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1章
プロローグ 後編
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「私たちはあなたがこれから先、健康に生き
ていくことは不可能だと考えました。よっ
て先ほど申し上げましたように特別な術式
を行使させて頂きます。」
「なぜそんなことをする必要があるんだ
い?あと特別な術式ってどんなものなんだ
い?」
僕は純粋に疑問をもったので女の子に尋ねてみた。
「まず特別な術式について説明しましょう。
今のあなたははっきり言って社会不適合者
です。」
そこまではっきり言われてしまうと辛いなぁ、女の子は続ける。
「高校生の時まではうまくいっていた。そこ
から全てが狂った。そうおっしゃっていた
そうですね。」
医者から聞いたのか。言い訳じみてるけど仕方ない。なんかめっちゃ恥ずかしいな。
「ではもし高校生に戻れたとしたらあなたは
あなたの人生を再起動させることができま
すか?」
「できれば高校時代に戻ってやり直したいけ
どそんなことできるわけないでしょ?」
「じゃあやってみますか?」
「は?」
耳を疑った。そんなことできるはずがない。
僕はそう思った。しかし同時にワクワク感が自分の中に芽生えるのを感じた。
「本気で言ってるなら、ぜひその術式を僕に
使って欲しい。」
変わりたい。やり直したい。いつからそう思っていただろう。ずっと胸に秘めていた思いを実現できるチャンスを目の前にして今僕はひどく興奮している。
「一旦落ち着いて話を聞いてください。」
「あなたがなぜこれから健康に生きていくことができないのか、という見解を出したのかこれから説明させて頂きます。」
しかし今の僕にはそんなことを聞くより、早く昔に戻れるなら戻って、人生をやり直したいと思っていた。
「説明はいいんだ。僕は変わりたいんだ。」
僕はひたすらに女の子に向かって訴えた。女の子は何か言いたげな表情をしていたが、やがて僕の圧に押されたのか、ため息をつきながら言った。
「わかりました。あなたには特別な術式を行
使させて頂きます。くれぐれも勘違いして
しまわないように。」
意味深な言葉を最後に残しながら女の子は術式の準備に取り掛かる。
「あのーこれって痛い系のやつですかね?」
僕が尋ねると女の子は優しそうな表情で
「そんなことはございません。」
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間女の子は僕に指示を出してきた。
「あなたの家の中にある掛け時計を準備して
ください」
そう言われて素直に準備する。
「掛け時計を前に置いて立ってください。術
式の展開をします。」
女の子は何やら特別な呪文らしき言葉を唱え始めたが僕にはそれを全く理解することはできなかった。
やがて目の前の景色が歪み始めた。僕には歪み始めるそれがまるで光の速さを体感させてくれているような気がした。しかしあまりの目まぐるしい景色の変化に酔い、僕は気絶してしまった。
気がつくと僕は中学の制服を着ていた。
ていくことは不可能だと考えました。よっ
て先ほど申し上げましたように特別な術式
を行使させて頂きます。」
「なぜそんなことをする必要があるんだ
い?あと特別な術式ってどんなものなんだ
い?」
僕は純粋に疑問をもったので女の子に尋ねてみた。
「まず特別な術式について説明しましょう。
今のあなたははっきり言って社会不適合者
です。」
そこまではっきり言われてしまうと辛いなぁ、女の子は続ける。
「高校生の時まではうまくいっていた。そこ
から全てが狂った。そうおっしゃっていた
そうですね。」
医者から聞いたのか。言い訳じみてるけど仕方ない。なんかめっちゃ恥ずかしいな。
「ではもし高校生に戻れたとしたらあなたは
あなたの人生を再起動させることができま
すか?」
「できれば高校時代に戻ってやり直したいけ
どそんなことできるわけないでしょ?」
「じゃあやってみますか?」
「は?」
耳を疑った。そんなことできるはずがない。
僕はそう思った。しかし同時にワクワク感が自分の中に芽生えるのを感じた。
「本気で言ってるなら、ぜひその術式を僕に
使って欲しい。」
変わりたい。やり直したい。いつからそう思っていただろう。ずっと胸に秘めていた思いを実現できるチャンスを目の前にして今僕はひどく興奮している。
「一旦落ち着いて話を聞いてください。」
「あなたがなぜこれから健康に生きていくことができないのか、という見解を出したのかこれから説明させて頂きます。」
しかし今の僕にはそんなことを聞くより、早く昔に戻れるなら戻って、人生をやり直したいと思っていた。
「説明はいいんだ。僕は変わりたいんだ。」
僕はひたすらに女の子に向かって訴えた。女の子は何か言いたげな表情をしていたが、やがて僕の圧に押されたのか、ため息をつきながら言った。
「わかりました。あなたには特別な術式を行
使させて頂きます。くれぐれも勘違いして
しまわないように。」
意味深な言葉を最後に残しながら女の子は術式の準備に取り掛かる。
「あのーこれって痛い系のやつですかね?」
僕が尋ねると女の子は優しそうな表情で
「そんなことはございません。」
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間女の子は僕に指示を出してきた。
「あなたの家の中にある掛け時計を準備して
ください」
そう言われて素直に準備する。
「掛け時計を前に置いて立ってください。術
式の展開をします。」
女の子は何やら特別な呪文らしき言葉を唱え始めたが僕にはそれを全く理解することはできなかった。
やがて目の前の景色が歪み始めた。僕には歪み始めるそれがまるで光の速さを体感させてくれているような気がした。しかしあまりの目まぐるしい景色の変化に酔い、僕は気絶してしまった。
気がつくと僕は中学の制服を着ていた。
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