天狐様のお袋の味

立花立花

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3章:命を救う真っ赤な苺ゼリー

22話:購買の売れ残り

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昼休憩に入ると服部が僕の席にくる。

「さぁ!いくわよ!」
「う、うん」

意気揚々と僕を引っ張りながら服部は歩いていく。
森は笑顔で「いってらっしゃい」と手を振る。
それに服部は笑顔で手を振り返すと、僕を引きずるように購買へ向かった。
あれ? 僕お礼されるんだよね? 怒られるわけじゃないんだよね?

「すっごい人」
「あれ? 社は購買初めて?」
「うん。 前まではお弁当だったし、最近はスーパーで買ったパンもってきてたから初めてかな」
「あーそっか」
「ところで購買ってどうかうの?」
「あそこに並んでるものを手に取って、購買のおばちゃんがそこにいるでしょ?」
「えっと、あ、うんいる!」
「その人にお金を商品を渡せばOK」
「なるほど」
「あーでも喋ってるうちにどんどん商品消えてくなぁ。 何が良い? 今残ってるのだとゼリーしかないかも。 やば、とりあえずゼリーってことで!」

そういうと服部は人の中にもぐり苺ゼリーをとると百十円と一緒におばちゃんに渡す。
するとスプーンと苺ゼリーをおばあちゃんから貰い、こちらに戻ってくる。
素早い行動に僕には無理そうだと苦笑いする。

「はい。 どうぞ」
「あ、ありがとう」
「苺ゼリー苦手?」
「ううん。 苦手じゃないよ。 でも久しぶりだなぁって思って」
「今食べてもいいし家でもいいから! じゃあ教室戻りますか! ほんとにありがとうね!」
「ううん。 こちらこそゼリーありがとうね」

そういうと二人沿って教室に戻った。
教室に戻るといつも一緒にご飯を食べているあつきがこちらに片手をあげて合図する。

「おーい。 こっちこっち!」
「今いく!」

暁は高校に入ってからの友達で、親が亡くなってからも変わらず接してくれる数少ない友人だ。
昼ごはんはいつも一緒に食べている。
美意識が高くよく日焼け対策につて森や服部と仲良く話している。
そんな彼は日傘を毎日しているおかげか肌が驚くほど白い。
ハーフらしく金髪と合わさってどこかの王子様みたいな風貌だ。
ちなみに女子人気はあるが本人はあんまり興味がないらしい。

「お、今日もお弁当じゃん。 ここ最近お弁当だよな。 自分で作ってんの?」
「あーうん。 教えてもらいながら作ったり、あとは教えてくれる人が作ってくれたりとか」
「へぇ。 お料理教室でも通ってんの?」
「まぁそんな感じかな」
「ふーん。 上達したら今度俺にも作ってくんない?」
「いいよ」
「よし! 約束な!」
「うん!」
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