73 / 134
第72話 あなたならレイドボスにどう挑みますか?
しおりを挟む
「それではAグループの試合を始めちゃいますよ。よーい。始め」
メロディーさんの声で予選開始の宣言がされる。
甘い可愛い声を合図に、闘技場のステージでは武装した出場者が動きだす。
一言でいえば乱戦。ステージ上を恰幅の良い男性が武器を振りまわし、そこら中で戦闘が起こっている。
まあ、予想通りの戦闘風景だ。
とりあえず、隣にいるやつと戦い、後は勝ち残り同士でやりあう。
ただそれを繰り返し、残り三人になるまでステージ上で立っていればいい。
効率が悪いと感じるが、乱戦ではこれがベストなのだろう。
見ていると、魔法を発動した人は周りのヘイトをかい、袋叩きにあっていた。乱戦では物理攻撃は対処しやすいが、遠距離魔法は対処しづらい。範囲魔法ならなおさらだ。
だから、出場者は魔法を使う人を警戒し、早急に対処するのだろう。
強力な魔法を放たれる前に対処するのがセオリーか。
ただ、一対一の戦闘が続き、派手さに欠けているように見えるが、観客は盛り上がっている。
戦闘を生業にしていない人にとってみれば、近接での戦闘の方が評判はいいのだろうか。
武器が鳴らす金属音と出場者の声が大きくなるほど、観客の声援も大きくなっている気がする。
「すごいねー。みんな戦っているよ」
「にゃにゃ」
「わふわふ」
「きゅうきゅう」
うちの子たちは、初めて見る人間同士の乱戦に少し興奮気味だ。
心配した血みどろの戦闘もティナにとっては苦でないらしく、目を輝かせて声を上げている。
テトモコシロは自分だったらどう戦うかをティナに教えているが、テトモコシロが戦うなら、レイドボス攻略みたいになりそうだな。
それはそれで面白そうだが、出場者の悲惨な姿しか想像できない。
勝ち上がるには三人に残らなければいけない。だからテトモコシロのうち一匹は討伐しないといけないというね。
うちの子のなかでもまだマシなシロでさえ、結界があるから攻撃は通らないだろうな。
んー。誰から討伐すればいいのだろうな。
ゲーム脳で考えてみるが、結構無理ゲーな気がする。そもそもほとんどの出場者はテトモコのスピードについて来れないだろうし、よく考えるとシロの結界を三匹に常時発動していたら、無理だな。
まあ、先にシロをどうにかするのがいいのだろうが、テトモコが弟分であるシロに危害を加えるやつを見逃すはずがない。
近づくだけで消されるだろうな……
「無理ゲーだ」
「ん?Aグループの人だとジルドに勝てそうにないっすね。他の出場者はジルドとの戦闘を避けて、三人に残ることにシフトしたみたいっすね」
脳内レイドボス戦をしていて、うっかり声が出てしまったが、ヒロはジルドさんのことだと勘違いしてくれたようだ。
無理ゲーが通じる世界線が少し怖いが。
ジルドさんを見ると、周りには人はいないみたいだ。
一応戦闘態勢を解いていないようだが、見ている感じ、誰も攻撃しなさそうだな。
楽そうだと思うけど、他の出場者はそれでいいのかな……
俺なら、本戦の一対一で勝てそうにない相手は乱戦の中で排除したいけどな。
ま排除できないと判断したんだろうが、それだと本戦では負けるつもりなのだろうか。
まあ、本戦でるのが目標ならいいのかもな。
ステージ上の人数は順調に減り、場外に出された出場者の方が多くなってきた。
外の出場者は情報通り、ケガをしている様子もなく、各々ステージで繰り広げられている戦闘を見ている。
それにしても、ケガをなくす守護結界。実際見てみると興味深いな。
毒とか麻痺の継続ダメージはどうなんだろうか?
