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序章:天狐様の目覚め
3話:スーパー大戦争
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─キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った途端ダッシュを決める。誰かが呼び止めたような気がしたがそんな事は気にしてられない。
だって今日は…今日は…!!!
「ヒナちゃん。アイツなんであんなに急いで帰ってるの?」
「あー。今日近所のスーパーでお惣菜がセールなんだよね」
「え!?そうなの!?」
「うん。だからいつも以上にお惣菜が売れちゃうの早いらしくて。それでかな?」
「…もう主婦だね、社は」
「だね。ふふ」
スーパーで月に1回のお惣菜セール日!!
前回は近所の主婦に全部持ってかれて、僕はカップ麺を余儀なくされた!だが今回は絶対僕が勝つ!!
そのために鞄に財布とエコバッグを入れてそのまま帰りに向かえるようにしたんだ。前回は呑気に家に帰宅してから行ったからな。今回はそんなミスをしない!
それに今日はストックしてた筑前煮がなくなったから作らないといけない。その為の材料も必須。
僕は必ずこのスーパーお惣菜セール日に勝つ!
見ててくれ父さん!
「こっから行った方が近道だな…!」
─ピコピコピコーン
よし。ついた。
「っく。…人が多いだと」
お惣菜売り場は野菜コーナーのすぐ後ろ。
見えたっ!!!
あの綺麗な衣の纏った唐揚げ、いつもは高くて買わない寿司、マカロニサラダに…あぁ!ある…。あるぞ!!!
僕は勝ったんだ。この大戦争に勝利したんだ!!
「って少し買いすぎたか…?」
アドレナリンでてたからか気づかなかったけど、僕めっちゃ買ったな…。
筑前煮の材料も買ったし、明日はスーパー来なくても良さそうかも。
早く飯食って、筑前煮作ろう。
意気込んで家に入ろうとする僕の足に「にゃー」と三毛猫が擦り寄ってくる。
「お前またこっちに来たのか?今日は誰にご飯を貰ったんだよ?ん?」
撫でて撫でてとお腹を出す三毛猫をお望みのまま撫で回す。満足したのか三毛猫が神社に帰っていく。
そうあの三毛猫は神社に住んでいる猫なのだ。
昨今は色々問題がある野良猫だけど、あの三毛猫は父さんが獣医さんの所連れてって去勢したおかげで皆に可愛がられている。そういえば、父さん最後まで去勢するか悩んでたなあ。
人間のエゴだけど三毛猫も僕らもお互いが安全に生きる為には仕方がない。
さて、変に時間たったけど飯食うか。
リビングの机にエコバッグをおき電気を付ける。
─カチッ
ここには僕しかいないだから電気をつけても誰もいないはずなのにふと気配を感じて前を向く。
するとふわっと金木犀の香りが鼻を掠める。
「なんだこの筑前煮は不味すぎるんじゃよ!!」
そこには三角の耳と四つの尻尾が生えた綺麗な女の人が筑前煮を手に怒鳴っていた。
チャイムが鳴った途端ダッシュを決める。誰かが呼び止めたような気がしたがそんな事は気にしてられない。
だって今日は…今日は…!!!
「ヒナちゃん。アイツなんであんなに急いで帰ってるの?」
「あー。今日近所のスーパーでお惣菜がセールなんだよね」
「え!?そうなの!?」
「うん。だからいつも以上にお惣菜が売れちゃうの早いらしくて。それでかな?」
「…もう主婦だね、社は」
「だね。ふふ」
スーパーで月に1回のお惣菜セール日!!
前回は近所の主婦に全部持ってかれて、僕はカップ麺を余儀なくされた!だが今回は絶対僕が勝つ!!
そのために鞄に財布とエコバッグを入れてそのまま帰りに向かえるようにしたんだ。前回は呑気に家に帰宅してから行ったからな。今回はそんなミスをしない!
それに今日はストックしてた筑前煮がなくなったから作らないといけない。その為の材料も必須。
僕は必ずこのスーパーお惣菜セール日に勝つ!
見ててくれ父さん!
「こっから行った方が近道だな…!」
─ピコピコピコーン
よし。ついた。
「っく。…人が多いだと」
お惣菜売り場は野菜コーナーのすぐ後ろ。
見えたっ!!!
あの綺麗な衣の纏った唐揚げ、いつもは高くて買わない寿司、マカロニサラダに…あぁ!ある…。あるぞ!!!
僕は勝ったんだ。この大戦争に勝利したんだ!!
「って少し買いすぎたか…?」
アドレナリンでてたからか気づかなかったけど、僕めっちゃ買ったな…。
筑前煮の材料も買ったし、明日はスーパー来なくても良さそうかも。
早く飯食って、筑前煮作ろう。
意気込んで家に入ろうとする僕の足に「にゃー」と三毛猫が擦り寄ってくる。
「お前またこっちに来たのか?今日は誰にご飯を貰ったんだよ?ん?」
撫でて撫でてとお腹を出す三毛猫をお望みのまま撫で回す。満足したのか三毛猫が神社に帰っていく。
そうあの三毛猫は神社に住んでいる猫なのだ。
昨今は色々問題がある野良猫だけど、あの三毛猫は父さんが獣医さんの所連れてって去勢したおかげで皆に可愛がられている。そういえば、父さん最後まで去勢するか悩んでたなあ。
人間のエゴだけど三毛猫も僕らもお互いが安全に生きる為には仕方がない。
さて、変に時間たったけど飯食うか。
リビングの机にエコバッグをおき電気を付ける。
─カチッ
ここには僕しかいないだから電気をつけても誰もいないはずなのにふと気配を感じて前を向く。
するとふわっと金木犀の香りが鼻を掠める。
「なんだこの筑前煮は不味すぎるんじゃよ!!」
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