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2章:王国でのパーティー
25話:全てはお父様のせい
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「ありがとうございます。お初にお目にかかります。グローリアス家長女のサクラ・V・グローリアスと申します。」
「ご挨拶いただき誠にありがとうございます。キャンベル家次女のレーナ・キャンベルと申します。」
「御機嫌よう、レーナ様。」
「ご機嫌麗しゅう、リリィ様。」
挨拶の順番からして、リリィの方がレーナ嬢より上なのね。
まぁ元勇者メンバーだし、当たり前か。
それにしても…。
「先程の方、聖女アリスとおっしゃっていましたが、何故こちらに来られたのでしょう?」
「サクラ様は今回のパーティーが初めてになりますか?」
「えぇ。」
「ふふ。それなら納得ですわ!」
その言葉に首をかしげる。
聖女とは初対面だし、急に怒鳴られるほど失礼な事はしていないし…。
一体全体なんだったんだ?
「あの女はルイス王子にダンスを拒否され、サクラ様に嫉妬されたのですよ。」
「な、なるほど。」
「正直スカっとしましたわ。」
「レーナ様は聖女アリスについて詳しいんですの?」
そうリリィが尋ねる。
確かにそうだ。
スカっとしたって事は何か聖女アリスがやらかしたってことよね?
今回の件以外で。
「えぇ。あの女、殿方と親しくなるだけでなく私の婚約者まで誑かしたのです。これがスカっとせずにいられますか。」
「えっ…!あのリック様が…!本当ですの?」
「えっとリック様というのは…?」
「サクラ様はご存知ないかと思いますが、私の婚約者はリック・ハモンドという四つ年上の殿方になります。」
「その誑かされたというのは?」
「そうですよ。あのレーナ様に一筋のお方が誑かされるなんて…!」
「リリィ様…、ありがとうございます。ですが、あの女に誑かされたのです。ハモンド家は代々続く白魔導士の名門になります。白魔導士からお察しの通り、リックは神官を目指しておりました。」
え、白魔導士って神官になれるの??
私その辺の知識ゼロだけど!
「神官になる為の試験内容は様々ありますが、その中の一つにセイクリッドの園で教えを学ぶことがございます。このセイクリッドの園に住んでいるのが選ばれた神官と聖女のみになります。」
なるほど。
そこでレーナ嬢の婚約者であるリック殿と聖女が出会ったのか。
「そこで1カ月ほど住み込みで学ぶのですが、その間にリックはあの女に現を抜かしたのです。」
「そんなことが…。」
「えぇ。だから私はあの女が大嫌いですの。なので正当な文句が言えてスッキリしましたわ。」
「そ、それはよかったですわ。」
「ですがまだまだやり足りませんわ。他の令嬢の殿方も奪ったそうですし…お仕置きが必要ですわね。」
そう静かに呟くレーナ嬢に、リリィの言っていた片鱗を見つける。
これは相当いじめられるな。
でも聖女の地位があそこまで低いとは何かあったのかな?
聖女ってかなりの地位があると思ったんだけど…。
「文句が言えたのも、グローリアス家当主様のおかげですわ。でなければ聖女の地位は今のグローリアス家と同じくらいありましたから。」
…それって勇者が魔王を聖女なしで倒したからってこと?
結局お父様のせいじゃん!!聖女の地位が下がったの!!!
「ご挨拶いただき誠にありがとうございます。キャンベル家次女のレーナ・キャンベルと申します。」
「御機嫌よう、レーナ様。」
「ご機嫌麗しゅう、リリィ様。」
挨拶の順番からして、リリィの方がレーナ嬢より上なのね。
まぁ元勇者メンバーだし、当たり前か。
それにしても…。
「先程の方、聖女アリスとおっしゃっていましたが、何故こちらに来られたのでしょう?」
「サクラ様は今回のパーティーが初めてになりますか?」
「えぇ。」
「ふふ。それなら納得ですわ!」
その言葉に首をかしげる。
聖女とは初対面だし、急に怒鳴られるほど失礼な事はしていないし…。
一体全体なんだったんだ?
「あの女はルイス王子にダンスを拒否され、サクラ様に嫉妬されたのですよ。」
「な、なるほど。」
「正直スカっとしましたわ。」
「レーナ様は聖女アリスについて詳しいんですの?」
そうリリィが尋ねる。
確かにそうだ。
スカっとしたって事は何か聖女アリスがやらかしたってことよね?
今回の件以外で。
「えぇ。あの女、殿方と親しくなるだけでなく私の婚約者まで誑かしたのです。これがスカっとせずにいられますか。」
「えっ…!あのリック様が…!本当ですの?」
「えっとリック様というのは…?」
「サクラ様はご存知ないかと思いますが、私の婚約者はリック・ハモンドという四つ年上の殿方になります。」
「その誑かされたというのは?」
「そうですよ。あのレーナ様に一筋のお方が誑かされるなんて…!」
「リリィ様…、ありがとうございます。ですが、あの女に誑かされたのです。ハモンド家は代々続く白魔導士の名門になります。白魔導士からお察しの通り、リックは神官を目指しておりました。」
え、白魔導士って神官になれるの??
私その辺の知識ゼロだけど!
「神官になる為の試験内容は様々ありますが、その中の一つにセイクリッドの園で教えを学ぶことがございます。このセイクリッドの園に住んでいるのが選ばれた神官と聖女のみになります。」
なるほど。
そこでレーナ嬢の婚約者であるリック殿と聖女が出会ったのか。
「そこで1カ月ほど住み込みで学ぶのですが、その間にリックはあの女に現を抜かしたのです。」
「そんなことが…。」
「えぇ。だから私はあの女が大嫌いですの。なので正当な文句が言えてスッキリしましたわ。」
「そ、それはよかったですわ。」
「ですがまだまだやり足りませんわ。他の令嬢の殿方も奪ったそうですし…お仕置きが必要ですわね。」
そう静かに呟くレーナ嬢に、リリィの言っていた片鱗を見つける。
これは相当いじめられるな。
でも聖女の地位があそこまで低いとは何かあったのかな?
聖女ってかなりの地位があると思ったんだけど…。
「文句が言えたのも、グローリアス家当主様のおかげですわ。でなければ聖女の地位は今のグローリアス家と同じくらいありましたから。」
…それって勇者が魔王を聖女なしで倒したからってこと?
結局お父様のせいじゃん!!聖女の地位が下がったの!!!
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