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第25話 嬢ちゃんのお願い
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*こちらはルイ視点となります。
「で、オレに何の用事だ?」
「あのね、ソラにプレゼントしたいんだけど、なにがいいかな?」
「プレゼント?嬢ちゃんがくれるものならソラはなんでも喜ぶと思うぞ?」
「しぃー。声が大きいよ」
嬢ちゃんに怒られてしまった。
従魔たちも睨むのをやめてくれ。
「すまん、で、どんなものをあげたいとかないのか?」
「んー、これで何かつくれる?」
黒猫から、魔物の素材が山のようにでてきた。
「これは……」
見る限り、死の森の魔物の素材か。
これだけあれば結構な額になる。
それにドラゴンの鱗や、爪が見えるな。
ソラはドラゴンとも戦っているのか?
正真正銘の化け物確定だな。
「この鱗と爪はどうしたんだ?ソラが戦ったのか?」
「えっと、ドーラにもらったのっ」
ドーラ?誰だそれ。
「こんなものをくれる人がいるのか?」
「うんっ、生え変わった鱗が寝床にいっぱいあるんだって。爪ものびすぎるから、気になったら自分で切ってるって言ってた」
この嬢ちゃんは何を言っているのだろう。
不思議ちゃんなのか?
嬢ちゃんが言ってることが正しければ、ドラゴンが鱗や爪をくれたように聞こえるのだが。
「その人はドラゴンなのか?」
自分で言って恥ずかしくなるような頓珍漢な質問だ。
「そうだよ。ドーラは白くて大きなドラゴンさん」
頭が痛くなってきたんだが、帰ってもいいのだろうか?
従魔たちを見ても変わった様子はない。
なんとなく、頷いているようだし、嬢ちゃんが言っていることは本当なのだろう。
ソラ、嬢ちゃんの口止めは早急にしておくべきだぞ。
このままではすべて聞いてしまいそうだ。
でもオレはドラゴンなんて絶対に関わりたくないからな。
「わかった。そのドーラさんがくれたんだね。じゃ、その鱗と爪でネックレスでも作ってもらうか?知り合いに口の堅いおっさんがいるから、その人なら作ってくれるぞ」
「うわぁー、それにする。ソラ喜ぶかな?」
「絶対に喜ぶから安心しろ、従魔たちもそれでいいか?」
「にゃー」
「わふ」
「きゅう」
いいよってことかな?
あのおっさんなら、だれにも話さないだろうし、ドラゴンの素材も扱えるだろう。
ダメなら、帝都に行かなければいけないことになる。何とかしてほしい。
あいにく、今日は非番で休みだ。今日連れて行ってやろう。
「あとね、今ミランダさんに服つくってもらってるの。その服のソラの分も欲しいの」
ミランダさん?服?
それから思い浮かぶのはベクトル商会会長のミランダ・ベクトルか。
大商会の会長とも知り合いなのかよ。
もうなんでもありだな。
「わかった。ついでに頼みに行こうな」
「うんっ」
嬢ちゃんは従魔と部屋に戻っていく。
オレもその後に続く。
「ソラ、今から嬢ちゃんと少し出てくるわ。そんな時間かからんと思うから待っててくれ」
「はぁ?なんでルイとお出かけなんだよ。なんで俺は留守番なんだ」
「お前がいたら、困るからだよ。察しろバカ」
「バカっていうほうがバカなんだぞ」
「にゃにゃにゃー」
「わふわふ」
「きゅうきゅう」
「え、ダメなのか?絶対?何かあったらどうするんだ?」
従魔たちが説得しているのだろう。
ソラはどうしてもついてきたいようだが、それだと嬢ちゃんのプレゼントがばれてしまうからな。
諦めろソラ。
「にゃー」
「モコ大丈夫なんだな?」
「わふ」
「……じゃー、いいよ。ティナ。テトモコシロの言うことをちゃんと聞くんだぞ?」
「うんっ、ちゃんと聞くよ」
「ルイ、何かあったら許さないからな」
「おう、そんな目で見るな。娘が結婚するときの父親のような顔をしているぞ」
「大事なうちの天使だ。当たり前だ」
「鬱陶しいわ、いつか嫌われるぞ?」
「うぐ……」
そんなこの世に絶望した顔をするなよ。
ほら、嬢ちゃんが心配そうな顔をしているぞ
「ティナはずっとソラのこと好きだよ?」
「ティナっ」
生き返ったように、飛び上がり、嬢ちゃんへと抱き着くソラ。
どっちも喜んで抱き合い、愛を確認しあっている。
従魔も隙間にもぐりこみ、体を寄せている。
オレはどんな感情で見ればいいんだよ
オレは空気か?
