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3章:魔王選抜トーナメント
41話:婆や
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防衛魔法の修行が終わり、私たちはクタクタの中魔王城にお泊りすることになった。
部屋をどうするかひと悶着あったけどお母様の鶴の一声で部屋割りが決まった。
まず魔王の寝室にお母様。
次の魔王が決定したら荷物を移さなくてはいけないらしく今のうちから荷物を纏めるらしい。ベッドの広さからお父様も一緒に寝ることに。
この世界はアメリカと同じような風習があり、子どもには子供部屋を与え小さい頃からそこで寝泊りするように育てられる。
家でもお母様とお父様は同じ寝室。私とシトリンの部屋は個別にありそこで寝泊りしている。
なので今回も私とシトリンは別部屋へ案内されたのだが、ここで反対しだしたのがお父様である。
「いくら俺らの子どもたちとはいえ危なくないか!?」
激しく同意である。
むしろ私の気持ちを代弁してくれたといっても過言じゃない!!!
もうお母様は偶に魔王思考というか、強者思考というか…。
「私の子どもたちに手をだせるほどの勇気がある魔族はいないわ。 勿論、魔物もね」
と鶴の一声が炸裂したのだ。
そして私は「ッチ、なんで俺様がこんなガキを…」ジャックさんの部屋を借りることに。
「いいかァ!? 俺様は仕事で今日はここにこねぇ!」
「はい」
「だから好きに使え!」
「はい」
「じゃあ俺様は仕事に戻るからなァ!」
「はい」
ドスドスと歩き、ドンと大きな音を立てながら扉を開け閉めし出て行ったと思いきや急に扉があいた。
そこからにょきっと顔だけだしたジャックさんが睨みながら口を開いた。
「好きに使えって言ったが丁寧に使えよォ!あと!なんか困ったことあったらソイツに頼め!」
そういうとボンという音が鳴り、振り返るとそこには優しそうなおばあちゃんがいた。
ただ普通のおばあちゃんでは勿論ない。
頭には動物の耳が生えており、同じく尻尾も生えていた。
「よろしくお願いしますねぇ」
「よ、よろしくお願いします」
のほほんと挨拶をする中でもピコピコ動く耳。
ついつい気になって目で追ってしまう。
「獣人を見るのは初めてですか?」
「じゅ、獣人?」
「えぇ。 なにワンちゃんの獣人ですよ。 なので全然怖くないので安心してくださいねぇ」
「は、はい」
「ところでお嬢様はお疲れの様子ですねぇ。 疲れには体を温めることがいいですよぉ。 一緒にバスタイムといきましょうかねぇ」
「ありがとうございます」
「使用人に敬語は使わなくてもよろしいですよぉ。 私のことはそうですねぇ。 婆やとでもお呼びくださいな」
「婆や、さん」
「婆やと呼びすてでいいですよ」
部屋をどうするかひと悶着あったけどお母様の鶴の一声で部屋割りが決まった。
まず魔王の寝室にお母様。
次の魔王が決定したら荷物を移さなくてはいけないらしく今のうちから荷物を纏めるらしい。ベッドの広さからお父様も一緒に寝ることに。
この世界はアメリカと同じような風習があり、子どもには子供部屋を与え小さい頃からそこで寝泊りするように育てられる。
家でもお母様とお父様は同じ寝室。私とシトリンの部屋は個別にありそこで寝泊りしている。
なので今回も私とシトリンは別部屋へ案内されたのだが、ここで反対しだしたのがお父様である。
「いくら俺らの子どもたちとはいえ危なくないか!?」
激しく同意である。
むしろ私の気持ちを代弁してくれたといっても過言じゃない!!!
もうお母様は偶に魔王思考というか、強者思考というか…。
「私の子どもたちに手をだせるほどの勇気がある魔族はいないわ。 勿論、魔物もね」
と鶴の一声が炸裂したのだ。
そして私は「ッチ、なんで俺様がこんなガキを…」ジャックさんの部屋を借りることに。
「いいかァ!? 俺様は仕事で今日はここにこねぇ!」
「はい」
「だから好きに使え!」
「はい」
「じゃあ俺様は仕事に戻るからなァ!」
「はい」
ドスドスと歩き、ドンと大きな音を立てながら扉を開け閉めし出て行ったと思いきや急に扉があいた。
そこからにょきっと顔だけだしたジャックさんが睨みながら口を開いた。
「好きに使えって言ったが丁寧に使えよォ!あと!なんか困ったことあったらソイツに頼め!」
そういうとボンという音が鳴り、振り返るとそこには優しそうなおばあちゃんがいた。
ただ普通のおばあちゃんでは勿論ない。
頭には動物の耳が生えており、同じく尻尾も生えていた。
「よろしくお願いしますねぇ」
「よ、よろしくお願いします」
のほほんと挨拶をする中でもピコピコ動く耳。
ついつい気になって目で追ってしまう。
「獣人を見るのは初めてですか?」
「じゅ、獣人?」
「えぇ。 なにワンちゃんの獣人ですよ。 なので全然怖くないので安心してくださいねぇ」
「は、はい」
「ところでお嬢様はお疲れの様子ですねぇ。 疲れには体を温めることがいいですよぉ。 一緒にバスタイムといきましょうかねぇ」
「ありがとうございます」
「使用人に敬語は使わなくてもよろしいですよぉ。 私のことはそうですねぇ。 婆やとでもお呼びくださいな」
「婆や、さん」
「婆やと呼びすてでいいですよ」
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