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第114話 黒猫のじゃれあい
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「にゃっ?にゃっ?」
「あー、もう気にせず魔法使っていいよ。あのバカ金髪覚えているか?」
「……にゃっ」
「……ほんとにか?」
「にゃにゃにゃん」
「……じゃー、髪色が金髪のやつは生かしておいてな」
覚えていると主張するテトだが不安すぎたので、金髪全員は命の猶予を少しだけあげることにした。
これであっさりとあのバカ金髪を魔法で殺しちゃいましたじゃ、全然面白くないからな。
「んにゃーーーー」
テトは大きく威嚇するようにうなり声をあげる。
テトの上空にはドーラ並みの大きさの竜。日本の昔話で見られるような細長い竜を数体浮かべている。
シンプルにえげつない。
ただの水魔法と言えばそうなのだが、それが竜を模し、ゆらゆらと上空に鎮座している。
これを相手側から見ればどのような感情になるんだろうか。
俺は絶望しかけ、速攻影世界に逃げ込むと思う。
まあ、現在いるところは影世界なのだが。
屋敷から出てくるギラン組だと思われる奴らはまず灰色の視界に動揺し、上空にただよう水の竜に愕然とし、口をあけて上空を見あげている。
「バカ者、敵の攻撃だ。呆けている間があるなら対処法を探せ」
そう指示を出す茶髪の男性。
対処法ね。俺もそんなものがあるなら知りたいぐらいだよ。
まずテトの水魔法の対処法か。
防御全振りでなにかのスキルがあるか、魔法で防御。火魔法でテトの水魔法を上回るほどの火力で消滅させるぐらいか?
んー。どちらにせよ、テトを上回る魔力。スキルが必要だな。
うん。無理。
後はテトを討伐することだけど、これも難しいだろうな。
魔法を操作しながらでもテトは俊敏に動けるし、戦闘モードのテトは並列思考をどれだけしているのか疑いたくなるほど、マルチタスクをこなす。
索敵、魔法、思考、動き。ほんと俺だと頭の数が足らないのよ。
今も動揺しているギラン組のやつらを水魔法で竜で蹂躙している。
水の圧は人間が思っているよりも強く、抵抗のしようがない。
記憶にも新しいが、日本でも津波による被害がでた時がある。
正直、それまでは津波と聞いて怖いイメージがなかったが、写真、話を聞くだけでもその恐ろしさが日本全土に知れ渡った。
その恐怖が今は竜の形を成し、意思があるかのように飲み込んでくる。
これが相手にどれだけの恐怖を与えているか、想像するだけでも俺は絶対に受けたくない攻撃だ。
有象無象がつぎつぎと蹂躙され、体が肉片となり、その命の灯を消していく
「にゃ?」
「うん。もう屋敷も壊しちゃっていいよ。それで死ぬような奴はもう俺が相手する必要もないのかもしれない。屋敷以外は壊さないようにね」
「にゃにゃ」
外に出てきていた下っ端ども、茶髪の男性もすでに肉片へと変え。
中から出てくる様子が見えないので、屋敷ごと壊すことにする。
そういえば今気づいたが、屋敷を固定している土でさえ、影入りさせることができるんだな。
地下室があっても逃げることができないし、もし、上半分だけ影入りさせていたならば。
綺麗な断面を残し、無残な死体が表世界で転がっているのかもしれないな。
あ、今表世界ってどんな状況なんだ?
もしかしなくても、スラム街に大きなクレーターあけちゃいましたかね?
考えてみなくてもわかる。
霧に包まれた部分は影入りする。そうすれば表世界ではその部分がなくなる。
んー。またなにかやっちゃいました?