こいつら絶対にオレのことを忘れてやがる。
「おい、もういいだろう。嬢ちゃん行くぞ」
「うんっ、ソラまっててね」
「必ず帰ってくるんだぞ」
いやいや、この世の終わりに嬢ちゃんを連れて行くんじゃないんだから、大げさだ。
ソラのことをスルーし、オレたちは宿出る。。
まずはおっさんの作業場へと歩く。
「おっさん、生きてるか」
「うるせー、大声だすんじゃねー。聞こえとるわ」
「おおー、生きてか、さっさと死ねよ」
「まだ孫が小さいんだ。死んでたまるか」
古びれた、小さな作業場にオレたちは入る。
「今日は嬢ちゃんの依頼だ。聞いてやってくれ」
「お?めんこい嬢ちゃんじゃ。それに可愛い従魔だの」
おっさんがデレデレするな。きもちわりー。
「あのね、ティナね。ソラにプレゼントするの」
「おおー、嬢ちゃんはティナというのか。わしはガンツだ。それでプレゼントは何にするんだ?」
「これでネックレス作ってほしいの」
「これは……」
「こっちを見るな。オレも詳しくは知らん。ドラゴンさんにもらったんだとよ」
「そうか……ここだと扱えるのはわしぐらいか。作ろう。どんなものにする?」
嬢ちゃんと従魔で会議が始まる。
よく話ができるよな。何言ってるかわからんぞ
「えっとね、鱗で太陽みたいにつくって、爪を三日月?にする」
「……こんな感じかな?」
おっさんが絵に描き上げ、イメージを伝える。
「うんっ。こんな感じ。あとね。太陽に水色と赤と茶色の石を入れて、月に黒と白の石いれてほしい」
「んー、こんな感じかのう?
「うわぁー。それそれ」
「にゃーにゃー」
「わふわふわふ」
「きゅっきゅー」
嬢ちゃんと従魔たちは大騒ぎだ。
イメージ通りなのだろう。
さすがおっさんだな。
「素材がほとんど持ち込みだから安くはなるが、素材が素材だ。それなりにかかるがお金はあるか?」
そうおっさんが尋ねると、黒犬から袋が出てくる。
「おう、こんなにいらんぞ。金貨五枚でいい」
確認しただけで金貨六十枚見える。
従魔がこんだけ金もってんのかよ。
「いつまでにできるっ?」
「明日にはできるぞ」
「じゃー、明日欲しい」
「おうとも、宿に届けるか?取りに来るか?」
「明日は、オレがいないから宿に届けてくれ。幸せ亭に泊っている。ソラ・カゲヤマといえば通じるはずだ」
「了解だ」
依頼を終え、ベクトル商会へと歩く。
「あれ?ティナちゃんじゃないどうしたの?ソラはいないみたいだけど」
ベクトル商会に入ると、すぐに赤髪のミランダに声をかけられる。
「ソラにはナイショなの。プレゼントの買い物したの」
「いいわね。面白そうじゃない。何を買ったの?」
「嬢ちゃんはネックレスをガンツのおっさんに依頼したんだ。明日の朝、宿に届けるようにしている」
「へぇー、ガンツさんにね。気になるけど、また今度見せてもらうわ。で、うちには何を買いにきたの?」
「えっとね。テトモコシロの服あるでしょ?それのソラのやつ欲しいの。ある?」
「今、商品化中のやつね。形はできていて、量産中よ。ティナちゃんとソラちゃんのやつならもうできているわよ」
「やったぁー。あのね、ソラにないしょで、プレゼントなの」
「じゃー、ネックレスと一緒に明日届けるわ。この前の宿よね?」
「うんっ」
「そういえば、防具のローブもできているみたいだから、明日一緒に届けるようにするわ」
「ティナのやつ?」
「そうよ。職人がやる気になっちゃって早くできたらしいわ」
「ありがとっ。うれしいー」
「職人に伝えておくわね」
嬢ちゃんはホクホク顔だ。
従魔も喜んでいるようだ。それにしてもテトモコシロの服ってなんだ?
ソラが着るものみたいだし。従魔の服ではなさそうだが。
まあ、商品化するみたいだし、いつかわかるか。
疑問に思いつつも、嬢ちゃんをつれ宿に戻る。
「嬢ちゃん、そんな嬉しそうな顔してたら、ソラにばれるぞ」
オレの言葉を聞き、顔をひきしめるが、口元がにやけている。
隠せそうではないな。
まあ、従魔がうまくやってくれるだろう。
これでオレのお守も終了だ。
休みを満喫しよう。
「で、オレに何の用事だ?」
「あのね、ソラにプレゼントしたいんだけど、なにがいいかな?」
「プレゼント?嬢ちゃんがくれるものならソラはなんでも喜ぶと思うぞ?」
「しぃー。声が大きいよ」
嬢ちゃんに怒られてしまった。
従魔たちも睨むのをやめてくれ。
「すまん、で、どんなものをあげたいとかないのか?」
「んー、これで何かつくれる?」
黒猫から、魔物の素材が山のようにでてきた。
「これは……」
見る限り、死の森の魔物の素材か。
これだけあれば結構な額になる。
それにドラゴンの鱗や、爪が見えるな。
ソラはドラゴンとも戦っているのか?
正真正銘の化け物確定だな。
「この鱗と爪はどうしたんだ?ソラが戦ったのか?」
「えっと、ドーラにもらったのっ」
ドーラ?誰だそれ。
「こんなものをくれる人がいるのか?」
「うんっ、生え変わった鱗が寝床にいっぱいあるんだって。爪ものびすぎるから、気になったら自分で切ってるって言ってた」
この嬢ちゃんは何を言っているのだろう。
不思議ちゃんなのか?
嬢ちゃんが言ってることが正しければ、ドラゴンが鱗や爪をくれたように聞こえるのだが。
「その人はドラゴンなのか?」
自分で言って恥ずかしくなるような頓珍漢な質問だ。
「そうだよ。ドーラは白くて大きなドラゴンさん」
頭が痛くなってきたんだが、帰ってもいいのだろうか?
従魔たちを見ても変わった様子はない。
なんとなく、頷いているようだし、嬢ちゃんが言っていることは本当なのだろう。
ソラ、嬢ちゃんの口止めは早急にしておくべきだぞ。
このままではすべて聞いてしまいそうだ。
でもオレはドラゴンなんて絶対に関わりたくないからな。
「わかった。そのドーラさんがくれたんだね。じゃ、その鱗と爪でネックレスでも作ってもらうか?知り合いに口の堅いおっさんがいるから、その人なら作ってくれるぞ」
「うわぁー、それにする。ソラ喜ぶかな?」
「絶対に喜ぶから安心しろ、従魔たちもそれでいいか?」
「にゃー」
「わふ」
「きゅう」
いいよってことかな?
あのおっさんなら、だれにも話さないだろうし、ドラゴンの素材も扱えるだろう。
ダメなら、帝都に行かなければいけないことになる。何とかしてほしい。
あいにく、今日は非番で休みだ。今日連れて行ってやろう。
「あとね、今ミランダさんに服つくってもらってるの。その服のソラの分も欲しいの」
ミランダさん?服?
それから思い浮かぶのはベクトル商会会長のミランダ・ベクトルか。
大商会の会長とも知り合いなのかよ。
もうなんでもありだな。
「わかった。ついでに頼みに行こうな」
「うんっ」
嬢ちゃんは従魔と部屋に戻っていく。
オレもその後に続く。
「ソラ、今から嬢ちゃんと少し出てくるわ。そんな時間かからんと思うから待っててくれ」
「はぁ?なんでルイとお出かけなんだよ。なんで俺は留守番なんだ」
「お前がいたら、困るからだよ。察しろバカ」
「バカっていうほうがバカなんだぞ」
「にゃにゃにゃー」
「わふわふ」
「きゅうきゅう」
「え、ダメなのか?絶対?何かあったらどうするんだ?」
従魔たちが説得しているのだろう。
ソラはどうしてもついてきたいようだが、それだと嬢ちゃんのプレゼントがばれてしまうからな。
諦めろソラ。
「にゃー」
「モコ大丈夫なんだな?」
「わふ」
「……じゃー、いいよ。ティナ。テトモコシロの言うことをちゃんと聞くんだぞ?」
「うんっ、ちゃんと聞くよ」
「ルイ、何かあったら許さないからな」
「おう、そんな目で見るな。娘が結婚するときの父親のような顔をしているぞ」
「大事なうちの天使だ。当たり前だ」
「鬱陶しいわ、いつか嫌われるぞ?」
「うぐ……」
そんなこの世に絶望した顔をするなよ。
ほら、嬢ちゃんが心配そうな顔をしているぞ
「ティナはずっとソラのこと好きだよ?」
「ティナっ」
生き返ったように、飛び上がり、嬢ちゃんへと抱き着くソラ。
どっちも喜んで抱き合い、愛を確認しあっている。
従魔も隙間にもぐりこみ、体を寄せている。
オレはどんな感情で見ればいいんだよ
オレは空気か?
こいつら絶対にオレのことを忘れてやがる。
「おい、もういいだろう。嬢ちゃん行くぞ」
「うんっ、ソラまっててね」
「必ず帰ってくるんだぞ」
いやいや、この世の終わりに嬢ちゃんを連れて行くんじゃないんだから、大げさだ。
ソラのことをスルーし、オレたちは宿出る。。
まずはおっさんの作業場へと歩く。
「おっさん、生きてるか」
「うるせー、大声だすんじゃねー。聞こえとるわ」
「おおー、生きてか、さっさと死ねよ」
「まだ孫が小さいんだ。死んでたまるか」
古びれた、小さな作業場にオレたちは入る。
「今日は嬢ちゃんの依頼だ。聞いてやってくれ」
「お?めんこい嬢ちゃんじゃ。それに可愛い従魔だの」
おっさんがデレデレするな。きもちわりー。
「あのね、ティナね。ソラにプレゼントするの」
「おおー、嬢ちゃんはティナというのか。わしはガンツだ。それでプレゼントは何にするんだ?」
「これでネックレス作ってほしいの」
「これは……」
「こっちを見るな。オレも詳しくは知らん。ドラゴンさんにもらったんだとよ」
「そうか……ここだと扱えるのはわしぐらいか。作ろう。どんなものにする?」
嬢ちゃんと従魔で会議が始まる。
よく話ができるよな。何言ってるかわからんぞ
「えっとね、鱗で太陽みたいにつくって、爪を三日月?にする」
「……こんな感じかな?」
おっさんが絵に描き上げ、イメージを伝える。
「うんっ。こんな感じ。あとね。太陽に水色と赤と茶色の石を入れて、月に黒と白の石いれてほしい」
「んー、こんな感じかのう?
「うわぁー。それそれ」
「にゃーにゃー」
「わふわふわふ」
「きゅっきゅー」
嬢ちゃんと従魔たちは大騒ぎだ。
イメージ通りなのだろう。
さすがおっさんだな。
「素材がほとんど持ち込みだから安くはなるが、素材が素材だ。それなりにかかるがお金はあるか?」
そうおっさんが尋ねると、黒犬から袋が出てくる。
「おう、こんなにいらんぞ。金貨五枚でいい」
確認しただけで金貨六十枚見える。
従魔がこんだけ金もってんのかよ。
「いつまでにできるっ?」
「明日にはできるぞ」
「じゃー、明日欲しい」
「おうとも、宿に届けるか?取りに来るか?」
「明日は、オレがいないから宿に届けてくれ。幸せ亭に泊っている。ソラ・カゲヤマといえば通じるはずだ」
「了解だ」
依頼を終え、ベクトル商会へと歩く。
「あれ?ティナちゃんじゃないどうしたの?ソラはいないみたいだけど」
ベクトル商会に入ると、すぐに赤髪のミランダに声をかけられる。
「ソラにはナイショなの。プレゼントの買い物したの」
「いいわね。面白そうじゃない。何を買ったの?」
「嬢ちゃんはネックレスをガンツのおっさんに依頼したんだ。明日の朝、宿に届けるようにしている」
「へぇー、ガンツさんにね。気になるけど、また今度見せてもらうわ。で、うちには何を買いにきたの?」
「えっとね。テトモコシロの服あるでしょ?それのソラのやつ欲しいの。ある?」
「今、商品化中のやつね。形はできていて、量産中よ。ティナちゃんとソラちゃんのやつならもうできているわよ」
「やったぁー。あのね、ソラにないしょで、プレゼントなの」
「じゃー、ネックレスと一緒に明日届けるわ。この前の宿よね?」
「うんっ」
「そういえば、防具のローブもできているみたいだから、明日一緒に届けるようにするわ」
「ティナのやつ?」
「そうよ。職人がやる気になっちゃって早くできたらしいわ」
「ありがとっ。うれしいー」
「職人に伝えておくわね」
嬢ちゃんはホクホク顔だ。
従魔も喜んでいるようだ。それにしてもテトモコシロの服ってなんだ?
ソラが着るものみたいだし。従魔の服ではなさそうだが。
まあ、商品化するみたいだし、いつかわかるか。
疑問に思いつつも、嬢ちゃんをつれ宿に戻る。
「嬢ちゃん、そんな嬉しそうな顔してたら、ソラにばれるぞ」
オレの言葉を聞き、顔をひきしめるが、口元がにやけている。
隠せそうではないな。
まあ、従魔がうまくやってくれるだろう。
これでオレのお守も終了だ。
休みを満喫しよう。
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