精神的ダメージや幻術などの症状はどうなるのだろうか。
なんか色々研究してみたくなってくる。
もしかしたら、あくどい国ならそういう研究はしているかも。
「もう終わりそうだよっ?」
「そうだね。ジルドさんは残りそうだ。あとはオレンジ髪の女性と斧を振り回しているおっさんかな?」
「そうっすね。たぶんその三人で決まりっす」
俺たちの予想通り、Aグループの本戦出場者はその三人に決まった。
ジルドさんは後半なにもしていなかったが、他の二人が残りの出場者を全員退場させていた。
「終了です。Aグループの本戦出場は銀髪イケメンのジルド、マリンデ親子に決定しました。皆さん健闘に拍手を!」
メロディーさんの終了宣言で会場中が拍手の音に包まれる。
「あの二人は親子なのか?」
「そうらしいっすね。斧を振り回していたドン・マリンデのことは知っていたっすけど、娘さんは知らなかったすね」
「父親の方は冒険者?」
「いや、専業は大工のはずっす。冒険者として仕事している時もあるみたいっすけど」
大工……だからあれだけ力任せの戦闘をしていたのか。
脳筋というか、ひたすら近い奴に切りかかってたからな。
娘さんはレイピアと呼ばれる、先が細い剣を巧みに使って戦闘をしていたな。
性別の差もあるだろうが、親子でこうも戦い方がちがうと、言われないと親子だと思えないな。
ゴリラと美女だし……
その後、予選は進んでいき、結局、Aグループの後もうちの子たちが見たいと言ったのでそのまま観戦した。
戦闘にそこまで大きな違いはないが、俺の目でも強いと感じる人はほとんど本戦へと出場を決めた。
その中でも気になる人は二人だな。
一人は女性でネネという名前らしい。氷魔法を使用し、唯一予選を魔法で勝ち上がったと呼べる者だ。
他の参加者も魔法を使っていたが、その女性は長杖と魔法のみで戦い、ほとんど近接を行っていなかった。
近寄ってくる人に氷を飛ばし、ダメージ与える。常に距離を保つ戦闘スタイルなのか、戦場での立ち回りが上手だった。
もう一人は金髪の男性なのだが、この人に関しては戦闘を見ることができなかった。
見逃したのではなく、ただ戦闘をしていないだけ。
仲間か従者なのか知らないが、近くにいた二人の男性が、その金髪に近寄る者を倒していたのだ。
試合が終盤になり残り人数が五人になると、お付きの二人は自らステージを降りた。
ここまでの内容なら貴族や冒険者の権力のあるやつがズルをしただけだと、俺も興味を抱かない。
ただ、メロディーさんが試合終了時に告げた、ヴァロン帝国第三皇子という言葉が俺に金髪男性レオン・デ・ヴァロンの興味をもたせた。
はたして、王族が建国記念祭の一大イベントである武闘大会でズルをするだろうか?
弱い王族をズルして勝たせて本戦に出場させる?
普通の思考をしているのならそんなことはしないだろう。
それに、俺の思考が正しいと言っているかのように、第三皇子への非難は観客から聞こえることはなく、声援や本戦での戦闘を楽しみにしている声が闘技場に響き渡ったっていた、
観客の声を聴く限り、おそらく、その皇子は強い。
そして、予選をズルのような勝ち方をしてもいいぐらい、観客に人気もある。
人間はわからない物、知らないことに興味を抱くが。
レオン殿下の戦闘を見ていないからこそ、どんな戦い方をするのかと興味を抱いてしまった。
メロディーさんの声で予選開始の宣言がされる。
甘い可愛い声を合図に、闘技場のステージでは武装した出場者が動きだす。
一言でいえば乱戦。ステージ上を恰幅の良い男性が武器を振りまわし、そこら中で戦闘が起こっている。
まあ、予想通りの戦闘風景だ。
とりあえず、隣にいるやつと戦い、後は勝ち残り同士でやりあう。
ただそれを繰り返し、残り三人になるまでステージ上で立っていればいい。
効率が悪いと感じるが、乱戦ではこれがベストなのだろう。
見ていると、魔法を発動した人は周りのヘイトをかい、袋叩きにあっていた。乱戦では物理攻撃は対処しやすいが、遠距離魔法は対処しづらい。範囲魔法ならなおさらだ。
だから、出場者は魔法を使う人を警戒し、早急に対処するのだろう。
強力な魔法を放たれる前に対処するのがセオリーか。
ただ、一対一の戦闘が続き、派手さに欠けているように見えるが、観客は盛り上がっている。
戦闘を生業にしていない人にとってみれば、近接での戦闘の方が評判はいいのだろうか。
武器が鳴らす金属音と出場者の声が大きくなるほど、観客の声援も大きくなっている気がする。
「すごいねー。みんな戦っているよ」
「にゃにゃ」
「わふわふ」
「きゅうきゅう」
うちの子たちは、初めて見る人間同士の乱戦に少し興奮気味だ。
心配した血みどろの戦闘もティナにとっては苦でないらしく、目を輝かせて声を上げている。
テトモコシロは自分だったらどう戦うかをティナに教えているが、テトモコシロが戦うなら、レイドボス攻略みたいになりそうだな。
それはそれで面白そうだが、出場者の悲惨な姿しか想像できない。
勝ち上がるには三人に残らなければいけない。だからテトモコシロのうち一匹は討伐しないといけないというね。
うちの子のなかでもまだマシなシロでさえ、結界があるから攻撃は通らないだろうな。
んー。誰から討伐すればいいのだろうな。
ゲーム脳で考えてみるが、結構無理ゲーな気がする。そもそもほとんどの出場者はテトモコのスピードについて来れないだろうし、よく考えるとシロの結界を三匹に常時発動していたら、無理だな。
まあ、先にシロをどうにかするのがいいのだろうが、テトモコが弟分であるシロに危害を加えるやつを見逃すはずがない。
近づくだけで消されるだろうな……
「無理ゲーだ」
「ん?Aグループの人だとジルドに勝てそうにないっすね。他の出場者はジルドとの戦闘を避けて、三人に残ることにシフトしたみたいっすね」
脳内レイドボス戦をしていて、うっかり声が出てしまったが、ヒロはジルドさんのことだと勘違いしてくれたようだ。
無理ゲーが通じる世界線が少し怖いが。
ジルドさんを見ると、周りには人はいないみたいだ。
一応戦闘態勢を解いていないようだが、見ている感じ、誰も攻撃しなさそうだな。
楽そうだと思うけど、他の出場者はそれでいいのかな……
俺なら、本戦の一対一で勝てそうにない相手は乱戦の中で排除したいけどな。
ま排除できないと判断したんだろうが、それだと本戦では負けるつもりなのだろうか。
まあ、本戦でるのが目標ならいいのかもな。
ステージ上の人数は順調に減り、場外に出された出場者の方が多くなってきた。
外の出場者は情報通り、ケガをしている様子もなく、各々ステージで繰り広げられている戦闘を見ている。
それにしても、ケガをなくす守護結界。実際見てみると興味深いな。
毒とか麻痺の継続ダメージはどうなんだろうか?
