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2章:王国でのパーティー
10話:王国からの招待状
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あれから月日がたち私は10歳になった。
時間がたつのはあっという間すぎてあれだけど、何よりの変化は…!
━コンコン。
「サクラ様、シトリンです。」
「もう起きてるから大丈夫よ!」
━ガチャ。
「おはようございます。サクラ様。」
シトリンがどんどん美形に成長していくのだ…!
なんだこの美形朝から眩しい。
ただでさえ前世から男の人に縁がないのに…。
「おはよう。シトリン。今日も朝早いのね。」
「はい。バトラーとして早く成長したいので!」
「その前にフットマンって、違うの!前もいったけどウチはよくある一般家庭なの!貴族でもないし!」
魔王の血筋ではあるけど…!
「お家だって使用人が必要なほど大きくないし!」
勇者だったころのパパが建て直したそこそこ大きい家だけど…!
「だからフットマンはいらないし、バトラーなんてもっといらいよ!!」
そう言っている私をよそにシトリンは窓を開け換気を始める。
そして、クローゼットから二着ほどワンピースをとりだし「本日はどちらに致しますか?」と聞いてくる。
「え?そうね…。その二つだったら緑色のワンピースかな?」
「かしこまりました。」
そう言って流れるようにお洋服の準備をする。
って何私は流されてるのよ!!
こんなんじゃダメダメ!!シトリンには私の弟になってもらおうと思ってたのに!
「ゴッホン…。だからねシトリン…私はね?」
そう口を開く私を黙らすようにシトリンがベットの傍で膝をつき私の手を握る。
「シ、シトリン?」
「サクラ様。僕は貴方様に拾っていただいて家族のように接していただいて本当に感謝しております。」
「そんなの当たり前だし、弟のように思っているわ!」
「ありがとうございます。僭越ながら僕も家族のように愛してくれていると感じております。」
「ならっ…。」
「ですが何度も申し上げております通り、僕はサクラ様に奥様に旦那様に恩返しがしたいのです。それも貴方様の傍で。ですのでフットンマンになりこの家のバトラーになることこそが僕の大きな夢になるのです。サクラ様はその夢を否定されるのですか?」
「…その聞き方はずるいわよ…。」
そんな事を言われては否定する方が難しい。
計算高く育っちゃったシトリンをジト目で見つめるが、逆にニコニコするシトリンに私が折れるしかないのだと実感する。
「分かった!シトリンの夢は応援するわ!」
「はい。ありがとうございます!」
「でも少しでも嫌になったらすぐやめる事!いいわね?」
「はい。お約束いたします。」
折角のシトリンの夢だし、ね?
私だって応援したいし…うん。ちょっと複雑だけどさ。
「ところでシトリン、その手にあるのは手紙?」
「はい。こちらエタンセル王国で行われるパーティーの招待状になりますね。この後旦那様にお渡しする予定になります。」
王国でのパーティー?
時間がたつのはあっという間すぎてあれだけど、何よりの変化は…!
━コンコン。
「サクラ様、シトリンです。」
「もう起きてるから大丈夫よ!」
━ガチャ。
「おはようございます。サクラ様。」
シトリンがどんどん美形に成長していくのだ…!
なんだこの美形朝から眩しい。
ただでさえ前世から男の人に縁がないのに…。
「おはよう。シトリン。今日も朝早いのね。」
「はい。バトラーとして早く成長したいので!」
「その前にフットマンって、違うの!前もいったけどウチはよくある一般家庭なの!貴族でもないし!」
魔王の血筋ではあるけど…!
「お家だって使用人が必要なほど大きくないし!」
勇者だったころのパパが建て直したそこそこ大きい家だけど…!
「だからフットマンはいらないし、バトラーなんてもっといらいよ!!」
そう言っている私をよそにシトリンは窓を開け換気を始める。
そして、クローゼットから二着ほどワンピースをとりだし「本日はどちらに致しますか?」と聞いてくる。
「え?そうね…。その二つだったら緑色のワンピースかな?」
「かしこまりました。」
そう言って流れるようにお洋服の準備をする。
って何私は流されてるのよ!!
こんなんじゃダメダメ!!シトリンには私の弟になってもらおうと思ってたのに!
「ゴッホン…。だからねシトリン…私はね?」
そう口を開く私を黙らすようにシトリンがベットの傍で膝をつき私の手を握る。
「シ、シトリン?」
「サクラ様。僕は貴方様に拾っていただいて家族のように接していただいて本当に感謝しております。」
「そんなの当たり前だし、弟のように思っているわ!」
「ありがとうございます。僭越ながら僕も家族のように愛してくれていると感じております。」
「ならっ…。」
「ですが何度も申し上げております通り、僕はサクラ様に奥様に旦那様に恩返しがしたいのです。それも貴方様の傍で。ですのでフットンマンになりこの家のバトラーになることこそが僕の大きな夢になるのです。サクラ様はその夢を否定されるのですか?」
「…その聞き方はずるいわよ…。」
そんな事を言われては否定する方が難しい。
計算高く育っちゃったシトリンをジト目で見つめるが、逆にニコニコするシトリンに私が折れるしかないのだと実感する。
「分かった!シトリンの夢は応援するわ!」
「はい。ありがとうございます!」
「でも少しでも嫌になったらすぐやめる事!いいわね?」
「はい。お約束いたします。」
折角のシトリンの夢だし、ね?
私だって応援したいし…うん。ちょっと複雑だけどさ。
「ところでシトリン、その手にあるのは手紙?」
「はい。こちらエタンセル王国で行われるパーティーの招待状になりますね。この後旦那様にお渡しする予定になります。」
王国でのパーティー?
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