ここは異世界転移、転生の先輩たちの言葉を借りよう。
もしかしたら先輩たちも罪悪感があり、この言葉を残したのかもしれない。
冷静に物事を考えていたが、それは戦闘面だけにおいて、その後のことはまったく考えてなかったな。
よし、これは本当にシルベスターファミリーに菓子折りでも持っていこう。
屋敷以外の部分はあと数十分で戻しますので、その間の混乱は納めておいてください。
悪いことはしているかもしれないが、子供や一般人、俺らに危害くわえないなら、好きにしれくれ。俺は邪魔しないことをここに誓うよ。
「にゃにゃにゃにゃーにゃーにゃー」
んー。うちの黒猫ちゃんがすごくご機嫌なんだけど、どうしましょうか。
ルンルンに歌いながら、水の竜を操り、殲滅させている。
ほんとに俺がやることがないんだけど。テト師匠。これは俺なにをすればよろしいんでしょうか?
もうすでに五十名ぐらいは片付いていますけど、ギラン組はあとどれぐらい残っていそうですか?
俺の索敵結果ではもう、四十人もいないのですが、このままその水の竜を暴れさせますかね?
「にゃっ」
もちろんと。んー。言葉を発っしていないはずなんだけど、テトからまかせてっと追加の言葉もいただく。
これは死神を敵に回したのではなく、黒猫を敵に回したんだろうな。
すまん。なにか俺への対策をしていただろうが、まったく無駄になりそうだ。
大鎌も風魔法でもない、水魔法での蹂躙。
ギラン組、バカ金髪の準備をすべて無に帰すうちの師匠。さすがっす。
精神的な攻撃も加えているんですよね?
準備をことごとく無に帰し、それによる精神攻撃。想像がつかなかったよ。
影入りさせようといいだしたのは俺だけど、ここまで相手のことを無視するとは。
やっぱり人類はおとなしく生活していればいいんだ。
この世界には化け物が存在する。上には上というだけの言葉では足りないほどの力の差。これが現実なんだよ。バカども。うちの子たちに敵意を向けた罰だ。
「うちの師匠の攻撃をとくと味わえ」
テトの後ろから大声で、どや顔で俺はそう言い放つ。
作者より
なんかすみません。想定ではソラが大暴れするつもりだったんですがね。書き始めると私の脳内で黒猫が楽しそうに暴れだしまして、こういう結果になりました。
ソラの活躍を期待していた方には申し訳ない。
ソラの活躍は後日ということでお許しください。
「あー、もう気にせず魔法使っていいよ。あのバカ金髪覚えているか?」
「……にゃっ」
「……ほんとにか?」
「にゃにゃにゃん」
「……じゃー、髪色が金髪のやつは生かしておいてな」
覚えていると主張するテトだが不安すぎたので、金髪全員は命の猶予を少しだけあげることにした。
これであっさりとあのバカ金髪を魔法で殺しちゃいましたじゃ、全然面白くないからな。
「んにゃーーーー」
テトは大きく威嚇するようにうなり声をあげる。
テトの上空にはドーラ並みの大きさの竜。日本の昔話で見られるような細長い竜を数体浮かべている。
シンプルにえげつない。
ただの水魔法と言えばそうなのだが、それが竜を模し、ゆらゆらと上空に鎮座している。
これを相手側から見ればどのような感情になるんだろうか。
俺は絶望しかけ、速攻影世界に逃げ込むと思う。
まあ、現在いるところは影世界なのだが。
屋敷から出てくるギラン組だと思われる奴らはまず灰色の視界に動揺し、上空にただよう水の竜に愕然とし、口をあけて上空を見あげている。
「バカ者、敵の攻撃だ。呆けている間があるなら対処法を探せ」
そう指示を出す茶髪の男性。
対処法ね。俺もそんなものがあるなら知りたいぐらいだよ。
まずテトの水魔法の対処法か。
防御全振りでなにかのスキルがあるか、魔法で防御。火魔法でテトの水魔法を上回るほどの火力で消滅させるぐらいか?