精神的ダメージや幻術などの症状はどうなるのだろうか。
なんか色々研究してみたくなってくる。
もしかしたら、あくどい国ならそういう研究はしているかも。
「もう終わりそうだよっ?」
「そうだね。ジルドさんは残りそうだ。あとはオレンジ髪の女性と斧を振り回しているおっさんかな?」
「そうっすね。たぶんその三人で決まりっす」
俺たちの予想通り、Aグループの本戦出場者はその三人に決まった。
ジルドさんは後半なにもしていなかったが、他の二人が残りの出場者を全員退場させていた。
「終了です。Aグループの本戦出場は銀髪イケメンのジルド、マリンデ親子に決定しました。皆さん健闘に拍手を!」
メロディーさんの終了宣言で会場中が拍手の音に包まれる。
「あの二人は親子なのか?」
「そうらしいっすね。斧を振り回していたドン・マリンデのことは知っていたっすけど、娘さんは知らなかったすね」
「父親の方は冒険者?」
「いや、専業は大工のはずっす。冒険者として仕事している時もあるみたいっすけど」
大工……だからあれだけ力任せの戦闘をしていたのか。
脳筋というか、ひたすら近い奴に切りかかってたからな。
娘さんはレイピアと呼ばれる、先が細い剣を巧みに使って戦闘をしていたな。
性別の差もあるだろうが、親子でこうも戦い方がちがうと、言われないと親子だと思えないな。
ゴリラと美女だし……
その後、予選は進んでいき、結局、Aグループの後もうちの子たちが見たいと言ったのでそのまま観戦した。
戦闘にそこまで大きな違いはないが、俺の目でも強いと感じる人はほとんど本戦へと出場を決めた。
その中でも気になる人は二人だな。
一人は女性でネネという名前らしい。氷魔法を使用し、唯一予選を魔法で勝ち上がったと呼べる者だ。
他の参加者も魔法を使っていたが、その女性は長杖と魔法のみで戦い、ほとんど近接を行っていなかった。
近寄ってくる人に氷を飛ばし、ダメージ与える。常に距離を保つ戦闘スタイルなのか、戦場での立ち回りが上手だった。
もう一人は金髪の男性なのだが、この人に関しては戦闘を見ることができなかった。
見逃したのではなく、ただ戦闘をしていないだけ。
仲間か従者なのか知らないが、近くにいた二人の男性が、その金髪に近寄る者を倒していたのだ。
試合が終盤になり残り人数が五人になると、お付きの二人は自らステージを降りた。
ここまでの内容なら貴族や冒険者の権力のあるやつがズルをしただけだと、俺も興味を抱かない。
ただ、メロディーさんが試合終了時に告げた、ヴァロン帝国第三皇子という言葉が俺に金髪男性レオン・デ・ヴァロンの興味をもたせた。
はたして、王族が建国記念祭の一大イベントである武闘大会でズルをするだろうか?
弱い王族をズルして勝たせて本戦に出場させる?
普通の思考をしているのならそんなことはしないだろう。
それに、俺の思考が正しいと言っているかのように、第三皇子への非難は観客から聞こえることはなく、声援や本戦での戦闘を楽しみにしている声が闘技場に響き渡ったっていた、
観客の声を聴く限り、おそらく、その皇子は強い。
そして、予選をズルのような勝ち方をしてもいいぐらい、観客に人気もある。
人間はわからない物、知らないことに興味を抱くが。
レオン殿下の戦闘を見ていないからこそ、どんな戦い方をするのかと興味を抱いてしまった。
0
お気に入りに追加
1,729
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる