最強両親による彼氏探し!

立花立花

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2章:王国でのパーティー

16話:ティナとその娘

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━ガチャン。
扉がしまる。その音が聞こえると同時にティナはボスンとソファに座った。

え?

さっきまで優しそうな貴婦人だったのに!?
どっかり座って、なんか、人が違うよ!?なんか賊っぽいんですけど!?


「こら、サクラがびっくりしてるでしょ。もう少し心の準備をさせてあげないと。」


そう言うお母様に指を指し「元魔王のくせにうるせぇ!」と言った。
正直耳を疑う。なんだ?この人!?さっきまでの女神のような優しいほほえみはどこに!?
さっきまでの丁寧な口調はどこに!?


「いいだろうがァ、ここにはアタイの本性を知らねぇ奴はいねぇんだから。」
「少なくともサクラは知らなかったわよ?」
「屁理屈はいいんだよ!」
「そういえば、今日リリィちゃんはいないの?王国のパーティーに貴方も誘われたんでしょう?」
「アァ。めんどくせぇ。夫もリリィも行くぜ。んでリリィはもうすぐ来るよ。ちょっとまってな。」


混乱する私がお母様を見ると、お母様は優しい顔して頭を撫でてくれる。
それをみるティナの目も少し温かく感じる。この人いい人かも…。
━コンコン。
「お母様。リリィです。ドレスをお持ちしました。」
「入れ。」
天使みたいな可愛い声が聞こえたなと思って扉を見るとそこには、声と同じく天使みたいに可愛い子が数着のドレスをもって入ってきた。


「あれ、お母様。本日はそちらのお顔なんですの?」
「アァ。こいつらはアタイの本性を知ってるしな。リリィも本性でいいぞ。」
「あら、そう。…初見さんだな。アタイはリリィ。アンタは?」

「さ、サクラです。宜しくお願いします。」
「アァ。よろしくな。」


そう言うリリィちゃんは綺麗な水色の髪に同じく透き通った水色の瞳。
可愛らしい顔に似合わない口調。この二人キャラが濃い…!


「それはアイツから連絡があったときに用意した。嬢ちゃんの特徴は聞いてたからな、アタイが見繕ったが問題なさそうだな。そっから選べ。王国のパーティーに行けるほどの品質なのに価格は安めだ。探してやったんだぞ。」
「あら!ありがとう。サクラはどれが着てみたい?」


そう言ってリリィが持ってきてくれたドレスを見る。
持ってきてくれたのは三着。少し大人っぽい赤いドレス。可愛らしいデザインの黄色のドレス。そして綺麗めの緑色のドレス。どれもこれもすごく綺麗でかわいい。
でも緑色のドレスに目が行く。派手すぎず綺麗で、そして可愛すぎないデザインが私の心つかむ。


「で、ではその緑色のドレスを…!」


窮屈で動きにくいドレスは嫌いなのに、このドレスはそれを凌駕するほど素敵なドレスだった。
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