んー。どちらにせよ、テトを上回る魔力。スキルが必要だな。
うん。無理。
後はテトを討伐することだけど、これも難しいだろうな。
魔法を操作しながらでもテトは俊敏に動けるし、戦闘モードのテトは並列思考をどれだけしているのか疑いたくなるほど、マルチタスクをこなす。
索敵、魔法、思考、動き。ほんと俺だと頭の数が足らないのよ。
今も動揺しているギラン組のやつらを水魔法で竜で蹂躙している。
水の圧は人間が思っているよりも強く、抵抗のしようがない。
記憶にも新しいが、日本でも津波による被害がでた時がある。
正直、それまでは津波と聞いて怖いイメージがなかったが、写真、話を聞くだけでもその恐ろしさが日本全土に知れ渡った。
その恐怖が今は竜の形を成し、意思があるかのように飲み込んでくる。
これが相手にどれだけの恐怖を与えているか、想像するだけでも俺は絶対に受けたくない攻撃だ。
有象無象がつぎつぎと蹂躙され、体が肉片となり、その命の灯を消していく
「にゃ?」
「うん。もう屋敷も壊しちゃっていいよ。それで死ぬような奴はもう俺が相手する必要もないのかもしれない。屋敷以外は壊さないようにね」
「にゃにゃ」
外に出てきていた下っ端ども、茶髪の男性もすでに肉片へと変え。
中から出てくる様子が見えないので、屋敷ごと壊すことにする。
そういえば今気づいたが、屋敷を固定している土でさえ、影入りさせることができるんだな。
地下室があっても逃げることができないし、もし、上半分だけ影入りさせていたならば。
綺麗な断面を残し、無残な死体が表世界で転がっているのかもしれないな。
あ、今表世界ってどんな状況なんだ?
もしかしなくても、スラム街に大きなクレーターあけちゃいましたかね?
考えてみなくてもわかる。
霧に包まれた部分は影入りする。そうすれば表世界ではその部分がなくなる。
んー。またなにかやっちゃいました?
ここは異世界転移、転生の先輩たちの言葉を借りよう。
もしかしたら先輩たちも罪悪感があり、この言葉を残したのかもしれない。
冷静に物事を考えていたが、それは戦闘面だけにおいて、その後のことはまったく考えてなかったな。
よし、これは本当にシルベスターファミリーに菓子折りでも持っていこう。
屋敷以外の部分はあと数十分で戻しますので、その間の混乱は納めておいてください。
悪いことはしているかもしれないが、子供や一般人、俺らに危害くわえないなら、好きにしれくれ。俺は邪魔しないことをここに誓うよ。
「にゃにゃにゃにゃーにゃーにゃー」
んー。うちの黒猫ちゃんがすごくご機嫌なんだけど、どうしましょうか。
ルンルンに歌いながら、水の竜を操り、殲滅させている。
ほんとに俺がやることがないんだけど。テト師匠。これは俺なにをすればよろしいんでしょうか?
もうすでに五十名ぐらいは片付いていますけど、ギラン組はあとどれぐらい残っていそうですか?
俺の索敵結果ではもう、四十人もいないのですが、このままその水の竜を暴れさせますかね?
「にゃっ」
もちろんと。んー。言葉を発っしていないはずなんだけど、テトからまかせてっと追加の言葉もいただく。
これは死神を敵に回したのではなく、黒猫を敵に回したんだろうな。
すまん。なにか俺への対策をしていただろうが、まったく無駄になりそうだ。
大鎌も風魔法でもない、水魔法での蹂躙。
ギラン組、バカ金髪の準備をすべて無に帰すうちの師匠。さすがっす。
精神的な攻撃も加えているんですよね?
準備をことごとく無に帰し、それによる精神攻撃。想像がつかなかったよ。
影入りさせようといいだしたのは俺だけど、ここまで相手のことを無視するとは。
やっぱり人類はおとなしく生活していればいいんだ。
この世界には化け物が存在する。上には上というだけの言葉では足りないほどの力の差。これが現実なんだよ。バカども。うちの子たちに敵意を向けた罰だ。
「うちの師匠の攻撃をとくと味わえ」
テトの後ろから大声で、どや顔で俺はそう言い放つ。
作者より
なんかすみません。想定ではソラが大暴れするつもりだったんですがね。書き始めると私の脳内で黒猫が楽しそうに暴れだしまして、こういう結果になりました。
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