最強両親による彼氏探し!

立花立花

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2章:王国でのパーティー

27話:バードランド親子

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そろそろ帰る時間かなっとお父様のほうに向かうと、こちらへズカズカと歩いてくる音が聞こえる。
聖女アリスとは違くわざと音を鳴らしているようだった。
流石に気になって、音の方へ振り向く。


「まさか俺に挨拶せずに帰るわけないよな?ユウヤ。」


見覚えのある真っ赤な髪。
そして、その後ろにも小さい真っ赤な髪。

総隊長とその息子!たしかバードランド親子だ!!!


「あー。うん。ほらお前忙しかっただろ?」
「忙しくても挨拶の時間くらいある。」
「そっか。そっか。すまん。すまん。」
「二回続けて言うな。一度言えばわかる。」
「へー。すいませんねぇ。」
「ったく、お前はどうしてそうだらしないんだ!もっとシャキッとしろ!!」
「…これだから挨拶したくなかったんだよ…。」
「なんか言ったか?」
「何にも言ってません。で?挨拶ならすんだろ。早く戻れよ総隊長殿。」
「すんでないだろう。」

そう言って私の方を見る総隊長さん。

「…ゴホン。バードランド家当主のライアン・バードランドだ。」

あ!
これ私への挨拶か!!

「申し遅れました。グローリアス家長女のサクラ・V・グローリアスと申します。」
「あぁよろしく頼む。こっちは俺の息子で見習い騎士のライリーだ。」
「ライリー・バードランドと申します。よろしくお願い致します。」

「はい!終わり―。んじゃサクラ帰るぞ。」
「馬鹿を言え。こんなんで終わりなわけがないだろう!」
「るっせぇな。頑固ジジイ。」
「が!ジジ!…お前と俺は同い年だ!!」
「でも俺の方がイケてるだろ?」
「軟弱者がぬかすな!!」
「ライリーも可哀想にこんな頑固ジジイだと疲れるだろ?ん。お兄さんに行ってみ?」
「い、いえ。父上は素晴らしいお方です。」
「フン。」
「おいドヤ顔すんな。で奥さんは?何でいねぇの?あ!ついに出てかれたのか!?」
「なわけないだろう!あまり大きい口では言えないが…。」
「大丈夫。ライの口はでけぇ。」
「五月蠅い!…身ごもったんだ。」
「え!つーことは二人目!?」
「そうだ。」
「そりゃお前仕事セーブしねぇーと!」
「その通りだ。…その件で頼みがある。」
「あ、嫌な予感。」


そういうと総隊長さんは、真剣な表情になり口を開いた。


「出産が近づいたら、その期間だけ王家の護衛を変わって欲しい。」
「やっぱり?」
「あぁ。」
「ノワールとかじゃダメなの?」
「それも考えたが…。」
「あー。近距離ダメだもんね。」
「その通り。フィルは戦闘向きじゃないが、メリッサと一緒なら務まると思い声をかけたが、別件で無理だと断られた。」
「それで俺か。」
「あぁ。…正直任せたくはないが、強さは認めている。」
「それが人にものを頼む態度かよ。はぁ…。まぁいいぜ。お前のことだ。1週間~2週間くらいだろ?」
「無論だ。」
「なら大丈夫だと思う。」
「助かる。」
「いや、いいよ。それじゃあまた連絡くれ。緊急だったらフィルの鳥でも飛ばせ。」
「あぁ。借りておこう。」


なんだかんだ総隊長さんとお父様って相性いいな。相棒みたい。
そのままバードランド親子と王様の所へ向かい、挨拶だけしてお城を後にした。
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