇宙人のレーダーから消える事になる。
しかし宇宙人達の文明の高さは、飲まされた薬にも宿っており、何人かに1人は宇宙人に隷属する為の記憶を与えられて産まれて来て、その度に争いが繰り広げられた。
度重なる戦いの後、ロキの祖先達は宇宙人の記憶を持つ者、宇宙人に隷属する危険のある者の記憶を奪い、更にヨトゥンヘイムに隔離する事に成功する。
こうして、平和な神々の世界が構築された。
宇宙人の薬の力は遺伝で受け継がれるが、その効力は遺伝を繰り返す事で薄まっていく事になる。
元の力を宿す者は神として君臨し、遺伝で力が薄まった者に天使、更に薄まった者には神とヨトゥンの世界を守らせる為に中間の大地……ミッドガルドを守らせる事にした。
遺伝の力が弱まっている者は魔法が使えたが、それ以上に薄まった者は魔法すら使えなくなっていく。
そして魔法が使えなくなった者からは、上から見下ろす神を排除しようとする動きが見られ始める。
そこで神々は、魔法すら使えなくなった者を元の世界へ……カモフラージュされていない世界へ……航太達が住んでいた世界へ……つまり、現代社会の時間軸へと繋がる世界に送り込んだ。
再び地球が宇宙人による進行を受けた時、最初の盾にする為である。
その世界でも、超能力者と呼ばれる宇宙人の薬の影響を受けた者が数人現れた。
その者達の予言……世紀末に世界は滅びる……
本来は、その通りになる筈だった。
しかし膜に覆れた地球は、宇宙人達の目くらましとなり、事なきを得た。
だが、いつ宇宙人に攻め込まれてもおかしくない。
そこまで思い出し、ロキは溜息を1つ吐いた。
ヨトゥンが宇宙人の記憶を失った者ならば、神とヨトゥンの混血である自分は何なんだ?
ロキは、自らの手の平を静かに眺める。
神とヨトゥンの混血だからこそ、成すべき事がある……成さねばならぬ事がある……
そして、ロキは瞳を閉じた。
神と結ばれたヨトゥンである母の事を、ロキは頭の中で思い出していた……
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