最強両親による彼氏探し！

2章：王国でのパーティー

20話：王国でのパーティー当日

いつも通りシトリンがカーテンを開ける音で脳が覚醒する。
シトリンも今日がどういう日か分かっているから、いつもは聞くお洋服も今日は何も言わずに例のドレスを準備する。


「いよいよ、今日か…。」


緊張するような、少し憂鬱な感情がわく。それを勢いよく首を振り否定する。

私が行くって決めたんだ。
だから弱音をはいちゃいけない。
それに数日ぶりにリリィにも会える。それだけでも楽しみだ。

こっちで出来た初めての女友達！大切にしなきゃ！


「サクラ様。こちらにドレスを置いておきますね。」
「うん。ありがとう。」
「それでは奥様を呼んでまいりますから、少々お待ちください。」


そう言うとシトリンは部屋をでる。

ドレスって一人じゃ着にくいからな…。
だから貴族の人は侍女が必要なんだろうな。

その後お母様が来てくれて、なんとかドレスを着ることが出来た。
そのまま軽く朝食を食べ身支度を整える。
髪型も全てお母様がやってくれた。我ながら綺麗だと思う。えっへん。

お父様はワープが出来ないからお母様に王国の近くの馬車乗り場までワープしてもらう。
そこで馬車に乗り、王国のお城まで行くらしい…。
お父様曰く「王様からの招待だからな。メンツがあんだろ。」と言っていた。
馬車の乗り心地は意外にも最高だった。乗り物酔いするかなっと心配だったけど、全然フカフカでザ！貴族の乗り物って感じだった！


そしていざ、パーティー会場の入り口。
周りには貴族たちなのか煌びやかな人達がいっぱい。

正直場違い感がすごいッス自分。


「いいか。サクラ。何言われても俺の名前出せば一発だからな。変な事言われたらすぐ俺の名前を出せよ？」

そうお父様が真剣な顔で言ってくる。
あまりにも真剣に言ってくるものだから、私は頷くことしかできなかった。

そんな時視界の中に水色の髪が見えた。


「お父様。」
そう声をかけるとお父様は私の視線を見て理解したのか、そちらへ歩みを進める。
私も後を追うように歩く。


「久しぶりだな。ティナ。」
「あら。お久しぶりね。ユウヤ。」
「お久しゅうございます。ユウヤ様。」
「リリィも久しぶりだな。元気にしてたか？」
「はい。おかげ様で。サクラも先日以来ですわね。」
「えぇ。会えてとっても安心しましたわ。リリィ。」


猫をかぶっているティナとリリィは明らかに可憐な親子だ。お二人ともどちらかと言うと可愛い系の顔立ちをされているから、とっても絵になる！

そんなことを考えていると、耳元でリリィが「いい？アタイは儚げな可憐な女の子設定だから。覆すようなことすんなよ。」と忠告してきた。

勿論そんなつもりは毛頭ないので、思いっきり頷く。
リリィはそれに満足したのかパーティーに来ている人たちを私に教え始めた。