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3章:命を救う真っ赤な苺ゼリー
27話:約束破り
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「はーい」
そういいながら玄関を開けるとそこには僕が思っていた人物がいた。
いや人物じゃない。 蜘蛛だ。
「はぁい。 蓮華ちゃんがきてあげたわよぉ」
そういいながら蜘蛛の状態で家に入ろうとするが扉が小さすぎて入れない。
「もう、人間のおうちってどれも小さいんだからぁ」
プンプンとふざけていいながら人間の姿にかえ、家の中にズカズカ入ってくる。
僕は慌てて後を追いながら恐る恐る口を開いた。
「あ、あのですね。 蓮華ちゃん」
「なぁに?」
「昨日の苺ゼリーなんですけど、同じものが準備できませんでした! すいません!!」
「…はぃ?」
「た、ただ! 苺ゼリーにも色々種類がありまして!! その別の商品にはなるんですけど、苺ゼリーを準備しました!」
「私との約束破ったのね?」
やっぱりだめだった!?
シュルシュルと僕の足に蜘蛛の糸がまとわりつく。
どうしよう! そう思った瞬間、僕に絡みついている糸がプツンと切れた。
「…おやぁ、誰が私の糸を切ったのかと思ったら天狐なんて珍しいわねぇ」
「そ奴は恩人の息子でな。 殺されたら困るんじゃよ」
「そぉ。 でもお兄さんが悪いのよぉ? 私との約束を破ったから」
「ちゃんといい分を聞いたのか?」
「聞いたわよぉ。 同じのが準備できなかったから変わりのものを準備したんでしょう?」
「そうじゃな。 おぬしが欲しておったゼリーは売り切れとったそうじゃよ。 買おうとしたが買えなかったそうじゃ」
「そんなの私に関係ないわねぇ。 それに約束は約束よ。 破ったお兄さんが悪いの」
冷たい視線が突き刺さる。
その重たい圧にようやく妖怪の怖さ身をもって理解した。
「それに私、約束破られるの死ぬほど嫌いなのよねぇ」
やばい。 僕、死ぬ。
いやだ。
まだ。 まだ死にたくないよ。
母さん、父さん…。 天狐様!
「そ奴がおぬしのために丹精込めて苺ゼリーを作ったと知ってもか?」
「え?」
天狐様のその一言で場の空気が一瞬で変わる。
蓮華ちゃんは心底驚いているのか目を見開いて真っ直ぐに僕を見つめる。
そういいながら玄関を開けるとそこには僕が思っていた人物がいた。
いや人物じゃない。 蜘蛛だ。
「はぁい。 蓮華ちゃんがきてあげたわよぉ」
そういいながら蜘蛛の状態で家に入ろうとするが扉が小さすぎて入れない。
「もう、人間のおうちってどれも小さいんだからぁ」
プンプンとふざけていいながら人間の姿にかえ、家の中にズカズカ入ってくる。
僕は慌てて後を追いながら恐る恐る口を開いた。
「あ、あのですね。 蓮華ちゃん」
「なぁに?」
「昨日の苺ゼリーなんですけど、同じものが準備できませんでした! すいません!!」
「…はぃ?」
「た、ただ! 苺ゼリーにも色々種類がありまして!! その別の商品にはなるんですけど、苺ゼリーを準備しました!」
「私との約束破ったのね?」
やっぱりだめだった!?
シュルシュルと僕の足に蜘蛛の糸がまとわりつく。
どうしよう! そう思った瞬間、僕に絡みついている糸がプツンと切れた。
「…おやぁ、誰が私の糸を切ったのかと思ったら天狐なんて珍しいわねぇ」
「そ奴は恩人の息子でな。 殺されたら困るんじゃよ」
「そぉ。 でもお兄さんが悪いのよぉ? 私との約束を破ったから」
「ちゃんといい分を聞いたのか?」
「聞いたわよぉ。 同じのが準備できなかったから変わりのものを準備したんでしょう?」
「そうじゃな。 おぬしが欲しておったゼリーは売り切れとったそうじゃよ。 買おうとしたが買えなかったそうじゃ」
「そんなの私に関係ないわねぇ。 それに約束は約束よ。 破ったお兄さんが悪いの」
冷たい視線が突き刺さる。
その重たい圧にようやく妖怪の怖さ身をもって理解した。
「それに私、約束破られるの死ぬほど嫌いなのよねぇ」
やばい。 僕、死ぬ。
いやだ。
まだ。 まだ死にたくないよ。
母さん、父さん…。 天狐様!
「そ奴がおぬしのために丹精込めて苺ゼリーを作ったと知ってもか?」
「え?」
天狐様のその一言で場の空気が一瞬で変わる。
蓮華ちゃんは心底驚いているのか目を見開いて真っ直ぐに僕を見つめる。
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